何とか今週中に更新できたぁ!!
さてはて、破面編の始まり始まり~だぞ…と!!
チャドが再び嫉妬される……だと!?
夏休みも終わり、再び学校生活が始まって間もなくのことだ……空座町に強大な力を持つ敵が襲来した。
そして、その襲来した敵に誰よりも早く立ち向かう男が1人──茶渡泰虎である。
「ほう…」
角が生えた仮面の名残を左頭部に被り、喉元に孔が開いた痩身で真っ白な肌をした黒髪の男──雄の"
正確には、表情はまったく微動だにしていないが、仲間が追い込まれている現状に驚きはしているようだ。
「ヤミーの腕を手刀で斬り落とすとは…成る程、藍染様が警戒されるだけのことはある。
(このガキが黒崎一護よりも
死後の世界"
朽木ルキアを救出し、無事に現世に戻ってきた茶渡泰虎は残りの夏休みを有意義に……平穏な日常を送っていた。
しかし、その日常は突然終わりを告げてしまった。もちろん、チャドはこのような事態になることを
その為の準備も抜かりなく、四楓院夜一直々に鍛えてもらい、チャドは数週間でまた一段と強く逞しくなっている。
「こ…んのッ…クソガキがァァァ!
『
そのチャドは今、自身よりも大きい色黒の破面と戦っている。
そもそも、破面とは何なのか……簡単に説明すると、
そして、護挺十三隊に対抗する為の藍染惣右介の兵力でもある。
当然、藍染の兵力ならば弱いはずがない。
腕を斬り落とされた破面──ヤミー・リヤルゴは、腕を斬り落とされた借りを返そうと至近距離からチャド目掛けて虚閃を放つ。これだけ至近距離から、虚の上位種である破面の虚閃を受けてしまったら、チャドも無事では済まないだろう。おまけに、ヤミー・リヤルゴは崩玉の影響を受けているはずだ。
藍染が
だが、ここまで早く行動を開始することだけは想定外だっただろう。
しかも、今までは不完全だった破面が崩玉の力によって一気に進化しており、その身から放たれる霊圧は護挺十三隊の隊長格と比べてもまったく引けをとらないほどのものだ。崩玉の与える影響が如何に大きいのかを物語っている。
「何…だと…!?」
ただ、ヤミー・リヤルゴが放った虚閃は、チャドに傷一つ与えることなく、チャドの"
「大した虚閃だ。
それから……
確かに、崩玉の与える影響はとてつもなく大きい。
しかし、崩玉の影響を受けたのは破面達だけではない。寧ろ、誰よりも崩玉の影響を受け、これから先も未来永劫ずっと受け続ける者──それが、茶渡泰虎だ。
ヤミー・リヤルゴの虚閃を吸収したチャドはその力を
「ごふッ!!」
その威力はチャドよりも巨大なヤミー・リヤルゴに血を吐き出させ、膝を突かせるほどのものだ。
そして、チャドは間髪入れずにヤミー・リヤルゴを蹴り飛ばす。
「ぐはッ!!」
"
それから、チャドは悠然とした態度でもう1体の破面へと視線を向けて口を開く。
「お前は見てるだけか?」
ただ、チャドがそう口にした瞬間、その破面はチャドの眼前へと迫っており、腰に差していた斬魄刀らしき刀を抜いて斬りかかってきた。
衝突する盾と刀。その瞬間、とてつもない衝撃波が辺り一帯に駆け巡る。
「
「解放…つまり、その刀はただの刀ではなく斬魄刀ということか…。
お前達は死神の力を持った虚なのか?」
「なかなか賢いガキだ」
ヤミー・リヤルゴよりも遥かに小柄で、限りなく人間に近い体格のもう1体の破面は、無表情ながらも強者の雰囲気が溢れ出ている。ヤミー・リヤルゴと比べても、圧倒的な霊圧だ。
しかも、死神の斬魄刀戦術と同じように、破面の斬魄刀にも解放があるのだそうだ。それが死神のそれとまったく同じなのか……それは定かではないが…。
「ならば、解放される前に倒すとしよう」
もちろん、チャドは知らないフリをしつつ、全てを知っている。それ故に、解放する暇を与えまいと左腕で殴りかかる。
「大した一撃だ」
その一撃を斬魄刀で防ぎつつ、破面は威力の高さに感心していた。
今のチャドは、常時"
「どうやら、さっきのデカブツよりも強いみたいだな」
「さてな。
それよりも名乗っていなかったな。オレはウルキオラ…ウルキオラ・シファーだ」
だが、この状況はその影響であり、その弊害なのだろう。一難去ってまた一難……いや、茶渡泰虎の
▪️▪️▪️▪️
おかしい。
何かがおかしい。
変だ。
俺は
もちろん、今はもう絶望などしていない。霊圧が消える男からも脱却しつつある。それに、茶渡泰虎に転生して良かったとすら思っている。
だが、おかしいものはおかしい。
「この速さにも対応するか…」
俺は何故……どうして俺がウルキオラ・シファーと戦っているのだろう。
「貴様はオレ達にとって脅威だ。
故に、今ここで貴様を排除するとしよう」
ウルキオラ・シファーは
なのにどうして、俺はウルキオラと戦っているのだろう。
そもそも何故、誰も駆けつけてくれないのか…。いや、今ここに夜一さん、浦原さん、それに一護が向かってきているのは感知できている。もう少しでここに到着するはずだ。
ウルキオラ達が俺の知識通りに現世に襲来し、過程は多少違いがあるものの、もっとも近くにいた俺が最初に遭遇し、その結果闘うことになるのは致し方ない。しかしそれでも、どうしてこのような事態になっているのか不思議で仕方ない。
ただ、茶渡泰虎にとっての鬼門の1体、ヤミー・リヤルゴをどうにか返り討ちにしたから仕方がないのかもしれないが…。だからといって、新たな障壁がさっそく立ち塞がることはないだろう。しかも、その障壁は
それがまさか、夏休みが終わって2日目にして、このような事態に陥ろうとは…。しかも、ウルキオラは
「藍染様から許可は下りていたが、本当に…護挺十三隊の隊長達以外に斬魄刀を解放することになろうとは思ってもいなかった。大したガキだ」
新学期が始まる前から、俺は今日この日をどのように乗り越えるか思案していた。
俺が知っている通り、
一護は
「チャドくん!?」
「
お前を護りながら闘うのはさすがに無理そうだ。それに、夜一さん達がここに向かってるから、到着するまでの時間稼ぎくらいはできるから心配するな」
井上織姫もこの場所にいる。これに関しては記憶通りで、変わることはなく、一緒に行動していた理由も同じだ。正直なところ、放置していても問題ないのだが、一護の身の回りで起きる変化に井上織姫は敏感なのだから仕方ないだろう。一護に接触してきた新たな介入者の存在が、井上を突き動かしている。
その介入者に接触を試みた井上と、その場に同行した俺……その後、何だかんだあってからウルキオラ・シファーとヤミー・リヤルゴが現世に襲来し、今に至るというわけだ。
だいぶ省いてしまったが、夏休みは何事もなく終わって新学期が始まり、新学期が始まったらさっそく問題発生というわけである。その問題が記憶とはまったく違ったもので、俺は辟易しているところだ。もっとも、その原因は俺自身のせいだが…。己自ら腕をもがれるのを望むはずがない。だからヤミー・リヤルゴ相手に頑張ったのである。
その結果がこれだ。解放前の状態ですら最強感漂うウルキオラが襲いかかってきて、俺は自分の行動に後悔している。ただ、腕をもがれるのが嫌だったのは本当だ。
俺はいったいどうすれば正しかったのだろう…。
『チャド様!
今こそ夜一さんとの修行の成果を見せる時ですよ!!』
そんな悩む俺とは違い、崩子ちゃんはやる気に満ち溢れている。
「ほォ、翼まで…オレと大差ない姿になったな」
ならば、俺は崩子ちゃんの期待に応える他あるまい。
ウルキオラが人差し指を俺に翳し、"
ウルキオラは本気で、俺を
しかしそれにしても、翼を生やした今の状態は確かに似ているかもしれない。俺の"
茶渡泰虎の能力は虚に似ているのを改めて痛感した。
虚閃もやろうと思えば可能だろう。
俺のは、着弾すると大爆発を起こす球状の霊力の光弾。
「!
(黒虚閃と張り合うか…)」
光と闇の衝突は凄まじく──とりあえず誰でもいいから早く救援を求める。
◆
私は護られてばかり。
今もチャドくんに護られて、私は邪魔にならないように離れているだけ。見ていることすらできない。
朽木さんを助ける為に行った
中学校の頃から、茶渡くんと黒崎くんの間には、私が入り込めない信頼関係が築き上げられてて、私はそれがずっと羨ましくて……今は嫉妬すら覚えてしまう。本当に嫌な子だと思ってしまう。けど、茶渡くんの強さが羨ましくて仕方ない。
「い、井上ッ…と…たつき!?」
「く、黒崎…くん」
「大丈夫か!?」
私が大好きな黒崎くんが唯一、背中を任せられる茶渡くんが羨ましい。
「オレはこれからチャドのもとに向かう。井上は何があっても絶対に…危ねェから近づかないでくれ。
井上はたつきを頼む!!」
私では到底……天地が引っくり返ったとしても勝てるはずのない敵。
でも、チャドくんはその敵と闘ってて、黒崎くんはチャドくんの助けに向かう。チャドくんと黒崎くんは、お互いの背中を護り合って闘うんだ。
私は、それがとにかく羨ましい。
チャドくん──私は、あなたを憎んでいると勘違いしてしまいそうなくらい、あなたに嫉妬してる。
強大な霊圧同士の衝突。その衝突で起きた大爆発。それはまるで、今の私の荒ぶる心境を表しているみたいに思えた。
"
チャドにとっての乗り越えるべき障壁その2。
ヤミー・リヤルゴによる腕もがれ事件。
ただ、ここのチャドはそれを難なく乗り越える。ヤミーは力を溜めていない状態な為に、現在は
着弾すると大爆発を起こす光弾。片手を標的に向けて掲げて放つ。その際、チャドは
チャドに嫉妬…誰が?
井上が嫉妬してます。そりゃあメチャクチャ嫉妬してます。ルキアに嫉妬する以上に嫉妬してます。