ウルキオラ>>>ハリベルだよね。けど、一番強いのはバラガン?
ウルキオラ、バラガン、スタークにそこまで差はないような気がする。
その闘いはまるで、悪魔同士が闘っているかのようだ。
「ぐあッ!?
(こ、これがッ、レベルアップした"虚化"一護ですら手も足も出なかった黒翼大魔……ッパネェ!!)」
「ぐッ!!
(この男…本当に人間か?)」
激しい空中戦の末に、茶渡泰虎とウルキオラ・シファーは互いに地面に激突する。
拮抗した勝負……一見、無傷のウルキオラが圧しているように見える。
パワーはチャド。スピードはウルキオラ。防御力はチャド。霊圧は同等。総合力ではチャドが僅かばかり上に思えるかもしれない激闘ではあるが、どんな傷も……手足を斬り落とされようとも瞬時に再生するウルキオラの再生能力の高さが脅威となり、実際は人間であるチャドが追い込まれている状況だ。
チャドの手刀で斬り落とされてしまった腕も、チャドの槍で貫かれた傷も"超速再生"能力によって完治し、ウルキオラは無傷の状態だ。
対してチャドは、四肢の欠損など致命的な傷こそ負ってはいないが、体の至る箇所に傷を負っており、かなり血を流してしまっている。
「はあ、はあ、はあ…ぐッ…!
(やっぱウルキオラが
チャド自身も、ウルキオラの強さをその身で嫌というほどに味わっており、内心で悪態を吐いている。
だが、実際は違う。
「……。
(奴の拳が
チャドの拳は確実にウルキオラを追い込んでおり、どうやら互角の闘いを繰り広げているようだ。
ただ、破面の皮膚──"
もっとも、ウルキオラ・シファーが相手となると話は別だ。まず、副隊長達では腕を斬り落とすどころか、掠り傷一つ負わすこともできないはずだ。
それほどまでにウルキオラは強い。
しかしそれはつまり、チャドがそれだけ強くなっているということでもある。
そもそも、チャドは手刀で破面の腕を斬り落とせるほどまでに成長しているのだ。これも、夜一との修業の成果であり、強くなることに意外と貪欲なチャドの願望と努力に
チャドの霊圧は、どうやら本人が思っている以上に高次元に至りつつある。
数多の死線を潜り抜けることで強くなる……これは、死神、破面、人間と、どんな種族にも限らず共通していることだ。寧ろ、人間と死神に関しては、成長するにつれて雑念などが混じることで薄れてしまう野生──生に対する本能を取り戻したとも言うべきだろうか…。
「俺は…負けない」
今のチャドは、
「…ッ!
(ここに来てまた霊圧が増している…だと?
仕方ない。万一の場合、現世で使うのを一回だけ許されている。まさか本当に使うことになるとは思っていなかったが…。大したガキだ…茶渡泰虎)」
そんなチャドの鬼気迫る様子に危機感を覚えたウルキオラは、禁忌の技をチャドに放つ。
「冥土の土産に有り難く受け取るといい。
『
自身の血を霊圧に混ぜることで放つことのできる最強の
「うおォォォォォ!!
(ウルキオラが強いのは最初から知ってた!
けど、俺は負けん!俺の霊圧は絶対に…消えない!!)」
「!
(何…だと?
腕だけではなく、
チャドはウルキオラが放った最強の虚閃を前に一歩も引くことなく、真っ向から立ち向かう。そんなチャドに呼応するかのように、新たに進化する能力。両腕から胴体に向けて、胴体を護るように鎧が覆う。
右半分と左半分は、それぞれ腕と同様に模様が違っている。だが、その鎧はチャドの霊圧がまた一つ……更なる高みへと登った証明だ。
"
「俺の霊圧は…消えない!!」
チャドが人間を越えた存在へ──本物の
魔王が王虚を斬り裂いた。
それは如何なるものも斬り裂く──自ら運命を切り開き、如何なる困難も乗り越えてきたチャドの強さを体現していた。
「何…だと…」
ウルキオラも、解放状態で放った最強の虚閃を斬り裂かれるとは思ってもいなかったらしく、表情こそ微動だにしてないが、実際はかなり驚いているようだ。
「くッ…。
(やべェ…限界っぽい)」
ただ、さすがのチャドも限界を迎えてしまう。血を流しすぎたのだ。傷の治りが常人よりも遥かに早いとはいえ、ウルキオラのように瞬時に再生できるわけではない。いくらチャドの力が虚、破面に似ていようとも、チャドが人間であることは否定しようのない、疑いようのない事実だ。常人よりも遥かにタフで、崩玉の欠片と魂魄が融合したことで超人になりつつあるが、それでも
「チャド!!」
「夜…一…さん。
(ホント…いいタイミングで来てくれるよな。
王子様みたいだ…)」
薄れゆく意識のなか、チャドの瞳が捉えたのは愛しい女の姿で……チャドはそのまま、安心して意識を手放した。
▪️▪️▪️▪️
目が覚めると、見慣れない天井だった。
そして隣には、俺のよく知っている褐色巨乳美女が眠っている。俺の右腕にしがみつくように眠っている彼女からは、いつもの気紛れな様子がまったく感じられず、美しさよりも可愛さが際立っているように思えてしまう。
『ようやく目が覚めましたか。
チャド様はウルキオラ・シファーとの闘いから
それと左腕には、崩子ちゃんだ。
『チャド様、ウルキオラ・シファーとの闘いではさすがでした。血を流しすぎて気絶してしまわれましたが、夜一さんとの修行での成果はしっかりと出ていましたよ』
そうだった。
俺は、"
『そして…あなたの力は、ウルキオラ・シファーとの闘いによって進化した』
下手したら終っていたかもしれない。それでも、ウルキオラとの闘いが俺に与えた影響はとても大きかったようだ。
しかし、それよりも気になるのは俺が気を失って以降がどうなったのかだ。
辛うじて、夜一さんが駆けつけてくれたところまでの記憶は残っている。それが最後の記憶で、それ以降の記憶はまったく残っておらず、夜一さんが到着したということは、恐らく浦原喜助も到着したのだろうという予測しかできない。
一護もその後に到着したのか…。一護とウルキオラが闘ったのかどうか……実に気になるところだ。
本来なら、茶渡泰虎はヤミー・リヤルゴに右腕をもがれてしまい、そこに黒崎一護がやって来て闘い、
正史とはまったく違った展開で、もうこれから先がいったいどうなってしまうのか予想できない状態になってしまっている。もっとも、それは偏に俺が原因だ。
「ん…んん…」
『夜一さん、物凄く心配されてましたよ。
なので、まずは夜一さんのご機嫌とりですね』
ただ、俺がまずやるべきことは寝起き甘えっ娘な夜一さんをとことん甘やかすことである。
「チャ…ド…?
ん、チャドの匂い…大好きじゃ…ふふ」
ああ、もしかしたら俺は、ウルキオラとの死闘で、実は死んでしまっていたのかもしれない。寝起き甘えっ娘は天使へと進化していた。
◆
何度目の青天の霹靂だろう。
夜一さんの寝起きの可愛さを堪能した俺を待ち受けていたのは、衝撃的な事実……残りの夏休みで進化していたのは俺だけではなく、一護もだった。
「到着した一護が"
残りの夏休み、一護とは連絡を取り合っていなかったのだが、その間にいったい何が起きたのだろう。一護が虚化を体得するのはまだもう少し先のことで、
しかも、"
ただ、今後の展開がまったく予想できない。強くなった弊害は、もしかしたらあまりにも大きいかもしれない。
「ウルキオラという破面の口振りでは、
つまり、ウルキオラには更に上の状態があるということ。奴の第一段階の解放状態は霊圧から見ても卍解に匹敵…いや、それ以上かもしれん」
どうやら、ウルキオラは"
そして何より、ウルキオラは第二階層の更にその上にまで辿り着いてしまった可能性も高い。
もしこれが事実ならば、相当に危機的な状況なのかもしれない。
もし、今現時点で藍染惣右介の下に
『
それくらいは平然とやっちゃうでしょう』
崩子ちゃんがこう言っているのだ……きっと間違いない。破面の上位勢はきっと第二階層を体得していると考えるべきだろう。俺が生きるこの世界は、
果たして俺は、正史よりも遥かに難易度が上がっているかもしれない
「チャド、おぬしが無事で心底安心したぞ。
じゃが、儂をここまで不安にさせるとは…おぬしは本当に罪な男じゃのう。
そんな罪な男は今日1日、儂と布団の中でゴロゴロすること…よいな?」
きっと乗り越えられるだろう。俺には女神がついている。
夏休み残りの期間、夜一とみっちり体術修行していたおかげで、ウルキオラのスピードにも対応できたチャド。
勝てないまでも、霊圧が消えることはなく…。今のチャドの限界ギリギリの闘いを経験したことで(崩子ちゃんと藍染の無茶振り)、更なる高みへ!!
チャドの新能力"
"
ウルキオラの
他の破面達も
ブレソルで、帰刀のその先の形態が描かれてますよねぇ。ウルキオラに至っては第三階層が……まさか……。
チャドの知らない内に一護が虚化体得。
残りの夏休み期間中に体得していた模様。実は、内なる虚ことホワイトが、チャドなんかに負けんじゃねェ!って協力的になっていてことなどチャドは知るはずもない。