チャドが一番活躍したシーンといえば……ガンデバイン戦の覚醒篇?
死後の世界"
その尸魂界に足を踏み入れた現世で生きる4人の高校生達。
黒崎一護、石田雨竜、井上織姫、そして……茶渡泰虎。
彼ら4人の目的は、僅か数ヶ月という短期間ではあったが、共に過ごした朽木ルキアという名の死神を助けることだ。
「む、目を覚ましたか一護」
「…!
チャ、チャド、それに……って、誰だよアンタ?」
だが、簡単に果たせる目的ではなく、まだ誰も朽木ルキアのもとに辿り付けてはいない。
相手は尸魂界を守護する"護挺十三隊"……黒崎一護達は圧倒的に数で劣っている。多勢に無勢だ。尸魂界の都市"瀞霊廷"に侵入する直前に、志波岩鷲という協力者を得たが、それでも5人……5人と
もっとも、尸魂界についてやたらと詳しく、道案内を務めてくれている夜一という名の喋る黒猫が、本当は
護挺十三隊をたった5人で相手にするなどあまりにも無謀な行動。とくに上位の死神達……そのなかでも隊長、副隊長の実力は異次元で、自殺行為に等しい。
現に、黒崎一護は副隊長相手に勝利するも重傷を負い、回復後に隊長とも戦い相討ちとなり死にかけてしまった。それでも、隊長相手に相討ちは大殊勲だろう。
それだけ、護挺十三隊の隊長は強いということだ。
「一護は更木剣八相手に相討ちで、チャドは京楽相手に逃げ切る……隊長相手に生き延びるとは、おぬしら本当にまったく大した奴らじゃ」
それと、隊長と戦ったのは黒崎一護だけではなく、茶渡泰虎もだったのだが、チャドは実力差を瞬時に見極め逃亡。一見、情けない行動に見えなくもないが、チャドの行動はまさしく逃げるが勝ち。チャドは朽木ルキアを助け出すという目的を最優先しただけだ。
だからこそ、この状況下で、しかもまだ年若いチャドが目的を優先して、逃げることを選択できたことに夜一は感心している。若者は逃げるは恥と思う者が多いが、時には逃げることも大切なのだ。
「あ、そういえばチャド、お前の霊圧が急に消えたから心配したんだぞ!?」
「すまない。だが、相手は隊長だったから仕方ない。
朽木を助け出す為に最善の方法をとっただけだ。逃げた後に霊圧を消して隠れていた」
逃走後、霊圧を消したチャドは夜一と合流し、死にかけていた黒崎一護を救出したのである。
そして、今に至るというわけだ。
「チャ、チャドが逃げた…だと!?」
「チャドが戦った隊長は八番隊隊長・京楽春水。飄々とした男じゃが、古参の隊長で思慮深く、13人の隊長達の中でも間違いなく上位の実力者──逃げ切れただけでも大殊勲じゃ」
「カッコいい男だった。あんなダンディーな男になりたい」
そんなこんなで現在は、ようやく目を覚ました一護を見下ろすように上半身裸のマッチョなチャドが立ち、その隣には褐色肌のナイスバディなグラマラスな女が
「ふッ、チャド…おぬしはなかなか見所がある男じゃ。おぬしなら京楽を超えられると儂は思っておるぞ」
「夜一さんにそう言われると、本当に超えられる気がする。頑張るとしよう」
上半身裸のマッチョなチャドと、ナイスバディな全裸の夜一が語らい合うその光景は、端から見たら情事後の男女に見えなくもない。
ただ、夜一が
「な、なァ、その人が夜一さんってどういうことだ?つーかその前に1ついいか──
健全な男子高生にはあまりにも過激な光景で、黒崎一護がツッコミを入れるのは当然だろう。
対して、チャドは夜一の全裸を堪能していたのか至極ご満悦のようだ。欲望に正直で健全だ。
「チャドと違って
チャドは動揺することもなく、儂の美しい裸体を隅から隅まで絶賛しておったぞ」
「夜一さんのような美しい裸体はそうそうお目にかかれないからな。最高だ」
「ふふふ、素直で可愛いのぅ。
仕方ないからこのまま全裸でいてやろうではないか」
黒崎一護は思い出した。
茶渡泰虎はそういえば意外とモテることを……とくに年上に。近寄り難いが、接してみたらフレンドリーで、そしてレディファーストを心得ている。
腕っぷしも強く、高校での成績もトップクラス。女の先輩方からのウケもかなりイイ。
そして、黒崎一護はもしかしたらと気付く──チャドは、男として
「!」
黒崎一護の心の中を読んだのか、チャドは余裕のある笑みを浮かべていた。
「何…だと…」
▪️▪️▪️▪️
現在、俺は腕に花を抱えているというか、夜一さんをお姫様抱っこした状態で"
「しかし、おぬしいつの間に翼なんて生やして翔べるようになっていたのじゃ?」
京楽春水から逃亡後、俺は身を隠して影で動く為に霊圧を消して、どうにか夜一さんと合流した。どうやら、その行動で一護には『チャドの霊圧が…消えた…!?』と思わせてしまっていたらしく、もしかしたら石田と井上にもそう思わせてしまったかもしれない。
夜一さんも俺が京楽春水に負けてしまったと勘違いしてしまっていたらしく、俺が姿を見せた時は珍しく驚いた様子を見せていた。こればかりは俺だけの霊圧に集中して感知していたわけではない為に仕方ないだろう。寧ろ、一番気にするべきは一護だ。
とまあ、そんな具合で夜一さんと無事に合流することができた俺は、護挺十三隊十一番隊隊長・更木剣八と相討ち死にかけていた一護のもとに駆けつけ、一護を回収して夜一さんに連れられて秘密基地へと向かった。
その後、秘密基地にて一護に治療を施したのだが、夜一さんが元の姿に戻って全裸で治療していて最高だった。遠慮なく隅から隅まで堪能させてもらったが、これほどの美しい裸体は見たことがない。出るとこ出て、引き締まるとこは引き締まって、美しい裸体だった。
京楽春水から逃げ延びたご褒美なのか、おっぱいを揉みたさそうにしていた俺の心の内を読んだのか、誉めちぎったことで気分を良くしてくれたのか、ちょっと揉ませてくれた夜一さんは寛大だ。惚れてしまいそうになり、茶渡泰虎に転生したことをこれほど感謝したのは初めてである。
そんなこんなで、一護が目覚めるまで贅沢すぎる極楽を味わった俺だが、事態が急転してしまったことで、"懺罪宮"という朽木ルキアが収監されている場所に飛んで向かっているところだ。
一護は夜一さんの貴重な道具を勝手に借りて先に行ってしまった。まったくせっかちな…。
とはいえ、懺罪宮に到着しても俺にできることは何一つないはずだ。確か、夜一さんが一護の内臓に手刀で直接麻酔系の何かを叩き込むという荒療治を行い、再び逃亡のはず。
それを考えると、寧ろ俺は一緒に行かない方が……夜一さんの"瞬歩"にはさすがについてはいけない。だが、レディに男を担がせるわけにもいかない。
「チャド…懺罪宮に到着したら、岩鷲には申し訳ないが一護だけを連れて先に逃げろ。
懺罪宮には今、
先に俺は、一護を連れて逃げていいとのことだ。
夜一さんの逞しさにますます惚れてしまう。いつか、俺が彼女を守り抜けるまでに強くなれたらなと思ってしまった。
「おぬしも決して、
まァ、朽木白哉は一護が成長する為にも倒さねばならん相手じゃから、一護に任せろ」
ここから先、事態がどう動くのか…。
どうやら、夜一さんの物言いからして俺の霊圧は自分が思っている以上に進化してくれているようだ。しかし、霊圧の消えなかった茶渡泰虎はどのように物語に介入していくのか未知の領域──気になるところである。
ただ、俺はここで1つ非常に重要なことを思い出した。
朽木ルキアの内に
茶渡泰虎の霊圧が今後も消えない為に、俺はこの機会を絶対に無駄にしないことを心に誓う。
そういえば、夜一さんが原作で初めて元の姿を見せた時、久しく服など着てなかったと言ってたけど、元の姿に戻って一護を担いで移動する際も全裸で尸魂界を移動してたの?
全裸でいることに何の恥じらいも持たない夜一さん。チャドに転生した彼は、それをイイことに極楽を味わった。