俺の霊圧は消えない   作:ディアブロー

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夜一さんのご褒美増し増しとはいったい!?

思ったけど、崩玉って封印状態でも織姫に事象の拒絶ってとんでもない力与えてるし、改めて考えるととんでもないよね。それを作った浦原もやっぱりとんでもねぇけども。ヨン様が認めるだけあるわ。



チャドが主人公っぽい……だと!?

 

 

 結果から言おう──俺が朽木白哉の卍解を体験することはなかった。

 

 夜一さんは姿を現した後、一護の内臓に直接薬を叩き込むという荒療治を行い、気絶した一護を俺が運んでその場から立ち去った。一護の血で服が血だらけになってしまったが、夜一さんに運ばせるわけにもいかず、何よりも親友を放っておくはずもなく、俺達3人は秘密基地へと帰還。

 

 朽木ルキアを助け出すのは俺が知っている通り、処刑日当日に先送りされた。

 

 もちろん、意識を取り戻した一護は朽木ルキアを放置してしまったことに憤慨していたが、夜一さんに呆気なく投げ飛ばされていた。しかもその時、『チャドですら勝てない相手に勝てるはずがない』と夜一さんは言っていた。つまり、朽木白哉が言っていた言葉はどうやら事実のようだ─俺の霊圧が隊長格並というのは…。

 

 それとついでのことに言うが……()()、ここまでお疲れ様。あとは俺と一護に任せて、ゆっくりと怪我を治してくれ。

 

 それはそうと、どうやら本当に崩玉への願いが叶ったということだ。ただ、朽木白哉に排除すべき標的認定されてしまっているかもしれないのは憂鬱である。

 

 俺も修行しなくてはいけない。しかし、どのように修行するべきか…。そろそろ、対人修業をしたかったのだが夜一さんは一護に付きっきりだ。ちょっと妬ける。

 

 俺の記憶通りに一護は完全回復せぬまま先に修行を開始したが、俺はその間しばらく休んでおけとのことで、一護の修行風景を夜一さんの隣でただ眺めていた。

 

 期限はあと()()。まだ、朽木ルキアの処刑日がさらに早まったという情報は伝わっていないが、恐らくその点に関しては変化はないだろう。記憶通りに、処刑日は早められる。何だかんだでこの世界は、黒崎一護(主人公)を中心に回っているのだ。

 

「さて、1日目終了じゃ」

 

 そんなこんなで、一護の修業1日目が終了し…。

 

「待たせたの、チャド…()()()()()()じゃ」

 

 俺はこれまでの戦いでの疲れを癒すべく、夜一さんと温泉に入ることになった。俺達が身を隠している秘密基地には、傷を癒してくれる温泉が備え付けられているのだが、俺は夜一さんとその温泉を堪能中だ。一護は気を使ったのか……いや、羞恥心というべきか…。夜一さんと一緒に温泉に入るなど一護には無理で、卍解を会得すること以上に難易度が高いのだろう。そそくさと温泉に入って傷を癒して上がり、あっという間に眠ってしまった。

 

 つまり、ここからはご褒美タイムという大人の時間だ。

 

「おぬしには()()()()()()()()を用意しておる。だからそう拗ねるでない。それよりもどうじゃ?()()()()()()()など儂も初めてじゃからのう」

 

 とはいえ、会話の内容にはそこまで色気などないが、夜一さんの裸体はやはり色気に満ち溢れている。それはそうと、夜一さんは俺の修業相手を用意してくれているようだ。さすがだ。夜一さんのことだから、イイ人選だろう。

 

 それよりも、今は心を無心にして、余計なことなど一切考えず、この瞬間を堪能しよう。その身に──魂に焼きつけなければならない。

 

 夜一さんが俺の背中を流してくれているのだ。黒猫の姿ではなく、褐色肌のグラマラスな裸体姿でだ。

 

 ご褒美増し増し……その言葉通りだった。頑張って良かった。夜一さんの豊満な"ぱいおつ"が背中に時々当たるのがまた至極の領域だ。尸魂界(ソウル・ソサエティ)はまさに天国。

 

「チャド、もう少し…あと少しじゃ。

 この苦難を乗り越え、目的を果たし(朽木ルキアの救出)て現世に戻った暁には、おぬしの()()()()()()()()()()()()()。最高のご褒美が待っておるぞ」

 

 いや、天国は夜一さんなのか…。

 

「だから頑張ってくれ。期待しておるぞ、チャド」

 

 一護よ……俺はお前の出番を食う勢いで頑張るぞ。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 俺は、茶渡泰虎に転生したことに感謝していた。

 

 だが、人生最高の瞬間が一瞬で終わってしまうのはどうやらお決まりらしい。

 

()()()()ーーーーー!

 お久しぶりです!()()()で……す……え?」

 

「何…だと…」

 

 思ってもいなかった人物の登場に、俺はお決まりのセリフを口にしてしまった。それと、その人物は俺と夜一さんが混浴中なことに驚きすぎて呆然を通り越して脱け殻になっている。

 

「来たか。久しぶりじゃの、夕四郎。

 チャド、こやつは儂の弟の夕四郎じゃ。それから夕四郎…」

 

 だが、俺の人生最高の瞬間は再び動き始めてくれた。

 

「この逞しい男が儂の()()()()()()()()()()()のチャドじゃ!」

 

 何故なら、夜一さんが弟に紹介すると同時に、俺のことをぱいおつに抱きよせて紹介してくれたからである。いつの間にか弟子になってたのは驚きだが、一生ついていきます。

 

「儂は一護に付きっきりな為にチャドに修行をつけてやれん。じゃから、おぬしに頼みたい。それに、チャドの相手をすることはおぬしの為にもなるじゃろう」

 

 こうして、俺の修業の相手は夜一さんの弟──四楓院夕四郎が担当することになった。

 

 

 

 

 

 ▪️▪️▪️▪️

 

 

 

 

 

 双殛の丘の地下深くにて、高校生の2人──茶渡泰虎と黒崎一護がそれぞれ過酷な修行に打ち込んでいる。

 

 黒崎一護は朽木白哉に打ち勝ち、朽木ルキアを助け出す為に、斬魄刀戦術の奥義"卍解"を会得するべく夜一の協力のもと、斬魄刀"斬月"の本体と思わしき存在と戦っている。

 

 恐るべき速さで吸収し、成長する黒崎一護。彼は本当に、僅か3日で卍解を会得するかもしれない。

 

()()()()がお認めになられただけあり、本当に強いですね…チャドさん。

 けど、ボクはそう簡単には負けませんよ」

 

 対して、茶渡泰虎は夜一そっくりな人物と戦っている。お淑やかな貧乳の夜一というべきだろうか…。いや、戦う姿は夜一に通ずるものがあり、スピードはとてつもなく速く、白打(体術)の腕前もかなりのものだ。

 

 とくに、死神の高等歩法"瞬歩"に関しては相当なものだ。チャドもチャド流の歩法でどうにか対抗しているが…。

 

 

悪魔の歩み(パッソス・デル・ディアブロ)

 

 

 夜一がチャドの為に用意した修行相手は、貧乳でお淑やかな夜一と言ったが、本当のところは彼女そっくりな弟──夜一に代わり、四楓院家の当主を務める四楓院夕四郎だ。

 

 さすがは"瞬神"と謳われた白打(体術)最強の夜一の弟なだけあり、チャドにとっても最適な修行相手である。

 

「だろうな。

(まさか夜一さんの弟がここで出てくるとは予想外だった。これも、俺の霊圧が消えていない影響なのか?)」

 

 チャドは今、四楓院夕四郎と激しい体術合戦を繰り広げている。実力は恐らく互角……いや、経験値を含めたら、まだ十数年しか生きていないチャドが劣っているはずだが、それでも才能とセンスでどうにか張り合い、勝負は拮抗したものだ。

 

「ボクは弱い男の()()になるつもりはありませんよ」

 

 ただ、四楓院夕四郎は何やら勘違いをしているのか、おかしなことを口にしている。チャドにとっては願ったり叶ったりなことで、勘違いされたままでもいいかもしれないが…。

 

「お会いしたのは本当に久しぶりでしたが、ねえさまを見てすぐにわかりました。

 ねえさまはチャドさんのことを男として気に入られてます」

 

「何…だと…?

(夜一さんが?100歳単位で年下の俺を?

 もしそれが本当なら…うむ、嬉しいな。そもそも俺はどんな女がタイプだっけ?)」

 

 修行中にまったく別のことを考え始めてしまったチャドだが、体はしっかりと四楓院夕四郎の動きに対応している。ちなみに、どうでもいいかもしれないがチャドのタイプの女は気紛れな褐色肌巨乳と、気弱な隠れ巨乳だそうだ。典型的な金髪巨乳は今一つ興味が湧かないらしい。つまり夜一はチャドのドストライクということだ。

 

 そもそも、四楓院夕四郎がこの場所に到着した瞬間を考えると、勘違いしてしまうのも仕方ないかもしれない。

 

 重度のシスコンである彼がこの場所に到着し、"愛しのねえさま"である夜一と久しぶりの再会を果たした時、その夜一はチャドと2人で温泉に入っていたのである。衝撃のあまり、しばらく脱け殻になっていたが、きっと殺意が湧いたはずだ。

 

 それに、男と女が共に温泉に入る=親密な関係……四楓院夕四郎がそのように勘違いしてしまうのも仕方ないだろう。夜一が久しく服を着ることなく猫の姿で長らく生活していたことで、服を着ることに無頓着になっていたことをまったく知らないのも要因の一つだろうが…。それと、夜一は誰とでも温泉に一緒に入るわけではない。

 

 夕四郎の言ったように夜一がチャドを気に入っているというのは強ち間違いではないのだ。元護挺十三隊二番隊隊長兼隠密機動総司令官にして、最強の白打(体術)使いである夜一の目から見てもチャドは面白い逸材であり、体つきなども彼女のタイプだったりする。やはり、体術使いということもあり、体つきがしっかりした男が好きなのだろう。

 

 チャドと夜一の年齢差はかなりあるが、遥かに年下のはずの人間と結婚した死神も存在し、チャドはその者達の()()()()()……今後どうなるかは誰にもわからない。

 

「ボクと戦っているのに考え事とは余裕ですね!!」

 

「そんなことはない」

 

「本気で行きますよ!!」

 

 

破道の八十八・飛竜撃賊震天雷砲

 

 

 (未来)のことは誰にもわからない。しかし、今は恋愛事を考えている余裕などチャドにはまったくない。

 

 夕四郎が、考え事をしているチャドに向けて容赦のない鬼道を放ってくる。死神の鬼道は、数字が大きいほど高度で強力なものだが、夕四郎が放ったそれは限りなく最高位に近いものだ。

 

 大好きな姉を奪おうとするチャドへの怒り。夕四郎はこの修行を機に、チャドを排除しようとしているようだ。

 

「死神の鬼道。まだ二度しか見たことないが、そのどちらよりも強力だ。

(語呂の良さ断トツ1位のオサレな鬼道をここで体験できるとはッ!!)」

 

 対して、チャドは修行に集中し直すも、夕四郎が放った鬼道に感動を覚えている。

 

「!

(避ける素振りを見せない…まさか、右腕の盾で防ぐつもりなのか!?)」

 

 まともに食らったらかなりヤバい威力の鬼道だ。

 

 だが、チャドが二度経験した鬼道は並の死神のものではなく、八番隊隊長・享楽春水と六番隊隊長・朽木白哉が放ったもので、護挺十三隊の鬼道の使い手の中でもトップクラスの者達が放ったものだ。

 

 

巨人の逆襲(コントラアタカル・デ・ヒガンテ)

 

 

「なッ──跳ね返した…だとッ!?」

 

 チャドは右腕の盾"巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンテ)"で夕四郎の鬼道を難なく跳ね返す。

 

 夕四郎は護挺十三隊に所属こそしていないが、尸魂界(ソウル・ソサエティ)における貴族の最高位である正一位の位を持つ"四大貴族"の一角である四楓院家の23代目当主だ。

 

 由緒正しき四大貴族出身ということもあり、その身に宿した霊圧も相当なもの。

 

 その夕四郎の鬼道をチャドは跳ね返した。つまりそれは、それだけチャドの霊圧が増しているということでもある。

 

「俺はまだまだ強くなる」

 

 力強い表情を浮かべながら、チャドがそう口にする。何と頼もしいことだろうか…。

 

 その光景を、少し離れた位置で嬉しそうな笑みを浮かべながら夜一が見守っているのだが、チャドはそれに気付いてはいない。

 

「さあ、続きだ。来い…夕四郎」

 

 決戦の日は間近……チャドは止まらない。

 

 

 






頑張れば頑張るほどに増していくご褒美!強くもなるよね!

夜一さんにそっくりなシスコン天然ドジッ子夕四郎くんの登場。チャドの修行相手です。愛しいねえさまからの久々の手紙。そして呼び出しに嬉々として秘密基地へと向かった夕四郎くん。しかし、そこで見知らぬ男とねえさまが混浴中という衝撃的な光景を見せられ怒りの飛竜撃賊震天雷砲。

味方には礼儀正しいが、敵には容赦ない夕四郎くんです!

瞬神の弟の瞬歩に、チャド流歩法"悪魔の歩み(パッソス・デル・ディアブロ)"で対抗!!

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