俺の霊圧は消えない   作:ディアブロー

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万象一切灰燼と為せ。←マジでどんな人生送ってたら、こんなオサレな解号を思い付くんだ?



チャドが嫉妬される……だと!?

 

 

 護挺十三隊の創設者、山本元柳斎重國。

 

「"流刃若火"を解放した山じいを前にしてるってのに、チャドくんは随分と冷静だねェ」

 

 自ら最強の死神であることを豪語し、全斬魄刀中最高の攻撃力を誇る焱熱系最強にして最古の斬魄刀の使い手。

 

 そんな死神を目の前にして冷静でいれるわけがない。

 

 寧ろ、焦りまくりの動揺しまくりで、一周どころか何周も通り越して感覚が麻痺して冷静に見えるだけだ。

 

 記憶喪失状態に近いかもしれない。とにかく、何が起きて何がどうなってこのような状況になったのか、俺は詳しく語ることができない。ここはどこ?俺は誰?そんな状態だ。

 

 ただ一つだけ確かなのは……殺らなければ殺られる。それほどまでに緊迫した状況だということだ。

 

「ま、待てチャドくん!!」

 

 だから、まずはとにかく殴る。

 

 

魔王の咆哮(ルヒド・デル・サタナス)

 

 

「ぬう!?」

 

 全ての物質には抵抗が存在する。故に、その衝撃は完全には伝わり切らない。そこに必ず無駄な衝撃が出来てしまうのである。

 

 だが、その抵抗を失くし、衝撃を完全に伝えさせる技がある。その衝撃は凄まじく、けたたましい咆哮となり内部へと響き渡るほどだ。

 

「す…凄い。

(元柳斎先生が膝を突くとはッ!

 彼はいったい何者なんだ!?)」

 

 俺はまず、左腕の拳を立てて第一撃を加えた。

 

「やれやれ。けど、ただ殴っただけではないみたいだね。

(僕と戦った時に見せなかった技だ…いや、この数日で会得したのかな?まあどちらにしろ、僕は絶対に食らいたくないねェ)」

 

 そして、その第一撃目の衝撃が物質の抵抗とぶつかり合った瞬間に、拳を折って第二撃を入れた。

 

 そうすることで、その第二撃目の衝撃は抵抗を受ける事なく、完全に伝わり切る。

 

 この技は夜一さんから教わったものではない。俺の記憶を基に、茶渡泰虎ならば再現できるのではないかと試してみたところ、本当にできた。やってみるものである。

 

「何と強烈な一撃じゃ。殴られて膝を突くなど、何百年…いや、千年ぶりかもしれん」

 

 ただ、たった一撃で倒せる相手ではない。総隊長のじいさんは膝を突き、強烈な一撃だったと口にしているが、膝を突いたのが芝居なのではないかと思えるほどにピンピンしている。

 

 そもそも、最初から効くとは思っていなかった。逃げ切れないと思い、致し方なしで先手必勝の攻撃をしたのだが、それでも少しくらいは効いてくれても良かったのではないだろうか…。いや、俺の鍛練不足が一番の原因だろう。

 

 総隊長のじいさんは遥か先──とにかく強い。

 

「久しぶりに拳が滾っとるわッ──ぬうん!!」

 

 解放した斬魄刀"流刃若火"を地に突き刺し、拳での戦闘に切り換えてきた。しかも、当然ながら狙いは俺。最強の死神とタイマンなど笑えない。

 

 流刃若火から発生した炎が辺り一面を炎で包み込んでおり、デスマッチを味わっているような気分だ。

 

 果たして生き残ることができるだろうか…。もし生き残れたら、夜一さんからのご褒美は増し増しの増し増しくらいでないと割りに合わないと思う。

 

「小童…名乗ってみい」

 

 死に行く俺の名を尋ねるとは意外にも律儀だ。俺の霊圧は、気分的にすでに消えかけているというのに…。

 

 まだ死にたくない。夜一さんからのさらなるご褒美を頂いていないのに、ここで死にたくはない。

 

「茶渡泰虎か…実に男らしく、素晴らしい名前じゃ。

 覚えておくとしよう」

 

 死にたくないが、総隊長のじいさんの物言いは確実に命を刈り取る(霊圧を消す)つもりだ。

 

 片手の拳骨(一骨)では俺を仕留めきれなかったこともあり、総隊長のじいさんは両手の拳骨(双骨)で俺を仕留めるつもりらしい。

 

 もっとも、そう簡単に俺の命をくれてはやらない。俺は運命に抗い……反発する。

 

 

巨人の反発(レプルシオン・ヒガンテ)

 

 

 総隊長のじいさんの双骨を盾で受け、全力を持ってその拳を弾き返すと、総隊長のじいさんは目を見開いて驚愕していた。だが、まだまだこれだけではない。驚くのはまだ早い。

 

「む!?

(儂の双骨を弾き返した…じゃと!?)」

 

 俺の右腕の盾……手の甲の部分から槍の穂が伸びて盾と槍が一体化した状態へと変化する。皮膚を媒介とした俺の能力の真骨頂というべきだろうか…。

 

「戦いの中で…その戦いが壮絶なものであればあるほど強くなっていく。若さの勢いってのは本当に恐ろしいね。

 山じいに膝を突かせただけでも凄いのに、さらにもう一発…追い討ちをかけるなんて」

 

 そして、拳を弾き返された総隊長のじいさんは体勢を崩しており、俺はその瞬間を絶対に逃さない。恐らく、こんな状況は二度と訪れないだろう。千載一遇の大チャンスだ。

 

 間合いの無いこの状態から腹筋、胸筋、背筋、両腕等上半身の撥条(ばね)のみで瞬時に極限まで振りかぶった穂を総隊長のじいさん目掛けて繰り出す。

 

 この技は、俺の技の中でもとくに威力が高いものだ。

 

 敵と見なした相手には容赦なく、即座に葬る。悪・即・斬である。もっとも、総隊長のじいさんは実のところ敵ではない。こうでもしないと、俺の命が終わる(霊圧が消える)から致し方なくである。

 

 最強の死神相手にどこまで痛手を負わすことができるか…。

 

 これが、今の俺の全力だ。

 

 

巨人の牙(コルミージョ・ヒガンテ)零式(セロ)

 

 

 俺は茶渡泰虎。

 

 今まさに命尽きようとしている高校生である。

 

 

 

 

 

 ▪️▪️▪️▪️

 

 

 

 

 

 茶渡泰虎が護挺十三隊総隊長兼一番隊隊長・山本元柳斎重國を相手に一矢報いている頃……

 

「この霊圧はまさか!?

(総隊長が斬魄刀を解放したじゃと!?しかも戦っておるのはッ──チャドか!?)」

 

「私を相手にしながらよそ見とは随分と余裕だな…夜一」

 

 四楓院夜一は現在、自身の後継者でもある二番隊隊長兼隠密機動総司令官の砕蜂と激闘を繰り広げていた。正確には、夜一が圧されている状況のようだ。

 

 しかし、総隊長が斬魄刀を解放したのを感じ取り状況が一変する。

 

 総隊長と戦っているのがチャドであることに気付き、夜一はいつになく動揺してしまっている。

 

「くッ、砕蜂ッ!邪魔をするでない!!」

 

「先に邪魔してきたのは貴様ではないかッ、夜一!!」

 

 チャドならば大概のことを自分で解決できるだろうと、夜一はチャドの力を誰よりも知っており信用しているが、今回ばかりは相手が悪すぎた。

 

 夜一が動揺するのも無理はない。

 

「どけ砕蜂!儂はチャドのもとに向かう!!」

 

「き、貴様ァ!私の邪魔をした挙げ句、私と戦っている最中に男の心配をするとはいったいどういうつもりだ!?」

 

 そんな夜一に対して、砕蜂が激昂するのは仕方ない。ただ、砕蜂の怒りはどこかが少し違うような気がする。男の子が好きな女の子にちょっかいを出しているような……とにかく自分だけを見ろと言いたげな、そんな様子に見えてしまうものだ。

 

「私を見ろッ──夜一!!」

 

 動揺してチャドのもとに向かおうとする夜一に対して、砕蜂は嫉妬に狂ったかのように己の本心を口にしてしまう。

 

「どかぬというなら仕方ない。

 すまんが砕蜂…一瞬で終わらせる!!」

 

 

瞬鬨

 

 

 長らく戦線から離れて、101年ものブランクがあった影響か砕蜂相手に劣勢に立たされていた夜一だったが、チャドの危機を感じ取ったことで夜一が本気を見せる。

 

 夜一は本来、砕蜂を相手にこの技を使用するつもりは一切なかったようだ。

 

 しかし、今はそうも言ってられない状況。

 

「何…だとッ!?

(そ、それは、私が血反吐を吐く思いで修行して会得した奥義!!)」

 

 夜一は高濃度に圧縮した鬼道を両肩と背に纏っている。これは、高濃度に圧縮した鬼道を炸裂させ、己の手足へと叩き込んで戦う白打の最高術だ。

 

 この技を使用すると、両肩と背の布が弾け飛び、背中が剥き出しの状態となり、夜一のセクシーさが一段と際立っている。きっと、チャドが喜ぶことだろう。

 

 しかし、そのチャドは危機的状況だ。

 

 夜一にとって、砕蜂はかつての部下であり妹分のような存在でもあった。だが、どちらかを選ばなければならないこの状況で、夜一が選ぶのは当然──チャドのようだ。

 

「な、何故だ!

 何故お前は私の前に立ち続ける!?

(ようやく再会することができた…それなのにどうしてだ!?何故、私から奪うのだ!また離れていくのですか!?

 浦原喜助といい、チャドという旅禍の男といい…()()()()()()()()()()()()()してやる!!

 だからッ──)」

 

 そんなかつての上司であり、実際のところは今もなお敬愛してやまない夜一に対して、砕蜂は思っていることと言っていることがまったく違う状態だ。精神的にかなり追い詰められてしまっている。

 

「すまぬ…砕蜂」

 

 総隊長と戦うチャドを心配し、一刻も早くそちらに向かいたい夜一は、砕蜂の顔面すれすれの位置で拳を止める。

 

 勝負は決した。

 

 もはや、砕蜂に勝ち目はなく、彼女はこれ以上……戦う意思を保てずにいる。

 

 ただ、敬愛する夜一にまたしても置いていかれてしまうことだけは決して受け入れきれないらしく、砕蜂の頬を涙が伝っている。

 

「私を…置いていかないでください──夜一様」

 

 砕蜂は自身の切実なまでの想いを告げ、地に崩れ落ちてしまう。もはや、彼女には夜一を討伐する気など一切ない。いや、もしかしたら初めからなかったのかもしれない。

 

 砕蜂は101年前に夜一に裏切られて(置いていかれて)しまった。それでも、砕蜂は敬愛する夜一を目指してこれまで歩んできた。

 

 夜一と再会した時に、誉めてもらう為に。

 

 だが、その機会をまたしてもを男に奪われてしまった。

 

「砕蜂…儂はチャドのもとに向かう。

 じゃが、すぐに()()()()()()()()が明らかになるじゃろう。その時に、ゆっくりと話をしよう。約束じゃ」

 

 夜一は砕蜂にそのように告げて、チャドのもとに向かっていってしまった。

 

 その場に、1人残されてしまった砕蜂は俯いている。だが次の瞬間、彼女は地面を激しく殴った。

 

 砕蜂は涙を流しながらも、その表情は怒りに満ち溢れている。

 

「チャド…私から夜一様を奪う極悪非道な男。

()()()()共々、私がこの手で必ず葬ってやる」

 

 そして、砕蜂の心に灯ってしまった業火の炎。

 

 茶渡泰虎は、知らぬ内に隠密機動総司令官に狙われる。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 双殛の丘にて死闘を繰り広げる黒崎一護と朽木白哉。

 

「総隊長が斬魄刀を解放したか…。

 黒崎一護…どうやら、お前の友は直に死ぬようだ」

 

「ハッ!確かにとんでもねェ霊圧を感じっけど、アンタは何もわかってねェ…チャドは絶対に負けねェ!

 それより、よそ見してる余裕なんてねェぞ!!」

 

 

月牙螺旋衝

 

 

「!?」

 

 朽木白哉が茶渡泰虎の死亡宣言を口にするが、一護はまったく動揺することなく、朽木白哉に月牙を纏った斬れる竜巻を放つ。

 

 一護の攻撃に驚愕した朽木白哉は、まともに食らったらただでは済まないと判断し、"瞬歩"でその場から退避する。

 

 朽木白哉と三度目の戦い。一護にとってはリターンマッチであり、三度目の正直だ。それ故に、一護の気合いの入りようは凄まじいものがある。

 

「今のは…何だ?

 それが、貴様の斬魄刀の能力か?」

 

「俺の霊力を刃に喰わせて刃先から超高密度の霊圧を放出して斬撃を巨大化させ、それを飛ばす…それが月牙天衝。

 今のは、斬撃を竜巻に変化させて月牙天衝を纏わせた。まァ、俺の斬月の能力は、霊力を食わせることで様々な形状に変化させて霊圧を放出するってとこだ」

 

 この瞬間の為に……朽木白哉に勝つ為に、一護は厳しい修行にも耐え、一護は斬月の真の能力を解放できるまでに至り、さらには卍解まで会得した。

 

「天を衝く…か。大それた名だ」

 

「へッ、それくらいやれなきゃルキアは助け出せねェからな」

 

 そう口にした一護は斬月を前に突き出し……鋒を朽木白哉に向け、左手を右手首に重ねて強大な霊圧を迸らせる。

 

 この場所にチャドがいたならば、きっと感動していたことだろう。今の一護は朽木白哉に対して『()()()()』などと舐めた言葉を決して口にはせず、慢心などまったくせずに全力を持って勝つつもりだ。

 

「感謝するぜ、朽木白哉。

 俺がこの力を得ることができたのはアンタのおかげでもあるからな!」

 

 

卍解

 

 

 数億に及ぶ刃を……漆黒の斬魄刀が打ち砕く。

 

 

 

 

 






そういえば、千年血戦篇読み返して気付いたけど、ルキアがあの鬼滅の有名なセリフを先に言ってて面白かった。
『お労しや兄様』


魔王の咆哮(ルヒド・デル・サタナス)
誰もが一度は試したことがあるかもしれない拳技。英語ではダブル・インパクトって表記らしい。

巨人の反発(レプルシオン・ヒガンテ)
打撃や斬撃等の攻撃を盾で受け、弾き返して体勢を崩させるカウンター技。

巨人の牙(コルミージョ・ヒガンテ)零式(セロ)
右手の甲付近から槍の刀身(穂)のようなものが伸び、巨人の反発(レプルシオン・ヒガンテ)で体勢を崩させた相手に向けて、間合いの無い状態から腹筋、胸筋、背筋、両腕等上半身の撥条(ばね)のみで瞬時に極限まで振りかぶった穂を繰り出す突き技。傘とかで真似た人も多いんじゃないかな?

ここでの斬月の能力→霊力を食わせることで様々な形状に変化させた霊圧を放出する。一護の中の滅却師斬月が擬似的斬魄刀"天鎖斬月"なんてものを生み出せるくらいだから、これくらい問題なし。原作の無月もまさにそんな感じだったしね!さ

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