世界観は2Bと9Sが初めてパスカルの村を訪れた後くらい。
〜バンカー、2Bの部屋〜
2B「……ふう。」バタン…
ポッド042『推奨。地上で消費した物資の補給。』
2B「後でやる。今は休ませて欲しい。」ゴロン…
ポッド042『了解。』
ドア「ウィン……。」ウィン…
6O「お邪魔します、2Bさん♪」
2B「6O?……持ち場を離れて大丈夫なの?」シャン
ポッド042『……。』
6O「はい!今日は2Bさんが帰ると聞いて、お仕事頑張っちゃいました♪」
2B「……そう。」ニコ
6O「……。」キョロキョロ
2B「6O?」
6O「あ、すみません。……久しぶりに、2人きりになれましたね。」
ポッド042『……。』
2B「最近は、何をするのも9Sと一緒だったから。こうして、2人の時間を過ごすのも悪くない。」
6O「2Bさん……///」
2B「?」
6O「えっと、2Bさん……今日は、月が綺麗ですね。」
2B「そう?いつもと変わらない気がするけど……。」
6O「あ、そうそう!月といえば、今日は2Bさんに見せたいものがあるんです!」
2B「見せたいもの……?」
ドア「ウィン……。」ウィン…
9S「やあ2B!……あれ?オペレーターさんも
6O「ガルルルル……!!」
9S「ひい!?ろ、論理ウィルス!?」
ポッド153『否定。6Oのバイタルは正常。』
9S「それじゃあどうして……。」
2B「9S。」
9S「2B?」
2B「今は6Oと2人にして欲しい。」
9S「え、なんで?」
2B「6Oは私に会う為に、大量の仕事を頑張って時間を作ってくれた。……お願い。」
9S「わ、わかった。また後でね。」
ドア「ウィン……。」ウィン…
2B「……6お
6O「2Bさぁぁあん!」ダキッ
2B「6O!?」
6O「えへへ///」
2B「///……えっと、私に見せたいものって?」
6O「おっと、忘れてしまう所でした!……これです!じゃーん♪」
2B「これは……?」
ポッド042『推測。旧世界の書物。旧世界の人類は知識を紙に記すことで伝承していた。』
6O「チッチッチ。」
2B「?」
6O「これは書物の中でも『絵本』といわれる、物語を楽しむものですよ。」
2B「絵本?」
ポッド042『「絵本」。言語能力が未発達な子供への教育を目的とし
6O「さあさあ、座ってください。2Bさん。私が読み聞かせてあげましょう!」
2B「……ありがとう?」
6O「『空』。ねえねえおじちゃん。……
ポッド042『……。』
ーそらー
子供「ネエネエ、おじチャン。」
おじちゃん「おやおや、何ですか。」
子供「今日のオソラ昨日ト違う。ナンデ?」
おじちゃん「それはいいことに気づきましたね。なんで夜空が毎日違うのか、教えてあげましょう。それは、私たちが乗っている地球が動いているからですよ。」
子供「地球ッテ、動イテるの?」
おじちゃん「ええ。毎日、休むことなく動き続けていますよ。」
子供「ナンデ地球ハ動いてるの?」
おじちゃん「それはですね……むかしむかしのお話です。」
ーーーーー
宇宙に輝く数多の星たち。
その光に2つとして同じものは無い。
ある星がある星の瞬きに惹かれると、自身の夜空に大きく映るようにと、星は動く。
それはまるで生き物のように。
宇宙に輝く星々は動き、宇宙は今日も姿を変える。
地球「なあ月よ。」
月「なんだい?」
地球「ワタシの空に輝く君は綺麗だ。もっと近くで君を見たい。」
月「ありがとう。なら、もっとこっちにおいでよ。2人で夜空を照らし合おうよ。」
地球「それはできない。」
月「どうして?」
地球「ワタシは、今の場所で見上げる空が好きだ。もっと近くで君を見ようとここを動けば、今の空は見上げられなくなってしまう。」
月「そうか。なら、僕が動くよ。」
地球「ああ。」
月は、夜空を見上げた。
月は、今の空がたまらなく愛おしいと思った。
同時に、きっと地球も、同じように今の空を愛おしく思っているのだろうと思った。
だから、地球の望みを叶えることにした。
月は地球の為に、1日おきに、地球が望んだ場所まで動いた。
そんなある日……
地球「なあ月よ。」
月「なんだい?」
地球「近くで見る君は綺麗だ。ずっと近くにいて欲しい。」
月「……。」
地球「どうした?」
月「……それはできないよ。」
地球「何故だ?」
月「僕は、君と近づく前の空が好きだった。だから、本当は動きたくなかったんだ。けど、君も同じように、今の空が好きなんだろうと思って、こうして1日おきに動いてる。」
地球「そうだな。」
月「君は、何かしたのかい?」
地球「どういう意味だ?」
月「君は望みを言うばかりで、その場所から一歩も動いていないじゃないか。」
地球「そうだな。」
月「もともとは君が僕を近くで見たいと思ったんだよね?だったら、君も動くのが筋じゃないのかい?」
地球「それは違う。」
月「え?」
地球「ワタシは宇宙の中心だ。今もこうして、全ての星はワタシを中心に動いている。宇宙の中心であるワタシが動く必要などない。」
月「……。」
次の日、地球はいつものように夜空を見上げた。
だが、そこに月の姿は無かった。
また次の日、地球は夜空を見上げた。
またしても、そこに月の姿は無かった。
地球は、代わりの星を探した。
地球「なあ火星よ。」
火星「あら、どうしたの?」
地球「もっと近くで君を見たい。」
地球は火星に、もっと近づくように言った。
火星は今の空が愛おしかったが、地球もまた同じ思いなのだろうと思い、地球の言う通りに近づくことにした。
地球「なあ火星よ。」
火星「あら、どうしたの?」
地球「もっと近くで君を見たい。」
火星「なら、あなたも近づけばいいじゃない。」
地球「それはできない。」
やがて、地球の空に火星が輝くことはなくなった。
地球は、また代わりの星を探した。
水星に、木星に、太陽に……地球は数多の星に対して、同じことを繰り返した。
いつしか、地球の空は漆黒の闇に包まれた。
地球「……どうして。」
地球「どうして、皆ワタシの前から去る。」
僕は、君と近づく前の空が好きだった。だから、本当は動きたくなかったんだ。
君は、何かしたのかい?
君は望みを言うばかりで、その場所から一歩も動いていないじゃないか。
地球「……。」
地球「……そうか。」
それから地球は旅に出た。
取り返しがつくかもわからなぬまま、ただ、ひたすらに。
地球は廻った。
そして今……地球の空には数多の星が輝いている。
地球は回った。
頭上に輝く星々の空の片隅に、自身が輝く姿に想いを馳せて。
ーーーーー
子供「ネエネエおじチャン。地球ハみんなニ許シテ貰えタノ?」
おじちゃん「さあ、どうでしょう?」
子供「エー、教エテよー。」
おじちゃん「答えは夜空が教えてくれますよ。」
子供「夜空?」
おじちゃん「今日のお空は、綺麗ですね。沢山の星が輝いています。」
子供「うん、とッテもキレイ!」
おじちゃん「……さて。明日も夜空が輝くように、私たちもたくさん動かねば。」
子供「地球ニ負ケないくらい、イッパイ動ク!それで、もっとタクサンのオ星様のオ空ヲ明るくしてアゲルーー!」
おじちゃん「それはそれは、大きく出ましたね。明日も晴れると、いいですね。」
ーーーーー
6O「明日も晴れると、良いですね……。」
パタン……
2B「……もう、終わりなの?」
6O「はい、終わりです。」
2B「地球は、どうなったのだろう……。」
6O「それは、
2B「夜空が教えてくれる……でしょ?」
6O「はい♪……さて、と。私はそろそろ戻りますね。」
2B「わかった。……6O。」
6O「……はい?」
2B「……。」
6O「2Bさん?」
2B「……今日の月は、綺麗だ。……礼を言う。」ニコ
6O「トゥ、2Bさん……!?//////」ボンッ!
ドア「ウィン……」ウィン…
9S「やあ2B!定期メンテナンスの時間ですよ〜……あ。」
6O「……。」ニコ
2B「9S?」
9S「いや、その、これは……!?」アタフタ
6O「2Bさんを、お願いします。9S♪」ニコ
9S「すみませ……え?怒らないんですか?」
6O「はい。『せいさい』なので♪」ニコニコ
2B「?」キョトン
6O「では2人とも。お休みなさい♪」
ドア「ウィン……」ウィン…
9S「なんだったんだろう……。」
2B「ポッド。『せいさい』って?」
ポッド042『「制裁」。規律や慣習に背いた者に対して罰を与えること。』
9S「ええ!?」
2B「つまり、9Sはこれから……。」
ポッド153『肯定。6Oから、何かしらの報復を受けるだろう。』
9S『そんなあ!?』
ポッド153『推奨。早急な6Oへの謝ざ
9S「うわあああごめんなさい6O〜!!」
ドア「ウィン……。」ウィン…
ポッド042『……もしくは「正妻」。夫婦関係において、最上位に位置する妻。』
2B「なるほど。……え?」
ポッド042『提案。6Oとの夫婦関係の締結。』
2B「!!??//////、き、却下する!!」
ボフンッ!
ポッド042『旧世界では愛の告白として、「月が綺麗」という表現を使用していた。』
2B「うるさい!うるさい!うるさーーい!!//////」
ポッド042『……。』
2B「はぁ……はぁ……//////」
ポッド042(恥にまみれる……これが「生きる」ということか。……フフ。)
〜FIN〜