「この世に存在するウマ娘は二つに分けられる。――そう、俺と出会えたウマ娘と俺に出会えなかったウマ娘だ」
こいつは何をいっているんだとすべてのウマ娘たちは思った。
日本ウマ娘トレーニングセンター学園。
トゥインクルシリーズに挑戦し、ゴールを目指して勝利の栄光を得んとするウマ娘たちが通う日本最大にして最高の学園。その入学式の壇上にて男は吼えた。
「そこのトレーナー君、何をしているのかな?」
なんだこの人。トレセン学園って濃いなぁ……。と硬直、あるいは呆然するウマ娘や学園職員たちを尻目にトレセン学園生徒会長シンボリルドルフは唯一事態の収拾を図ろうと身を乗り出す。
さすが会長だ! 我々にやれないことを簡単にやってのける!! この戦い、シンボリルドルフの勝利だ!
「……哀しいな」
は? なに言ってんだコイツ。
男はまるで舞台俳優の如く、自身の身を抱き締め、その瞳からは一筋の涙を流す。如何せん体格も良いし、顔も整ってるから一応絵にはなる。果てしなくキモいが。
「は? 哀しい?」
あー見てくださいよ。ほら、会長も困惑し始めたじゃない。良くないなぁ、良くないよこのオリ主。便器に頭突っ込んでくたばればいいのに。
こんなアンチヘイトじゃ読者減りますよ?
「そうだ、哀しい、実に哀しいと思わないのか? この世に存在するウマ娘は二通りだ。そう、たった二通りしかない。この俺と言う存在に出会えぬまま夢破れ、生来獲るべき称賛が受けられない。――これほどの悲劇は存在し得ないだろう!」
「はぁ……」
ひどいですねぇ、こんなクソキモ自意識過剰ナルシオリ主なんて見たことないですよ。底辺なろう主のほうが遥かにマシってやつですね。
「俺はな、君らを賞賛しているのだよ。そう、君らだ」
そういって男は両手を広げ、その眼前に広がるトレセン学園新入生のウマ娘たちに話しかける。
ヤバイですよー! 悟空ー! 早く来てくれー! この男のキモい演説を誰か止めてくれー!
「素晴らしいことだ。君らは総じてその素質を、その才能を、その美を、その強さを、その心を買われてここに来た煌めくウマ娘たちだ!」
えっ、なんなのこの人。
急に語りかけてきたんですけど。
こ、コワー。
ちくわ大明神。
新入生たちはみな上記のように困惑する。当たり前だよなぁ!
「俺は何時でも待とう。諸君らが栄光を手にしたいと望むのならば、その栄光を授けてやろう――この池野綿太郎がッ!!」
「疾走!! 理事長キィーーーック!!!!」
盛大にキメ顔を決めた男――池野綿太郎に対し、理事長のキックが迫る!
さすが秋川理事長だ! 色んな二次創作でヘイト役になったりならなかったりと色々調理されてる理事長! 今回ばかりはお前が正義だ!
「ふんッ!」
「激痛ッ! があああああああああああ!!!!」
しかし、哀しいことに池野の胸板は厚かった。池野に食らわせた全ての衝撃が理事長のロリ体型に跳ね返るッ! 池野にドロップキックを食らわせた理事長の細足はトウカイテイオーのガラスの足の用に脆くも折れてしまった。
全治三ヶ月である。
「があああああああああ!! があああああああああ!!」
シンと静まり返った会場に理事長の痛みに悶える声だけが無情に響き渡った。
入学式は中止になった。
もう、読者の方々はわかっただろう。
これはなろう的チーレムトレーナー池野綿太郎と、彼に関わってしまった哀れなウマ娘の物語である。
「があああああああああ!! があああああああああ!!」
追い誰か早く理事長を病院に連れてってやれよ。
息抜きで書いたらとんでもないことになってしまった。
すまない。