お題 「雨」
それはとある土砂降りの日だった
今日も一日山の探索に出かける。とある岩と岩の隙間を駆け抜けようとしたが、雨に濡れていた岩に足を滑らせ、谷底に落ちてしまった。そしてそのまま気を失った
「わあー新しい繭だ!とうとうまた新生子が生まれてくるんだね!」
ラッカが生まれて、その一週間後、クウが新しい繭を見つけてみんなに伝えて大はしゃぎしていた。みんなもラッカに続き、新生子が生まれてくるのはとても楽しみだった
「ラッカももうすぐに先輩だね!どんな後輩が生まれてくるのか楽しみだな!」
クウがそういうと、六人が見守っている中、繭が割れ、辺り一面水であふれた。新しい灰羽の登場だ!
しかし新しい灰羽を確認するとみんなはとても驚いた。それは女子ではなく男子だったのだ。そしてクウより少し小さく、年少組と年長組のちょうど間くらいの背丈だった
「とりあえずベッドに寝かせよう」
レキがそう言って、ゲストルームに連れて行った。新生子の男の子はすぐに目を覚まし、六人をみてとても驚いていた
「ああ、ごめん、驚かせちゃって、えーと順を追って説明するね」
「えっと、俺、さっきまで山にいたはずなんだけど。あれ?」
「あ、ああ。山にいた夢をみたんだね?他にはどんなことがあった夢だった?」
「夢っていうか、土砂降りの中、山で落ちて、そこから気を失って、気づいたらここにいたんだけど、って、あんたたちのその羽??」
「ああ、これはあたしたち、灰羽っていうんだ。時期、あなたにも生えてくるものだんだけど」
「灰羽?鳥人と人間のハーフってこと?」
「え?えとそうじゃなくて、私たちはそういう存在で、あなたにもいずれ生えてくるからさ、まずは、あなたのなまえを決めなくちゃいけないから、あなたがみた夢の内容を教えて欲しいんだけど」
「名前?俺の名前は雨だよ。狼と人間のハーフだけど、俺は狼の生き方を選んだんだ。ところでここはどこであんたらは誰?そして俺の敵?味方?」
六人はこの新生子の言ってることがさっぱり理解できなかった。なぜ自分で自分の名前を知っているのか?そして夢を見ていないのか?そして自分のことを狼と人間のハーフだと言っているのか?
「えと、とりあえずわたし達はあなたの敵じゃないよ。味方だよ。」
「そうか、ならよかった。とりあえず俺はもう狼として生きていくって決めてるからここから出るよ。山はどっちかわかるかな?」
「山って、グリの街に山はないし、街からは灰羽は出れないんだけど・・。」
「だから俺は灰羽じゃないって、まあ、とりあえずあんた達が俺を助けてくれたんだな。ありがとう。礼をいう。そしてあんた達もその背中の羽を見る限り普通の人間じゃないみたいだな。まあだから俺は自分の正体を明かしたんだけどさ。またどこかで会ったらよろしく」
「えと、えと、名前は」
そういうと雨は狼に変身をしてオールドホームから出て行った。六人は驚いてあとをつけたが、雨はその信じられない身体能力で壁をよじ登り、街から出て行った
「えと、あれ、なんだったの?」
お題は雨だったが、これはただ単に、狼こどもの雪と雨の雨が、グリの街に異世界召喚してきた話だったことはいうまでもない