テラに異世界転生したら不憫さん(サリア)になっていて人間関係が泥沼過ぎる件 作:もふもふニキ
──??? AM 8:00
「…知ってる天井だ」
目を覚まして開口一番そんなことを口走る、うん。これ初日に目覚めた時と一緒だ、なんだかまだ身体がだりぃわ…
「…………」
辺りを見渡すと、機械音だけが鳴り響く不自然な静けさがそこにはあった。どうやらまだ逃げ切れて…ないみたいだなこれ。明らかに現実じゃねーわ
(下手に動くと死にそうだ…どうするかな)
なんて思いつつも、泥のような倦怠感が抜け落ちきれてない身体をベッドからなんとか引き剥がす。
(…状況確認が最優先か)
──??? AM 12:00
(手詰まりだ…)
辺りを警戒しつつロドスを散策するものの人っ子一人居なかった。人で溢れ返っているであろう食堂にも、ごった返している医務室にも、果ては中核施設にもだーれも居らんかった。さすがに不気味すぎてメンタルがやられそうになる。だが此処で寝たら確実にあの世行きだ。
そんな風にしていれば、見慣れない通路に突き当たる。意を決してそこにたどり着けば──
──
「……お前は」
「こんにちは、こんばんわ、おはよう、この場合どれが適切でしょうか…」
薄暗い笑みを浮かべるスペクターに思わず身構えつつ後退してしまう。確実に相手の術中の中、既に逃げられないのは確定的だがそれでも生存を諦めるわけには行かない。この体、借り物なんでな
「気分は如何でしょうか?」
「最悪だ、つまらんものを見せられてな」
実はあのあと、もうひとつ夢をみた。胸くその悪い夢だったよチクショウメ…
「そうですか、では──」
──二度と目覚めぬようにしてあげましょう
「チッ……!」
いつの間に構えられていたあの電ノコを構えながらスペクターが突進してくる。さすがにあれを喰らえば一発でお陀仏だ!こちとらアーツすらまともに使えねえんだわ!
突進にあわせて二歩下がり、体の軸をずらしながら相手の背後の方へ身を屈めながら回避
「おや…ふふ、意外と動けますね」
「─下らん世辞は要らん」
そこからしばらく命がけの鬼ごっこが続いた。ロドスだと思ってた地形は迷路に様変わり、どう考えても袋の鼠だけどそうもいってられない。おまけにあいつ、俺の逃げる先にばっかり出てきやがる。シザーマンかお前!
「─逃しませんよ?」
「むっ!」
とうとう被弾しちまった。防護衣の上から切られればうっすらと血が滲む、バッサリいかなかっただけでましってことかよ…!
──あら、まだこんなところに
なんか幻聴が聞こえるぐらいには精神削られてんなおい…!と偽サリアは悪態をつきながら電ノコの側面を蹴りつけて二度目の攻撃を防ぐ、スペック的には此方も大概化け物なのが唯一の救い。
そういう風にしていれば
───見ていられんな
(別の幻聴が聞こえてきた。此方は命がけの鬼ごっこ中なんだから後にしてくれ!)
──右に屈め
(っ!)
幻聴からの指示に従えばなんとか迫り来る電ノコから逃げおおせる。後ろの壁に食い込んで火花を散らしているが、逃げるチャンスだ
──逃げてばかりでは勝てんぞ?
「うるせえな!こちとら借りもんでやってるんだよ!」
──傷物にして返却するのもどうかと思うがな
「…戦う方法が無いんだからしょーがねえじゃん」
──よくよく思い出して見ることだ、
(サリアさんの─力)
───??? PM7:00
そんなサリアがとうとう中核施設でモニターを見て背を向けているのだ、好機は逃さない。スペクターは昏い笑みをうかべながら獲物を振り下ろし───
───バキッ!
「形成──逆転だな怪物」
──獲物の刃を砕かれ。宙に浮かんでいた。
「貴様、何故攻撃を…!」
「おい、
激昂してる偽スペクターに偽サリアが挑発的な笑みを浮かべながら言葉を返す
「貴様、それは…!」
「あぁ、そうだよ──
瞠目する偽スペクターに拳を合わせた後に構えながらニヤリと笑う。あの幻聴のお陰だ、例えアーツが使えなくても素質の方はしっかり活きていた。全身に鎧を纏うイメージ、そうか。イメージが足りなかったイメージが、想像力が大事ってどっかの正義の味方が出てるロボアニでも言ってたしな!
「…たかが武器を一つ折ったところで!」
「もう二度と同じ手は喰わん」
ロドスの壁に手を突っ込めば武器が再度現れる。もうロドスじゃねえのは分かってるから特段驚かない。激昂のもと力任せに振るわれる電ノコの結合部──刃を止めてる金具の部分を偽サリアは蹴り抜いて破壊する
「──随分単調になったな、次は私の番だ」
「───!」
慌てて着地した偽スペクターに追撃を仕掛ける偽サリアはクロスガードの構えをした偽スペクターの──
─
「!?」
「ネタはもう──割れてんだよ!」
一瞬の浮遊感、思考を奪い去られた偽スペクターが時を止めるなか、偽サリアは右足を振り抜いてローキックをぶちかます。
「──ぐふっ!?」
決壊した濁流のごとく吹き飛んで、中核施設のモニターに突っ込んだ偽スペクターを見ながら偽サリアは警戒を解かない。
偽サリアがいったネタとはこういうことだ。
偽スペクターは自分のいく先々で待ち伏せをしていた、どこに隠れても
──ロドス艦内の一部を破壊して回っていた。
すると偽スペクターの待ち伏せ回数は減り、相手が苛立ちを募らせていくのがわかった。だがこれは副時効果だ、本当の狙いは──
──破損していた箇所がどうなっているかの確認の裏取り、そして監視カメラの見える中核施設への誘導だった。
ロドス艦内のまるっとコピーした相手の敗因はこれだ。
偽サリアが思ったサリアの力はこれなのだ
──尋常ではない精神力とロジック詰め
俺がどうするかではなく。サリアならどうするかを考えれば容易いことだった。
「お前、施設を破壊されると機能が落ちるな?」
倒れ込んでいる偽スペクターに偽サリアは言葉を投げ掛ける。幻聴にしたがって避けたとき、壁に食い込んだ電ノコをそのまま振り下ろせばプレッシャーになった筈だ。ソレをしなかったことがヒントだった。だからまず床を砕いてダメージを与え、思考を奪ったのだ。
だが、これは前哨戦。本命は─
偽スペクターが起き上がると、またぐにゃりとスペクターの輪郭が崩れる
──来るか!
得体の知れない怪物を目の前に、偽サリアは今度こそ怯えなかった。
「──!」
怪物が方向を上げ、サリアが拳を構えたその時
──あらあら、まだ迷子がこんなところに
一閃
「!?」
「…来たか」
機械音を響かせながら怪物の触手をぶったぎる修道服に電ノコというアホみたいな組み合わせのオペレーター。
「──煩くて寝られないわ」
─☆5オペレーター。スペクターのお出ましだ。
「───」
スペクターが此方を見やると、手で追い払うようにしてくる。どうやらこれは自分で刈り取りたい様子、大人しくするか。
後方に下がった偽サリアを一瞥した後、スペクターは電ノコの回転数を上げて怪物に目線を移すのだった
「さあ、運動の時間よ」
主人公覚醒と思わせといて最後の最後で美味しいところを持っていくスペクター
シリアスルートは要る?要らない?
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居る
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要らない
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曇らせるなら要る
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イチャコラルートも平行できるなら要る
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何で俺に気持ちよく閲覧させねぇんだ!