テラに異世界転生したら不憫さん(サリア)になっていて人間関係が泥沼過ぎる件   作:もふもふニキ

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(寝ずに執筆して書いちゃ)いかんのか?

今回はほんのちょっぴり曇らせが有ります。ちゃんとそのあとは晴れます、大丈夫大丈夫シンパイスルナヨーチャントハレルカラサー


第八話 隣の芝は蒼い

ロドスの訓練所。そこで剣が盾にぶつかった時の生じる金属音と火花が飛び散る。BSWのリスカムとフランカだ。

 

「ねえリスカム、そろそろ休憩しない〰?」

 

「いいえ、まだ訓練開始から2時間ほどしか経過してません」

 

「……二時間も、だと思うけど」

 

「そうでしょうか」

 

「そうよ」

 

「……わかりました」

 

フランカがリスカムに休憩しようと問いかけると。憮然としてリスカムが返す。それを受けてフランカが若干引きつった笑みで否定するとリスカムは不承不承ながらも盾をおろした。

 

「んー…」

 

「…なんでしょうか」

 

「いや、イタズラしても反応鈍いなーって」

 

「…そうですね」

 

 

なんとかこの訓練キチを休ませることに成功したフランカはやっとこさ腰を落ち着けつつリスカムの頬を突っついてイタズラするも鈍い反応しかしない、それどころかどこか上の空なリスカムにフランカが問いかける。

 

「まだ、あの日のこと忘れられない?」

 

「……はい」

 

「そっか…少し。外すわね」

 

フランカの言葉にリスカムは何度目かともしれない思考の海に溺れていく

 

──リスカムside

 

私は平凡な人間だった。BSWでもなぜ自分のような人間が有能視されるのかわからないぐらいには。

 

私はよく【優等生】と呼ばれていた。規律はしっかり守っていたし忠実に訓練もやっていた……いや、やっていたと思う。

 

今思い返せば優等生、と呼ばれていたのは別の意味ではないかとも。最近ロドスに来てからそう思うようになった………いや()()()()()()()()()

 

ロドスはテラの縮図のようなものだと思う。いろんな生まれの人がいて、いろんな種族の人がいて。

 

────いろんな覚悟を持ってる人がいる

 

私もほんの少しの自尊心というものはなくはなかった。少なくとも足手まといにはならないぐらいの自尊心が

 

だが、ロドスに来てから。具体的にはロドスで本格的にオペレーターとして戦うようになってからはそんなものは木っ端微塵に砕け散ってしまいました。

 

私の生まれは平凡で、特にこれといった過去もなくて。託されたものもそこまでなくて。精々プロ意識があるぐらいだった。それすらも消えて無くなりそうだけど。

 

輝かしい功績と家族を捨てて。国から追放されて。汚名を着せられても尚自分よりも弱い誰かのために命をかけてきたニアールさん。

 

龍門という都市を背負い、裏での暗躍や思惑が交錯する戦場でも戦いにひたむきなホシグマさん。

 

どれも、どの人も私なんかよりもずっとずっと強くて。迷いなんか微塵も周りには感じさせなくて。私なんかよりもずっとずっと戦う意味を持っていた。

 

その中でも一番強くて、一番憧れてて。一番引け目を感じていたのはサリアさんだった。

 

サリアさんは守るべき人と守りたかった人に会えないまま。会えたとしても昔のようには話せなくても。それでも戦う人だ。

 

前にドクターと話しているときにふと耳に入ってきた言葉がある

 

『二人に会いたくはないのか?』

 

と、その時サリアさんは今は会うべきではないと即座に言い返し、ドクターは辛くはないかと問いかける

 

今でも覚えている。その時サリアさんが言った言葉を。その覚悟を。私との違いを……

 

『あの二人を守る、それを決めたのは私だ。他ならない私なんだ、理解される必要はない。側にいるだけが守るということではない。何を言われようと、例えあの子が理解できなかったとしても………それでいい、それでいいんだ。わたしはそう……納得している』

 

それを聞いたとき私はたまらなく惨めな気持ちだった。任務だから戦う、BSWとしては当然だが。何故かたまらなく惨めな気持ちだった

 

そんな調子で迎えたのがあの作戦の日だった。

 

ホシグマさん、ニアールさん、そしてサリアさんとの共同任務。特にサリアさんとは同チームだったのが私は陰鬱だった、もちろん表には出さなかったけど。やっぱり動きには精彩を欠いた

 

そこでまた惨めになった。他のオペレーターの人たちとの違いも身にしみて理解させられた。でもなんとか任務を終えた

 

そう思ってたときだった、伏兵に襲われたのは。

 

あのときは本当に死ぬかと思った。何とか衝撃を殺すのに精一杯だった、そして──

 

盾が音を立てて砕けた。まるで自分の心を写すかのように。呆気なく

 

そうして敵の攻撃を受け止めきれずに吹き飛んで、地面を転がって……

 

『そのまま伏せろ!』

 

サリアさんに庇われた周りにドクターも居るのもあったと思うんですけど、サリアさんは私の前に立って──

 

───敵の攻撃を受け止めきって倒れた

 

その後のことは、よく覚えていません。気がついたら病棟でぐるぐる巻の包帯に包まれていました、隣にはホシグマさん、ニアールさんが居ましたが。サリアさんは居ませんでした

 

その後にサリアさんが昏睡状態から目覚めていないという言葉を聞いて、無事ではないけど一命をとりとめてよかったという安堵と、迷惑をかけてしまったという後悔と

 

───もう一緒に戦って劣等感に悩まされることがなくなったという浅ましい感情が生まれてしまっていました

 

あれほど自分が嫌いになった瞬間はありませんでした、だからこうして訓練に没頭して考えないようにしていました。フランカには……悪いと思っています。フランカもあれから少し悩んでいたようですから

 

お互いに、色々とロドスに来て思うことが増えてきたのかもしれない。そろそろBSWに戻ろうか、そんなことを思い始めている私が居た、これ以上足手まといにはなりたくないし。何より惨めさには耐えきれなくなってきている。

 

溜息混じりに視線を下げていると、首元に冷たい感触が当たる。

 

多分フランカが戻ってきた、そう思って振り返ると

 

──今一番会いたくない人がそこに居た

 

「さ、サリア……さ…ん」

 

「………」

 

一番会いたくなかった人──サリアさんが腰を据えているのを何とか声を絞り出して答える

 

できることなら今すぐにでも逃げ出したかった。でも、どうやら私はそれすらもできなくなった臆病者らしい。これでは戦えない

 

暗澹たる気持ちで渡された飲料水を口にするが、あいにく味なんてしなかった。本当に憔悴しきってることを自覚した。それからしばらく時間がたったが、憔悴しきってる私にサリアさんは何も言わなかった。

 

私の事を情けない奴だとかは多分思ってはいない。そうだったらわざわざ来ないし早々に飲料水をわたして帰るだろうから。憔悴しきってることにかける言葉が見つからないとか、そういう見え透いた安っぽい同情はこの人はしない、そう思っているし実際そうなんだろう。

 

ならなんでだろう、と思った。そうして少しあとになって気づいた。この距離感と前の言葉だ

 

(側にいるだけが優しさではない………か)

 

サリアさんとの距離は決して近くはない。だけど遠くでもないということ声を絞り出してさえすれば届くだろう、声を……絞り……出して

 

………

 

あぁ、そういうことか。サリアさん。貴女は、本当に不器用で、口じゃ言ってくれなくて。誤解されやすいところはかわらないんだろうけど。

 

(やさしいなぁ……)

 

多分、待ってくれているんだと思う、私が話しかけてくるのを………いや、話しかけられるまで。ずっと

 

強引に話しかければ私が壊れてしまうことも。きっと  

 

(やっぱり)

 

試しに軽く距離を取るとさり気なくサリアさんも距離を詰める。常に一定の距離感を保ってくれる。それが嬉しいけど、同時に嫌になる

ここまでお膳立てしてもらったことに対して。色々と

 

そしてお膳立てしてもらったのにまだ言えないこと、話しかけられないこと。すべてが嫌になった、やっぱりロドスを抜けようと思った

 

そんなとき、通信端末に着信音がなった。今のタイミングでまともな返答ができる気がしなかったけど、とりあえず画面を開けばサリアさんからのメールだった、とうとう呆れてしまったのかな、そう思いつつ開けば

 

『時間、まだ掛かりそうか?』

 

顔を上げてサリアさんの方を見ればサリアさんも通信端末を眺めていた。その視線は呆れているわけでもなく、催促を促しているわけでもなかった。指が動くのを見てれば続きが送られてきた

 

『私の方はもう体調も良くなっている。物も食べることもできるし動くことにも支障はない。昨日も普通に過ごしていた』

 

そのメールを見てホッと一安心し思わず脱力してしまう。本当に良かった、そう思うのと同時に一つ不安と疑問が生まれてしまった。それを感じ取ったのか知らないけど、もう一通メールが飛んでくる

 

『メールで報告したのは声が出ない、という理由ではない。しっかり声も出る、単に此方が一方的に声を出してお前が焦らないようにしただけに過ぎない。あまり深く考え込まないことだ、だから───』

 

一旦メールを区切りつつ、サリアさんが此方を向いて続きのメールを書いていたと思えばすぐに送られてくる。それを見て私は自然と泣き出していた。

 

『幾多でも待ってやる。だから、ゆっくりでいい』

 

ずっと堪えていたものが一気に溢れ出してしまう、みっともなく泣き出してしまう。涙で前が見えにくくなる、視界が悪い。それなら、それなら……少しぐらい手元が見えなくなったって仕方ない

 

『書面でも、いい、ですか。』

 

そう送るのが精一杯だった自分にまた嫌になる、せっかく時間をかけて待ってもらったのに。結局サリアさんから話しかけてもらわないと駄目だった自分に───そんなことを思う前にサリアさんがメールで返事をしてくれた

 

『構わない、言葉も文字もお前の感情を表すのに代わりはないだろう』

 

その言葉に、とうとう止まらなくなった。思いの丈をひたすらに打ち込んで送りつてしまった

 

『怖かった、怖かった怖かった!!!!

あの敵に立ち向かうのが!体を焼かれることが!もしかしたらも二度と立ち上がれなくなることが!ただ、ただこれ以上に………』

 

そう、それ以上に

 

『皆が、死ぬところを見るのが怖かった。フランカが居なくなるのが恐ろしかった、ジェシカと会えなくなるのが寂しかった───それと、サリアさんと、ホシグマさん、ニアールさんが負けるのを見るのが、嫌、でした』

 

誰とも別れたくはなかったし、目標の人たちが負けるところなんて見たくはなかった。思いの丈をぶちまけてほんの少しだけ、落ち着いた

 

 

 

「──すみません」

 

「さあ?なんのことだろうか」

 

開口一番に謝った。前に任務で迷惑をかけたこと、時間をもらいすぎたこと。その他諸々、だけどサリアさんは気にしてない様子だった

 

「リスカム」

 

「はい………」

 

サリアさんから声をかけられると思わず意気消沈した声で答えてしまう。そんな私にサリアさんは自分の端末を見せてきた。

 

そこには、一通のメールが表示されていた

 

『は、はじめまして。BSWのジェシカと申します

 この度は突然のメールで申し訳ないと思っています。ですが、宜しければ行動には移さなくても構いませんお話だけでも聞いてください!最近私の先輩であるリスカムさんの様子がおかしくって、それでなんでだろうって思ったら先日の作戦でサリアさんがリスカム先輩のことを庇って負傷したとお聞きして。書面ではありますが、リスカム先輩をまもってくれてありがとうございますと言わせてください……しゅ、趣旨から離れてしまいました。ええと、そのリスカム先輩が多分そのことで責任を感じてるんじゃないっかなって思ってます。私は、その。作戦にさんかしただけでお役にも立ててないですし、貴女との面識もないんですが。それでも、できるならおねがいしたくて。リスカム先輩はすごい人で憧れてて、元気になってほしいんです!どうか、お力添えをお願いします!                  

      BSWオペレーター ジェシカ』

 

「いい後輩を持ったな」

 

「は、い……………」

 

そこには初対面のサリアさんにお願いする文章が書かれていた、ジェシカは人見知りですぐにオロオロしてしまう、そんな後輩だった。だけど、いつの間にか成長してくれてた。

 

サリアさんに断りを入れてメールを送る

 

『ありがとう』

 

そう送るとすぐに電話がかかってきて、それに出ると

 

『リスカム先輩よ゛か゛っ゛た゛で゛す゛ぅ゛』

 

大泣きしているジェシカの声が聞こえてきたどうやら本当に心配をかけてしまっていたらしい。あとで謝らないと……また泣かれそうですね。

 

電話を切る前に

 

『今度はリスカム先輩がやられてしまう前に私が倒しますから!!だから一緒に頑張りましょう!』

 

という言葉を聞いてジェシカは電話を切った。

 

「サリアさん、その…ありがとうございました」

 

「どういたしまして、だろうか?」

 

思わず出かかった謝罪の言葉を飲みこめば、代わりに感謝の言葉をかけるとサリアさんは満足そうにうなずいてくれた

 

「私、これからもっとがんばりますから」

 

「無謀な真似はするなよ?」

 

「サリアさんには言われたくない言葉ですね、あのとき本当に怖かったんですから」

 

「……………すまない」

 

頬をかきながら謝罪するサリアさんに思わずクスッと笑ってしまう。意外と、面白い人なのかもしれない

 

「そうだ、今度ニアール達と食事することになっているんだが。来るか?」

 

「いいんでしょうか…」

 

「なんなら今聞いておくか」

 

そう言うとワタシの端末に通知が来る。端末機能に備わっている複数名と同時にやり取りできる機能だ

 

どうやらニアールさんとホシグマさんも混ざっているらしい

 

『ん?リスカムか』

 

『そのようだな』

 

おそらくホシグマさんとニアールさんと思わしき通知が来たので返信しておこう

 

『はい、この度は本当にご迷惑を……』

 

なんて返信をすれば

 

『いやいや、リスカムさんが気にすることではございません。むしろ小官達がもっと早くに動くべきでした。反省点です』

 

『然り。我々が警戒を緩めすぎたのが原因だ、これでは後輩に面目が立たないどころの話ではない』

 

『そうですね、此れからは更に強化していかなければ』

 

『チームアップの訓練も取り入れていくとしよう。同じ過ちを繰り返さないためにも』

 

という風に私をフォローするどころか自分たちの反省点を述べ始めてたりする。やっぱりすごい人たちだ

 

『ところでリスカムを入れた理由はなんだ?サリア』

 

『何。あの一件のことで悩んでいたみたいでな』

 

『そうだったのか………そうだったのか………そう、だったのか………気づいてやれずにすまない…面目ない……』

 

『三回言うほどショックだったのかニアールさん』

 

『元来こういう性格だ……』

 

『はぁ…………』

 

ニアールさんがショックのあまり3回同じことを言うとホシグマさんがそれに反応しつつサリアさんは思わず溜息をついていた

 

『さて、話は変わるが。予定している食事会にリスカムも加えたいのだが』

 

『構いませんよ小官は』

 

『私もだ』

 

『なら決定だな』

 

そう言うとサリアさんはホッとしている様子だった

 

『ところでリスカムさん』

 

『はい?』

 

『お酒は、飲めるお年で?』

 

『ええ、まあ……』

 

歯切れ悪くホシグマさんに返答をすると隣でサリアさんが何故か額に手を当てている。もしかしてなにか不味かっただろうか?そう思っていると答えはすぐにわかった

 

『よし、なら私の行きつけの場所で親睦会だな!』

 

『いや、酒を飲みたいだけでは?』

 

『そうだが?』

 

『開き直ったぞコイツ』

 

 

テンポのいい会話が終われば日程を決めて当日集合となりました。本当にお世話になりっぱなしだなとおもいつつ。サリアさんと別れて部屋に戻りましょうか

 

 

 

……………勿論ちゃんとサリアさんとの会話も続けていきますよ?色々と、話したいので




どうだ?あかるくなったろう?

というわけで次のお話はリスカムメイン。ちっこくて可愛いぞリスカム

主人公視点最近要らないんじゃないか理論が作者のなかで展開され始めてる

シリアスルートは要る?要らない?

  • 居る
  • 要らない
  • 曇らせるなら要る
  • イチャコラルートも平行できるなら要る
  • 何で俺に気持ちよく閲覧させねぇんだ!
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