テラに異世界転生したら不憫さん(サリア)になっていて人間関係が泥沼過ぎる件 作:もふもふニキ
「大丈夫か」
「ひゃい」
「まずは深呼吸だ」
「ひゃい……」
目が覚めると目をぐるぐるしながら顔を赤くしているリスカムがそこに居た。どうやら自分でここまで来たことを恥ずかしがっているらしい。まあそりゃ自分が駄々こねながら甘えてるのに気づいたらそうなるわな。そう思いながら何とかなだめる方向に行く。このままだとこの子オーバーロードしかねないし。
「先程のことは、まあ……気にするな」
「ひゃい…」
気にするなって言われる時になるよね、わかるわかる。と言うか、さっきからずっとリスカムがひゃいとしか言ってないんだが大丈夫なんかな。語彙力完全に死んでない?
ぽふぽふと錯乱してるリスカムをあやすかのように撫でると悪化した。解せぬ、これでウィーディちゃんは大人しくなったんだが。リスカムには効果がなかったようだな。残念
そんなことよりも今はやることあるからな。
「さて、本題に入るとしようか」
「…本題?」
「……アーツの使い方」
「あっ」
リスカム、脳内がショートして思考回路が死んでるなこりゃ、いつも出来てることが出来なくなってる。多分戦い方の問題だけじゃないのかもな……。
「先ずは、お前の戦い方についての話だ」
「はい……ええと、その前に一ついいでしょうか」
「なんだ?」
「この体勢で、やるんですか?」
リスカムは恥ずかしそうにそう訪ねてくる、いわゆる抱っこ状態で進めるつもりなのが不満なんだろうか。
「此方のほうが効率がいいと判断した、それだけのことだ」
「そう、ですか」
「嫌なら下ろす「このままでお願いします」──そ、そうか」
食い気味で言うの、ウィーディちゃんもそういえばあったなんて思いながらリスカムが落ちないようにしつつテキストファイルを展開しつつ説明を開始する。
「先ず、BSWで求められることとの違いだ」
そう言いながら箇条書きで簡素ぬまとめられた項目を示しつつ説明していく。
「BSWは主な仕事として護衛、要人警護を主としていて表立った大規模戦闘はあまりなかっただろう、ここは認識に間違いがないか?」
「そうですね、BSWの主な仕事はそれで間違いありません」
「それに比較するとロドスはどちらかと言うと能動的な行動を求められる場合が多い。護衛ではなく保護、要人を警護するのではなく此方が要人を取り押さえたりする場面も無きにしもあらずだ。そしてロドスは個人、あるいは一つの団体を相手をするだけではなく。もっと大き時代のうねりと戦わなければならない場合がある。そこも大きな違いだ」
「ふむ……」
「次に作戦内容だ、BSWのチームアップの規模は私は詳しくは把握できては居ないが多くても数人の隊が数個動く程度だろう。だがロドスの場合はドクターが指揮を担当する12人と協定を結んでいる臨時オペレーターが一人、それ以外にもエリートオペレーターを主軸とする隊が数隊。加えて諜報活動を担当する部隊、これはエリジウムなどが担当している。また斥候として足の早いオペレーターや隠密性の高いアーツを保有するオペレーター、超長距離。この場合は対移動都市用の武器を装備しているオペレーター等が含まれるだろう、このように適材適所が行われているものの。戦場は水物だ、絶対はありえない。他の隊と更新が途絶。或いは全滅してしまう場合もあるだろう。それを考慮した際、何よりも求められるのが適応力だ。自ら考え、行動し、最善を常に引き当てられなければ戦場の藻屑になるのは自分だからな。此処までは大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、続けてください」
「了解した、それを考慮した上で話すとなると。BSWは対個人戦を重きに置き、ロドスは対集団戦、或いは一個小隊を基盤とした団体戦。BSWは契約が終わり次第撤収すると思うがロドスはそうではない、いうなれば終わらない戦場にずっといるようなものだ。モグラ叩きどころの話ではない。敵を逃せば後々の作戦に支障が出る。そういう事情も相まってロドスでのオペレーター業務と他の企業の業務とでは雲泥の差があることが予測される、この辺りの意識格差の是正についてはドクターと後で話し合う必要性がないとは言えない、現にリスカムが悩んでいる以上他のオペレーターもないとは言えないのが現実だろう」
「意識の格差は、身にしみて実感しています……」
「焦る必要性はどこにもないさリスカム、それを踏まえた上で。一番重要になっているのが柔軟性だ。リスカム、BSWでは渡された指南書の手はず通りにやるように厳命されているそうだな」
「そうですね、基本的に指示のないことをしてしまうと懲罰対象になる可能性も」
「良く言えば規格化された戦術と技術を提供しているとも言える。逆を言えば、柔軟性と対応力に欠ける古臭いいつの時代かと言ってしまうような古びた思想だな。戦士から思考能力を奪うのは死んでこいと言われてるのとさほど変わらん」
そう言うと言葉の辛辣っぷりにリスカムが思わず苦笑していた。ただ事実だ、マニュアルは所詮マニュアル。規格化された行動なんてありふれていて対処なんて容易なのだから
「此れがお前が実力を発揮できていない理由の一つだ。だいぶ駆け足になってしまったが私の言いたいことは伝わったか」
「はい、大まかには。やっぱり癖は生中には治りませんね」
「癖とはそういうものだ、さて。アーツについてだな」
説明したファイルを一旦閉じて別のファイルを展開しつつ説明を続ける。
「リスカムのアーツを見る限り、防御にも効果を発揮するが。攻撃にも転用できるな?」
「できなくもないのですが、その。反動が……」
「そこもロドスのオペレーターとしての意識の差だな、たとえ反動があるアーツでも切らねばならないときは必ずやってくる。そこをフォローアップしていくのがほかのオペレーターの仕事だ。何も一人ですべてやれとは誰も言っては居ないさ」
歯切れが悪い言葉を言うリスカムの頭を撫でると大人しく頷いてくれる。この子、聞き分けが良すぎるんだろうな、たまには我儘言ってもいいと思うんだが相棒があれじゃあそういう暇ないんだろうなぁ。そう思いながら。
「攻撃と防御の択が取れればかなり戦術の幅も広がるし相手にもプレッシャーが掛かる」
俺らの世界で言うところの格ゲーの二択ってやつだな。攻めるか守るかで揺さぶりをかけた時の効果はどの世界でも変わらないようだし。
そんな風にサリアさんが残していってくれた資料を元にリスカム用のアーツの訓練メニューなんかもしたためてみたんだが結構喜んでくれてよかった。
「BSWは息が詰まりそうになってて、今戻れと言われても。正直戻りたくは……ありませんね」
ふと、そんなことをリスカムが零したから思わずこう言ってしまった。
「嫌なら此処に居ればいいだろう?」
───リスカムsaid
サリアさんに恥ずかしいところを見られて思考がショートしてしまった私を落ち着けつつ、本題について色々と話しをしてくれた。
なんのファイルかな、とは思っていたもののまさか自分のためにいちからしりょうさくせいまでしてくれていたとかんがえるととても申し訳ない気分になってしまう。サリアさんは性分だって言ってくれてたけど後でお返しでも考えないといけませんね。
そんなことを聞いていればふとこんな日も長くは続かないんだろうなと思う。私はBSWから派遣されているオペレーターであって厳密にはロドスのオペレーターではないことを考えないようにしていました。
正直に言えばロドスのほうがずっとずっと居心地がいい。BSWは息が詰まって仕方がない、もともとはクルビアの傭兵部隊が前身なだけあって規律も厳しいし。サリアさんが言ったように古臭いいつの時代かと思ってしまうような思想だなとも私は思う。
だからかもしれないけれど、思わず零してしまった言葉に若干後悔していると、サリアさんがそう言ってきた。
一瞬何を言われたかわからないという顔をしている私にサリアさんはこう続ける
「兵士は奴隷ではない、お前はお前だリスカム。お前の人生なのだから、お前が決めていい」
「し、しかし」
「責任、というのなら感じる必要はない。企業が社員を選ぶように社員も企業を選ぶ必要がある。他のところに派遣した社員がそちらの方に魅力を感じて元の企業から去る場合も珍しくはないし、元の企業が文句を言う権利もない。企業努力が足りん、その一言で一蹴できる」
私の言葉に被せるようにサリアさんが先程とは打って変わって前のサリアさんのイメージ通りの厳格な物言いに変わっていく。
「何時までも変わらないものはない、絶えず変化を強いられるこの世界で変わらないことを強要する、それこそ悪だ。なんならBSWと一線交えても私は構わないとすらおもっているさ」
その言葉に思わず目を見開いてしまう、BSWと一線交えるということはクルビアにおけるロドスの活動が厳しくなるということなのだ、流石にまずいと思いつつも嬉しかったには嬉しかった。
「お前はもうロドスの一員でもある、それを本人の意志を無視して強奪してくるのであればレユニオンとさして変わらん───」
そこまで言わなくても、と思っていれば
「───まあ、それは建前上の話なのだが」
「え?」
不意に此方を抱きしめながらサリアさんはこう言ってくれた。
「お前は私の後輩だ、理由はそれだけで十分だろう」
なんてないことを言うように言ってくれたサリアさんの言葉が、深く深く心に残った。
「私が教えて、導くんだ。ならもう立派な後輩だろうに。成長していく姿も見ていきたいところではある。それを邪魔しに来るのだから追い返すさ」
フッと笑いつつサリアさんは此方を安心させるような言葉をかけてくれる。
「ちなみにだが、一番お前を心配していたのはニアールだ」
意外な名前が出てきてびっくりしている私に対してサリアさんは言葉を続ける。
「二アールに妹がいる事は知っているだろう?恐らくだが、それと重ね合わせるところがあったんだろうなニアールは」
そう言うとサリアさんは自分の端末を弄ると画面を見せてくれた
『すまない、時間はあるだろうか』
『ニアールか、珍しいな。直接話しかけてこないのは』
『……今は動けない』
『察した、皆まで言うな』
『感謝する。話というのは、とあるオペレーターなのだが。リスカムというオペレーターと交流はあるか?』
『いや、今のところは特に』
『特にはないが、どうかしたか?』
『最近様子がおかしくい、注意力が散漫になることや。上の空になっている』
『それは、確かにおかしいな。リスカムはBSW所属のはずだ』
『あぁ、きな臭いところはあるものの彼処が生半可な人員を送り込んでくるわけがない』
『となると』
『恐らくは人為的な工作を受けているか、精神的なもののどちらかだろう。私は後者と踏んでいる』
『だろうな、ロドスで外部協力オペレーターにそんなことをする阿呆は居ないだろう』
『サリア』
『なんだ?』
『リスカムを外部協力オペレーターと呼ぶのはあまりしないで欲しい。彼女ももう我々ロドスの一員でもある。疎外感は、なるべく与えたくはない』
『それもそうだが、やけに肩入れするな?』
『……彼女と同じような年齢の妹が居てな』
『なるほどな』
『そういう理由もある、だからなるべくでいい。気にかけて欲しい。私が気にかけるだけではカバーしきれないという事と。何分不相応の肩書がついて回る、多少なりとも威圧感を与えるのは良くないことだ』
『相変わらず真面目だなニアール、わかった。それとなく気にかけておこう』
「とまあ。こういうことだ。お前は私達の後輩だ、精々頼って自分の糧にするといい」
サリアさんが見せてくれた画面がだんだん滲んできた。また泣きそうになってしまう自分が嫌になるが、我慢しなくていいというようにサリアさんがまた撫でてくれる。
此処の人たちは本当に温かい人達ばかりだ。私も頑張らないといけないな、サリアさんの腕の中でそう私は決意した
とりあえずリスカム編は此処でお仕舞い
とでも言うと思ったのか!(デデーン)
次はリスカム+ニアール+ホシグマのお話です
追記
デイリーランキングに乗ってた、なして…?
シリアスルートは要る?要らない?
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居る
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要らない
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曇らせるなら要る
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イチャコラルートも平行できるなら要る
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何で俺に気持ちよく閲覧させねぇんだ!