テラに異世界転生したら不憫さん(サリア)になっていて人間関係が泥沼過ぎる件 作:もふもふニキ
「此処か、お前の予約していた場所は」
「そうですね、此方になります。あまり格式張った場所は私も好みではありませんし。リスカムさんが慣れてい無さそうですから」
「お気遣い感謝します」
「ようやく、腰を据えられそうだな」
「誰のせいだ誰の」
「まあまあ、過ぎたことですし。あまり虐めるとまたすねてしまいますよ?」
「わ、私はそこまで弱くはない」
「でもついさっきまで帰る帰るーって」
「ゴフっ」
「…リスカム。お前…」
「良いボディブローが入りましたね」
龍門の大通りから外れたすこし寂れた酒場。常連客しか寄り付かないのかまばらにしか席が埋まっておらず。2階建ても相まってホシグマが予約していたところは疑似貸し切りになっていた。
そんな事もあって席に座るなりわいのわいの話し始める。そのたびにニアールがいじられまくっているのだがそれもやむなし、フランカへの返しがデフォルトになっているためいい感じに突き刺さっていた
酒を注文するだけ注文して手持ち無沙汰になっているので話は終わらずに居た。
「そういえば、ロドスから通知が来ていましたね」
「私の方にも来ていました」
「私は特に何も」
「私もだ、何だろうか」
ホシグマが通信端末を開きつつそう言うと3人とも確認する。ホシグマ、リスカムには来ていて。ニアールとサリアさんには来てなかった。なんだろう、通知ってのがまためんどくさそう
「確認してみましょうか」
ホシグマが半分流し読みを始めると段々とめんどくさそうな顔をしつつ。とうとう端末を閉じてため息、リスカムも今は話すタイミングではないという風に頭を振る
「いえ、何でもありませんでした。ただの連絡事項です」
「いや、そうは見えなかったが…」
「気を抜くときに抜かないと誰かのように体調不良になりますので」
「そ、そうだな」
どう見てもそうは見えなかったのでニアールさんが
そうこうしてるうちに酒とか料理が運ばれていた。いろんな酒もあるし、飲んでみるかな
「確かに、たまには肩の力を抜くのも良いいだろう。此処に居るメンバーは……まあ、なんというか」
「気苦労が多そう…です、ね」
歯切れの悪い言葉を言うサリアにリスカムが補足を入れる。
ホシグマ→チェンとスワイヤーの喧嘩によく巻き込まれている。たまに物損を起こすのでこっそり処理したりあんまりひどいとお説教したりしている。危機契約では敵のど真ん中に突っ込んでドローンの攻撃反射させられたりしてた。苦労人
ニアール→チェルノボーグでタルラと戦わされたり、妹を助けに行ったり。ついでにバイオテロを喰らったりと何かと貧乏くじを引きがち、苦労人
リスカム→相棒が相棒な時点でもはや語らずに及ばず。そのうえ後輩二人が居る、素質も相まって重要な作戦に駆り出される。バッテリーにされる、デコイにされる。数え役満である。苦労人
サリア→よく過労死しなかったなお前筆頭。割とどんな作戦にも放り込まれる、初見は必ずと行っていいほど放り込まれる。休ませてほしいというのを言わないのは意地だったんだろうか。苦労人?
「日頃の鬱憤…は感じない方も居ると思いますが。ガズ抜きをしましょう。では、乾杯」
ホシグマの音頭とともにガス抜き兼親睦会がスタートした。
「そういえば私近日起きた食堂の騒動のことを知らなかったんですけど。あれはなにが原因だったんですか?」
「あぁ、あれか…」
「そういえば私も後始末から来たからよく知りませんね」
「私も詳しくは知らない。ハイビスカスが行なったぐらいで。医務室に運ばれた奴が多数いたことぐらいだ」
「あれは…ことの発端はドクターなんだ」
ニアールさんがそう言うとやっぱりドクターが発端だと3人は納得しつつ何してんだあの人っていう顔をする。
事件の発端をかいつまんで話すとこういうことらしい。
ドクターが理性回復剤をがぶ飲みする→戦線を練り歩く→がぶ飲みする→戦線を練り歩く
これを数回やってると当然理性回復剤がなくなる。それをどうにかしようと思ったときに食事に行き着いたらしい。そういえば理性回復剤の中にお菓子っていう情報あったな。危なすぎだろ
マッターホルンやグムに頼めばよかったのにそこは理性ゼロのドクター。血迷ったのかハイビスカスに頼んだ結果があれらしい。
「何をしてるんだドクターは」
「明らかな人選ミスですねそれ」
「はぁ…」
それを聞いた三人はそれぞれ呆れた日表情を浮かべる、さすが理性0。もしかしたら俺らも前はそんな感じだったのかもしれない。恐ろしい
なんてくだらない話を数十分。すこしずつ酒も入り、ホシグマがオフモードになりつつ、リスカムも肩肘張ってたのがようやく収まった様子。
「あれ、ニアールさんあまり飲んでないんですね」
「確かに。進みがあまり良くない、酒が合わないのか?」
すこし酔っているリスカムがなかなか減らないニアールのグラスを不思議そうに見ていて、ホシグマはぐいっとグラスをあおりつつ問いかける
「いや、そういうわけではない。そういうわけではないんだ」
「……料理もあまり食べてないな」
あからさまに視線を泳がせているわかりやすい姿に思わずサリアがグラスで口元を隠してはいるものの笑っているのがうかがえる
「ニアールさてはお前………」
サリアの言葉にギクッとしたニアールは尻尾を跳ねさせ、明らかな動揺を見せる。もうなにか隠してるのはバレている。そうなればもうどうすればいいのか三人は知っていた
「すみませんニアールさん」
「職務質問だ、まあ何も隠し事がないなら怖くはないだろう?」
「ななな何をするつもりだ!?」
さり気なくホシグマとリスカムが両脇に立つと腕を掴んで捕縛する。哀れニアール、もうお前は逃げられないのだ。
じたばたと暴れはじめるのだがそこは警察官と護衛のプロ、ガッチリとガードして逃げるすきを与えない。
「すぐに終わる」
「そういう問題ではない!」
なんとなくキメ顔で言ってみるといい感じにニアールさんがツッコミを入れてくれる。まあやめないんだが?
「では、失礼して」
そろそろーっと指を突き出してお腹周りにさして見る。まあニアールさんのことだから鍛えてるだろうし。下手したら指がボキってイキそうな気が───
──ぷにっ
「──?」
ん?
もう一度突いてみよう、なにかの間違えかもしれない。もしかしたら脇腹を突いてしまったんだなそうに違いない。もう一回……
─ぷにっ
「????????????」
「お、おい……サリア?」
「大丈夫ですか?」
なにか理解できないものを目の当たりにしたような宇宙ヴィーヴィル顔をしているサリアにホシグマとリスカムが心配そうな顔をする。そしてニアールはなにか諦めたような顔をしている
「───」
「え、ちょ…サリアさん。待って……────???????」
無言でサリアがリスカムの腕を取るとリスカムが慌てた顔をするが、同じようにニアールのお腹にふれると宇宙ヴィーヴィルになった。
「───あっ……」
そして何かを察した顔のホシグマ、なんとなく同じようにお腹を押すとなんとも言えないような顔になる。
「…─ニアール」
「……なにかな」
ようやく再起動したサリアが二アールに声をかける。それに何故か朗らかな顔をしてるニアールが返答したのを見て、これは一息にやらねばならぬと理解したサリアはためらわずに告げる
「…お前、さては最近食生活気にしなさすぎで太ったな?」
尋問が始まった──!!!!