テラに異世界転生したら不憫さん(サリア)になっていて人間関係が泥沼過ぎる件   作:もふもふニキ

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見切り発車

続かない


ギャグパート
第一話 不憫って? ああ、それってサリアさん


(…なんだこれ)

 

目が覚めると知らない天井…いや、見たことはある。というか死ぬほど見たこれはあれだあれ

 

(()()()()()()()()())

 

アークナイツ、Yostarから配信されてるスマホゲーム…いわゆるソシャゲだ。

 

ストーリーの内容が救いがなかったりもやもやしたりするけどそこを評価するプレイヤーは非常に多かった。プレイスタイルもかなり幅が広い。ただのゴリラドラミングナイツから1マス固定で戦う1マスナイツ、オペレーターを代わる代わるエクスチェンジしまくるリレーナイツ、一番やべーなのは補助オペレーターオンリーの補助ナイツだったかな、あれはヤバイって。

 

俺は至ってフツーのプレイヤー、掘りイベントで大体素材を200~300位集めて、昇進2したオペレーターは30人位、特化したオペレーターが15人いるかどうかって言う位のただののんびりプレイヤー。そして龍門はすぐなくなる、お金は儚い…

 

そういえば確か寝落ちしてたんだっけか…CE5あと40回んなきゃいけなかったのに。これは失敗した。せっかく新しい☆6オペレーター手にはいたってのに、素材も万全で龍門もたm…そういえば他のオペレーター育ててなくなったんだっけか。南無三

 

(……そういうことじゃないな今は、うん)

 

とりあえず状況確認…状況確認…状況…確認…

 

「…………」

 

──────おかしい

 

そう、感覚がおかしいのだ。俺はただのヒューマン、人間、アークナイツ的に言えば滅んだ種族、てっきり俺はドクターになるのかと思った、だって…ね?大体こういう場合ってそういう感じじゃん?

 

だけど

 

──ゆらゆら

 

(尻尾があるうううううううう!!しかもよく見るやつうううううううう!!!!)

 

本来備わっていない物を動かす感覚ってのはかなりアレな感覚だ、こう…変な気分になる。うぅ………

 

そして恐る恐る頭に手に触れてみる、一類の望みをかけた。もしかしたら、もしかしない可能性もある。多分☆6オペレーター3枚抜きする可能性ぐらいはあると思う。多分、きっと、メイビー………

 

(左右に…角が二本─────)

 

終わった。

 

俺の人生は終わった────

 

もう顔を確認しなくてもわかる、というか最初からわかっている。尻尾を見た時点でもうわかっていた、というか確定だった。

 

だが、待ってほしい。もしかしたら、クローンとかそっくりさんの可能性もある。そこは…いやないか、観念して鏡に向かう。

 

 

(──デスヨネー)

 

そこに映っていたのは──変な笑顔を浮かべていたヴイーヴル──アークナイツ過労死ランクNo.1。重装オペレーターサリアだった

 

☆6オペレーター サリア

 

素質で時間が立てばステータスがノーデメリットで上昇。おまけに回復したときにオペレーターのSPを1回復するアホみたいな素質。こっちもノーデメリット

 

S1は高難易度で光る、医療重装オペレーター…いわゆる医療盾の標準的なスキルではあるもののサリアの高い攻撃力から放たれるそれは一気に全快するレベルで高い

 

S2はS1よりも回転数、回復量より落ちるものの、味方全員回復する。だが回復範囲は広く、同時に回復できる人数に制限が無い。これがめちゃくちゃ強い、これもノーデメリット、チャージはできない。出来たら回復はサリアオンリーでいい。それぐらいヤベースキル、初期でありがちな調整ミスレベル。S1よりも回復量は少ないけどそれでもかなり回復する。編成でも医療オペレーター1、2人の医療オペレーターを省ける、というか回復はサリアだけでいい場合もある。密集陣形の場合本気であり得る。ブロックも昇進1で3になって敵を止めつつ重装の中でも素の攻撃力が高いので削れるし回復するわでサリア一人で3人分の働きをしちゃう場合もある

 

S3味方に継続+術耐性ダウン&減速の複合スキル。危機契約でよく見るあれ。なんか周りにとんでる、俺はシールド◯ァンネルっぽいと思ってた

減速で敵の進行を食い止め、術耐性ダウンでエイヤのバーニングファイヤーやイフリータのBBQなんかを補助して敵を撃滅しつつ。フィリオプシスのエンケファリンもビックリな回復速度で盤面をひっくり返すアホみたいなスキル。危機契約はサリアS3の有無で難易度が激変する。しかもこっちも減速、術耐性ダウン、回復の人数制限がない。アホか(誉め言葉)

 

という感じでサリアは激強オペレーター。大陸…本家アークナイツでもいまだに現役。というかサリアの代用が一切いないので仕方ない、というかいたらゲームバランスおかしくなる。インフレ待ったなし!

 

なのでよくサリアは「スキル全特化推奨」だの「サリアはS1とS2とS3でそれぞれ分裂してこい」とか「サリアS2は強いけどサリアが持ってくることが一番のデバフ」何て言われてる。あげくのはてには「サリアは強いけどサリアであることが一番の制限」とも。

 

言わんとしてることは分からんでもない、だってサリアつえーんだもん…本当に分裂して?…いや、今は俺がサリア(仮)だから分裂したくない。

 

サリアは強さは一級品だけど…もうひとつ話題がある。

 

それは…駄目パパである。

 

いや、女だからパパじゃないだろ?って思うじゃん?でも、サイレンス(嫁)がいてイフリータ(娘)が居たりする。うん、おかしい!

 

───現実逃避は此れぐらいにしておこう、うん。状況はちっっっっっっっっっっっとも変わらないんだから仕方ねえ!

 

(──というかサリアさん(真)はどこ行ったし)

 

少なくとも今は特に変わった感じはしない。いや、女の体からかなり…その、あれなんだけど。トイレとかどうしよ…シャワーとかも大変そうだなぁ。心頭滅却して耐えねばならん。これなんてクソゲー????

 

サリアさん(真)、俺のなかに残ってるならできれば表…表なのか?わからん。とりあえず表に出てきてほしいんだが、どうやっても俺がこの過労死ナイツを生き残れる気がしないんだけど!!!!

 

…というか。サリアさん(真)が表に出てきたら俺どうなるんだろ、やっぱり消えちゃうのかな?夢オチでしたー…ってのが理想なんだけどそれはあり得んからな。だって感覚が生々しいんだもん。なんかサリアさんの体から薬品の匂いするんだもん、ぐすん。

 

そういえば、俺の──いや、サリアさんの体で声とか出したことなかったな

 

「あー…あー…」

 

──やだ、イケメン………

 

我ながらうっとりしてしまう。やっぱりサリアさんの声は良いよなぁ。くっそカッコいい、なんというか凛々しいよな。

 

そして──やっぱりこれをやんなきゃ行けないよな!!!!せっかくサリアさんの体になったわけだしさ!!!!

 

 

「───ここは安全です!(無表情+低音ボイス)」

 

決まった─────

 

やっぱりこれやんないと駄目だよね。だってハイビスカスとサリアさんの声一緒だし、いや初見は絶対気づかないけど。それはそれ、やりたかった。後悔はしていない。

 

とりあえずサリアさんの部屋(っぽいところ)から出てきた、あそこにずっといてもなにも変わらない。というかあそこにずっといたら変なことしそうで怖かった。

 

「……どうしたものか」

 

声を出すとサリアさんの低音イケボで出てくるから困り者である。早くなれないといけないけどこれは当分馴れそうにない。

 

そんなこんなで食堂へとやって来た。腹は空いてないけど、なにか食べないと不味い、そんな気がした

 

「───?」

 

なにやら視線が此方に向かっている。名前の知らないオペレーターからネームド持ちのオペレーターまで。

 

ただ、その視線がちょっと腫れ物を見るような─いや、同情しているような眼差しだ。よくわからなくて首をかしげる

 

───ドドドドドド

 

なにやら通路の方からとんでもない足音が聞こえてくる。なにやら非常事態なのか?そのわりにはオペレーターは出払ってる感じはしない。テンニンカがご飯食べてるのがそれだ、テンニンカ抜きは辛い。とても辛いのだドクターは

 

そうこうしていると───

 

「すみませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

──黒づくめのドクター(変態)がスライディングジャンピング土下座してきた。

 

これは…なんという完成度…!丁度此方の足元の手前に来るように速度計算をして、滑空時間も計算され尽くしている。これがドクター…!(※能力の無駄遣いです)

 

─────────────

 

「ドクター!館内を走り回らないでください!お仕事増やしますよ!」

 

「そ、それだけはご勘弁を!CCO様!」

 

「CEOです!」

 

「企業代表取締役!?」

 

「わざわざ言い直さなくて結構です!」

 

それから少ししてCEOことアーミヤがやって来た。スライディングジャンピング土下座を繰り出したドクターをハリセンで叩いている。どこから出したんだろあれ、そしてスッゴい痛そう、あと漫才のキレが凄まじい。日常茶飯事っぽいな、誰もドクター助けない

 

「状況がよく分からないが…とりあえず騒ぐのを辞めろ。埃が舞う、それが料理にかかる、そしてその漫才は他からしたら騒音だ。ここを食堂だということを忘れるな」

 

「す、すみませんでした」

 

「申し訳ない………」

 

とりあえず二人を落ち着かせる。サリアさんの言い回しはキツイ感じが大事なので言ったけど、二人とも凹んでいる。そりゃサリアさんの低音イケボで静かに怒られれば怖いわな、それはしゃーない。俺だって凹むだろうしその場から逃走すると思う

 

(良心痛むなこれ………)

 

やれやれといった風に頭を振る──ポーズを取る、うん。俺はなんとも思ってないけど二人はそうじゃないもんな

 

「──入り口に居座るな、席に座るぞ。ゆっくり話もできない」

 

──周りがどよめいた

 

え?なんかやらかした?サリアさんってかなり厳しい感じするけど優しいときは優しいと思うんだけど、もしかしてサリアさんロドス着任して間もない感じ????

 

「──────」

 

「──────」

 

「──────」

 

『─────』

 

(なにこれ気まずいんだけど)

 

とりあえず席に座らせて軽い軽食を頼んでいる、俺はコーヒーだけ。なんとなく飯を食ってる場合じゃない気がする。どうやら余人に聞かせたくないのか人払いをしていた

 

「───話があったから来たんじゃないのか?」

 

とりあえず此方から切り出さないと駄目らしい、そういうとドクターはしこたま居心地が悪い様子を取る、アーミヤはそんなドクターを肘撃ちして発言を促す

 

「サリア、からだの方は…大丈夫か?」

 

「体?なんのことだ?」

 

おずおずといってきたドクターに片眉をあげる。サリアさんの体は至って健康体だ、あんだけ戦場に駆り出されてるのに全然疲れとか残ってない、すごい

 

「なんのことって…作戦中に敵のアーツから私を庇ってぶっ倒れたんだが」

 

え、マジ?初耳なんですけど。そんな風にしているとアーミヤが説明してくれた。

 

いつも通りに作戦をやっていた

異常事態が発生して撤退を余儀なくされた

ドクターが狙われた

サリアさん(真)が庇ってドクターは無事。でも当たり所が悪かったのかサリアさんは昏睡

数日間目を覚まさなかったけど今日起きて医療室から居なくなってて慌てて探しに来た。

 

 

という感じらしい。わあ…サリアさん行動もイケメンだった。というかあそこ医務室だったんか…それに道理でサリアさんの体から薬品の匂いがしたんだな

 

「というわけなんだが、「ドクター一つサリアさんに質問しても良いでしょうか?」なんだアーミヤ?」

 

アーミヤがドクターの会話を横切る。やべ、アーミヤって心読めるんだっけ、かなり不味いんじゃねこれ?

 

「サリアさん、記憶はございますか?サリアさんの雰囲気がいつもより柔らかいと見受けられます」

 

核心をついてきたぞこの娘、やっぱり魔王だわ…

 

「───隠し事はアーミヤには通用しないらしい」

 

俺がため息をつけばアーミヤは納得顔をしつつ、ドクターは頭を抱えた。そりゃそうだよな、サリアさんの記憶がぶっ飛んで使い物にならないって考えると頭も抱えたくなるわな。

 

「サリアさん、今現在覚えていることを教えてください」

 

「私の名前はサリア、元ライン生命所属。ロドスには─摂理を踏み外した者を正すため協力している。アーツはカルシウム系のアーツ…残念ながら覚えていることはこの程度だ、今の情勢。日時、レユニオンの進行状況等は覚えていないようだ」

 

公開されてる情報だけをとりあえずのべておく、プロファイルで出されている情報はあまり出さない方が良いだろうしな。

 

「イフリータとサイレンスののことは覚えているか?」

 

ドクターが言葉を投げ掛けてくる。これも大事なことだ

 

「───あまり覚えていない。ただ一つ覚えていることは。あの二人には酷いことをしたということだけだ」

 

目を伏せて沈んだ声で言葉を投げた。半部演技だが半部本音だ、サイレンスとイフリータから向けられる感情はぐちゃぐちゃしすぎてゲーム内でもあまりよくわかってないんだ。

 

ただ、そこは重要じゃない。重要じゃないんだ

 

 

「ただ──()はあの二人に顔を合わせる資格はないことだけは覚えている」

 

そう、俺はサリアさんじゃない。サリアさんに一時的に乗り移ってるだけなんだから。本人じゃない俺があれこれ言うのは間違ってるし、今は覚えていないことにした方がいい。それがいい

 

────ドクターside

 

「──サリアさん、気落ちしていましたね」

 

「あぁ…仕方ないだろう。記憶がぶっ飛んでるようだし」

 

アーミヤと二人、廊下を歩きながら会話をする。サリアはどうやら気が滅入ったらしくコーヒーに一口飲んだだけで部屋に戻った。部屋の場所を教えようとしたが

 

『それぐらいは覚えている』

 

そういって部屋に戻った。本人からしてみたら私達が思っている以上に応えているんだろう、気落ちするのも無理はないし一人になりたいのも当然だった。

 

「サイレンスさんとイフリータさんのことも…ほとんど覚えていない様子でした。彼女の言葉からは嘘は感じられませんでしたし」

 

アーミヤがそう言葉を漏らした。どうやら嘘をついていないか、アーツに操られていないかずっと探っていたらしい。こういうところは抜け目がない、さすがCEOである。

 

最初はアーミヤは疑っていた。あのサリアがそんなちゃちなものにかかると私は思っていなかったら私は信じていたのだが。アーミヤが嘘をついていないと思ったのはサリアのあの一言だった

 

『───あまり覚えていない。ただ一つ覚えていることは。あの二人には酷いことをしたということだけだ』

 

『ただ──私はあの二人に顔を合わせる資格はないことだけは覚えている』

 

あのときのサリアはまるで罪人のようだった。長年隠し通してきた罪状を告白するようだった。遠い誰かに──多分サイレンスとイフリータだろう──懺悔をしているようだった。

 

朧気ながらも二人に対して罪の意識がある。でもどういうことをしたのか覚えていない、だけど何かしたのを覚えている。とても酷いことをしたという罪状だけが残った、そんな風だった。

 

ドクターは今のサリアの気持ちが心を覗いたアーミヤよりも理解できている自信がある。私も記憶がないのだ、だが過去に私がやった罪状だけは残っている。罪状というよりは業、というべきだろうか

 

「アーミヤ。サリアの記憶の消失のことはくれぐれも機密に頼む、今はそっとしてあげたい」

 

「はい、ドクター…」

 

アーミヤの尻尾と耳が垂れる。この子も優しい子だ、おそらくサリアのあの言葉が残っているのだろう。もし自分がそうだったら…そう考えているに違いない

 

「──今度は私が助ける番だ」

 

元はと言えば自分の行いのせいなのだ、サリアがああなってしまったのは…そう思いながらサリアの力になることを誓うドクターだった

 

 

 

 

 

 

アークナイツ(悪口)は居る?要らない?

  • 居る
  • 要らない
  • もっとイチャコラしろ
  • もっと不憫しろ
  • もっと周りが拗らせろ
  • もっと腕にシルバー巻くとかさ!

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