クソ雑魚貧弱オリ主 作:とく
我完全復活也!!!!いやぁ、死ぬかと思いましたよ、ええ。シンプルに死にかけてたからね、マジで。血が足りないし身体中ボロボロだしで本当にやばかったでござる。五日間寝たきりだったらしいしね。本当にギリギリで、悠人がいなかったら死んでたらしい。なんか気に食わないが感謝は伝えておいた。
「お、いらっしゃいまふゆ」
「…うん。ねえ、凛」
「ん?何?」
まふゆが来た。最近来る頻度が少し落ちていたのだが、何かあったのかと思っていたところだ。
「…インフルエンザから体調が快復の傾向にあるでしょ?」
「ん、ああ…らしいな」
「…うん。だから、私の学校の体育祭見に来ない?」
「…え、行くけど」
「分かった。一応私の学校は招待式の体育祭だから、私が呼ばないと見にこれないの」
「お嬢様学校だなぁ…」
招待式の体育祭ってなんだそれ…大抵誰でも見にこれる感じじゃないのか…?いや、それは文化祭なのか?いやまあいいか。それにしても体育祭か、楽しみだなぁ。
★★★
さて、日にちは変わって体育祭本番。まふゆに車椅子を押されやってきたのは宮益坂女学院そう、女学院である。右を見ても女子、左を見ても女子。上を見ても女──まふゆが見える。うーん、これは気まずい。
「随分気まずそうだね、凛」
「当たり前なんだよなぁ…あ、そういや知り合いに話しかけに行っていいか?」
「うん!もちろん良いよ?」
なるほど、そりゃ外だから良いこのお面被るか。というか、まふゆの両親は来てねぇんだな。…ま、そりゃそうか。あの人らも忙しいだろうし。
「つーか、俺どこで見るんだよ」
「ふふふ、それはね…」
カラカラと車椅子を押され、連れていかれたのは──まふゆのクラスメイトが座る場所。つまり、保護者席では無く生徒側の場所だった。
「なんでやねん!」
「こら、叫ばないの」
「いや、叫ぶよね?おかしいからね?なんでここなの?」
「じゃあ保護者席で一人でみれるの?」
「それは…うーん…うーん…」
「ほら、無理なんじゃない」
「ぬっ…」
なんか言いくるめられたら気がするんだが?ほら、見ろよ!周りの生徒たちがめちゃくちゃこっちのことを好奇心たっぷりな目で見てるだろうが!
「…まあいいや。まふゆはなんの競技で出るん?」
「二人三脚とリレーだよ?あとは学年全員でやるやつかな」
「へぇ、リレーってあれか?走るヤツ」
「それ以外あるのかな?」
「いや、やったことも見たことも無いし」
「ああ、そうだね」
リレー見たことないなぁ。走るってことしか知らない。まあ見てれば分かるかな?…兎にも角にもだ。
「よし、知り合い探しの旅に出よう」
「良いよ。誰から行く?」
「え…うーん、そうだな。じゃあ遥の方──桐谷遥のとこ行くか」
「うん、分かった」
車椅子を押してもらいながら一年生の所へ向かう。あ、居た。相変わらず人気だねぇ。
「…あれ?もしかして凛?」
「もしかしなくても凛ですが?…よお、久しぶりだな遥」
「うん、そうだね…って、朝比奈さん?」
「こんにちは桐谷さん。凛とは幼なじみなの」
「そうなんですね…ちょっと凛、聞いてないけど?」
「言う必要あります??」
「は?」
俺と遥の視線がぶつかり火花が散っているような幻影が見える。昔からこいつと話すと煽りあいになる。
「まあいいや、回るところ多いからこんくらいにしとくわ…後ろの人らも聞きたいことが多そうだしな」
「え?…って、ちょ、ちょっとみんな?」
人の波に飲まれてった遥の姿を見て笑いながらまた別のところに行こうとして…後ろから呼び止められる。
「あー!凛くんだ!」
「…お、咲希ちゃんじゃん!やっほー」
「うん!あ、朝比奈先輩こんにちは!凛くんの付き添いですか?」
「こんにちは、咲希さん。そうなの、私の招待枠で呼んだから」
「そうなんですね!あっ、そういえば朝比奈先輩のことを先生が呼んでましたよ?」
「本当?…うーん、じゃあそうだね…咲希さん、凛のことお願いしていい?」
「はいっ!任せてください!」
「うん、よろしくね。凛もお行儀良くね?」
「俺は子供か?…まあいっか、じゃあちょっとの間よろしくね」
「うんっ!エスコートしちゃうよ~!」
レッツゴー!とニコニコしながら車椅子を押してくれる咲希ちゃんと会話をしながら色々なことを教えてもらう。最近の学校のことや幼なじみの事。
「あ、そうだ凛くん!」
「ん?どうしたの?」
「みんなが会ってみたいって言ってたから会ってみない?」
「みんなって言うと…幼なじみの?」
「うんっ!どうかな?」
少し不安げに聞いてくる咲希ちゃんだが、答えは決まっている。それはもちろん
「当然。俺も会ってみたいしね」
「ほんとっ!?…えへへ、実はねこの部屋の中にもう集まってもらってるんだ」
「あれ、それつまりどうなっても会わせるつもりだったのでは??」
「だった、凛くんは断らないだろうな~って思ってたから!」
「まあ断らないけどまね」
いつの間にやら誘導されていたようで、俺の目の前には教室がありその中に集まっているのだそうだ。咲希ちゃんが扉を開くと、そこには三人の少女。左からクールそうな黒髪の子と、その右には茶髪の穏やかそうな少女、そしてこちらを静かに見つめてくる銀髪の気の強そうな少女。なるほど、彼女らが…
「君たちが幼なじみちゃんって訳か…浅野凛です。よろしくね?」
「あっ、はい!星乃一歌です。よろしくお願いします」
「望月穂波です。よろしくお願いしますね」
「日野森志歩。…まあ、よろしく」
「天馬咲希でーす!よろしく!」
「うん、咲希ちゃんは知ってるからね?」
えへへーなんて笑う咲希ちゃんにつられて笑うと少し緊張気味だった三人も笑う。
「話は昔から咲希ちゃんから聞いてたからね、一度は会ってみたかったんだ」
「私たちも、咲希から話を聞いてて会ってみたかったんです」
「うーん、それは悪い虫は私たちが払う!的な?」
意地悪く聞いてみると銀髪の子を除いて二人がどこか慌てたように手を振りながら違います!なんて言う。これがまふゆだったら普通に殴られてたかもしれない。
「あはは、冗談だよ。からかっただけ…あ、まふゆには内緒な?殴られるから」
「朝比奈先輩が?あんまりイメージ出来ませんけど…」
「そうか?案外ツッコミとか入れるタイプだぞ?」
まあその前に毒舌という言葉が付くが。毎度毒舌を吐かれている絵名はキレていい。うん、もう本気で。しかも悪気ないのが本当にタチが悪い。
「まあまふゆの事はいいや。…あっ、そういえばバンドやってるんだっけ?」
「はい、Leo/needって名前でバンドをやってます」
「Leo…しし座流星群だっけ?見たことないんだよね」
「…見たことないの?」
「うん。見ての通り昔から病気がちだったからさ。つい最近も死にかけたところなんだぜ?」
それもインフルエンザでと笑うと目を見開いて固まる三人。すると笑い事じゃないよ!と咲希ちゃんに怒られる。
「まあこういう身だからね、普通の人が体験してることは出来てないんだよ」
今回は死ななかったが、次の病気で生き延びる自信はない。まあ何せいつ死んでもおかしくない身だ。
「だからまあ、笑って生きるのが良いさ。病は気からとも言うしね」
「凛くんは生まれつきだからその理論効くのかなぁ…」
「効いてもらわないと困るなぁ!なにせ次こそほんとに死んじゃうぞぅ!」
「えぇ!?それはダメだよぉ!ほら、笑って笑って!」
「いやいや痛い痛い!頬引っ張っても笑顔にはならないって!」
咲希ちゃんとわちゃわちゃしてると三人がくすくすと笑い出す。
「笑ってないで助けて欲しいかなって!!」
「ふふ、咲希ちゃーん。ストップだよぉ」
咲希ちゃんのことを穂波ちゃんが回収していく。やっぱりキミそういう役割なんだね。でも多分この三人の精神的な支柱は咲希ちゃんと一歌ちゃんだろう。だから、まあ。
「なにか相談があるなら何時でも聞くよ。何せ、病人だけど知り合いの数だけは人一倍だからね」
何せ俺のスマホの中には科学者、医者、アイドル、ストリートミュージシャン、音楽家…なんでも出来そうなくらいの連絡先が入ってる。
「…まあ、頼れそうなことがあればね」
「あっ、身体的な事はやめてね」
「そんなことするはずないでしょ」
志歩ちゃんに氷のような冷たい目で見られるがそんな眼力ではまふゆには勝てないぞぅ!…いや、あれはなんだろう…氷とか言うより…地獄とか深淵とかを煮詰めた冷たさだ。
「あっ、そうだ。バンドの演奏をする時があったら呼んでね。体調が良ければ見に行くから」
「ねえ、一歌」
「…うん、私も同じ事考えてると思う。咲希!穂波!」
「いっちゃん?どうしたの?」
「二人とも、あそこ、行くよ」
「え?…あっ!うんっ!分かった!ほなちゃん!」
「えぇと…うん!」
咲希ちゃんが俺の手を軽く掴むと四人同時でスマートフォンを取り出す…まさか。そこまで考えが至ったところで、四人のスマートフォンの音楽ファイルが起動され、そこへと至る。そう、その場所の名は──
「──セカイ?」
「…凛くん知ってるの?」
「…ああ、まあ。知り合いから聞いた程度だけど」
さすがにまふゆのセカイのことは話せないので濁して伝える。…しっかしマジか。咲希ちゃんたちもセカイに関わってるとは…。
「ミク、居る?」
「あれ?一歌?それに貴方は…?」
「ええと、浅野凛です。よろしく」
ミクに手を差し出すとミクも手を差し出してくれ、手を握ってくれる。…その瞬間だった。
「あっつぅ!?…って、これって…?」
手元のスマホには新たな音楽ファイル、needLeが追加されていた。これが、このセカイへの鍵?
「…まさか、これって…」
「…レオニミクさんや、多分気にしない方がいいよ。これは俺の問題だから」
「…そっか。うん、そうだね。その代わり何時でもここに来てね、歓迎するから」
「はは、そっか…うん、ありがとう。暇が出来たら来るよ」
俺とミク──Leo/needを略してレオニミクと呼ぶことにする──が話していると咲希ちゃん達に呼ばれる。そちらに行くとそこには楽器を携えて立つ四人の少女たち。そこに車椅子を押してくれていたレオニミクも歩いていき、ギターらしきものを手に取る。
「時間的に一曲しか出来ないけど…聞いてください、『needLe』」
その瞬間、5人同時に演奏を始めた。
★★★
…始めて聞いた五人の演奏は圧巻とも言うべきものだった。レオニミクも含めた五人の確かな絆と練習の証を感じる良い歌だった。…ふふ、これはまふゆに自慢出来るかも。パチパチと拍手をする。
「…どうでした?」
「…うん、とてもいい曲だった。…また、聞かせてもらってもいいかい?」
「当然でしょ。私たちはもっと上に行く…その時まで生きててよ」
「うんうんっ!凛くんにも聞いて貰うためにもっと上手くなるぞ~!」
「咲希ちゃん…それだと目的が変わってきちゃうよ?」
柔らかい雰囲気で話す四人の光景をミクと微笑みながら眺めていると、時間がそろそろ危ういことに気がつく。まだ挨拶できてない人もいるけど…まあ、それよりもっといい経験ができたから良いかな。
「そろそろ戻らないと不味そうかな?まふゆも探してそうだしね」
「あっ!そうだった!みんな、戻ろ!」
「うん。…凛さん、行きましょう」
俺の手を取って全員の手が俺の手を包み込むように掴んだ四人は同時に曲を停止させ、元の教室に戻る。
「…良い経験をありがとう。体育祭も応援してる」
「うんっ!必ず勝つから!」
「ならまふゆも倒さないとな」
「…えっ」
「行けるさ…まふゆも人間だ。勉強方面なら俺の方が賢いしな」
「そうなの!?」
「そうとも。これでも俺は賢いんだぜ?…ま、学ぶ時間もあったしな」
「へぇ、じゃあまた今度テスト勉強でも教えてもらおうかな」
「あはは、俺の病室に来てくれれば何時でも教えるよ」
少し打ち解けてきたみんなと話しているとまふゆが俺の姿を認めたのかこちらへと歩いてくる。
「やっと見つけた。咲希さん、ここまでありがとう」
「いえいえ!それじゃ私たちはこの辺で!」
「うん。じゃあ失礼します、朝比奈先輩、凛さん」
「うん。…あっ、忘れてた。俺の連絡先渡しとくよ。またね~」
「はいっ、またお話しましょうね!」
「ん、またね」
四人が後ろで手を振っているのに手を振り返す。すると、まふゆが笑っているようで笑っていない笑顔で話しかけてくる。
「随分、仲良くなったんだね?」
「…え、まあ、うん。…なんでそんなに怒ってるんですかね?というか抓るなよ!痛えな!?」
脇腹を抓られ地味に痛い。インフルエンザの時の百分の一くらい…あれ?それそこそこ痛くない?
「まあちなみに秘密」
「…そう」
「仮面、剥がれてんぞ」
「…いい事あったんだね、凛」
「ああ──初めて、流星群を見た気がするよ」
そう笑うとまふゆは首を傾げる。分からなくていいさ、いつか話すよ。…いつか、ね。
凛は 教室のセカイへ 行けるように なった ! \テテテテーン/
Leo/needの 面々と 仲良くなった ! \テテテテーン/
そしてここで明かされる新情報:凛はまふゆより頭がいい。というのも、知識量やらなんやらを加味すればの話であって、学校的な学力で言うと互角──まあすなわち両者満点ということになります。チートしかいねぇのか。
Leo/needの面々からの凛の印象は好印象かつ儚げな印象。何せ、つい最近まで死にかけてたからね、仕方ないね。
ということで後編でお会いしましょう。Leo/needの面々がちょろくないか?という意見がありそうですが、どうしてもここでバンドとセカイへの鍵を手にして欲しかったのでこういう流れにしました。ユルシテ…ユルシテ…