汚い西住の子を拾ったので虐待することにした。   作:つヴぁるnet

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触った

 

 

どこかの娘を拾ってから数日が経った。

 

 

 

見知らぬ異性と数日も過ごしてさぞかし気分は悪かっただろう。

 

例えばだ、1日一回は生命体になる予定だったモノをぐちゃぐちゃにかき混ぜてそれを調理する。 更に甘くてジャリジャリとする砂も入れてやった。 しかも虫歯の原因になりやすい材料で、いっぱい歯磨きしないとならない。 面倒な歯磨きをさせる虐待だ。 放置した場合は白装束の待ち構える悪魔の館へ。薬を打たれ骨を削られる地獄で泣き叫ぶがいい。 どちらか二つを選ばせてあげる残虐な優しさに苦しむと良い。 もちろん前者の方が救いがあるだろう、惨めにお口をシャカシャカするといい。

 

さて、話を戻すが虫歯の原因になる砂も放り込み、生命体になる予定だったモノをグチャグチャに混ぜ込んで料理する。

 

やはり残酷極まりないのか唾を飲み込んで固まっていた。

 

しかし出された料理は食べる主義なのかしっかりと完食したようだ。 でも急いで食べるあたりこの料理と長い時間対面したくない様だ。 まぁこちらとしては小娘の怯え顔も料理できて満足だから尚更良しだ。

 

しかし小娘にも反撃できる時間がある。 それは寝る時なのだが、小娘は反撃とばかりに腕を掴んで拘束してくる。 やってくれる。 もしここで激しく抵抗しようものなら騒がしく音を立ててしまう。 アパートだから横からクレームが来るだろう。 うまく周りを利用されてしまった。 でもなかなか賢い奴だ。 それに拘束時間もそれなりに長い。 だからこちらも黙ってはいられない、嫌がらせとばかりにこちらは小娘の頭を鷲掴みに触って反撃する。

 

あまり夜は騒げないから半分の力で軽くなでるようにだ。 だが頭を触れてることには変わりない。 お陰で顔を赤くして怒りを表している。 しかし暴れても仕方ない事を知っているので何もせず耐えているようだが、しばらく眠り込んでしまう。 勝負にならない事を知っても諦めずに抵抗してくれる。 ふっ、そうでないと虐待は楽しくない。

 

しかしその日は引っ越しのために早めに眠りついてもらわないと困る。

 

引っ越しのため車移動するからだ。 寝不足は集中力を下げてしまい注意力散漫になる。 何より虐待のキレも落としてしまうことが致命的だからだ。 そうやってこちらの刃を削ごうするのだろう。 だがこちらは8時間しっかりと睡眠してバッチリとコンディションを整えるつもりでいる。 ふっ、悔しさのあまりに寝不足になるがいいさ。

 

 

そして引っ越し当日の事だ、レンタル車を使って新地に引っ越す際に小娘に「残るなら今だぞ。 熊本にはもう戻らないからな」とわざわざ告げてやった。 この言葉が挑発的な行動であることはあちらも理解してるだろう。 だが小娘は「連れて行ってください」と言ってきた。

 

なるほど、新地での新たな虐待なんか怖くないってサインか、生意気な奴だ。 だが年相応の反抗な態度は嫌いじゃない。 なぜなら虐待は『嫌だ』と言うものを示してもらわないと虐待する側としてはなんの面白みもない。 例えそれが家出するほどに『嫌だ』と言ってもだ。 嫌なら嫌だと示す、人は人形なんかじゃない、それをこの小娘は理解してるから嫌なところから逃げたのだろう。 ちゃんと自分の心をコントロールしている証拠だ、優秀な奴め。 だがこの小娘は不運だ。 なぜなら小娘を拾った人間がこんなにも虐待好きだからな。

 

クククッ、まさか逃げた先がこんなに残酷と思わなかっただろう。 しかし獲物は逃がさない主義だ。 でも虐待するにもしっかりと反応を示してもらえる体力が必要だ。 しっかりとコンディションを整え、そして大事に虐待することだ。

 

このパーフェクトプランにニヤケてしまいそうだ。 生憎いまは車の運転でミラーがいくつも付いている。 もし隙だらけな顔を見せたらこの小娘に弱みを握られてしまうだろう。 ふっ、なるほど、後ろの席に座ったのはそう言う事か、しかも大きな帽子を被ってこちらから見えないようにする……なかなか賢い奴だ。

 

だからこそ虐待のやり甲斐があるものだ。

 

だが一方的に弱みを握ぎろうと模索されるのも癪に触る。 となりの助手席に拘束して好き勝手できないようにしよう。 ふっ、満面な笑みの奥底は悔しさで溢れているだろう。

 

 

 

そうとも。

 

ここ九州から出た時に始まるだろう。

 

 

 

俺としては新しい虐待を始めれると思うと…

 

楽しみで仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼と九州を出るとコンビニで一旦停止した。

 

だがわたしの心は少し穏やかではなかった。

 

ここは熊本から離れているのにもかかわらず車から降りながら周りをキョロキョロと見渡す。

 

まだわたしは周りが怖いのだろう。

 

しかしそんな私を見た彼は笑いながら私のグイッと頬を突つき、コンビニに顔を向かせる。

 

あまり気にしないで良いと言う事なのだろう。

 

再び貰う安心感に身を任せると遅めの朝ごはんを買うことにした。

 

サンドイッチとコーヒー牛乳を買ってもらい、ザ・朝ごはんってメニューになった。

 

彼はおにぎりとお茶を買い、そして酢昆布を購入した。 なぜ酢昆布かと言うと先程は私が朝ごはんを食べるものを選んでいる時、彼はお菓子コーナーでにらめっこしていたからだ。

 

主に口の中が大変なことになりそうな物を中心に選んでいた。

 

その結果、酢昆布のようだ。

 

ちなみにその酢昆布は車を走らせてる途中貰った。 ひさびさに食べてみて美味しかった。

 

酢昆布を食べれる私に少しだけ彼は驚いていた。

 

 

 

「これでも博多ラーメンの辛子高菜食べたりできるんだよ」

 

「ほぉー、やるじゃん」

 

 

ちょっとギラついた表情で私の味覚に納得してくれた。 ふふふ、驚かそうとしたのかな? 私はあまり好き嫌いないんだよ。 そのかわり好きな物も少ないけどね。 でも最近は砂糖入りの卵焼きは好物に入ったからまた作って欲しいな。

 

 

「まだここから長いぞ、寝てても良いからな」

 

「いえ、起きてます」

 

私はもっと彼と話していたいから。 それに彼とこうして横で話せる機会が少ないからだ。 この機会を見逃すのは不出来だと思うから、貪欲に私は彼の会話に耳を傾ける。 たまにドヤ顔で自慢してくるがちゃんとオチを作って話を楽しませてくれるので眠ろうにも眠れなかった。

 

寝るつもりはないけどね。

 

でも運転もして会話も弾ませて大変だろうと思ったから少し心配になった。 でも彼は何ともなく言った。

 

 

「運転中に喋り相手がいると眠気が飛ぶから丁度良いんだよ。 利用してるようで悪いけどね」

 

 

利用だなんてとんでもない。 私は望んで彼の語りを聞いている、だから気にせずもっとお話をしたい。 ……なんて恥ずかしくてそんな言葉は言え無かった。 でも、この時間は精一杯楽しもう、今だけはそんなワガママ許されても良いと思うから。

 

助手席から眺める世界はいつのまにか怖く無くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の声を跳ね除けてあの子が逃げ出してから数日が経過した。

 

あの時、必死な顔をしながら学園艦に乗り込む人を掻き分けて遠くへ姿を消した。

 

周りからしたら忘れ物があって急いでるように見えたかもしれないが私は何か違う事を理解した。

 

チラリと見えたあの子の顔はなんとも言えない表情だった。

 

 

絶望に染まっているように見えた。

 

何かから必死に逃げるように見えた。

 

敗走する兵士の死んだ顔に見えた。

 

 

必死になって走る彼女はあまりにも惨めで、触れれば壊れそうで、声をかければ喉を掻きむしって自害しそうで、私はありもしないだろう事に恐れながら中途半端に叫んで止めた…つもりでいた。

 

でも、もしかしたら何かの見間違いでそんな顔はしてなかったと思った。 いや、わたしはそう自分に思い込ませた。 只でさえ黒森峰は今後大変なことになると言うのにこれ以上は抱えたくない気持ちが大きかった。 試合後の疲れも含めてストレスが大きかったのだ。

 

そうやって言い訳してあの子を見送った。 どうせ後で戻ってくる。

 

もしかしたら誰かが止めてくれる。

 

同じチームの仲間なのに無責任な判断をして私はあの子を流してしまった。

 

 

 

でも、冷静に考えればあそこで私は止めるべきだったのだ。

 

あの決勝戦で酷くバッシングの中でも叩かれたみほの心を考えれば分かった筈だ。 一瞬だけ見れたあの絶望に染まった瞳、あれはサイン……いや、警告だ。 何の警告なんて細かい話は出来ない。 でもあの子をそのまま見送ってしまってはダメだと言うことは分かった。

 

だが、わたしは、追いかけなかった…

 

しかもタイミングが悪く、黒森峰の隊長に呼ばれてあの子から目を離してしまった。

 

 

 

そして始まった…

 

彼女の背中姿を瞳から外した瞬間…

 

 

黒森峰の亀裂が…

 

堰き止めていた一本の糸が千切れたのだ…

 

 

 

 

「………みほ…」

 

 

 

わたしは逸見エリカ。

 

みほの一番の理解者でいるべきだった人。

 

弱々しいわたしの叫びは船の汽笛に掻き消される。

 

 

彼女の関わりが途切れてしまった。

 

そう悟った…

 

 

 

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