汚い西住の子を拾ったので虐待することにした。   作:つヴぁるnet

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したたかなみぽりん好きもっと流行らせろ。




実った

こんにちは、西住みほです。

 

いえ『西住』と言うのは違いますね。

もうあの苗字は捨てましたから。

 

 

今は別の苗字となり変わりました。

 

はい、彼と同じ苗字です。

これはつまり…そう言う事ですね。

ふふっ、すごくドキドキします。

 

しかし変わったのは名前だけではありません。

 

私にとって、そうじゃなかったあの世界を拾ったあの人が変えてくれました。 あと自分で言ってしまいますが、数年程経って心身共にそこそこ強かになりました。 環境の変化って凄いですね。 そんな感じに今は澄んだ空気を肺にいっぱい詰め込みながら元気に茶畑でお仕事しています。

 

それと茶畑については私と親しいあの幸せ老人夫婦から一部をお譲りされました。

 

最初は困惑しましたが、今の歳では広すぎる畑を管理できるほど元気じゃないと言われて私はその茶畑の一部を受け取ることしました。

 

なのでこのお茶を売りながらお小遣いを貯めています…ってのはもう五年前の話であり、今は幸せの家庭のために蓄えています。

ええ、とても順調です。

 

しかし彼の稼ぎは今の家計を支えるに充分なので、私が頑張ってお仕事する必要はありません。

 

でも茶葉を作るのは楽しいのでやめようとも思いません。

 

もちろん茶葉弄り以外にもちょいちょいと他の趣味を開拓してます。

 

例えば温泉巡りは生きてる中でのオアシスです。 最初は一人で行くことも多かったのですが、わたしが成人した時に彼と温泉旅行に向かいました。 それから初めてお酒も飲んで、ふわふわとしてしまって、酔いながら浴衣を崩しつつ彼を抱きしめて、それから、それから…………いえ、なんでもありません。 でもすごく幸せでした。 たくさん満たされたあの温泉旅行は忘れません。

 

 

アウトドアは楽しいですが、家の中でのんびりとテレビを見るのも好きです。

 

その中でバレーは観ていて面白いです。

 

茨城東部にある廃校寸前だったとある学園が、バレーで全国大会に出場して廃校から逃れたストーリーは今でも覚えています。 あれは凄かったです。 今でも特番に上がってます。 あとはわたしはキャプテンのファンです。 もちろん他の人たちも好きです。

 

ですが一年生であれだけ揺れるあの山々は卑怯だと思います。 最初に反応した私が悪いですが、隣で一緒に観ていた彼もそのことを指摘していました。 なんか嫌だったので熱々のお茶を出してあげました。 採れたてです。 苦いし、苦しめ。

あとわたしもあの頃より成長してます。

え? …いえ、なんでもないですから。

ばか…

 

 

あ、山々と言えば思い出しました。

 

1ヶ月に一回は必ず行っていることがあります。

 

それは世界遺産登録されてる富士山に登る事です。 これがとても楽しいです。 季節によって風景も空気も違うからとても刺激的です。 登りやすい季節になったらたまに彼も連れて行って頂上で記念撮影が一番の楽しみにしてます。

あ、これでも体力には自信がありますよ? 皮肉にも戦車道で嫌ってほどに鍛えられたからですね。 ちょっとした登山家を始めてから更に体力が付いてきました。 そのため最近は色々と彼の方が大変だったりします。 えへっ、頑張ってくださいね?

 

 

 

話を戻します。

 

さて、ここまでの環境をお伝えしましたが、正直に言えることは熊本にいた頃の何倍も楽しくてたまらないです。

 

 

しかしほんっっっとに、本当にです。

 

 

戦車道をしてた頃のは私はどうかしてました。

 

流派に所属していた重圧と重責に追われながら、母親の期待に応えなければならないと戦車道以外の景色を灰色に殺して、自分のやりたい何かを押し込めていました。 逃走したのが青春時代で良かったです。 もしこれが成人するまで続いてるとしたらわたしはどのくらい歪んでしまっていたかなんて考えたくない。 彼から新たな景色を与えてくれて良かった。

 

 

しかし今だから言えます。

 

 

西住流の理念が一体なんなのですか???

 

勝利が優先?

 

 

笑わせないでください。

 

仲間と共に勝利を目指して何が悪いのですか。

 

母さ……こほん、元師範はアレです。

 

いえ、元師範と言うよりあの頃の西住流がです。

 

バカです、はい。

 

 

ええとですね。

 

わたしが失踪して、西住流はあの頃の力を無くし、西住流のスローガンを掲げる事をやめた黒森峰でしたが、それでも大会で準優勝を飾りそれを証明してくれました。

 

西住流の掲げる精神はそれはそれは関係無かったです。

何せ再び決勝で当たったプラウダとは互角でした。

衰退した黒森峰なのに、それでもプラウダと互角ですよ?

スローガンなにそれ美味しいの…?

戦車道は仲間と共に戦うから強くなれます。

勝利は二の次でもいい。 後から付いてきます。

 

それを証明する様に西住流は大きく変わりました。

 

今は西住流の師範も、数年前に準優勝を飾ったお姉……当時の隊長に代わりました。 それから西住流の在り方、そして掲げる主張や理念も変わりました。 もちろん勝利に貪欲なのは黒森峰らしさも昔のまま。 けれどあの頃よりも柔らかくなりました。

わたしが憧れていた光景だった…

 

そのくらいに黒森峰はマイルドになりました。

 

ただしあの頃の盛んさはもう見込めないですが、強豪校としての強さは取り戻してるらしいです。

ちなみに『らしい』と言うのはわたしがもう戦車道にはそこまで興味ないと言う事です。 なので今戦車に乗ろうとしても全然動かせないかも。 別にそこは良いですが。

 

 

そ れ よ り も !

 

スポーツならバレーボールが熱いです!

 

仲間と全国大会を目指す試合は本当に熱いです!

 

干し芋片手に応援しましょう!

 

 

 

…と、まぁ、このくらいに充実してます。

 

 

だから熊本から逃げて良かったと思ってます。

 

これについては反省も後悔もしてません。

 

 

 

今の熊本は……

 

いや、今の戦車道の世界は変わりました。

 

戦車道協会も私の失踪を引き金に戦車道の安全性について見直しを行い、更にルールの再構成にも手をつけました。

 

 

………遅すぎますね。

 

 

今頃かと世間は声を荒げてます。

 

これについては当然の結果です。

 

それよりも私の失踪から1年も満たない期間で死亡断定を下されたのは流石になんとも言えませんでした。 これには彼も失笑でした。 でも彼はどこか納得した様な様子でした。 知ってたのでしょうか? 本当にやりやがったとかそんな感じの失笑だったのは確かです。

 

しかし早期的な死亡の断定に関しては、もしかしなくともその当時の西住流家元がそうさせたのでしょう。

 

なんだかんだで戦車道に携わる流派や組織に関しては下手したら国会を動かせるほど権力を握れます。

 

そのくらいに日本の戦車道は大きな存在です。

 

なので私の件は、もしかしたら…かもですね。

 

 

 

でも、この考察に意味はないです。

 

さっきも言ったように今の私にとって戦車道は既に関係ない存在です。

 

もうあまり興味もありません。

 

 

 

 

それより!!

 

彼の話をしましょう!!

 

こっちの方が一番大事です!!

 

 

 

………その、冗談抜きで大事な話がありました。

 

 

まずは彼との経緯から再び説明します。

 

私は彼に拾われてからそれなりの年月が経ちました。

 

当時は依存してたと言われれば否定できませんが、そのくらいに追い込まれてた私は安全な居所を見つけてそこに住まいました。

 

指で数えれる程度の年齢差とは言え、見知らぬ男性にも関わらずそこはとても居心地も良く、私にとって最後の救いになりました。

感謝が尽きません。

それからあの騒動によって荒んでいた心が落ち着いた頃、わたしの戸籍や住民登録はどうなっていたのか気になりました。

偽籍が無いと安心して病院や図書館など大事な公共施設が使えません。

 

でも彼は私の偽籍を作り上げて、私から西住の苗字が無くなりました。

 

そして表面は"孤児"として引き取られた形で落ち着きました。

 

こ、孤児ですか…

 

まあでも、あの世界から逃げて孤独になり、誰にも頼れなくなってしまい、道端で倒れてた私は彼に拾い上げられたからこれは孤独は間違ってはないでしょう。

 

…突っ込みどころさん??

ええとね…

細けぇことはいいです。

あまりやかましいと茶畑の肥料にしますよ?

 

 

話を戻しますが、偽籍を作るのは簡単ではありません。 国によってはかなりお金を払えば可能らしいですが、一年も掛けずに私の新たな戸籍を作り上げました。 どこかの権力者かと疑いたくなるほどだったので、流石に私は彼が何者か気になりました。

 

ここから先は少しずつ調べた結果です。

 

まず彼は西住流と対立する【島田流】に一噛みしてる人間であることが判明しました…と、言うより思いっきり島田流の関係者です。 ただし勘違いしてはならないのは戦車道に関わる仕事ではありません。 島田流の名を背負ったそれ以外の仕事でした。 何せ島田流は戦車道だけではなく他の事にも手をつけてるようです。 数年前に潰れそうなボコミュージアムのスポンサーになったりとしました。 良くやったえらいぞ島田流。

 

一見地味に思えますが、元流派の私としてはこの活動がどれだけ重要なのか理解してます。 何がどうとか色々と説明を省きますが、結論からするとまずスポンサーなどについてもらうことが大事です。 堕ちに堕ちた時の黒森峰を見ればわかると思います。 大きな組織が活動するにはまずお金が必要なのでその発生源を確保するのは大事です。 そんな感じに彼は九州で役目を終えると次の勤務先に移動を命じられて熊本から離れました。

 

 

その時に私は拾い上げられた感じです。

 

 

それから彼は島田流のとある人に『ミリタリーのジャケットを着た女性を拾った』と報告しました。

 

彼は連絡先の人と情報を交換しながら、拾った子供は西住流の娘である事を知るとしばらく様子見を命じられる。

 

それほど時間が経たないうちに後に次は"保護"を義務付けられました。

 

西住流に"報告"するのでは無く"保護"してあげるように島田流が命じたのです。

 

 

 

『いま西住流を含んだ戦車道は良くない状態です。 その子が回復するまでは絶対に世間に晒してはなりません』

 

 

 

彼は命じられるままに私をしばらく側に置き、ある程度回復するまで保護に働きました。

 

 

 

『もしその子が元の場所に戻ると言うなら止めずに放ちなさい。 そしてその子とは二度とこちらと関わらないように何も言わない事。 そのままあなたは熊本から去りなさい』

 

 

とても寂しい話になるがそれは島田流家元直々の判断であり、何か意味があってのことなんだと思ってます。

 

理由は幾らか思いつきますが私のせいで彼の動きを制限されるような事を島田流は嫌がったからこのように話したと考えてます。

それは仕方ない事です。

 

ですが彼は熊本から移動する日が間近に迫ってある日。

わざわざ私に「熊本から離れる」と言いました。

加えて「君はどうする? いや、どうしたい?」と告げました。

 

この時「出て行け」や「置いていく」では無い。

"私がこの先どうする"かを委ねました。

西住の子供に選択技を与えました。

 

 

私はまず"元の場所"を考えました。

 

思い浮かぶのは決勝戦…

 

思い出せば不意に吐き気が伴い、あの出来事がフラッシュバックする。

脳が涙を流させて苦しみを紛らわそうとする。

激しく鼓動する心拍数はこれ以上は思い出してはならないと警告していた。

これ以上は苦しみたくない。

ここじゃないどこかに逃げたい。

何もかも投げ捨ててしまいたい。

わたしを助けて欲しい。

 

私はなりふり構わず縋る気持ちでお願いした。

 

 

__私を連れて行ってください!

 

 

 

必死な声と目で訴えた。

彼は「わかった」と頷いてくれた。

 

そのタイミングで彼は島田流家元に連絡して「この子を連れて行きます」と伝えました。

島田流家元から了承を得て……始まりました。

 

お陰で私は行方を眩ましながら熊本から逃げることが出来たのです。

 

 

さて…

 

ここまでは全て島田流の力があったから出来た事です。

 

わたしが偽籍を手に入れる事が出来た理由も調べたことでやっと納得しました。

 

 

 

 

だからこそ気になりました。

 

なぜ私にそこまでしてくれるのか?

 

当然の疑問を抱きながら私は聞きました。

 

 

彼を通して島田流から救われて数年越し。

 

私は島田流家元"本人"に電話をしたのです。

 

アポ無しの唐突な電話は失礼だったと思います。

 

けれど家元は大して怒ることも無く「そろそろと思いました」とわたしの電話を予測していました。

 

それから返って来た答えはこうでした。

 

 

それはもう冷たい声で「戦車道で掲げて来た礼節を潰した西住流を見切ったからです」と言い放ちました。 本当に冷たい声で。

 

島田流家元は続けて「もう戦車道界の流派とは関係ないあなたになったからこそ教えましょう」と、聞くことが許されました。

 

 

 

「戦車道は礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成することを目指した武芸とされています。 ご存知ですよね? 色々と戦車道の理念に反してる人間もいますが、どう受け取るかは人それぞれ。 だが私はこの武道は素晴らしいものと捉えています。 しかしそれをあの人は理念に反するどころか、無惨に壊しました。 許されない行為に私はひどく悲しみ、その分怒りで溢れている。 ですが、あの人と同じ世界に立ち会う者として残念極まりない気持ちでいっぱいでした…」

 

 

 

島田流家元のこれまで積もった感情を聞いた。

 

本当に、本当に、残念そうに、言ってました…

 

電話越しからいろんな感情が見え隠れする島田流家元は続けて「西住流が地に堕ちたそんな中、あなたがあの人に保護された事を聞いたときは驚きました。 放っておく判断もありました。 しかし彼の要望もあり面倒を見ることにさせました。 普段の彼からは珍しかったですね。 それにこれは一つのチャンスだと思ったのです」と、淡々とした声で明かす。

 

 

この意味は考えれば簡単だった。

 

世間から西住みほを消したままにすれば、のちに周りの人々は西住流が『この世から消した』と騒ぎ出す展開を想定していた。

 

そしてその通りになり、結果的に西住流は立場を大きく失った。

 

恐らくどこかで工作はしているだろう島田流家元の予想通りに事は進み、西住流は世間から批難されて、苦しみ続けることになっていた。

 

「本音を言えば…こうする事で西住流に対して報いになると思ったからです」

 

 

報いが終わった今も島田流家元は思い出す様に冷たく言い放ちました。

 

裁かれるところに、裁きが施されるのを望まれ、たまたま拾った私を利用する形で西住流を鉄槌を下す。

 

島田流は誰に頼まれた訳でもない。

けれど戦車道業界の重責を背負う西住流に怒りを持った。

秩序を乱したと判断した島田流は裁きたいために行動した。

 

ただそれだけだった。

 

それを、たまたま拾い上げた私を利用した。

 

 

 

「ですが私はあなたを利用したのは確かです。 善悪を決めるなら悪に近い話ですが…戦車道界の事を考えると致し方ない犠牲と考えて踏み切りました。 何せ私も西住流と同じ流派を背負う者であり、他の者達が首を傾げる選択技だって選ぶ事を躊躇いません。 それは戦車道も同じです」

 

 

島田流家元もほんの少し負い目を感じていましたが「間違った選択はしたつもりはない」と振り切りました。

大きな組織を持つ者としての判断と歩み、あと信条。

 

分からないことは無いです。

私も優勝旗と連覇の偉業を捨てて川に飛び込みましたから。

 

 

そしてそれは西住流家元もまた同じ。

 

副隊長(わたし)を緩衝地帯として扱う選択技を躊躇無く選び取った。

 

だから島田流も私を利用する選択肢も迷うことなく選んだのでしょう。

 

 

わたしはトコトン利用されたようです。

 

大人の都合に回されて呆れます。

 

 

けれど怒りはありませんでした。

 

だってもう色々と、どうでも良くなったからです。

 

色々と諦めたと言っても良いでしょう。

 

利用されることは慣れてると言えば悲しいですが、今を考えれば気にしてることはありませんでした。

 

 

「いま戦車道は見直されています。 過去と比べて比較的安全な形で競技が行われるでしょう。 戦車は人を殺す兵器でしたが、取り組み次第ではどうにかなります。 戦車道の意味をスポーツにする。 あなたが土台となってくれた事を感謝しますよ元西住流」

 

 

最後の言葉は皮肉でしょう?

それともわたしが西住流"だった"からこそぶつけたかった怒りなのか?

 

今となってはどうでも良いですが。

 

それ以上の長い話は終えると家元は最後に「元兵士よ、女以外の武器を置いてあとは幸せになりなさい」と格好つけたセリフを残して通話を終えました。

 

改めて流派は大変だと考えました。

 

島田流家元との会話はこのくらいです。

 

 

 

さて、率直な感想。

 

正直言うと面倒くさいですね、コレ。

 

 

でも島田流の考えもわかります。

 

戦車道の意味を忘れて堕ちてしまった西住流を叩きのめし、戦車道業界の認識を改めさせる。 それをたまたま運良く(悪く)わたしから始まった話。 それを即座にわたしを"保護"の形で判断して、結果的にその流れに持ち込ませた。 島田流家元の判断力ですね。 今となってはいい方向に進んでしまっています。 わたしはなんとも言えませんが。

 

 

さて、色々と考えて疲れました。

 

 

どうせ考えるなら先の将来を考えたいです。

 

 

 

…将来ですか?

 

ええ、決めてます!

 

決めてますとも!

 

 

けれどもっと家庭的にならないとですね。

 

彼のことを考えてそう意気込んだある日のことでした。

 

静岡の温泉巡りにハマり始めていたわたしは静岡の学園艦の母港でその人に出会いました。 名前は安斎さん。 グルグルのツインテールが印象的でありアンツィオ高校と言われる料理が盛んな学校に通っている方です。 とても料理がお上手です。

 

それでバッタリと静岡の母港で出会いました。

 

 

それから西住みほである事がバレました。

 

あれだけ警戒してたのにこれです。

 

私のドジさ加減に呆れながらも、見つかったことに恐れていましたがその不安はすぐに拭われました。

 

出会ったその人はすごく他人思いの方です。

 

肩を揺らし、初対面にも関わらずほっぺをペタペタとして間近で安否を確認してました。

 

この行動はアンツィオ高校特有なのかはわかりませんが、安斎さんは自分の事のように泣いてくれました。

 

それからこれまでのことを聞き、西住みほが静岡で生きてる事を黙ってくれました。

 

安斎さんは「柔らかいパスタは好きだけどパスタのように口は硬いぜ!」は当てになるかわからなかったけど真剣そのものでした。

 

それで拾ってくれた彼については少し警戒して心配してました。

けれど彼の事を話すと恋愛小説が好きな安斎さんは「おおお、お、王子様って奴なのか!?」と、どこか憧れを持つように言ってました。

 

わたしが「そうです」と肯定したら「うおおおー!」と自分の両頬を押さえてグラングランと顔を振っていました。

 

初対面にも関わらず彼女の親しみやすさに時間を奪われながら楽しく話を弾ませました。そこから交流が始まり今もたまに彼女と遊んでいます。 本当に良い人です。 後輩から愛される事がよくわかる人間でした。 たまに私が収穫した緑茶を味見して貰ったりと良き関係は今も続いてます。

 

そのうち先の未来でお互いに命を育んだ子供を会わせてみたいです。

 

 

 

え? 子供ですか?

 

作る気満々ですよ。

 

 

え? お相手?

 

そりゃ当然彼、以外いませんね。

 

 

でも今は彼と同じ苗字になってますからある意味結ばれてるようなものですよね。

 

 

でも本当の意味でしっかりと結ばれたいです。

 

 

 

もっともっと私を幸せにしてください。

 

 

いつの日か指輪が、この薬指に装填される時が巡るまで…

 

 

 

 

「私は待ってますから」

 

 

「どうしたんだ、急に?」

 

 

「いえ、なんでもないです。 それよりも私は一つ考えました。 あなたにお返しできる人生の中で最大の"虐待"を」

 

 

「!! ……おやおや、それはどんな虐待かな?」

 

 

 

時折、彼が見せる口元ギラギラとした笑み。

 

それは私にしか見えない嬉しい笑み。

 

 

 

「それはですね…」

 

 

 

 

そんな彼に私もニコニコと笑みを浮かべる。

 

 

 

 

「これから先、死ぬまであなたのお側に寄添い続ける事です。 だからあなたは、此の先、永遠と、止める事なく、死ぬまで、私に、残酷極まりない、虐待の人生を続けなければならない、そんな虐待をプレゼントします」

 

 

 

 

言い切った私はどんな顔をしてるかな?

 

 

普通の笑顔をしてるのかな?

 

 

もしくは悪い顔をしてるかな?

 

 

または彼のように口元がギラギラとしてるかな?

 

 

この時どんな表情で話していたのかわからない。

 

けど私が言い渡したのは人生最大の宣戦布告。

 

不可侵条約すら存在しない永遠の虐待。

 

逃げることも許されない人生だ。

 

 

だけど目の前の彼は今…

 

ものすごく笑いながら震えていた。

 

 

 

 

ふふ、良い震えです。

 

 

笑いが出るほど震えが止まらないんでしょう。

 

 

だからこの虐待は私の勝ちです。

 

 

 

 

 

でもね?

 

まだまだこれからです。

 

 

 

 

 

 

足りません。

 

 

もっとください。

 

 

もっと、もっと、わたしにください。

 

 

ボコのようにもっとボコボコにです。

 

 

それをわたしに与えてください。

 

 

どこまでも、どこまでも、満たしてください。

 

 

彼から刻まれる 虐待(幸福) の傷跡を沢山…

 

 

それを耐えることなく…

 

 

惨虐非道を求めます。

 

 

 

「えへへ…」

 

 

「くくくっ…」

 

 

 

 

 

 

そう思うとこれからも楽しみで仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

〜 お わ り 〜




こいつらうまぴょいしたんだ!(作品違い)

圧倒的タイトル回収でしたね →実った


虐待主「拾った小娘が肉食獣だった件について」
みぽりん「撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し」


虐待されても尚主人公は強かったですね。 お幸せに。



(本編は)おしまい

次は if でも虐待する。
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