汚い西住の子を拾ったので虐待することにした。 作:つヴぁるnet
希った
どうも西住みほです。
現在の移動を終えたところです。
そして大きな大きな物体の上で海を掻き分けています。
察しの良い方は分かると思いますが私は今、学園艦にいます。
この学園艦が私の新たな住まい先となります。
学生ではありませんが学園艦に住まうのは少しおかしいかも知れませんが「そこら辺は気にしてると面倒だ!」と言われました。
彼は何をする気でしょうか?
「ミホォ!ここが俺たち鉄華d…っと、違った。 ここが俺たちの新たな住まうべき場所だ!!」
「ここがですか?」
「そうだ!お前にとって新たな人生の始まりだ! 最初は見知らぬところで不安が多いかもしれないが心配いらねぇ! お前には俺がいる!! そして俺たちは止まらねぇ! もう新たなこの場所で止まることは許されねぇからよ!」
少しやかましいけど力強い声は不安な私の心をすぐに拭った。
「しかし学園艦とやらはデカイなぁ、これ全て家にできたら…っと、そんなことしたら管理が面倒だぜ」
そんな冗談を言いながら引っ越し先の準備を済ませました。
新たに住まう場所は普通のアパートですが、窓から外を見渡すと緑いっぱいな世界でした。
「しかしここはやや寒いぜ。 やはり石川県は……おっ?アレはまさか?」
引っ越し業者と一緒に段ボールを運んでいたオルガは一台の戦車に目を向けました。
見たところ突撃砲の戦車です。
その戦車から声が聞こえるとハッチがガチャガチャと音を立て、誰かが出てきました。
空色と白色の縦ラインが入ったニット帽(?)らしき被り物を被った女性が現れました。
「おや? オルガじゃないか」
「ミカァ!!」
どうやら彼女はミカと言う名前のようです。
すると強い風が吹き荒れて、ミカさんのニット帽が風に流され私の元に飛んできました。
それをふらりと受け止めると視線は私の方に集められる。
ニット帽(?)の持ち主は柔らかく笑みを浮かべながら話しかけてきました。
「君は………」
ミカさんは戦車から降りる私の目を見てこう言います。
「オルガに拉致されたのかな?」
「ふぇぇ!?ち、違いますよ!?」
「おい!ミカァ!」
「冗談だよ、そう怒らなくて良い」
「ったく…お前は」
「ええと…あ、あの、これ」
「ん、チューリップハットを受け止めてくれたんだね、ありがとう」
ミカさんにチューリップハットって名前の帽子を渡すと帽子を手でパンパンと払います。
「私は継続高校の生徒でミカと呼ばれてる者さ。 君のお名前を教えてくれるかな?」
「に、西住……みほです」
「!!……そう、みほちゃんか」
そしてホコリを払い終えたチューリップハットをミカさんは自分の頭に…ではなく、私の頭に被せてきました。
チューリップハットは軽いはずなのにどこか重たさを感じる。
不思議だった。
「ようこそ西住みほ。 この学園艦では何にも囚われる必要はない場所さ。 ここで新たに作ると良い。 私のようにね」
何か意味深な言葉を込めて歓迎するミカさんはチューリップハットを私に被せたまま戦車に戻りました。
「アキ、今回はなにを手に入れたんだ?」
オルガはハッチから顔を出すひとりの少女に向かって問いかける。
それより『今回』ってのはどういう事だろう?
「じゃじゃーん!紅茶の茶葉だよ!」
「にっしし、今回マジノと演習してきてな、少しお零れを貰ってきたんだ。 まぁ、お腹を満たすものじゃ無いけどたまにはな?」
「エクレーヌの奴また胃薬だな…」
お零れ?
一体全体なんの話なのでしょう…
「アキ、ミッコ、まずは学校に戻るよ。 じゃあオルガ、明後日からいろいろと楽しみだよ」
「おいおいどこからその情報を得たんだ?」
「風と共に流れてきたのさ」
そう言ってミカさんは突撃砲の戦車に乗り込み、学校の奥へと去って行きました。
「ったく、どうせ妹さんの情報だろ? 家元も身内に対する情報保守の甘さにも困ったぜ」
そう言ってオルガは再びお引越しのお手伝いを始めました。
「……」
学園艦、学校…この二つはともかく先ほど目の前を通った『戦車』を見て震えそうになりました。
でも実際に震えそうになるだけで恐れの感情は不思議とありませんでした。
私は戦車によって苦しい思いをしたのに吐き気やトラウマによる苦痛は一切湧き上がらないため奇妙な気持ちでした。
「……私もお引越しのお手伝いしないと」
せめて自分の分はまとめる必要があると考え、私は段ボールに手を出しました。
ベリベリベリベリ…
「オルガさん? これは?」
「おお、ルプスのプラモデルはそっちの段ボールに詰めていたか 。 それと俺に『さん付け』はいらねぇ! 団長、またはオルガと呼べ!」
「は、はい! あの、ところでルプスとは?」
「このおもちゃでミカの妹と遊んだことがあってな。 確かボコられクマ人形のベアッガイとルプスの戦争ごっこだった。 まぁこれは昔のことだ…いまはただの飾りさ」
オルガはルプスを手にとっていろんな方向から懐かしげに眺め始めました。
このままだと引越しの片付けを忘れそうですね。
「…ちなみにどちらがボコボコにされました?」
「はっ、そんなの答えは出てるだろ」
「ボコですね」
「ああ、ボコに決まってる」
「さすがボコです」
「ちなみにストーリーがちゃんとあってな、シーズン5までやったけか? まぁ決着はつかなかった数年前の話だ。 いずれ妹様とはつけないとな」
その後もオルガの思い出がいくつか段ボール箱から出てきました。
過去にあった楽しみに触れながらもその日はお引越しで少し忙しく動き回りましたが、今でもチューリップハットを渡してくれた人とその仲間たちが気になっていました。
ですが戦車道に関わっている事になるとやはり踏み出せません。
いつしか気にする事のなくなる時が来れば良いのですが…
そう思いながらお昼は段ボールを片付け続けていました。
♢
そして夜…
外食に出かけるため、車に乗り出そうとすると…
「何やってんだミカァァァァ!」
「助手席が空いてたから」
「「オルガママ〜、ご飯奢って〜」」
なんか車の中が大変なことになっていました。
それより鍵はどうしたのでしょう?
「にっしし、鹵獲に慣れてるとこのくらいはねぇ」
ピッキング用の針金をミカさんのチューリップハットの中に仕舞おうとする赤毛の女の子は見なかった事にしました。
あと聞かなかった事にしました。
「ride on!!」
オルガのよく分からない掛け声とともに乗車し、キーを回してエンジンをかけるとアクセルを蒸します。
すると車体は一気に揺れ動きました。
すると赤毛の女の子の手元はミカさんのチューリップハットの中で狂ってしまい…ブスッと音が鳴る。
「はんぎゃぁ!?」
「あ、ごめんだぜ」
ミカさんが悲鳴をあげました。
どうやらピッキングの針が頭の中に刺さったようです。
痛そう。
「ミッコォ、ミカァの頭を開けても得しないぜ。 コイツの中身なんか覗いても俺たちにはどうせわからない」
「そりゃそうだな、ミカだし」
「うるさいよ、二人とも」
そして謎の三人組と共に出発しました。
それから外食に出かけましたが大盛りばかり頼まれ、テーブルがいっぱいになりました。
私は普通サイズです。
私と同じくらいの身長のアキさんやミッコさんも大盛りを頼んでいました。
するとミカさんはチューリップハットからタッパーを取り取り出し、お店の入れ放題な調味料を確保しようとしましたが、オルガに止められました。
三人の面倒見るオルガはどうやらオルガママって言葉が合いそうです。
「ちょっとミッコ? ビンに入ったらっきょう食べ過ぎだよ。 あとお口の中大変じゃないの?」
「サルミアッキに比べたら問題ないぜアキ」
軽くカオスですが賑やかな外食となりました。
さて、お店を出ると次はデザートをねだってきた三人の強欲さにオルガは折れます。
食後のお楽しみとばかりにコンビニに行きました。
アキとミッコは到着早々にコンビニに飛び出しました。
オルガもため息を吐きながらもやれやれと笑みを浮かべて後ろを追いかけます。
「変なとこ見せすぎたね、みほ」
「あ、ミカさん」
「オルガがいるとみんなオルガに甘えたくなるからね、ハメを外し過ぎたりするんだよ。 私もあの場所にいた頃は彼にワガママばかり言ったものさ。 彼は少しやかましかったけど、何も興味を持たなかった私に色々と教えてくれたから。今の私が作れたくらいにね」
「ミカさんも、オルガによって救われたのですか?」
「そんな感じかな。 あと私はミカで良いよ」
「は、はい」
いきなり年上に対して呼び捨ては困りましたが『偽名だから』と言って気にするなと言われました。
するとミカさん……
いや、ミカはわたしの出所に触れてきました。
「君は、あの西住で良いのかな?」
「!!」
「そうか、そうなんだね」
「……はい」
「そう怯えなくて良い。 ここに来る子は大体そんな感じの子ばかりだから」
「え?」
「全員が別にそういう訳じゃないけどね、何か訳ありを持ってる子は不思議とこの継続高校に集うのさ」
「そ、そうなんですか?」
嘘っぽく聞こえる話だけど、わたしは心の奥底から疑うような考えが何故か浮かびませんでした。
もしかしたらそうかも知れないから。
するとミカさん、何かに反応すると扉を少し開けて顔を出しました。
外を見るとコンビニの扉からミッコさんがこちらの様子を伺っていたからです。
「ミッコ、私とみほのはプリンにしてくれ。 少し話があるから車で待ってるよ」
「はいよ〜」
ミッコさんのアイコンタクトを察したミカさんは仲間にデザートのデリバリーを頼み、車の扉を閉めました。
短い会話を終えたミカさんは食後の一服とばかりに気持ちよくカンテレを弾き始めます。
「継続高校は訳ありが集まると言ったけど、私もその一人なんだ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。 訳ありについでなんだけどね、君とそれなりに似た理由によるかな」
「え…?」
「あ、でも、すこし違うかな? 私の場合は嫌気がさして去ったと言うべきかな。 でも周りに強要された戦車道は嫌でね、正直流派とかどうでも良いよ。 後継とかクソ喰らえだ、ふざけんな」
「え? あの?」
急に最後の言葉が荒くなった感じのミカさんに困惑しているとカンテレの演奏が止まりました。
「…ごめんね、今ミカである事を忘れて少し熱くなった。 ただ私は私の自由を求めるため一つの組織から抜け出したのさ。 この行いに母親が何を言おうが、関係者がどう後ろ指さそうが将来を選ぶ権利は私にある。 だから私は強情に押し切ってこの学園艦にやってきた…そんなとこかな。 しかし組織という名の全体主義は面倒だね」
そう言い切ったミカさんの目には特に後悔はなく、家を飛び出してきたミカさんは堂々としていました。
「みほ、継続高校は自由意志を尊重する。 もしこの学校に興味を持って来てくれるならわたしは歓迎しよう、盛大にね」
「……」
わたしは『はい』とも言わなければ『いいえ』とも答えませんでした。
でもこの日から…
少しずつこの学園の心地よさを感じてきました。
♢
コンビニでデザートを食べ終えるとオルガはミカさんたちを寮の近くに連れて行き、彼女たちを降ろしました。
アキさんとミッコさんは夜にもかかわらず元気に手を振って、お見送りをしてくれました。
それから私はさりげなく助手席に座り込み、オルガの隣に座ります。
しかし食後の眠気が襲いかかってきました。
何か話さないと眠り込んでしまいそうです。
「あの、オルガ」
「どうした? なんだ?」
「その…」
「?」
「……いえ、なんでもありません」
「そうか」
「……」
私はミカさんのお誘いの言葉が頭の中で何度もリピートします。
継続高校は自由意志を尊重する。
黒森峰とは大違いな環境です。
私はこの場所がすごく気になってしかたありませんでした。
けど私は世間から姿を眩まし、もう学園など通うこともやめようと考えてます。
大騒ぎになるのもありますが、私は学園に恐怖感を持ち、踏み出すことができないからです。
それに学園に行かずとも勉強はできます。
青春時代は投げ捨て、必要な知識を得るだけの時間になりますが別に死ぬわけじゃありません。
私はそんな人生を受け入れる姿勢に入ってた…はずなのに。
「オルガ、継続高校ってどんな場所?」
「自由意志を尊重する学園だな」
オルガは私の質問に即答しました。
まるで答えなれてる。
いや、それが普通であるように淡々と告げた。
そしてオルガはミカさんと同じように『自由意志』と言葉を付け加えました。
それは私がいままで歩んできた黒森峰とは正反対な世界でした。
別に黒森峰が悪いとは言いません。
でも私の性格からしてもっと柔らかな環境で歩みたいものでした。
だから私は継続高校に憧れを抱き始めました。
「あの学園はな、人生に必要なモノを教えてくれる」
「…え?」
「とても良い場所なのは確かだな」
「……」
「気になるか?」
「!」
「なら行って確かめればいい。 もし怖かったら俺が…! ミホォを…! 連れて行ってやるよ! その先にどんなことが待ち受けようと! 連れてきゃいいんだろ!」
なんか最後は半ギレ気味に叫びましたが別に彼はなんとも怒ってません。
むしろ私の質問に喜びを感じたように叫びました。
あと助手席で隣なのでやかましいです。
「ほら、着いたぜ」
「ありがとうございます」
私達は駐車場にたどり着き車から降りました。
すると彼は綺麗な夜空を見上げながら私に質問をします。
「ミホォ、お前はボコられクマ人形を知ってるな?」
「え? あ、はい、知ってます」
「そうか。 俺はミカの妹と遊ぶときにな、ルプス相手に圧倒的な性能差によってミカの妹のボコられベアッガイは何度もボコボコに倒されていた。 でもな、そいつは何度も立ち上がった。 何故だかわかるか?」
「それは……ボコだからです」
「そうだ、ボコだからだ。 何をやってもボコボコに倒されてしまう、そんな運命を背負った野郎だ。 でもな、俺はそいつが結構好きなんだ。 なぜかわかるか?」
「…わかりません、なぜですか?」
「止まらないからだ」
「!」
「ボコられクマ人形はな、止まらねぇ根性を持った最高に熱い奴だ。 だからな、ミカの妹と遊ぶ時もシーズン5まで続いたんだ。 それをルプスは何度だって叩き潰した。 だけどボコられクマは立ち上がり、行き着く先まで止まらねえ存在だ。 そしたらシーズン4ではルプスが一瞬だけボコに対して動けなかったシーンがあるんだ。 何故だかわかるか?」
「ええと…」
「ボコが止まらねえからだ! ボコボコに何度も打ちのめしたのに、止まらないアイツのせいでとうとうルプスの腕が先に故障したんだ。 おかげでボコは初めてルプスを相手に勝ち筋を見出した。 だが…」
「ボコだから、ボコボコに倒されたんですよね?」
「そうだ!」
「でも立ち上がるんですよね?」
「そうだ! その通りだ!」
「でもボコボコにされるんですよね!」
「そうだ! ああそうだ!! その通りだ!!」
「だけど勝つために諦めないですよね!」
「ああ! その通りだぜ!!」
「でもボコボコに何度も打ちのめされますよね!」
「だってそんな奴だからな!!」
「なぜなら……」
私の言葉にオルガはニィッと笑い合い
「「それがボコだから」」
私達は同じ答えを重ね合うと盛大に笑い出しました。
少し近所迷惑かもしれませんが、今だけ許してもらうと助かります。
「…って感じに言ったが、結局は根性論に過ぎない」
「ぅぇ」
ズルっ と滑り落ちそうになる。
感動が台無しとはこの事なのでしょう。
「まぁ、ミホォがその気ならなんだってやればいい。 継続高校に興味があるなら行けばいい。 行かないにしてもそれが選んだ道ならその道で止まらなければいい。 もしボコボコにされて立ち上がれないなら俺やミカが助けてやる」
「………」
「でもこれだけは聞いてくれ、ミホォ」
「?」
「ミホの進む先には俺とミカが必ずいる。 もちろん進む途中にも、後ろの道にも俺とミカがいるのは確かだ! …だからよォ!」
彼は私に背中を向けたまま指をピーンと天に向けてカッコつける。
たしかに、彼の言葉は根性論に過ぎない…
でも心を焚きつけるのに言葉って必要。
だから彼の言葉は勇気を貰える位に値した。
しかし…
もう一つだけ奮い立てる理由がありました。
それは彼の指には…
"希望の花"が咲き乱れていたからです。
彼が近くにいてくれるなら…
私は 止まらない で進める気がしました…
「あの、オルガ」
「どうしたミホ?」
「もう暗いけど、いまから継続高校を見に行けますか? 正門だけでも…」
「ride on !!」
「ふぇえ!? 乗るの速い!?」
「なんて情けねぇ顔しやがる! さぁ乗れ!ミホォ! お前が願うなら! 俺が! お前を連れて行く! 俺はその先にいるぞ!」
「っ、はい!」
彼は止まることを知らない…
すこし無茶な男ですが…
とても頼もしい人であることは確かでした…
「っと、赤信号か」
こういう事は、ちゃんと止まる人でした。
偉いです。
♢
prrrr…__ガチャ
「家元か、どうした?」
『五日ぶりね、オルガ・イツカ………5日ぶりのイツカ…………ぷっ…」
「おやじギャグだけなら電話切るぞ」
『少しは乗ってくれてもいいじゃないのかしら!?』
「あのなぁ、流派を束ねる家元としてもう少しなぁ…」
『肩こるから却下よ』
「やはりあのミカの母親だけあるぜ……ああ、それより、今日はどうしたんだ?」
『ちょいと時間掛かったけど、あの子の偽籍ができました』
「随分と早いな? まぁそれは良かったが偽籍を作れるほどの権利は一体どこから来るんだ?」
『戦車道が盛んな限り半永久的かしら? まぁ今のは冗談だとしても、地に堕ちて機能しなくなった西住流につけ入る隙はいくらでもあった。 だからそこまで苦労はしませんでしたね』
「そうかい。 でもそれなら手紙に報告を書いて送れば良かったんじゃないのか?」
『省エネよ』
「家出娘の様子を聞きたかったと素直に本音を言え」
『…………そんな事ないわ』
「素直じゃない辺りやはり親娘だな、あんたら二人は…」
『もう、良いわよ。 それでもう一つ、あの子は今どうかしら?』
「今は元気に副隊長をやってる」
『そう。 それは良かった』
「………別に深くは聞かねえ。 俺自身も納得してあんたの考えに従った。 戦車道の美点を汚す西住流を潰すためにみほを失踪扱いすることを」
『…』
「だがな、あの子を地に堕ちた西住流を潰すための道具として見るんじゃねぇ! 俺は放って置けねぇからあんたの作戦に乗って彼女を助けるためにその道を選んだ……だが島田流家元! 人を
『…ええ、わかってるわ。 わかってる。 もうあの子は利用しない。 でも最後に…これだけは良いわよね?』
「なんだ…?」
『私の可愛い愛娘に会わせるくらいは良いわよね? 同じボコられクマ好きだもの。 みほさんが良いお友達になってくれたら嬉しいわ…』
「……なぁ、家元、それは…」
『?』
「師範代としての判断か? それとも母親としての判断か?」
『…』
「…」
『……何言ってるの』
「…」
『母親としてに決まってます。 娘を愛さない訳が無いじゃない、オルガ・イツカ』
「そうか………普通は……そうだよな…」
しばらくの静寂…
半年前の引越しで取り付けた時計だけが動く。
もう話す内容は無い。
そう考えたが…
彼はとある質問をした。
「……なぁ」
『?』
「家元と母親って……どう違う?」
この質問に意味があるのかわからない。
でも、その男は聞いた。
だから子を持つ親は答えた。
『家元は無情で、母親は愛情よ』
「……」
『だからオルガ・イツカ。 あなたはみんなのオルガとして皆に愛情を注いであげなさい。 これは二児の母としての言葉よ』
「……」
『良いわね?』
「………ああ……わかった」
その男は止まらない人間だ。
ひとりの少女のために希望の花を見せつけ、止まらせないために熱く振る舞える男だ。
だけど彼の裏は汚い世界に溶け込んでいる。
彼自身もそれは理解してる。
容易く抜け出せないことは承知の上だ。
でも一人の少女のためにそんな情けない面を見せないでいた。
そんな姿を晒さない様にしていた。
都合の良い事だけしか見ないふりをして血に汚れた体だ。
記憶にないが何故か一度だけそんな経験をしたような気がしている。
身に覚えが無いのに何故か無念が駆け巡る。
しかし自分は自分として割り切って歩み続ける。
だけど拾った少女のために希望を振りまき続けることにした。
だって彼は【止まらない】男なのだから。
〜 オルガルパン編 〜
〜 希った 〜
〜 おしまい 〜
Q_この作品は一体全体どうしたのですか?
A_
はい、若さゆえの過ちを詰め込んだ
作者の悪いクセから生まれた番外編でした。
真面目に説明しますと…
この当時は鉄血のオルフェンズが完結して数週間。
しばらくして『異世界オルガ』のジャンルが人気になった頃でした。
中途半端な知識で流行りに乗ったいつもの
内容としては4話のパーキングエリアの件で虐待おじさんがオルガの真似をして「止まるんじゃねぇぞ」とみほを励ます描写がありました。
(ここだけ再投稿の時に大幅に変えた)
このお陰で4話から最終話まで虐待おじさんがオルガの顔に固定されてしまったなど色々ありました。
悪ノリから、真面目な意見、小説在り方などを含めて、感想欄はそりゃ荒れました。あれはマジでやばかった。 反省と後悔の塊です。 あの頃は一生忘れません。 楽しかったけど。 でもやばかった。
そんな感じにこの誤ちにそこそこ凹みながらも
本編を書き終えた辺りでしなくていい決意をしました。
鉄華団の様に愚直を躊躇わなかった。
だから作者も決めた…!
真面目にオルガぶち込んでやる…!
歪み切った作者も止まらない結果として生まれたのがこの単発です。
「何やってんだよ!団長ぉ!!」
こうしてオルガルパンで締めて終わっちゃった作品です。
本当に何やってんだろう、過去のおれ……
実際この話を再投稿するか少し迷いました。
しかしこれ含めての過去の栄光なので載せました。
(こうなるとクロスオーバータグは載せるべきかな?)
これがここまでの経緯です。
はい、そんな訳でこの小説はこれにて異常で以上です。
沢山の感想や評価をありがとうございます!
誤字脱字報告色々とありがとうございます!
ここまでお付き合いありがとうございます!
ではまた!
(因みに某2525では本当にオルガルパンしてるクオリティ高い作品があるからオススメ。 アニメ編まで無事に完結してるから気になる鉄華団の兄貴たちは是非見てくれよな!)