小人族でも、女でも英雄になりたい 作:ロリっ子英雄譚
※リースの魔法及び文章を少し修正しました。確かにL v.2にしてはチートでしたね。ガネーシャ超反省。
それは遥か昔の話。
古の大聖女ルナの旅路のお話。
アスクレピオスが居なくなり、恩恵を封印したかと思えば、自身に宿る『
彼女の旅路は様々なものだった。
死海と呼ばれた海を浄化し、永劫枯れ果てた土地を甦らせ、雷雨ばかり降り注ぐ雲を晴らしたと様々な情報が世界で流れていた。それこそゼウスやヘラのファミリアが成長段階であった時の話だ。
その異常さはゼウスの耳にも知れ渡っていたが、どうにも捕まる前に察して逃げる事だけは得意だったようで一向に捕まらなかった。そもそも『神の力』を持つ人間に眷属では捕まえられないと判断し、基本的に放置する事にした。
ルナは様々な人を救った。
ルージュの一族も重傷だった身体を血で治し、血によってルナの『聖域』の力を持って生まれたように、小人族だけでなく、人間、獣人、ドワーフにエルフと様々な人を救ってきた。
だが……それを妬む存在もいた。
それがアルシエル家だ。
魔法の研究、及び発現の法則を探り発現する事に成功した一族。魔法が最も強力でその権力と魔法の強さだけならアールヴ家に匹敵するとされていた。
ルナがエルフの故郷に訪れた時、誰もが治せなかったであろう長老の不治の病を容易く治した。それは長年、アルシエル家がどれだけ研究しても治せなかった持病をルナはその事実を嘲笑うかのように殺したのだ。
ルナの『聖域』は広げただけで毒を浄化し、穢れを祓い、傷を治す。その圧倒的な出力にアルシエル家は嫉妬した。長年苦しんできた長老を治す研究を容易く踏み躙ったルナに憎しみを生んだ。
そして彼等は禁忌を犯した。
それは『聖域』の研究。
ルナに宿している『聖域』を発現させるためにルナを襲い、腕を切り落とし、奪ったのだ。
ルナの『聖域』とは違い、超越化した回復魔法は時間回帰に等しいが、膨大な力である為、使い過ぎれば寿命を縮める。結果、ルナは死ななかったが、彼女の残された時間は確実に減ったのだ。
そしてルナはエルフの里から姿を消した。
ただし、残された腕をアルシエル家は解析、研究し尽くした。
そして、悲劇が訪れた。
「悲劇?」
「不治の病よ。
不治の病。それはルナを襲った天罰。
アスクレピオスが残した愛し子を襲った罪として長老と同じ、原因不明の不治の病が
生まれてきた子供は禁忌を犯した一族の末裔とされ、里に幽閉。王家の一族であったアルシエル家は当然ながら没落した。幽閉されたアルシエルの子は酷い仕打ちを受けていた。一族が何をしたかも知らず、ただただ幽閉されて心が折れ、生きる事すら許されないと告げられた小さな少女の心はいつしか閉ざしてしまった。
そんな悲劇の子供を救ったのは一人のエルフだった。
名前はアルマ。牢屋の見張り役だったアルマは心を閉ざしたアルシエルの子に何度も話しかけた。
自分が食べる食事を分けたり、外には色んな事があったり、時々英雄譚を読み聞かせたりと、外を知らない少女の凍てついた心を徐々に溶かしていった。
そんな中、事件は起きた。
疫病だ。エルフの里で疫病が発生。未知ではあれど、治す術はあるにも関わらず、その原因の不信感は全てアルシエルの子に向けられた。
そして里の中である発表が起きた。
アルシエルの子の処刑。エルフの最大の汚点を消すが如く、長老と権力者はアルシエル家の完全排除を命じた。
あるエルフは歓喜し、あるエルフは漸くと安堵し、あるエルフは里の安寧に笑っていた。
それを見たアルマは恐怖した。
何も知らない少女を殺す事が一族の安寧に繋がる、これだけ酷い仕打ちをされてまだ酷い仕打ちを受けるのかと怒りが煮えたぎった。
アルマはアルシエルの子を連れて里を出た。
遠い所に、業も、運命も、罪さえも届かない遠い所へ……
「もしかしてファンロックってのは…」
「私の父の名前の家名よ」
「てことは、そのアルシエルの子と結婚したんだ」
「母の名前はリーナ・ヴァン・アルシエル。まあ、私はファンロックの方がいいし、お母さん達もリースって呼ぶ事が多いから私はそう名乗ってるの」
やだ運命。物語より物語してる。
言っていいのかわからないがものすごいロマンチックな話だ。囚われのお姫様を攫う騎士みたいな物語で出てくるような凄いいいお話だ。
「でも、なんで私に謝るの?」
「母……というかアルシエル家には
リースの紫紺の眼はただの眼ではなかった。
リースが言う『継承の魔眼』はそれこそアルシエル家が最強の魔法使いであった所以である。継承とは記憶、知識だけではなく他人の想いすら継承する。魔法とは想いの強さを形にしたものだとするのなら、その想いすら継承出来るリースは文字通りアルシエル家の歴史そのものを背負っている。
あの時の魔法の強さも納得だ。
最強であったアルシエルの記憶まで継がれているならスキルすら継承している。
「母であるリーナには宿らずに私は先祖返りみたいに持って生まれたせいか地獄を見たわ」
それは確かにエグいな。
全て継承するってことは
「母は言ってたわ。いつか、聖女様の子孫に出会えたらちゃんと許される事でなくても謝りなさいって」
「リースの両親は…?」
「【ヘラ・ファミリア】に居たわ。私は鍛治士に憧れてたのがあってヘファイストス様のファミリアに入って、暫くはずっと鍛治士の勉強をしてたわ」
リースは魔法の研究内容が継承されていて、この世界の事象にも詳しかった。その中で、鍛治の内容は全くと言っていいほどない。だからこそ、リースは楽しかったのだ。
「でも、15年前の黒竜討伐に失敗し、二人は死んだわ」
黒竜討伐に失敗。
当時、六歳だったリースに死んだ母の記憶が継承され泣き崩れた。そして、リースはアルシエル家最後のハイエルフとされ、髪色を変える魔導具と軽い認識阻害を起こせる指輪により、紫紺の眼が魔眼である事がバレないようにしている。
母の記憶にあった黒竜は絶望の象徴。
いつかまたオラリオに現れる『黒き終末』を終わらせる為に、リースは剣を鍛っている。
「だから、いつか黒竜さえ殺せる剣を鍛つ事を誓ったの」
聖剣すら超える剣。
かつての『女帝』が持つ最高位の武器すら超えて、更に強い剣を鍛つ事を考えている。
「貴女は聖女ルナの子孫じゃない。でも、貴女はルナにそっくりなの」
大聖女ルナも蒼い髪と
「貴女に謝るなんて筋が違っているのは分かってる。それでも言わせて」
まるで一族を代表するように、残されたアルシエル家の一人として、リースは私に頭を下げた。
「私達、アルシエル家は貴女に許されない事をした」
まるで、一族全ての罪を背負っているかのように、深く頭を下げていた。
「本当に、ごめんなさい」
きっと辛かったのだろう。
リースに起きた悲劇ではなくても、その記憶を継承してしまう事が、リースを苦しめていたのだろう。
軽く、リースの頭を撫でる。
こういう時、なんて言えばいいか分からない。でも、気にしないでという言葉ではきっとリースは苦しみ続けるのだろう。
「––––許すよ」
ゆっくり、自分の胸にリースを抱き寄せる。
きっと責任がある筈だ。ルナは傷付けられた事に対する報復を行ってはいないと思う。アスクレピオスの呪いが結果、そうなってしまっただけだ。
「きっと、ルナは同じ事を言ってた筈だよ」
ルナだってきっと、このままである事を望んでいない筈だ。何の罪もない子供を苦しめてしまう事はきっとルナだって思う所はある筈だ。ルナは神ではない。何でもかんでも許せる人間ではない。
それでも、罪のない子供に罪を背負わせて苦しみ続けている事にきっと、同じことを言った筈だ。
「それに、貴女達は充分苦しんだ」
もう、解放されてもいい筈だ。
リースの眼から涙が溢れ始めた。罪の記憶に苛まれて、何処かトラウマがあったのだろう。ずっと許してくれなかった。継承されていた事が罪の証だと言わんばかりにリースを傷付けた。
「これ以上、苦しまなくていい。ルナの力を継いだ私が言ってあげる」
だから、私がルナの代わりに言うよ。
彼女ならきっと、そうしたように。
「貴女はもう、許されていい筈だよ」
リースはその言葉に泣き崩れた。
まるで子供のように、やっと運命から解放されたかのようにただひたすら私の胸で泣き続けた。
★★★★★
「ごめん、みっともない所見せて」
「いやめっちゃ泣き顔可愛かったからいいよ」
「殴るわよ」
「冗談」
けど、リースの泣き顔は本当に可愛かった。
話も終わり、私は白いローブを被り、鍛治工房から出て行く。もう暗くなってしまったからエレ様が心配するだろう。
「ルージュ」
「ん?」
「これからも、よろしくね」
「よろしく、リース」
二人は笑って、手を叩き合った。
今日、本当の意味で初めて二人は親友になれた日だった。それを祝福するかのように、暗くなった空には満天の星々が浮かんでいた。
リースロッテ・ヴァン・アルシエル Lv.2
主神 ヘファイストス・ファミリア
種族 ハイエルフ
身長 161cc
容姿 紫紺の瞳 翡翠色の髪(普段は銀に見せている)
《ステイタス》
力: A820
耐久:E453
器用:A864
敏捷:D559
魔力:SS1059
神秘:E
《魔法》
【エンディブ・アストルフェ】
・炎剣魔法
・任意操作
・本数は魔力に依存
・
【リバイブ・ユグドラシル】
・召喚魔法
・
・魔力吸収により肥大化
・成長速度は魔力に依存
【アルシエル・ロード】
・召喚権限魔法
・アルシエル家のスキルの一時的発現
・
《スキル》
【継承の魔眼】
・アルシエル家の記憶、記録の継承
【
・魔法効果増幅
・魔力制御超高補正
・魔力ステイタスの限界突破
・発展アビリティ【魔導】の発現、補正効果はLv.に依存
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ちょっと特殊とはいえハイエルフならこんなものだと思いたい。
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