小人族でも、女でも英雄になりたい 作:ロリっ子英雄譚
訂正、指摘ありがとう。
そしてゴライアスの誤字修正してくれた人、本当にありがとう。拙い文才ではありますが、頑張っていきたいと思います。
十八階層の昼。
ルージュとリースの二人は『ゴライアス』討伐の作戦を練り終え、戦闘準備をする。リースは第三魔法の詠唱を始める。
「『それは消えぬ原罪、神に呪われし我等の咎』」
リースの第三魔法、それは
「『誇りは失い、矜持は潰え、全て破却せし我等の歴史。されど私は礎を授かりし者、最後の末裔たる私が刻む』」
選択するのは【
リースの母が持っていたスキル。効果は魔力の効率化と魔法の射程範囲と威力増幅。妖精族特有のスキルの中でも強力なスキルを選択する。
「【アルシエル・ロード】」
刻まれたスキルは一時間ほど顕現可能だが、再使用は二十四時間のインターバルが必要となってくる。
そしてルージュも詠唱を唱える。
「『閃光よ、駆け抜けよ、闇を切り裂け、代行者たる
『ゴライアス』には生半可な攻撃は一切通用しない。
理由としては巨人の剛皮にある。筋肉が密集し、側面だけでなく貫いたり斬る場合は相応の力が要る。魔石は胸元にあるとはいえ、そう簡単に狙わせてはくれない。
「『集え小さな星々の願い』」
今回は初めから全開。
トワの光魔法【ライト・バースト】の発動後の停滞。破壊力を『
「それじゃ、行くよリース」
「いつでも」
「––––突撃!」
ルージュたちは十八階層から十七階層まで一気に走り出す。
推定レベルは4。中層域の最初の階層主と呼ばれた巨人の怪物『ゴライアス』。
改めて見ると武者震いで脚が震える。
だが今日、ルージュ達は『冒険』をする。先陣を切るように地面を蹴り、詠唱を始めた。
★★★★★
本当にやるのか、と呆れた顔をして後ろについていくリヴェリア、アイズ、ティオネ、ティオナ、レフィーヤの五人。最悪の場合は助太刀するが、基本的に戦闘はあの二人で行うというフィンの言葉に絶句した。
「そりゃアイズや私達なら余裕かもしれないけど」
「二人ともLv.2なんでしょ?正直無茶過ぎない?」
階層主『ゴライアス』の討伐はリヴィラの街で定期的に行うか、ファミリアでの討伐が基本。いくらパーティを組んでいるからといえ、人数は二人。
だが、ルージュは問題ないと言った理由はこの戦いでわかる筈だ。
「全く、ベル・クラネルの熱が此処まで広がっているのか?」
「あの闘いは興奮したけどね」
あのミノタウロスとの死闘。
彼女達は知らないが、それでもレベルの壁を超えたベル・クラネルに対しての闘争心が瞳に宿っている。
彼女達も挑もうとしているのだ。
果てしなき高い壁を越える『偉業』の挑戦へ。
★★★★★
改めてデカい。
見上げていたら首が痛くなりそうだ。初めて階層主という怪物と戦う。けれど、『アンタレス』程の迫力はない。ただし、あの蠍よりも遥かに巨大だ。
「『祖は最果てを守護する世界樹の妖精、我が声に応じ今一度大樹は芽吹く』」
巨人対小人。力の差は歴然。
先ずはリースの詠唱が完成するまで私が時間を稼ぐ。リースは並行詠唱は出来る為、『ゴライアス』から離れた場所で戦局を見ながら最適なタイミングを計り、私が戦い易い状況を作り出そうとする。
「『駆け上がれ蒼き流星』!」
先ずは足を潰す。『ゴライアス』に最速で迫る。小さくて見えないのか、リースを見ている怪物の膝に『
「こっちを見ろよ。じゃないと、私がお前を狩るぞ」
ギロリ、と怪物の眼が私に向いた。
巨人は倒れたまま腕を振るう。私はそれを後方に下がって躱し、『ゴライアス』の目玉にまで走り出す。
「っっ!?」
『
ミノタウロスなど一部のモンスターが使う威嚇。それはまともに喰らえば強制停止、気の弱い者なら意識を失う。だが『ゴライアス』は更に規格外。魔力を兼ね備えた咆哮が飛び、空気の砲弾となって襲いかかる。
私は咄嗟に危険を察知し、躱す事には成功するが、『
「いっつ…!『紡がれし命をここに、永遠に輝く
下手に喰らいすぎると不味い。
基本五人がいるが頼らない。現状二人しかいない状況では、壁役がいない為ポーションなどの補給が出来ない。
並列停滞。
私が『アンタレス』と戦った時に使えた新しい技法。一つ目の魔法を停滞したまま二つ目の魔法の行使に入る。これは最近試した事だが、
「『
行使するのは全癒魔法。
トワのスキルは瞬間的に使う事で魔力及び体力消費を軽減。更に強くなる為に考えて私のスタイルを模索し続けた。
並列停滞にスキルの瞬間発動。
今の私は魔導師より厄介な要塞型の魔法剣士。回復、魔法、そして攻撃の三種類を自在に操り縦横無尽に駆け巡る。
「『集え小さな星々の願い』」
発動可能状態の停滞。
発動後の停滞と発動可能状態の停滞では魔力消費量が違う。発動後は破壊力や効果を維持する為、停滞に魔力をかなり持っていかれる。既に【ライト・バースト】を停滞している私は魔力消費は最小限に留める。
既に『ゴライアス』は立ち上がり、上から拳を振るう。
私は『
「ルージュ、後退!!」
「!」
リースの言葉に反応する。
準備が出来たようだ。リースの地面に五つの巨大な
「『
停滞していた【ライト・バースト】を解放する。
無数に分かれる光の波動が『ゴライアス』の顔面目掛けて放たれるが、それを腕を下敷きに顔面への到達を避ける。上層と違って階層主には明確な意志がある。思考も、動きさえ油断できない。
だが、腕を潰した。
リースの魔法は発動される。
「【リバイブ・ユグドラシル】!!」
リースの五つの魔法円から
勢いよく成長し、『ゴライアス』の拳を受け止めると直ぐに絡み付き始めた。
「すっご……」
リースの第二魔法【リバイブ・ユグドラシル】
それは魔力を喰らう大樹の召喚。超長文詠唱である代わりにその効果は妖精族のどの魔法とも該当しない
木々が『ゴライアス』に絡みつき、身動きを奪う。怪物には魔力が存在する。魔石がある以上それは絶対だ。
そしてリースの魔法は『
つまり、『ゴライアス』を弱らせるには最適な魔法。そして絡みついている間に私達はポーションを飲み、体力と魔力を回復し即座に走り出す。
「『––––閃光よ、駆け抜けよ、闇を切り裂け、代行者たる
すかさず詠唱を始める。
あの大樹を操っている間はリースは動けない。だから此処で決める。
「【ライト・バースト】!」
発動した光の波動が大樹と『ゴライアス』に当たる。
大樹は焼き焦げながらも魔力を吸収し、肥大化することで『ゴライアス』を固く縛る。魔石は胸元、人間に近い構造をしている巨人の胸元に私は大樹を上手く利用し、跳躍。スキルも全解放、此処で出し惜しみするわけにはいかない。
「うらああああああああああっ!!」
勝った、そう思った次の瞬間だった。
意識外から謎の衝撃が私を襲い、吹き飛んだ。
「ガッッ!!?」
私は地に叩き落とされた。
迫る私に『ゴライアス』がまさかの
想定外過ぎて意識から外してしまい、攻撃をモロに食らった…そんなのありかよ……!
頭から出血、肋骨が何本か折れた痛みに身体を起き上がらせられない。足は問題ないが左腕が痺れて動かない。意識は途絶えていないだけまだマシだ。
「ヤバッ…」
見上げた瞬間、絶望を悟った。
血を吐き、地面に落ちる私に『ゴライアス』は追い討ちをするかのように口を大きく広げる。
「アイズ!!」
「分かってる!!」
リヴェリアさんの声が聞こえた。
既にアイズが風まで使って助太刀しようとするが、遅かった。
倒れて動けない私に『ゴライアス』渾身の『
前後半分けます。
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