小人族でも、女でも英雄になりたい   作:ロリっ子英雄譚

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 私のダンまちの知識が不足している気がする。
 これ投稿したらちょっと読み直す修行に出てきます。感想見てるとやだ私の文才低すぎ…、と思い始めました。あと忙しくなるので毎日投稿が出来なくなるかもしれません。すみません。

 


第四十一歩

 

 

 小さな身体が地面を跳ねた。

 叩き付けられたルージュからは血が流れていた。

 

 

「ひっ……」

「不味い!ティオナ、足止めしろ!ティオネとレフィーヤはルージュを!」

「分かってる!!」

 

 

 レフィーヤが小さな悲鳴を上げ、リヴェリアの指示でティオネ達が動く。私の中で何かが壊れそうになった。ルージュが叩き落とされ、『ゴライアス』の咆哮を直撃した事に動揺した。

 

 ルージュは数回地面をバウンドしてピクリとも動かない。

 間に合わなかった。不安など当然あった。無茶だと思った。私の目の前でお母さんを無くしたように、彼女まで失う事が怖くなって、止めようとしたのに……

 

 

『行こうリース!』

 

 

 そう笑って戦おうとするルージュが眩しくて、真っ直ぐで止められなくて、性格も雰囲気も姿も全く違うのに、私を護ってくれていたお母さんの背中を幻視した。

 

 

 なのに……

 

 私の目の前で、友達が……

 憎しみが怪物に溢れ出す。私の友達を奪ったこの巨人を許せない、

 

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い、殺したい。

 動揺したままルージュの所に駆け寄る。この怪物を殺すのは、ルージュを助けてからだ。

 

 動揺で手が震える。

 死んでしまったのではないかという恐怖に襲われる。

 

 

 死なないで、お願いだから……

 

 

 ひとりにしないで……

 

 

 

 生きているのか分からなくて、恐る恐るルージュに触れようとする。ティオネもルージュに近づき、生死の確認をしようとしたその時。

 

 

 

 

「痛ってえええぇ!!」

 

 

 

 

 ルージュは勢いよく起き上がり叫んだ。

 死にかけていたと思っていた友達は予想以上に元気だった。

 

 

 ★★★★★

 

 

 どうやら、私は一瞬気を失ったらしい。

 ほんの数秒だが、身体が宙に浮くくらいの衝撃波に吹っ飛ばされて意識を失ったその時に【スター・エクステッド】が強制解除されたのだ。

 

 全癒魔法【フロート・エクリエクス】を停滞し、ヤバかった時に回復する為に私はストックのように停滞維持を行なっていたのだが、意識を失った事により、停滞が解除し魔法が発動された。

 

 意識を失った際に付与魔法などは消えるのが基本。他の魔法の場合は魔力暴発(イグニスファウスト)を起こすだろうが、【スター・エクステッド】は()()()()()()()()()()()()()魔力暴発(イグニスファウスト)は起きず、停滞が解ければ魔法は起動される。

 

 まあ、それを知ったのは今なのだけど。

 

 もしかしたらトワがやってくれたのか分からないがとりあえず魔法は起動された。

 誤算とはいえ、折れた骨や頭の出血は治り、私の身体は全回復。ただし攻撃受けて頭が砕けていたらヤバかったし、踏み潰されたら死んでいた。あとめっちゃ痛かったあの頭突き、受け身取れず叩き付けられた。

 

 

「えっと……ティオネさんの妹!足止めありがとう!!」

「えっ、大丈夫なの!?」

 

 

 とりあえず問題はない。

 叩きつけられた時に殆ど回復薬はダメになったから、魔力を考えてもあと一発程度の魔力しかない以外は身体に変化はない。

 

 

「問題ない!リース、第二魔法から第一魔法に切り替えて!」

「えっ!?このまま行けば」

「維持が持つならそれでもいいけど根比べで勝てる!?」

 

 

 多分無理だ。『ゴライアス』を倒せる決定打にはなり得ない。この大樹の維持は相当魔力を持っていかれる筈だ。超長文詠唱の魔力消費量は私が一回使えば精神疲弊(マインドダウン)になりかねない。私は特別燃費が悪いし、リースにはスキルによる魔力消費量の効率化があったとしても、根比べでは勝ちは無い。

 

 リースも苦い顔していた。

 あの剛皮の硬さを私は知らなかったから遠距離で仕留められるか分からない不安要素こそあったけど、動けないと思い接近戦をしたのは私のミスだ。

 

 

「待って…!」

「ん?」

「大丈夫…なの?」

 

 

 アイズが私の手を掴んで止める。

 それもそうか、一度あんな大怪我したのだ。心配にもなるだろう。

 

 

「ごめんね、少し心配かけた」

 

 

 アイズの手を優しく握る。

 でも大丈夫。心配かけるかもしれないけど–––––

 

 

「とりあえず勝ってくるよ」

 

 

 –––––今はただ勝ちたいと思うから。

 私は不安そうな顔をしたアイズにそう一言だけ残し、走り出す。

 

 

「リース、行ける!?」

「解除はいつでも!」

「んじゃあ、撹乱する!目を潰すよ!!」

「了解!」

 

 

 リースの召喚魔法は消え、大樹の魔力簒奪効果は消える。だが、大樹自体は魔法を解除しても魔力を簒奪し肥大化した分の樹々は残る。『ゴライアス』を縛っていた強さは無くなれども、この十七階層の『嘆きの大壁』は木々が巡る小さな森と化していた。

 

 リースも詠唱を止め、前線に上がる。

 詠唱するまでの時間を稼ぐ為には私一人では足りない。少なからず目を潰さない限り、『ゴライアス』に詠唱時間を割り振れない。既に一度見せた戦術は通じない。

 

 だからこそ、奇策を。

 森と化したフィールドで私達は高速で移動していく。

 

 

「グオオオオオオオオッ!!!」

 

 

 縛っていた樹々が折れ、拘束が解ける。

 木々が邪魔して『ゴライアス』は私達を捉えられない。

 

 森を吹き飛ばすように腕を手当たり次第に振り下ろしていく。徐々に剥がされていく木々、隠れる場所も徐々に失っていく中で遂に最後の一本がへし折られた。

 

 でも、そこにいるのは私だけだ。

『ゴライアス』はもう一人の存在を見失った。

 

 どこに––––答えは見下ろしている『ゴライアス』の遥か上。

 

 

「う、らああああああああああああああああっ!!」

 

 

 槌型の杖を全力で振り下ろすリース。

 リースの筋力値は鍛治士に相応しい程の強さを兼ね備えている。ランクアップ時はSだったらしく、Lv.2とはいえ不意をつかれた『ゴライアス』の頭に槌を叩き下ろし、一瞬の隙に私は思いっきり『ゴライアス』の膝を折る。意識外の攻撃と膝を折られ、倒れてしまいそうな所を右腕で支える巨人。倒れないのは階層主の矜持か、流石と言うべきだけど……

 

 

「やっと顔が近づいたなノッポ」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()

 私は『影淡』と『緑刃』を構えて両目目掛けてぶん投げる。左腕は潰し、右腕は体を支えているため防げない。普通に投擲しても防がれてしまうが、このチャンスを逃さない。目に二つの武器が突き刺さり、『ゴライアス』は断末魔を上げた。

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオッ!!!?」

「うるさっ」

 

 

 この一撃が多分最後の魔法だ。

 私達は距離を取り、今残る全魔力を次の魔法に装填する。そしてリースも同じように最後の魔力を全て魔法に注ぎ込む。

 

 

「『––––閃光よ、駆け抜けよ、闇を切り裂け』」

「『––––苛烈なる焔、悪きを祓う聖火』」

 

 

 此処で勝負を決められなければ負けだ。

 目を潰されても魔力を肌で感じ取った『ゴライアス』は私達の方へ走り出す。このままでは巨人の方が早い。

 

 だから……()()()()()()()()()

 

 

「『代行者たる(わたし)が命ず、光の化身、光の女王よ』」

「『焦がれ蝕む憎炎、燻る残火、灼熱の業火』」

 

 

 高速詠唱。

 いつも以上に詠唱を加速させる技法。並行詠唱が出来る程度には魔力の扱いに慣れた。だから高速で詠唱しても魔力は乱れない。そして迫りくる『ゴライアス』より私達の方が早い。

 

 

「『集え小さな星々の願い』」

「『我が炎帝の剣よ、万象須らく焼滅し、果てへ還れ』」

 

 

 リースの背後に炎剣が五十本。

 これが最大本数、全精神力を注ぎ込んだ最後の魔法。リースはその魔法名を叫ぶ。

 

 

「【エンディブ・アストルフェ】!!」

 

 

 炎剣は『ゴライアス』の胸元目掛けて射出される。

 野生の勘というべきか、『ゴライアス』は残った右腕で炎剣を防ぐ。凄い反射神経だが、その魔法は躱すべきだったな。

 

 

「『爆滅せよ(フレイラ)』ァァァッ!!!」

 

 

 炎剣の大爆発が階層に熱を撒き散らす。

 リースは精神疲弊(マインドダウン)に膝を突く、『ゴライアス』が防いだ炎剣が爆ぜ、右腕は完全に消滅していた。そして胸元を防げる術は残されていない。

 

 

「今度こそ、終わりだあああああああああああっ!!」

 

 

 魔力増幅最大値。

 今度は間違わない。このアドバンテージを活かし、あとは狙い撃つだけだ。

 

 

「『突き進め(エイルス)』ゥゥゥッ!!!」

 

 

 私は増幅した【ライト・バースト】を『ゴライアス』の胸にぶっ放した。放たれた無数の光の波動が、徐々に胸を穿っていき、魔石部分まで到達する。

 

 

「グオオオオオオォォォ–––––!!!」

 

 

 パキリ、と音が聞こえた。

 魔石が砕けた音が聞こえた。だが……

 

 

「なっ!!」

 

 

 しかし、『ゴライアス』はそれでも倒れなかった。立ち上がる巨人にリースは絶句し、振り下ろそうとする拳に目を瞑る。

 

 

「もう終わり、だっ!!」

 

 

 全筋力最大。

 私は『七星剣(グランシャリオ)』を全力で投擲した。それは矢のように綺麗な放物線を描いて、魔石の部分に突き刺さる。

 

 パキパキッ!と魔石が砕けた音が聞こえた。投擲した『七星剣(グランシャリオ)』は中心に突き刺さり魔石を完全に砕いた。

 

 決着が付き、ゴライアスの肉体は灰となって消えていく。振り下ろそうとする拳は消え、もう攻撃は無くなった。

 

 流石に強敵だった。階層主を二人で倒すという『偉業』こそ達成したが、もう体が限界だ。

 

 

「勝った………」

「う、そ……」

 

 

 私は剣を引き抜き、地面に倒れていく。

 流石にもう魔力はスッカラカンで、スキルも解けた。トワも逸早く私の中で眠りについた。

 

 ありがとうトワ、最後まで一緒に戦ってくれて。

 流石に冷静ではなかったのと、タイミングを間違えた私のミスだ。あの時は距離というアドバンテージを得たまま魔法で仕留めに行った方がいい。そう判断出来るだけの経験が足りてなかった。

 

 私もまだまだルーキーって事か……。

 

 

「リース、大丈夫?」

「なんとか……というか、ルージュは?」

「ギリギリ立てる」

「怪我は?」

「一応問題ない。けど、身体の負担が凄い」

「そりゃあね」

 

 

 血は流れたけどもう傷はない。

 二人して精神疲弊、私の場合は枯渇一歩手前で気を失いそうだが立てはする。戦えるほどの体力はもう無いけれど、あとは一度十八階層に帰るだけだ。私は立ち上がってリースに近づく。

 

 

「お疲れリース」

「ルージュもね」

 

 

 私達は笑ってハイタッチした。

 色々と課題の残る戦い方だったが、それでも勝ったのだ。嬉しくないわけがない。時間にして三十八分。私とリースの階層主攻略は成功という形で幕を下ろした。

 

 

 ★★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、アイズが十八階層から帰還するまで抱きしめて離してくれなかった。レフィーヤにめっちゃ睨まれた。

 

 

 









ヘルメス「ダンジョンは憎んでいるのさ。こんな地下(ところ)に閉じ込めている、神々(オレたち)をね」


 ルージュの発展アビリティ 神聖B

【神聖】
 効果:神の力、聖属性に対する補正。
 
【取得条件】
 聖属性適正がある者、神の力に由来するナニカがある(精霊・神造武具・原初の火・蘇生薬など)


・ルージュがこのスキルを更に上げると持っていた残り滓の神の力が強くなり、神に近くなる為、怪物が強くなり、凶暴化します。Bならまだ軽い補正程度で然程問題はありません。


《聖域をダンジョンで使った場合》

 Fは蚊が飛んでいる程度の煩わしさ。特になし。

 Bはヘイトがいつもより稼げます。1.1倍程度。

 Sから更にボーナス入ります。ヘイトの殆どがルージュに向きます。怪物の攻撃が変わったりします。1.2倍程度。

 SSSは怪物が全員強化種レベルとなって襲い掛かります。強くなりたいルージュは戦って勝って強くなります。1.5倍以上。

 測定不能になったらお終いです。ダンジョンが哭きます。ウラノスが頭を抱えます。エレ様も胃を抑えます。測定不能。




 ルージュもエレ様もまだ気付いていません。


 暫く就活で忙しくなるので連日投稿厳しいです。
 出来れば空いた時間に文才を学んできます。
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