「アキ、この辺りか?」
「そうですね燈矢さん、俺が冬美さんに聞いた話だとこの辺りなんですけど……」
「特に何も無いよね……」
そこは町外れにある少し高めの木が一本生えた原っぱだった。
「燈矢さんに聞きたい事があるんですけど……ここら辺はパトロールの範囲に……」
「あぁ入っているぞ、けど見る限りいつも同じだな」
「私も何回か来た事はあるけど昔と変わった場所とかは見当たらないよ?」
「そうなのか……だったら……なんで、その不審者はあの言葉を知ってたんだ……」
アキが考えながら木の傍に近づいた時だった……
transport
木を中心にして足元に魔法陣が発生してアキ達を飲み込んだ。
「なっ!?なんで術式魔法が!!燈矢さん!雹火を連れてここから離れてください!!」
「あぁ!ガツン 何か壁みたいな物があるぞ!!」
「アキ!これって一体何!?」
燈矢がアキの指示を聞いて雹火を連れてその場から離れようとするが何かに遮られていた。
「クソッ!この術式魔法は中に入った者達をどこかに転送させる物みたいだ!!このままなら……雹火!燈矢さん俺の手を掴んで下さい!!」
アキが両手を差し出すと雹火は右手、燈矢が左手とそれぞれ握った。
その瞬間3人の姿はそこから消えていた……
姿が消えた3人は気がつくと遥か上空に出現していた。
「なっ!?ここはどこだ!!」
「そんな事より、このままなら私達はどうなるの!?」
「2人とも、そのまま俺の手を掴んでてください!!
アキは2人を掴んだまま背中から翼を出して少しずつ落下スピードを落としていった。
「ハァハァハァ……大丈夫ですか?」
「あぁ大丈夫だ、ありがとうなアキ」
「それよりもアキの方こそ大丈夫なの?疲れてるみたいだけど……」
「これ位、問題ないよ、今の俺じゃ2人分の重さがキツかっただけだからさ…。それにしても、ここは一体?……なっ!?」
燈矢がお礼を言って雹火が心配してる中アキが周りを確認していると雲が切れて何か島があってそれを目にした時にこの世界にはあり得ない物が目に入った。
それは島の中心に立っている巨大な一本の木だった。
「嘘だろ?……なんで……
「アキ、どうしたの?」
「その感じからすると、この場所を知ってるみたいだけど、何処なんだ?」
アキが戸惑っている事に気づいた雹火と燈矢が尋ねた。
「ここは俺が所属していた魔導士ギルドの魔導士達から聖地とされていた場所……
「待ってよアキ!じゃあここはアキが本来いた世界だって言うの!?」
「そうだと思うが……何でここに飛ばされたんだ?……!雹火!!」
アキが雹火と話していると何かを感じたので抱き抱えてその場から離れると同時に何者かからの攻撃が来たので相手を確認すると黒いローブを纏った人物がいた。
「おい……お前は何者だ?……雹火、大丈夫か?」
「う、うん大丈夫だよ……(ウワァ、アキの顔がこんな近くにあるよー)」
「そうか、燈矢さんも大丈夫ですか?」
「あぁ、アキが避けた時に俺も反射的に動いたからな」
アキが燈矢に聞くと少し離れた所で服についた砂埃などを払い取っていた。
「けど、噂になってる不審者は
燈矢が視線を向けると黒ローブの人物の後ろから他に2人の人物が姿を見せた、その者達もローブを纏っていて前に出るなと言う様に手を横に出した。
「面白れぇ、最初からいた奴が1人で相手をするって意味みたいっすね……だったら、こっちも俺が行かせてもらいます!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!アキ!!燈矢兄!私達も行こう!!」
「いや、俺たちは行かない方が良い、向こうのアイツらが何をするか分からないからな」
雹火がアキの後に着いて行こうとしたが燈矢が止めて残りの2人を見ていた。