なんか回を追うごとに文章があぼんしてるのは気のせいかな...?(震え声) あ、そうだ(唐突)なんか見ねぇ間にめっちゃお気に入り登録増えてておでれぇたぞ(悟空)
皆さんは新年何してました? 私は当然栗初め...ではなくグラブってました。
...話すと長なりそうだからほんへGOしようか()
___歩く。 歩く。 歩く。
血と腐臭ばかりが漂う暗闇を、先に見える点の様な光を目指し私は歩き続けていた。
否、唯何も無く歩き続けている訳では無い。 ''私''の背後からは、私を引き留めようと、或いは引きずり込もうと無数の手が伸ばされ、その内の幾つかが私を掴む。 それは余りにも脆い。 振り払えば、簡単に外れ逃れられるほど弱い。
だがそれでも、或いはだからこそ、其れは私の歩みを重たくするには充分すぎた。
言葉はない。そこには唯呻き声が煩いくらいに小さくひびくだけだ。
"オ前ダケ進厶気カ?''
"助、ケテクレ"
"ユルサナイ''
"モドッテコイ''
"アァ...''
"ドウシテ...ドウシテドウシテドウシテドウシテ''
.......解っている。これは幻聴だ。私の中のナニカが、勝手に作り上げた声なき声だ。
だが、私はきっと逃れられない。 私を掴むあまりにも儚い腕が、重たくて重たくて仕方がないんだよ。
やがて歩みは緩やかになる。 身体から力が抜けていく。
微睡みが私を襲う。 歩みは止まる。
......引きずり込まれる。 恐怖は無い。 そんな情緒はとっくの昔に擦り切れた。 後悔は.....ある。 あぁ...でも......なんだったかな.......。 分からない...けど、なぜだかとても悲しいんだ___________________________________。
声が聞こえた。 今までの''創られた''声とは違う。 透き通った、あどけなさ残る少女の声だった。 その直後、誰もが私を掴み飲み込む中で唯1つの手が、
優しく私を突き放した手が、一瞬にして遠ざかってゆく。 私に纒わり付く腕達が私から離れゆく。 やがて黒い景色があっという間に眩い白に変わり、暗闇が小さな点となった。
"待ってくれ...! 君は...一体''
その声は、どこか悲しそうにだが慈愛に満ちていた。
同情から来るものでは無い。それこそ、子を愛する母のような。
振り返り手を伸ばす。だがその手が何かを掴むことはなかった。
「...今のは」
気づけば私は仰向けになって天井へ手を伸ばしていた。
......いや、仰向けになってるのは当たり前か。なんてことは無い。今のは
時計を見やると時間は未だ4時。 朝焼けも訪れない薄闇。
「うへへへぇ......まだ、ごはん入りますよぉ〜...」
横ではスペシャルウィーク....いや、スペがとても気持ちよさそうに眠っている。
...スペの乱れた布団をそっと直しながら、あの''夢''について考え耽ける。
実の所を言うと、悪夢を見るのはこれが初めてではない。
私は何度も 、眠る度に悪夢を見て、その中で何度も死んでいた。
仄かに感じるのは最後に私の背を押した誰かの手。それは今までになく暖かく、優しく、
今の私をライスが見たらなんと言うのだろう。 きっと今 、酷い顔をしている。
「...フッ...ククッ...あぁ、どうやら、私は思った以上に弱いらしい」
寝ようにも眠る気になれない私は、持ってきたスタンドライトをつけ古びたボロボロの本を手に取り、静けさに身を任せた。
◇◆◇◆◇◆◇
─約束だよっ、ムーンちゃんが学園に来れるようになったらライスと一緒にご飯たべるの─
─ああ、約束だとも─
今日やっと、やっと学園でムーンちゃんに会える。
あの日、あの事故があった時、気が気ではなかった。
もう二度と、ムーンちゃんは走れないかもしれない。もう二度と夢を追うことが出来ないかもしれない。
そんな考えが何度も頭をよぎって自己嫌悪に陥っていた。
何度もムーンちゃんの前で泣いた。何度もライスはライスの事を責めた。 その度にムーンちゃんは困ったように、寂しそうに笑いながらライスの頭を撫でてくれた。
もっと苦しいのはムーンちゃんの方なのに。 泣き出したいのはムーンちゃんの筈なのに。
大怪我を負って、記憶を失って、二度とウマ娘として走れないかもしれないと言われて、それでもムーンちゃんは折れなかった。
ムーンちゃんはライスの事を 何度も『強い』って言ってくれるけれど、本当に強いのはムーンちゃんだ。
その『強さ』が、今日ようやく実を結んでくれた。 ムーンちゃんが学校に行けるようになったと連絡してくれた時はまるで自分の事みたいに飛び跳ねそうな程に喜んじゃった。
(ムーンちゃんに笑われてちょっと恥ずかしかったけど...)
授業の終わりを告げるチャイムがなる。私は、はやる気持ちを抑えて約束の場所である食堂へと向かった。
トレセン学園の食堂はいつだってお腹を空かせたウマ娘達でいっぱいだ。 中央で活躍するウマ娘達の為に少しでも英気を養ってもらいたいと、高級ホテル顔負けなビュッフェバイキングとなっていて味も質も量も食べ盛りのウマ娘を満足させるのに充分。 だから今日も多くのウマ娘達でごった返していた。
その中をライスは頑張って掻き分けムーンちゃんの姿を探す。
(どこだろ、ムーンちゃん...)
ムーンちゃんの毛並みは独特で、似ているウマ娘はそういない。すぐ分かるだろうとキョロキョロと探して.....
見つけた。 くすんだ遺灰のような色、それでいて妙に艶立つ髪質、彼女だ。
(いた......!)
「あ、ムーンちゃ...!!」
声をかけようとして、声が止まる。彼女の傍らで食事をとる少女を見かけて。
(...え)
見ると4人のウマ娘達.....彼女はセイウンスカイさんとグラスワンダーさん、それにエルコンドルパサーさんだろうか....彼女達はムーンちゃんと一緒に座りご飯を食べている。 隣の少女は新入生だろうか見たことは無い。だけど、彼女がムーンちゃんととても親しげに話してる姿を見て、、、少し、胸がチクチクした。
なんでだろう、ムーンちゃんにお友達が出来るのはとても嬉しいし良い事なのに。 モヤモヤする。 ライスがムーンちゃんの和に入っては行けないような。うぅ...なんでこんなこと考えちゃうの、ライスのばか...
(邪魔しちゃ......いけない、よね。)
ムーンちゃん達に気づかれないようにその場を後にしようとして...
「やっと見つけた」
まるでお父さんのような優しい笑みを浮かべたムーンちゃんが、私の手を掴んでいた。
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今私達5人の食卓にもう1人、仲間が加わりました。名前はライスシャワーさん。先輩らしいですが、 とても小柄で大人しそうで、小動物的な...なんと言うか庇護欲がくすぐられる女の子です。ムーンライトちゃんとは学園に来る前からの友人らしく、今は2人でとっても楽しそうに食事を交わしています。
「それでね、それでね!!お兄様がね」
「フフフッ、とてもいいヒトの様だな。1度会ってみたいものだ」
「うん!お兄様も、ムーンちゃんの事お話してたら会ってみたいって」
「ほぉ...おっと、ライス。口にソースが付いてるぞ」
そう言うとムーンライトちゃんは上品なハンカチを胸ポケットから取り出してライスシャワーさんの口元を優しく拭き取る。 ライスシャワーさんはどこか恥ずかしげに頬をあからめる。
「あぅ...あ、ありがとうムーンちゃん...」
「全く...仕方のない奴だな」
なんと言うか...もう、完全にあの二人だけの空間が形成されてしまっています。
(((いや、付き合いたてのカップルか何か(デス)...?)))
...心做しかエルさんとグラスさん、スカイさんの心の声が一致したような気がした。 お二人の様子を見ていたグラスさんが口を開きました。
「それにしても、まさかムーンライトさんが''あの''ライスシャワー先輩とご友人だったとは...驚きです」
「ねー。『なに、古い友人との約束でね。待ってるのさ』な〜んて言ってよそってきたご飯に手をつけて無かったけどこういうことだったんだね〜」
「それに、鬼が宿ってるなんて言われてるからとても怖いヒトなんデショウっておもってマシたけど、とっても可愛いデ〜ス!!」
3人が何やら訳知り顔で言葉を交わしている。有名なヒトなのだろうか...
「2人はライスシャワー先輩をご存知なんですか?」
「むしろ知らないんデスか!?」
「わっ!?」
私の問にやや食い気味で反応するエルさん。 そんなに凄いウマ娘なんでしょうか...
「あのねスペちゃん。ライスシャワー先輩は、デビューから2年目でG2を2勝、G1をを1勝。しかも今のところ敗北したレースがないんですよ」
「うえぇ!?そ、そんなに凄いんですか!?」
思いがけない事実に驚愕する。
「そ、そんな、大袈裟だよ...ライスがここまで来れたのは、その...お兄様とムーンちゃんがいたからで」
たしかG2やG1なんて、、、重賞も重賞じゃないですか!?
しかも今の今まで負け無しって...ひょっとして、私さっきっから可愛いとか小動物だとか、、、すっごく失礼なこと考えてたんじゃ...
「そんなことは無いさ、確かにトレーナー''の''助力はあれど、勝ち上がってこれたのは間違いなく...ん?どうした貴公。体が震えている様だがどこか具合でも」
「...イエ...ナンデモナイデス...」
「ワーオ!スペちゃん顔真っ青デース!!」
はうぅぅぅ.......な、なんだかとてもいたたまれない気が。
私が項垂れてるまたひとつ私達の元へ近づいてくる音がする。そちらへ顔を向けると私が朝にお世話になったエアグルーヴさんがこちらに来ていた。
「エ、エアグルーヴさん...?どうしたんですか?」
「スペシャルウィークか。いや、今回は彼女に用があってな」
」
そう言うとエアグルーヴさんはムーンライトさんに目を向けた。
「食事中すまない、ムーンライトソードだな。食事後でいいから理事長室に来てくれ」
エアグルーヴさんがそう言うとムーンライトさんは口をハンカチで拭き立ち上がった
「いや、丁度食事は済んだところだ、行こう。すまないなライス、談笑はまた後にしよう」
「ううん。大丈夫だよ。大事な話なんでしょ?」
「ありがとう...さて、エアグルーヴ嬢、でいいのかね? レディにこう言のもなんだが、案内を頼みたい。」
「エアグルーヴ''先輩''だ。ばかもの」 「む、失礼した」
そのままムーンライトちゃんはエアグルーヴさんに連れられ食堂を後にした。
◇◆◇◆◇◆◇
私達が最初に感じたのは''違和感''だった。
「失礼する」
3回ノックの音が聞こえた後、彼女は入ってきた。
一瞬、誰だか解らなかった。 以前出会った時とは余りにも身に纏う雰囲気が違いすぎて。
姿勢よくキビキビとした歩きで目の前に立つ彼女、ムーンライトソードはただ真っ直ぐにこちらを伺う。
その雰囲気は、以前の彼女から感じた掴みどころのない揺蕩うようなモノとは違い、どこか高校生の少女とは思えないほどに老成し、それでいて触れれば崩れそうなほど脆く感じる。
「歓迎ッ!!まずは久しぶり、と言っておこう。本当に...良く、無事に戻ってきてくれた!!」
理事長が言葉を述べる。 するとムーンライトソードさんは、突如理事長に向かい右手を左胸に当て、深々とお辞儀をする。
「
"初めまして''。 確かに彼女はそう言った。 ......解ってはいたが、ここまではっきりと''覚えていない''と言外に伝えられるとたった一度の対面ながらくるものがある。...けれど同時に拭えない違和感がある。幾ら記憶を失ったからと言ってこうも人が変わる物なのだろうか。彼女の立ち振る舞い、それは1年や2年かじった程度ではなく、元からそう有ったかのように自然に馴染んでいた。
「私はムーンライトソード。秋川理事長、此度は事故に遭い、大怪我を負った私に多大なる援助をしてくれた事、心より感謝したい。 身寄りも居ない私の入院費と治療費の負担、そしてリハビリトレーナーを宛がってくれたのは貴女だと聞く」
...そう、それこそ魂がまるっきり''別の誰かに入れ替わったかのような''
「気にするな!この学園の生徒である以上、何があっても君の夢を守る義務が私にはあるッ!!」
「そうですよ。まして、貴方はライスシャワーさんを庇ったと聞きます...彼女を守ってくれて、、、本当にありがとう」
こればかりは本当に感謝しかない。 あの時私達はあの場所にいなかった。 2人を守ることは出来なかった。言っても仕方がない事は分かっている。だから口にしない。それでも私が変わってあげられなかったのか、何故彼女が事故に合わなければ行けなかったのか。考えずにはいられない。
「......」
ムーンライトソードさんは私達の言葉と目を瞑りながら淡々と聞いている。 ...心做しか、一瞬その表情がどこか歪んだ気がした。
「少し、いいかな」
ここでそばにたっていたシンボリルドルフさんが口を開く。その声に気づいてムーンライトソードさんも目を開きルドルフさんへ向ける。
「初めましてムーンライトソード、私はシンボリルドルフこの学園で生徒会長を務めている君に聞きたい事があってね」
「構わないが、どうしたのかね」
「君は先程、''以前の私''と言っていたが、それはどういう意味かな?」
「それは「解答!それは私が説明しよう!」」
ムーンライトソードさんが口を開く前に理事長がわりこむ。
「彼女は事故に会った時に、頭部に大きなダメージを受けていてな。 それが原因で、ムーンライトソード君は自身のことに関する記憶を失っている」
「...そう...か」
シンボリルドルフさんが顔を伏せる。その表情はどこか悲愴感が漂っている。 無理もない。彼女は『全てのウマ娘の幸福』を夢に掲げている。 それ故に大怪我を負い身寄りもなく、自分さえ1度見失った...そのあまりに悲しい現実に心を痛めているのだろう。
「...ならば、聞こう。ムーンライトソード。''今の''君は、なんの為に中央へと来た?」
しかし、『皇帝』は毅然と問いかける。全てを失いかけた今、それでも走るに足る理由が有るか。頂点を目指す志が有るか。
「......なりたいものが、あるんだ」
「なりたいもの...? 」
ムーンライトソードさんは迷いなく口を開いた。
「あぁ。ソレは私の起源であり、私の師であり、私の背負うべきモノだ.........だが、私は知った。背負うだけでは意味が無い。追いすがるだけでは届かない。仰ぐだけでは照らせない...ソレは淡く、そして確かな拠り所。 私は、そんな母のようなソレになりたいのだよ」
曖昧で、浮かぶようで、ひどく遠回りな言葉。 けれど彼女の目には、暗闇で揺らぐ炎のような確かな《遺志》を感じる。
言葉を紡ぐ彼女は、まるで1本の剣の様だった。
「...いい目をしているな。力強い目だ...ありがとう。君の想いが聞けて良かった」
ルドルフさんの顔を見る。その顔は凛々しく、とても晴れやかになっていた。
「感動ッ!君はとても強いのだな。無論、心の話だ!さて...今日は呼び掛けに応じてくれてありがとう。 もう下がっても」
「すいません理事長。最後に1ついいですか?」
「どうしたのですか?ルドルフさん」
理事長の言葉を遮りルドルフさんが口を再び開いた。
どうしたのでしょうか... 考える間にも話は続く。
「ムーンライトソード君はいいかな?」
「私は一向に構わないとも」
「了解!ならば許可しよう!」
ムーンライトソードさんと理事長お二人の許可を受けたルドルフさんが話を切り出す。
「ありがとうございます...ムーンライトソード。君の''なりたいもの''は、この中央で、ひいてはレースで勝ち上がっていく事で叶う事なのかな?」
「少なくとも、私はそう
「そうか...ならば、1つ提案がある」
そう言ったルドルフさんから次の瞬間不敵な笑みを浮かべ、『皇帝』シンボリルドルフとしての顔で、意外な提案を持ち出した。
「今日の放課後、私と模擬レースをする気はないか?」
・古びた書物
とある少女が書店で見つけた古い詩集。 ところどころ汚れや劣化、虫食いが目立っている。
これを愛読している者がいるならば、余程の物好きか、或いはその年季に郷愁を感じるものくらいであろう。