聖剣の狩人、ウマ娘になる(仮題)   作:日本のヤーナム民

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エルデンリング楽しい(遅れたことに対する誠心誠意の謝罪)

やっぱり最初に作るのは魔法剣士だよなぁ!!(反省の意)


....正直話作るの難しかった。反省したいし後悔もしたい。





5話

「はぁ〜...絶対勝ったと思ったんだけどなぁ...」

 

「レース楽しかった〜!!」

 

放課後の入部テストを兼ねた模擬レース、結果は2着。 リギル入部にはあと一歩足りませんでした....。

 

「でもスペちゃん凄かったよ〜!あんなに速く走るんだもん!」

 

「そ、そうでしょうか...えへへ」

 

ウララちゃんは凄いな。さっきまで落ち込んじゃったのに、その言葉だけで元気づけられる。 きっとウララちゃんには裏表がないからだ。何処までも本心からしか言葉を出さないから、相手に伝える言葉が本心で、本気で言ってることがわかる。

 

「...よ〜し! 何時までも落ち込んでられませんねっ!!明日から練習一杯けっぱるべ〜!!」 「べ〜っ!」

 

 

意気揚々と寮へと戻ろうとしたその瞬間、目の前を複数のウマ娘達が横切る。

 

「うわぁっ!?っととと...」

 

突然やってきた事に驚いて危うく躓きかけました。どうしたんだろう...。そう私が思っているところにグラスさんが現れました。

 

「あっ、グラスさん!」

 

「あらスペちゃん。貴方は行かないの?」

 

「行くって...どこへ?」

 

もしかして他の皆さんがグラウンドに行ったことと関係があるんでしょうか。

 

そして、グラスさんの口から思いもよらない言葉が出てきました。

 

「知らなかった?シンボリルドルフ生徒会長とムーンライトさんがレースするって話。 結構出回ってると思ったけど...」

 

「え゛っ?そうなんですか!?」

 

「本当に知らなかったのね...」

 

全くの初耳です。ハイ。それにしてもムーンライトちゃん...会長とレースするって、生徒会室で何話してたんだろう。考えてると隣にいたウララちゃんが肩を揺すっていた。

 

「ねぇねぇ!面白そうだから行こうよスペちゃん!!」

 

.確かに、ムーンライトちゃんの走りは気になるし、それにシンボリルドルフ生徒会長、三冠ウマ娘の走りを1度見てみたい!!

 

「よし!見に行きましょう!」

 

意気込んで私、グラスさん、ウララちゃんの3人でグラウンドへと向かいました。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

放課後、グラウンドへと赴くとゲート前には既にシンボリルドルフが腕を組み私を待ち構えていた。

 

 

「すまない。遅くなってしまったかな?」

 

「ん。来たか...大丈夫、私も先程来たばかりなんだ」

 

レディを待たせてしまったかと思ったが、どうやら待ちくたびれた様子でもないようで少し安心した。

....それにしても先程から周囲が少し騒がしいな...

 

そんな私をよそに彼女は口元に手を当てて私をまじまじと見つめていた......何か付いていたかね?

 

「........ほぉ、似合ってるじゃないか。どうだ?学園の体操服の着心地は」

 

「そうだな...機能面で言えば悪くはない。肉体の稼働に配慮されていて妙にしっくりくる。 ただ...なんというか、その...少々気恥しいな 」

 

"昔''も''今''も余り肌を露出させた服を着ないせいもあるが......やはり元男としては、少女の身体でこのような軽装をするのは何か申し訳ない気持ちが強い。。。という考え方は、性差によるものか、それともカルチャーショックというものだろうか。

 

「はははっ、意外だな。君は余り服装に頓着しない質だと思っていた」

 

笑うことは無いだろう笑う事は...

 

「私とて選り好みはするさ。身の丈に合わない服は身を滅ぼす。貴公もそうは思わないかね?」

 

「いやそんな殺伐とした...フフッ、すまない。ちょっとからかっただけだよ」

 

何故か若干困惑したあとそうおどけた様に言う彼女。 全く...そんな邪気のない笑みを浮かべられたら何も言えないな。

.............それにしても

 

「随分とギャラリーが増えたものだな。貴公が呼んだのかね?」

 

見渡せば、ガヤガヤと周囲にウマ娘達が集まっていた。よく見ればスーツをきた人物たちもいる...アレはトレーナーか。その中にはスペに、グラスワンダー嬢、ハルウララ嬢までいる。やりにくい、とは思う。狩人として、四方八方から殺気を飛ばされたことはあれど、ここまで邪気のない好奇な視線を向けられる事には慣れてなどいなかった。見られたとて、減るものでもないが''歪''な私の走りで目を汚すのもはばかられる。

 

「...どうやら何処かで話が漏れていた様だ。全く、噂とは直ぐに広まるものだな。すまない私の落ち度だ」

 

「いや、気にしなくてもいいとも。確かにむず痒いが、、、レースに出るのであればいずれは経験する事だ。むしろ慣れるのは早い方がいい 」

 

そう言って貰えると助かるよ。ルドルフ嬢にそう言われる。 フォローしたつもりは無いが、ここで感謝の意を無碍にするのも野暮か、素直に受け取るとしよう。

 

「まぁ、レースと言っても君がどの程度走れるのか見るだけだ。本気で勝敗をつける訳では無いからもっと肩の力を抜いたらいい」

 

「...ああ。 私としてもターフ上での自身の走りを確かめたい。是非とも胸を貸してもらおうか''皇帝''殿?」

 

「...君も意地が悪いな」

 

出走ゲートへと向かいながら先程の意向返しにと、わざとらしく皇帝を強調してみせる。 しかし彼女は、口でこそささやかに抗議しているがその表情は、纏う雰囲気は崩れない。 ......なるほど、壁は厚いか。

 

出走ゲートに入る。中は柵に囲まれていて非常に狭く、上部が開けてはいるが窮屈に感じる。。。 ウマ娘の中にはゲート難に陥る者も少なくはない。そう聞いていたが、腑に落ちた。 『孤独なのだ』このゲート内は。そして孤独は恐怖、焦り、苛立ちへと容易く転ずる。

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()

 

 

「えー、これより。シンボリルドルフ生徒会長、及びムーンライトソードの模擬レースを始める」

 

誰かがそう紡ぐ。

横を見ればシンボリルドルフはいわゆるスタンディングスタートの構えを取っている。 対する私は、力を抜き自然体でただその場に立つ。 そうだ。余計な力は要らない。

さぁ、私の走りがどこまで通用するか試させてもらおうか...!!

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

シンボリルドルフは違和感を感じていた。

エアグルーヴの言葉が聞こえ、スタート準備をしていた時だ。 ふと、ムーンライトソードの方へと目線を向けた。 彼女はただ悠然と立っていた。 惚けているのか、それともゲートの狭さに萎縮してしまっているのか。そう考えたが直ぐに頭の中で否定する。 その表情は真剣そのもの、言うなれば獲物を狩る為に神経を研ぎ澄ませる狩人を連想させるものだったからだ。

彼女にとってはあの自然体こそがルーティン。 いわば無形の型、そう考えた方がいいだろう。

 

 

ならばと緩んだ気を引き締め直し、スタートを今か今かと待つ。

 

 

ガタンッ

 

 

ゲートが開きほぼ同時に、ルドルフは走りに特化した完璧なフォームで、対する私はムーンライトソードはまるで歩き出すかのように、2人が駆け出す。

 

(あの状態からノーモーションでスタートダッシュを決めるか...!!)

 

そう、()()()()()()()()()。 スタートダッシュの構えをとった訳では無い。だがそこから不自然なくらいに自然に疾走態勢へ変わりスタートの瞬間加速した。 一連の流れにムダが無さすぎる。

 

レース展開は、シンボリルドルフに先頭を譲る形で進んで行く。

 

一見すると悠々と前を行くルドルフと、必死に追い縋るムーンライトソード。このような構図に見える。だが実際は背後から、今まで感じたことの無いようなとてつもない悪寒が背筋を伝っていた。

本人は意識して出してる訳ではないのだろうが、その鷹のように鋭い眼光と揺らめく黒いオーラは、紛うことなき殺気と呼ばれるものだ。

 

(.....これは、またッ、とんでもないウマ娘が居たものだな...!!)

 

ルドルフを持ってしても気を抜けば掛かりそうになる。 これが経験の浅いウマ娘であれば、萎縮して本来の力を出し切れないだろう。いや、あるいは必要以上の力を出しすぎてガス欠するか...。

何れにせよ、ここまで濃密な殺気を放つ彼女は何者なのだろうか......

 

 

第4コーナーに差し掛かる。 コーナーは多くのウマ娘にとって鬼門だ。どれだけ完璧にインコースを着いても少なからず減速が生じてしまう。いや、むしろコーナーで無理に加速するのは危険な行為ですらある。 それはシンボリルドルフや、ムーンライトソードにとっても同じことが言える。

 

故に必然、勝負を決するは...

 

(次の直線で一気に突き放すッ!!)

 

 

 

その為にルドルフは減速をする。次の直線で溜めた足を爆発させる為に... ムーンライトソードとシンボリルドルフには決定的にターフを走る経験という大きな開きがある。 故に直線での加速のに入れば経験で上回るルドルフに軍配が上がるだろう。

 

 

.............何か彼女の想定を上回る奇策でもなければ。

 

 

(仕掛けるなら、()()()()()()()!!)

 

コーナーへと入るシンボリルドルフは僅かに減速し、、、、、、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

(なっ...!?)

 

無論、ルドルフは今回のレース、本気を出している訳では無い。 だが、それでもルドルフは驚愕するしか無かった。 後ろで張り付いていたと思っていた彼女が、直線に差し掛かる頃には既に、彼女より前にいたというのだから...!!

 

コーナーで加速力を落とすことなくインコースに張り付くのは、はっきり言って至難の業だ。 それをやろうとするのは余程の自信家か、分をわきまえない単なるバカか。 そんな先入観ゆえの隙を突く走り。 形勢は確かに逆転した.............筈だった。

 

しかしてこの勝負は予想だにしなかった、いや或いは予想どうりの結果を迎えることになる。

 

ガクンっ、と今まで崩さなかったムーンライトソードがのフォームが突如として崩れ去る。

 

(っ...!?()()()()()()使()()()()()()()().().().()()()

 

(???どうしたんだ一体...)

 

このスピードの中で、一度崩れ去ったフォームが戻ることは無く...... どこかで悲鳴が上がった。

 

「........は?」

 

ここまで好調な走りを見せていたムーンライトソードが突如としてスピードに乗った状態で盛大に転倒したのだ。 転倒した彼女はそのまま跳ねるように投げ出されコースアウトした。

 

結果、勝負は実質的なルドルフの勝利で幕を閉じたのだった。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「...誰か!!救護班を呼んでくれ!大至急だ!!」

 

困惑から立ち直ったシンボリルドルフがそう声をかけた。

 

「きゃあああああ!?」

「え、嘘。あれ大丈夫なの...?」

「まさか死んだんじゃ...」

「縁起でもないこと言うんじゃないわよ!!」

 

 

「ええい静まらんか!!」

 

突如として起こった事故。困惑や、悲鳴などの声が野次ウマ達から聞こえてきて...騒動を抑えようとエアグルーヴが声を大にした。

 

 

「ムーンライトちゃん!?」 「ムーンちゃん!!」

 

 

この状況で即座にムーンライトソードに向かって駆け出したのはスペシャルウィークとライスシャワーだった。 その後に遅れてシンボリルドルフも駆けつける。

 

地に倒れ伏すムーンライトソードは身動ぎひとつせず、静止しており...ライスシャワーが顔を青くして震え出した。

 

「ら、ライスシャワーさん...?」

 

「はっ...はっ...はぁっ...はぁっ...はぁっ...!!」

 

「!ライスシャワー!?大丈夫か!?しっかりするんだ!!」

 

シンボリルドルフは察した。

地に倒れたムーンライトソードの姿が、あの''事故''が重なったのだろう。 既に日がたっているとはいえ、大の親友が目の前で事故にあった事など、忘れられるわけが無い...

 

この混沌とした状況下で、 ムクリ、とムーンライトソードは起き上がった。

 

「ふぅむ...どうにも、上手くいかないものだな...」

 

身体は既に至る所に痣や、傷ができており額が少し割れたのか、顔からは血が流れていた。...だと言うのに彼女は普段と変わらぬ顔で、痛がる素振りすら見せなかった。

 

「...っ!ムーンちゃん!!」

「おっと」

 

何事も無かったかのように起き上がったムーンライトソードにハッとしたライスシャワーは勢いよく抱きついた。

 

「う゛ぅ゛...う゛ぇぇぇん!」

 

「...全く...泣き虫は治らないな」

 

「酷い怪我...直ぐに手当しないと...!!」

 

怪我の状況を把握したスペシャルウィークもまた、顔を青くした。

 

「見た目ほどでもないさ。受身は間に合ったからね」

「そういう問題じゃありませんっ!!」

 

「......済まない。ライス、スペ、ルドルフ嬢。見苦しいものを見せた」

 

「...なぜ、なぜあんな無茶な走りをしたんだ...?」

 

ルドルフは問わずには居られなかった。 ただでさえ危険なコーナーでのインコースの加速。 その上、あの速度で転倒。当たりどころが悪ければ、選手生命にすら関わったであろう行為。 絶対に負けられない大舞台なら100歩譲ってまだしも、 実力を見るための模擬レースでなぜそこまでしたのか...。

 

ムーンライトソードは困ったように眉をひそめ、こう続けた。

 

「大した理由ではないさ...ああでもしないと貴公に勝てなかった。それだけの話だよ」

 

尤も、負けた上に貴公の本気を引き出せなかったがね。と自嘲気味に語る彼女からは、狂気的なナニカを感じた。

 

「だがまぁ、確かに今のままではただの危険行為だ。 ...だが完成すれば、それは確かな武器になる」

 

そうこうしている内に、保健委員のウマ娘達が駆けつけ、それに合わせてよろめきながらムーンライトソードも立ち上がった。

 

「だから、今は先ず、ライスやスペに迷惑を掛けたことを反省しないとな」

 

「ムーンライトソード...いつかその狂気が、君を破滅させなければいいのだが...」

 

去りゆくその背中にルドルフはそんな想いを抱いた。

 

なお後日、 「編入生、シンボリルドルフとの模擬レースで大事故発生!!」という見出しの記事でちょっとした有名人となった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────────

 

 

 

 

「隣いいかい?おハナさん」

 

とある小洒落たバーに、2人の男女がいた。 1人はトレセン一のチーム【リギル】のトレーナー、東条ハナ。 もう1人は、個性を何より重んじる凸凹チーム、【スピカ】のトレーナー、沖野。

 

2人はカクテルを片手に今回の話をしていた。

 

「いやぁ〜...あの皇帝に一泡吹かせたウマ娘が出てくるとはねぇ〜。もう1人優秀なヤツもスカウトできたし、今年は豊作だねぇ〜」

 

「......そうね」

 

素っ気なく返す、東条トレーナーに沖野トレーナーは少し面食らって様子を見せる。

 

「...珍しいなおハナさん俺の言葉に素直に返「...アナタは、ムーンライトソード走りを見て、どう思ったの?」」

 

突如として切り出された話題。沖野トレーナーは頭を掻きながら、東条トレーナーに返す。

 

「...そういうおハナさんはどうなんだい?」

 

「正直...ウチの手に負えないわね。管理プログラムでメニューを組む私のやり方から見て、あの子の走りは''アンバランスすぎる''。それに今回の事故、スズカを観てるみたいで気が気じゃなかったわ...ホラ、私は話したわよ...貴方はどうなの?」

 

沖野トレーナーは目を瞑りしばし沈黙。その後、意を決したかのようにカクテルを一気に飲み干した。

 

「概ね、おハナさんと同じさ。...アンタは見たことがあるか?勝利のためなら自分を使い潰すことさえ厭わないウマ娘を。普通1度怪我をすれば少なからず恐怖心が残る。当然だ、ウマ娘の本能は強い。それに抗うのは至難の業だ...恐らく、ムーンライトソードは同じような事故を何度も経験している 」

 

沖野トレーナーは続ける

 

「見たことあるか?ウマ娘の本能を、容易くねじ伏せるほどの強靱な理性を持ったウマ娘を、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 そこに奇跡はない。1度挫折を経験したウマ娘は奇跡なしでは立ち上がれない 」

 

 

沖野トレーナーの言葉に耳を傾ける。 その一言一言には妙な実感がこもっており確かな説得力があった。

 

「...乗りこなせるのかしら?貴方にはそのじゃじゃウマを」

 

 

「分からない、分からないが。それをどうにかするのが俺の仕事って訳だ」

 

 

そうして沖野トレーナーは立ち上がった。東条トレーナーには何故だかその背中が珍しいことに、妙に頼もしく見えて仕方がなかった。

 

「...それで、ちょっとお願いがあるんだけど......お金払っといてくれない?」

 

 

見えただけだった。

 

 

 

「...そういうところよ」

 

 

本当にこの男に任せてもいいのか、東条ハナは大きくため息をついた。

 

 

 




砕けた蹄鉄



見るも無惨に砕けたウマ娘の蹄鉄。 それは本来ありえない力が込められた証であり、一体どのように走ったらこうなるのだろうか
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