九尾がいく呪術廻戦   作:meigetu

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13話 七海対面

私は、通話を終え、先輩がいるであろう領域内へと、戻ってきた。

 

「何やってるんですか...」

 

私はあきれからか、平たい声になるのを意識しつついう。

目の前には、目隠しをされた状態で、芋虫のように縄でぐるぐる巻きにされた状態で転がされている先輩がいた。

隣の狐もその状態を楽しんでいるようで、横たわっている先輩にあんみつを餌付けしていた。

 

「こやつめ、わが領域内で領域を展開させおってからに。場所を変えなければ押しつぶされるところであったぞ。」

 

というと、先輩の無限バリアを展開していないのか何事もないように右手をすり抜けさせ、頭をぐりぐりしている。

七海はふと周りを見渡してみると、階下には赤い鳥居と彼岸花が広がっており、目の前には本堂の前にある大きな鳥居の前にいることに気が付いた。

 

「七海。深くは聞かないでくれ。でなんで君はしれっと、無限を何事もないようにとおりぬけているのかな。」

「私にも一応、効いておるぞほらこの通り。」

 

と、あんみつを運んでいた木のスプーンで先輩の無限をコツコツと叩く。

 

「じゃあなんでだい。」

「先ほどからなんでなんでじゃのう。自分の頭で考えたらどうじゃ。ヒントはおぬしら一族の術式の一部じゃよ。」

「無下限呪術?」

「それはおぬしら一族の術式であろう。答えになっとらんわ。」

「虚式?」

「大正解!!」

 

と、先ほどのことがなかったかのようにあんみつを乗せたスプーンを先輩の前にまでもっていく。

 

「一昔前、御前試合を見たといったであろう。その際におぬしらの家系の術式を見たのじゃがとても面白くてのいろいろと研究したのもだ。その際に思ついたのじゃが、普通の物質では、無限を通り抜けることは決してできない。当たり前のことであろう。」

 

先輩はうなずく。

 

「で、その時に見た虚式を見て思ったのじゃ。これならば無限を貫けるかもしれんとな。」

「どうしてだい」

「虚式というものはあくまで、存在しないものを無理やり作り出すものであろう。存在しないものを作り出すつまり、普通の物質ではないものを作り出すことができるとも、言い換えることもできるのだ。ならば無限を貫けるかもしれんと思ったのじゃ。そのうえで虚式を読み解いてみると、ただ単純に五条の術式と反転術式を合わせたものではないか。これならば行けると感じ、さっそく外を歩いていた五条に試してみたのじゃ。そしたら大正解。土手っ腹に風穴をあけることに成功したのじゃ。もちろん治療しておいたがな。」

 

先輩はうわぁって顔をしながら聞いている。

 

「治していたら、ふと思ったのじゃ、虚式の原理を使えば、つまり呪力と反転させた呪力を何かにまとわせれば、通れるんじゃねと思ったのじゃ。」

「で、また襲ったと?」

「いやいや、襲わんよ。ただ単にかまいたちのように、頬に傷つけられるのか試したわけだが、きれいにスパッと切れての。やっぱり私は間違ってなかったと感じたよ。」

「五条のやつは襲われたと感じたのか急いで反転術式を使って回復して警戒していたのが滑稽であったの」

 

と彼女はいつ取り出したのか扇子で口を隠しながらクツクツと笑った。

 

「その後、ちょくちょく襲って遊んでおったのだがな、何故か早死にしてしまった。本当に惜しいやつを失った、残念だったのう。」

「はあ。」

 

と私は苦笑いをする。

 

「そのような尊い犠牲のおかげでこの術が生まれたわけよ。」

 

といいつつ、先輩の口へとあんみつを運んで行った。

 

「そうだ、天元とはどうであったのか?」

 

と彼女はこちらを振り向いて話しかけてきた。

 

「ああ、天元様からは、じきに手紙を送るとおっしゃっていましたが。」

「そうであるか。一応念のためにこちらから手紙を書いておったから、持っていけ。あと、ここの人間をこれ以上捕らえる気はない。迷惑かけてすまんのと伝えおいてくれたまえ。」

 

と裏に『緑』と達筆で書かれた手紙を手渡してきた。

 

「では、よろしく頼むぞ現代の呪術師よ。」

 

というなり、彼女はパチンと指を鳴らした。

 

__________________________________________________

 

 

気が付くと、元の校庭らしき場所に立っていた。

近くに彼女の姿はなく、横には先輩が縄に縛られた状態で転がっており、自分の手には先ほどもらった手紙が握られていた。

 

「さてと、今日朝一の新幹線で帰りますか。」

「ナナミーン助けて。」

 

と、先輩の縄は解かれておらず転がりながら、自分の足にぶつけてきた。私はイラっとし、いつもの意趣返しができると感じたので、

 

「自分で解いたらいいんじゃないんですか?」

「いやなぜかこの縄とけないんだよ。呪術で解こうとしてもなぜか、呪力がこの縄に吸われるし。身体能力で無理やりはがそうとしても、なぜか伸びるし。」

「へえ、そうなんですね。おかわいそうに。」

 

と、言葉をかけ、無視して、そのまま宿直室へ報告して帰ろうとしていると、後ろからゴロゴロ転がってきて、追いかけてくる。

 

「うざいんで、早く解いてもらえませんか?」

 

と本音を投げかける。

 

「いや、本当に解けないんだって!!」

 

まだうそをつくのかと感じた私は、

 

「それはおかわいそうに。」

 

といい、仙台駅へと帰っていった。

途中で、タクシーに乗ったり(先輩は荷台)していたが、結局縄を解くことはなかった。

流石に本当に解けないのかと感じた私は、タクシーで先輩を下すとき流石に縄を解いた。

 

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薨星宮

 

私と五条先輩は今、薨星宮にいた。

 

「えー、僕まで行かなきゃいけないの?」

 

とぶうたれる、先輩を横目に、1000の扉がある部屋から昇降機がある部屋を二人がかりで探し始めた。

 

 

「おお、遅かったの。」

「天元様遅くなり申し訳ございません。」

「いや、よい。結界の中で正解を見つけるのは大変であるからな。」

 

と天元様は笑いながらおっしゃった。机を境にして三人で座る

 

「で、そちらの手紙は?」

「こちら、八雲 (あお)様の手紙です。」

 

と、手渡す。

 

「ああ、すまない後で読むとしよう。」

「それで、呼ばれた理由はなんでしょうか?」

「本当に申し訳ないのだが、あの方が元の場所に戻られるまでの間、付き添いとしてちょくちょく見てほしいということと、彼女たちの情報だ。ところで、五条は、彼女たちの正体を知っているのか?」

「ああ、一応幻想郷縁起という読み物は一応読んだけど、彼女は妖怪であることや、幻想郷という場所からきたというぐらいは、知っているつもりだけど。」

「そこまで知っているのであれば十分だ。では、ひとまず幻想郷という場所から話そうと思か。」

 

天元様はお茶をすすりながら話し始めた。

 

「幻想郷という場所はな、今はほとんど存在していない妖怪たちの住処なんじゃ。」

「確か、現在では恐れが足りなくて呪霊になってしまうんでしたっけ。」

「その通りだ。それを恐れた、妖怪たちは、考えたのだ。それであるのであれば、外の世界と隔離させて人々に妖怪という存在を認めさせ、妖怪が生きていける世界を作ったっていうのが始まりじゃ。それには、わが師である八雲 (ゆかり)様が中心となって行われておっての、それで約200年ほど前、出来上がったのが、幻想郷という場所なのだよ。」

「はいはい。」

 

と、先輩が手を挙げてる。

 

「どうしたのだ五条。」

「質問なんだけど、その妖怪たちってどれくらい強いの?僕の無領空処を領域展開の強さで軽く破られたんだけど。」

「ああ、争ってしまったか。ちなみに、おぬしとは比べ物にならぬほど強いぞ。あやつらが言っている弱小妖怪といわれるものでも、現在の二級から一級呪霊クラスの強さじゃ。特に今回、対峙することとなった八雲 (あお)様は別格じゃ。本気で殺そうとしてきたら呪術師全員滅ぼすなぞ一両日かからずにできることであろう。そんな存在がゴロゴロいるのが幻想郷という場所じゃ。」

「なるほど、できるだけつつかないほうがいい場所ということか。」

 

天元様は頷きながら。

 

「その通りだ。できるだけ、穏便に幻想郷へと帰ってもらうのが一番無難であろう。」

「天元様は今回、八雲 (あお)様が来られた理由はわかりますか?」

「たぶん、人間の補充であろう。幻想郷というシステム上、妖怪の数が人間に比べて圧倒的に多くなってしまう。そのせいで、人間たちは食材をとるために、山に向かうが、妖怪に食われるなどして、徐々に人口が減っていってしまうのだ。そのせいで、人口不足になった分を補うため訪れたのだと思う。前回は確か、80年ほど前であったか、八雲 (ゆかり)様が、ここ薨星宮の、直接結界を破って入ってこられて、『幻想郷の人間が少なくなったからさらっていくわー』といって、挨拶ついでに、酒樽を一つ置いていったのだったか。」

「80年前。つまり戦後真っただ中の際にさらっていったということか。七海、担当した事件はどうだった。」

「全員咎人でありましたが、約150人ほど不思議な空間に眠らされた状態で山積みにされていましたね。」

「我々、呪術師としては、失格かもしれぬが、そやつらは尊い犠牲になってもらうしかあるまい。」

 

先輩は顎を腕に乗せながら、

 

「もしそいつらが解放できたとしたら?」

「再度別の人物を捕まえるであろう。うまく(あお)様を幻想郷へと追い返すことができたとしても、幻想郷側が切羽詰まって、文字通り百鬼夜行を街中で行われたらたまったものではない。そこまで、幻想郷というのはぎりぎりのシステムの上で成り立っておるのだ。また、最悪人間を幻想郷に送らなかった場合は言うまでもないが、」

「妖怪たちが呪霊へと変化し幻想郷のシステムが崩壊。幻想郷から外の世界へ元々妖怪であった、強力な呪霊があふれかえると。」

「その通りじゃ。七海。」

「だから、下手なことはせずに向こうの目的を早く片付けて穏便に帰っていただくのが一番だと。」

 

はぁ、と皆一様にため息をついた。

 

「そういえば、天元様は、八雲 (あお)がいらしたと報告した際外れだと言っていましたがそれはなぜですか。」

「そうさな。この案件にかかわってもらう以上話すか。このことは決して他言無用じゃぞ。八雲 (あお)様の前の名を話せばなんとなく察するであろう。あのお方の元の名は『妲己』という九尾の狐が元じゃな。」

「妲己?」

「確か、中国のほうの、九尾の狐であったっけ。日本の玉藻の前の元ネタになったやつ。」

 

と先輩が言う。

 

「その通りじゃ。七海のほうが知らんようだし少し話すかとするかの。妲己というのは紀元前11世紀つまり3000年ほど前じゃの、殷という国が現在の中国にあったのじゃ。そこの王であった紂王という男の妃となったのが彼女じゃ。そしてその国を亡ぼす原因を作ったのも彼女であるぞ。その当時は彼女も呪霊に近しい存在であったから仕方がないかもしれんが、何の罪もない市民たちを火あぶりの刑を面白おかしく変化させたものや、蟲毒の中に人間を放り込むなどいろいろとやったそうなのじゃ。」

「そんなことをしていたんですか」

「そうだとも。それもたちが悪いことに、儂に面白かった思い出として語るのであるから最もたちが悪い。最終的に殷は滅んで、市中引き回しされた後に殺された際に、懲りて咎人以外人を直接的に殺せないという縛りを作ったようじゃがな。しかし、本質的なところは何も変わっておらん。妖怪になったおかげで喜ばしいことに残虐性はほとんどなくなったようだが、楽しければ何やっても大丈夫。後始末は誰かやってくれるでしょう。といった考えのもとで行動するお方だ。」

 

「妖怪の形をした大きな子供みたいな感じかな?」

 

と、先輩が言うので吹き出してしまった。天元様も同様に、苦笑いしていらっしゃる。

 

「五条、お前の口からそのような言葉がとび出てくるとは思いもしなかったぞ」

「先輩、そんなことを言うなんてめずらしいですね。」

 

先輩にジト目でにらまれる雰囲気を感じながら天元様話し続けた。

 

「まあ良い、その反面、能力は相当なものだぞ。なんでも、術式を読み解き、数式へと置き換えることで、術式の効率や、ほかの術者が使っている術式をコピーなどなどができるものだ。争うなといったのもそこに原因があるんじゃ。」

「万が一新しい術式を読み解かれると、術式がばれてまずいってこと?」

 

と先輩は天元様に聞いている。

 

「いやそうではない。一昔前何度か、(あお)様と戦った呪術師が自殺や、狂死することが何度かあったのじゃ。調査をしてみると、単純に興味からか呪術師の術式を調べてそれを使い、ウザがらみや警戒をあおり、疑心暗鬼や、警戒心を引きたてさせるなどしてストレスからか間接的に殺したことが何度もあるのじゃ。」

「確かに、ほんとかどうかわかりませんが五条の祖先も早死してしまったと言ってましたっけ。」

「そうだ。だから下手に殺されたくないのであればあの方からの興味を向けられないというのが一番なんじゃよ」

「なるほどね...」

 

先輩は頭を悩ませながら言った。

 

「でだ、今回、おぬしたちに気を付けてもらいたいこととしては、あやつが、呪詛師側に決してつかせないようにするということだ。先ほどの性格しかり、行動しかり、から分かることだと思うが、基本的に面白そうな方向にしか動かん奴じゃ。呪詛師側のほうに面白そうなことがあるとなるとすぐそちら側につきとてつもなく面倒なことであろう。それは高専、いや呪術師全体として、何としてでも阻止したい。だから頼むぞ。」

 

と天元様に頭を下げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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