九尾がいく呪術廻戦   作:meigetu

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6話 ナナミン戦闘

囚人室廊下 深夜

 

草木も寝る丑三つ時、七海は、廊下で息を殺しながら待機していた。

お昼頃、呪霊の足跡の痕跡を調べてみたが、廊下の途中でとぎれており、深く追うことはできなかった。足跡は、肉球の跡が残っており、報告書にあった通り狐が人をさらっていったことがわかった。

 

七海はふと気がつくと、何匹かの狐が唐突に廊下に現れた。

尻尾は一様に一本づつだが、その姿は満月の月明かりに照らされており、金または銀のように輝いていて、一種の神聖さすら感じられた。

 

その姿に見惚れていると、狐たちは、囚人たちがいる部屋の中に入ろうとしていた。食事を入れる場所から入っていった狐たちは、囚人たちの首に噛みつき、外へ持って帰ろうとしていた。

七海はそれを阻止するため、狐に斬りかかる。

 

狐は真っ二つに切られた。切られた断面から、金色の粒子が宙に舞いそこには最初から何もなかったかのように消えてしまった。

 

「実体がない、何かの使い魔だったのか?」

 

一匹が祓われたと気がついた残りの三匹が同時に襲いかかってきた。

一匹ずつ自身の右腕、左腕、右脚に噛みつこうとしているようだ。

それを、軽く身を捩ることで避ける。

 

七海は、今犬歯をを丸出しにして七海の周りで威嚇している狐たちを警戒しつつこの状況について考える。

等級的には、2〜3級程度の呪霊。等級的には簡単に祓えるはずだが、しかし三匹同士が同じ使い魔なのか、息が揃っており非常に厄介であることが分かる。さらには、これらを使役している呪霊について考えていると、

再度、同様に自身の四肢を狙って襲ってきた。

それらを軽く動くことで、右腕を狙ってきたやつの胴体を3対7の位置で切ってやる。

 

狐はギャッという声を上げ、同様に真っ二つに分かれ、金色の粒子となって消えていった。

 

他の二体は勝てないと思ったのか、私の前から逃げていった。

 

私は周りを警戒しつつ、狐が倒れた場所を調べてみる。

 

「これは、毛ですか...」

 

私は、月に照らされ金色に輝く一本の毛を見つけた。これは、人間の髪質とは全く違うことが手触りでわかる。

それを、念のために持ってきた、ジップロックの中に入れ、元の場所に戻り、再度寝ずの番へと戻ろうとすると、後ろから大きな気配を感じた。

 

後ろを急いで振り向くと、狼サイズの狐が二匹ほどいた。

尻尾は三本あり、赤い目をこちらに向けていた。

尻尾が一本しかなかった狐に比べて、圧倒的に強いという雰囲気と、まるでのまれてしまいそうな、神聖さに耐えながら、七海は二匹の前に出た。

一尾の狐同様に襲ってくると、身構えたがこちらを振り返り一鳴きしてから、廊下の奥の方に向かい歩いていった。

 

黙って見ていると、再度、こちらに振り返り右手で手招きするように手を動かしたあと、そのまま廊下の奥へと歩いていった。

 

「これは、ついてこいということですか。」

 

七海は、敵の罠という線も考えたが、三尾の狐の理性的な態度にもしかしたら、今回の事件について根本的に解決するかもしれないと思い、警戒しつつ、彼らについていった。

 

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仙台市〇〇刑務所運動場

 

彼らについていくと、運動場が見えてきた。

 

「ここは、運動場ですか...」

 

と言いつつ、七海は考えた。

急に現れて、きた呪霊が襲ってこないというのは珍しい。基本的には、現れて、呪術師が気づかないうちに襲いかかったり、するものだが...

ということはこの二匹も使い魔か、それとも低級の呪霊か。先ほど浴びた圧から、低級の呪霊であることはほぼないだろう。ということは使い魔か。先輩にもそのような術式を持っている人もいたような..

と考えていると唐突に頭の中に声が入ってきた。

 

『ぁ...ぁ..ぁああ.あーあー。もしもーし、聞こえますかー』

『聞こえますかじゃなくて、初めましてだろ。』

『どっちでもいいでしょ、下手にカッコつけなくても』

『は?』

『は?』

 

と看守が立つ用の朝礼台の上で二匹は喧嘩を始めた。

 

七海は唐突に頭に中に話しかけられた状態に驚いていたが、このまま二匹を放り出していると収拾がつかなくなると思い声をかけた。

 

「あの少しいいですか?」

『うん、誰だあいつ。』

『ほらあれだよ、(あお)様が言っていた呪術師ってやつじゃない。』

『ああ、あれか。』

「すみません丸聞こえなのですが...」

『あ、やべ』

 

という声と共に、頭の中の声は一切聞こえなくなった。

朝礼台の上でこほんと一度咳をすると。

 

『はじめまして呪術師よ。』

『我々は三ツ尾狐、(あお)様の使い魔である。』

(あお)様はお前ら呪術師どもと対談を望んでいる。』

『しかし、(あお)様から現在の呪術師の強さを調べてこいとも言われた。』

『さあ、呪術師よ。やり合おうではないか。』

 

「今更、見繕っても残念感は拭いきれませんね。」

 

と、厳しく七海は言い放った。

 

『えー、ダメだったー』

『少しはカッコいいと思ってやってみたのに。』

 

七海はやりにくい相手だと思いつつ、

 

「なぜわざわざ校庭に?」

『あ、喋った』

『だって、他の人に被害を出すわけにはいかないでしょ縛りの件もあるしー』

『お前、それ言っちゃダメだろう。弱点を自ら晒してるもんだし。』

 

七海はその言葉が最も弱点を晒していることに呆れつつ、

 

「私で何をしたいのですか。」

『単純に強さが知りたいだけだよー。』

『この時代まで呪術師がいることに(あお)様は驚いていたしね。』

『うんうん。だからお前ら呪術師を殺す気もないよー』

『どうせ次の私がいるから、最悪祓われちゃってもいいし。』

 

次にどんな質問を投げかけようと考えていると、

 

『質問もこれくらいにして、最悪、そのあと(あお)様と会えるんだし。』

『そうだそうだ。』

『じゃあ、三二一で始めるからねー。』

 

そう言ったきり、頭の中に聞こえてきた声が消えていった。

 




次回戦闘です。
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