その真実を彼らは知ることとなる。
3つの怪現象に出会ったのなら、
もう引き返した方がいい。
4つめに出会えば、きっと死が待っている。
みたいな話が書きたかったが、
ついぞ書き切れなかった。
ホラーが私には難しすぎたんだ。
供養の投稿。故に、オチはない。
打ち切り漫画みたいなものです。
続きが気になるって? 作者の私も気になる。
#1
この街には七不思議ならぬ、
「先輩!私も同行してよろしいでしょうか!」
「……いや、お前はお前で記事上げなきゃじゃないのか?」
「そこについては心配しないでもいいよ。死不思議の記事をメインに置いていきたいからね。一人で調べあげるのは無理があるだろう?ほんとはもう一人派遣したいところだけど、人材不足だ」
今年は新入生がすくなめだったからねぇと溜め息をついて、ミルクたっぷりのカフェオレを飲み下す部長。そりゃ、まあうちの新聞部は結構変わった奴が多いからな。デマ記事書く自分にオカルト記事の後輩ちゃん、ほぼ説明文みたいな記事書く部長。他にもいるが、こんな変わった新聞読み手側に回って楽しむのがいいと今年の新入生は悟ったのだろう。正しい判断だ。自分も一年前に変な気を起こさなければ、読者側に回ってつまらん新聞だと嘲笑えていただろうに。
「わかったよ。正直、オカルト好きのお前がいれば、自分の仕事が楽になるだろうしね」
「デマ記事ばっか書いてる先輩は信用なりませんからね。それにこの街の死不思議の噂は非常に気になります!」
「前半建前、後半本音ってか?綺麗に二言で建前と本音を言えたもんだ」
「両方本音ですぅ〜」
「はいはい、じゃあ、部長各所に取材してきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
「あ!先輩!待ってください!こら、先に行かないで〜!」
「全く仲のいいことで」
二人が部室から出たあと、部長はにこやかにそう呟いて温くて妙に甘いカフェオレを飲み干した。
#2
「取材ってどこに行くつもりなんですか?」
秋の穏やかな日差しに照らされた廊下をゆったり歩いて下駄箱へと向かっていると、後輩ちゃんが後ろから声を掛けてきた。
「んー、あてはないな。まあ問題ないさ」
そう、自分はデマカセの記事を書いてばっかりの嘘つき記者なのだ。別に死不思議なるものが存在しているとは思わないし、噂に沿ってでっちあげればいいだろう。まあ、全くの嘘を書くというのもあれなので。
「死不思議の内容について、目撃情報くらいは手にしようか。と言っても自分はそういうの疎いからな。まずはお前の知ってる情報を上げてくれ」
「はい!一つ目は呪われた団地道」
曰く、この街にある団地に入って十字路に出て、右にいきさらに十字路が現れれば左にと言った具合に順序よく行くといつの間にか、行き止まりになって帰れなくなるというものらしい。
「……それこの団地で迷子が多いだけなんじゃないの?」
「いえ、それがそうでもないんです。その団地で一番長生きの段地家の爺さんも今行方不明だとかで……」
「認知症か更年性アルツハイマーでも患ってたんだろうよ。デマ書くまでもないな」
「むう……はっはあん」
「…………」
後輩ちゃんが微笑を浮かべて得意そうにこちらを見上げてくる。なんだろうか、嫌な予感がするぞ。
「せんぱーい、もしかしてビビってる?」
煽るようにバカにするように自分をイラつかせてくるこの後輩は本当に優秀だ。だが、それに乗るまでもない。もう、この一つ目の噂は解決されたのだ。長ったらしく調査などしていられるものか
「この程度でビビるなら、デマカセの記事書いてバレやしないか気が気でないだろうな。つまりそういうことだ。次の噂をどうぞ」
「うぐぐ、でも、現地検証には付き合ってもらいますよ!」
このオカルトバカはこうと決めたら意地でも曲げない。それはこの十数ヵ月でよく身にしみていた。このまま長引かせるのも時間の無駄なので折れてやることにした。
「わかりきった答えの検証に行ってなんになるのか正直わからん。が……まあ、それでお前の気が晴れるなら付き合ってやるよ。寛大な先輩に感謝するといい」
「わーい!言質とりましたからね!!それでは早速向かいましょう!」
元気良く、下駄箱へと走っていった後輩ちゃんを尻目に
「そーねぇ、どうせちょっと道に迷うだけだろうけどねぇ」
意地悪な台詞を吐いて、後を追う前に今日の天気を確認しておく、秋雨が近付いて来ていると今朝のニュースで聞いたので今夜に来ないか──携帯の電源を入れて、ロック画面が表示される。時刻は15時と13分、充電も70%強と心強い──
さっとロックを解除し速やかにネットワークにつないで今日はこのまま晴が続いて、満月であることを確認し後輩ちゃんの後を追う。
夕刻にはまだ早い秋の三時過ぎ、やる気満々で鼻からの吐息が漫画のようになるくらい興奮している後輩と若干やる気なさげの自分は噂の団地へと足を運んだ。残暑は過ぎて丁度いい……いや、少しばかし涼しすぎるか。とにかく、風邪をひかないうちに家に帰れるようささっと用事を済ませよう。そんな気楽に構えていた自分をあとで呪うことになろうとは、思っても見なかった。