転生したらオーガだった件   作:腐った林檎

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鍛錬

 

 △月◯日

 

 木刀(相棒)を握りしめ、いつもの訓練場所に行くと何故か若を小脇に抱えた師匠が待っていた。

 まさかこのジジイ次期里長である若を振り回して武器に使うんじゃないんだろうかと思ったが、そんなことはなくまずはこの若を倒してからにしろと言われた。頭上に?マークが浮かんだが早くしろと催促してくるので戸惑いつつも若と戦ってみた。

 真面目に鍛錬していた俺は若の大振りな横薙ぎをしゃがんで避け、足を掛けて転ばした。近くの森林の中から「おお!」という声が複数したのは気のせいだろう。若はすぐに起き上がったが師匠に何か囁かれ渋々といった顔で里の方へ行ってしまった。何を言われたのだろうか。

 

 ああ、もちろん師匠にはボコボコにされました。加減というものを知らないのかあのジジイ。

 

 

 △月◇月

 

 

 今日から若も鍛錬に参加するらしい。よかった、このままのペースだと俺が死にかねなかったからな。若がいる分鍛錬の厳しさも下がるだろう。と思ったら全然厳しくて草。ていうか前よりも厳しくなった気がする。

 

 

 △月□日

 

 

 き、厳しいよぉ。若、お願いだから「もっとだ!俺ならもっと出来る!」なんて言わないで、おじちゃん調子に乗り出すから。

 身体中傷だらけで家に帰ると母と父が真っ青な顔して飛んできた。何があったんだと聞かれたので「師匠にやられました」と言ったら般若のような顔をして家を飛び出していった。母の手に刀、父の手に弓があったのは見間違いだと願っている。師匠、ご武運を。

 

 

 △月☆日

 

 

 師匠が昨日よりもちょっと痩せたような気がする。とうとうこのイカれたジジイの身体にも老いが回ってきたかとほくそ笑んでいたが訓練では昨日よりも地面を転がってしまった。

今日の師匠は一味違う!と若も震えた声で叫んでいた。若は俺以上に転がっていた。地味に嬉しい。誰か若の転がるシーンでMADでも作ってくれないだろうか。

 

 

 △月▽日

 

 

 俺の刀は師匠曰く流に向いているらしい。流で刀と聞くと鬼滅の水の呼吸を思い出すのだが、俺が目指すのはあれでいいのだろうか。凪なんて一生できる気がしない。そもそも呼吸法知らないし、鬼滅の世界じゃないし。

 てか師匠、身体痛くて動けないのに「いつまで気絶しているフリをしているつもりじゃ?」って木刀でつんつんしないで!

 

 

 △月×日

 

 

 とりあえず山に登って降りてを繰り返してみた。確かに空気の濃度が違うのが身に染みて分かったな、すごく肺?が痛いけど。

 師匠にはちゃんと今日は休みますと伝えているので問題はない。俺は経験から学ぶ男なのだ。

 

 

 △月+日

 

 

 若が師匠に怒られた。何でも真面目に鍛錬をしろ、昨日と比べ明らかに動きが鈍っているとのこと。昨日はそんなに調子が良かったのかな、俺は全然気づけなかったが師匠にはお見通しだったらしい。流石無駄に動きが速いジジイだぜ。

 

 

 △月◎日

 

 

 夜、いつものように大樹に日記を書きに行こうと家を出ると若が必死に木刀を素振りしているのを見かけた。日中とは段違いの速さで木刀を振り回して正直驚いた。あんなにスピード出るなら昼間から真剣にやればいいのに。効率が非常に悪い。そう、俺のようにしっかり休んでしっかり動くスーパーオーガが一番良いのだ。

 

 

 △月-日

 

 

 鍛錬場所に行くと紫髪の女の子と青髪の男の子がいて、彼らも鍛錬に参加することになったらしい。女の子が増えることはいいことだな、俺のモチベーションのためにもサボるなんてことはしないで欲しい。俺は、里を守る男になるんだ!

 

 

 △月●日

 

 

 若が「こんなクソ修行やめてやる!」と言って逃げ出した。正直よくここまでもったなというのが俺の感想だ。

 だが師匠は「………ほう、鬼ごっこかの?」と言って逃げ出した若の隣を並走しだした。どこに逃げようとしても真横にジジイの顔がついてくるなんて悪夢以外の何物でもない。

 すぐ捕まえられる位置にいるのに決して捕まえようとしない恐怖、経験者しか分からん事よな……(遠い目)。一応、紫髪の子と青髪の子には忠告しておいた。

 

 

 △月★日

 

 

 大量のたんこぶでイケメンになった若は放っておいて今日は自分の刀の型について考えながら鍛錬をしてみた。流の戦闘キャラといえば冨岡とシルバーファングしか思いつかない。刀の使い方でいうならば水の呼吸が適当なのだろうが、俺は出来ることなら流水岩砕拳を取り入れたい。理由は特になし。強いて言うならばカッコいいから。それだけである。

 

 

 △月*日

 

 

 母から少しは女としての技術を磨きなさいと言われた。俺にはそんな技術必要ないのに……、コンビニ弁当さえあれば人間生きていけるもんだよ……?あ、そういやコンビニないし人間じゃなかったわ。とりあえず明日は鍛錬を休みなさいとのことで俺は「はい!喜んで!」と笑顔で承諾した。明日一日ジジィの顔を見なくてすむなんて最高だ!

 




オリ主

 夜中に「ゲート・オブ・バビロン!」とか「アンリミデット・ブレイドワークス!」とか叫んでたけど何も起きなくて恥ずかしかった。

師匠
 
 最近毛の抜ける量が多いことに恐れ戦いている。

若 
 
 夢の中でも師匠に追いかけられて心身ともに脆くなってきている。毎日食卓に人参が出ることも影響しているようだ。


 
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