転生したらオーガだった件   作:腐った林檎

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依頼

 ×月×日

 

 

 何故か分からんが流水岩砕拳が使えた。えへへ、俺ってば本番に強いのかな。無限の剣製もどきを披露することはなかったがまあいいだろう。若をボコせただけで俺は大満足だ。

 ああ、もちろん師匠にはボコボコにされた。二代目木刀も少し亀裂が出来てしまっている。同じ木材なのに何で俺の木刀はボロボロで師匠のは傷一つないんだ………?

 

 

 ×月◎日

 

 

 俺を見た瞬間若が股間を抑えて逃げていった。正に脱兎の如く、いやこの場合だと脱鬼の如くか?どちらでもいいが何故逃げ出したんだろう。

 今度姫様に聞いてみようかな。若の妹だから何かしら知ってるでしょ。べ、別に美少女に会いたいなんていう低俗な考えじゃないし。必要事項だし。

 

 

 ×月▽日

 

 

 父が身繕いを始めたので家出かと思ったがそんなことはなく、人間から依頼が入ったので準備をしているとのこと。

 確かによく見れば必要最低限な食糧しか荷物の中には入ってなかったし本当に仕事をこなすだけなのだろう。

 いつものヘラヘラした顔で「ははは、こう見えて風の弓兵と呼ばれた男だぜ?寿命以外で死ぬことは有り得ねぇよ」と言ったので問題はない、はずだ。

 

 どうでもいい話だが今日の夕食はご馳走だった。確かに美味いのだが……たまにはコンビニの安いおにぎりを食べたいな。

 

 

 ×月▽日

 

 

 空がキレイだ。ううむ、こういうとき松尾芭蕉とかだったら良い一句を思いつくんだろうが俺では何一つ思いつかなかった。強いて言うならば姫様の裸しか浮かんでこなかったよ……。

 幼女の裸、最高ですわ。そもそも俺ってTS転生したみたいだし水浴びとか覗いても合法だったね。まあ、一線を越えぬためにも一緒に水浴びなんてしませんでしたけども。

 やはり童貞の俺からすれば少しハードルが高かったようだ。せいぜい俺は姫様の裸を遠く離れた森の中から見ることが妥当だな。一緒に水浴びはいずれだ、頼むぜ将来の俺!

 

 

 ×月○日

 

 

 股間に鎧の肩に付いてる防具をつけてきた若が真剣な顔で訓練場所に来て笑った。今生において一番笑ったのではないかと思う程笑った。皆の目もあったので腹を抱えて転げまわったりはしなかったが俺一人だったら笑い死んでいた。若って本当に俺を笑わせる天才だよな。里長じゃなくてお笑い芸人を目指したらどうだろうか。

 

 

 ×月☆日

 

 

 今日は父からお話があるとのことで家の裏にある蔵に連れられた。そこには大層立派な黒色の洋弓があって目が飛び出ました(小並感)

 父は何世代も前から伝わる我が一族の宝だとか言っていたが俺からすればエミヤきゅんの弓にしか見えんかった。持ち手の所にも白い金具みたいなのがついてたし。

 

 父の話の内容は俺がいない間母ちゃんを頼むぞとのことだった。そこはまあいい、なんか死亡フラグ立った気がしなくもないが。問題は次だ。エミヤの弓もどきよりも驚いた言葉が父の口から発せられたのである。「母ちゃんのお腹の中にはお前の兄弟がいるからな!」って。

 驚きを通り越して俺は悟った、必ずやこの性欲の暴君を懲らしめなければと。

 

 腹いせに父の目を盗んで父の弓矢に悪戯してやった(もちろん安っぽい弓である、蔵にあった弓ではないぞ)。ただし後悔はしてない。消え去れ性欲大魔神め!俺は魔法少女だからお前とは相反する存在なのさ!

 

 

 ☆月■日

 

 

 ちょっとサボり気味だった研究を再開することにする。

 

 まずは物質錬成―――俺流無限の剣製のこと―――はどれぐらいの時間現世に存在できるかについて。結果は数分で消え去ってしまった。俺が込める魔力量も関係はしているようだがとある一定時間を超えると何が何でも存在できなくなってしまった。これはかなり問題である。数分ごとに錬成しなきゃならんのか。面倒臭いな。

 里に襲撃してくる奴がどれだけ強いか分からないなかで不安要素があるのは無視できない。今後は刀の存在時間についても考えていこう。

 

 

 ☆月◆日

 

 

 ああそうだ。どうやら俺の物質錬成はやはり刀と……剣しか作れないらしい。いずれ火縄銃とか作って無限弾丸!って考えていたがその夢は儚く散ってしまった。ちくしょう。

 

 

 ☆月-日

 

 

 物質錬成(剣)はやはりすごい。炎を纏ったり光のビームとかは出ないが切れ味だけは本物だ。料理にて大活躍である。

 

 

 ☆月□日

 

 

 やっべ、少しハイになってて剣作り過ぎた。久しぶりの魔力枯渇を感じて身体が怠い。まさかこれって生理という奴ではと思ったが違うだろう。怖いよ、生理痛と師匠が……。

 

 同時に錬成出来るのは二振りだけでそれが限界だった。強度に関しては触れた物質の質や込めた魔力量によって異なるっぽい。刀を造っているところにお邪魔して失敗した鋼を借りさせてもらったので検証済みだ。あのおっちゃん気安く渡してくれて正直拍子抜けした。人は見かけによらないんだね!

 

 

 ☆●日

 

 

 今日、父と数人の男達が里を出発した。行先はファルムス王国とのこと。そんな国名リゼロにあったっけと疑問に思ったが記憶もあやふやなので気にしないことにする。

 父含め彼らにはぜひ五体満足で帰ってきてほしい。余談だが、お土産も頼んでおいた。この世界にタピオカってあるかしら………?

 

 

 ☆月+日 

 

 

 さあーて、俺も研究と鍛錬を頑張りますかね。とりあえず明日から、だな!

 

 

 

 

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 *月◎日

 

 

 血の匂いがする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリ父

 使用する武器は弓。


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