死にたい。
目が覚めるとそこは地獄だった。父さんにもう一度会いたい。
闇の中に沈んで、そのまま溺れて死んでしまいたい。
嫌なことだらけだ、この世界も。
あの世界も。
◯月×日
死にたい。
父さんと夢の中で会った。
笑っていた。何故か笑っていた。
罵ってくれなかった。
私にとってそれは悲しかった。俺にとってそれは嬉しかった。
眠くない。
◯月◇日
死にたい。
父さんと夢の中で会った。
頭を撫でてくれた。アイツとは違う優しい手で、俺を包み込んでくれる。
豆だらけで一見怖いけど、本当は温かいのだと私は知っている。
ああ、今日もよく眠れなさそうだ。
◯月△日
死にたい。
父さんと夢の中で会った。
弓の使い方について勝手に教えてきた。問答無用といった感じで。
そういえば、ここ最近の天気は雨ばっかりだ。
でも、以前とは違ってそれは私の心を洗い流してくているような気がして心地よかった。
本当に、死にたくなる。
☆月●日
死にたい。
父さんと夢の中で会った。
練習として弓を使ってみた。どこにでもあるような木の枝で、矢を構えた。
父は筋が良いと褒めてくれた。アイツとは違う、そのことを感じると俺は無性に腹が立つ。
何故、自分が生きているのか疑問に思う。
☆月□日
死にたい。
父さんと夢の中で会った。
母の話をしてくれた。それは俺の知っているような母じゃなかったが、聞いていて楽しかった。
父さんが父さんだったら、こんな家族になっていたのかもな。
姉さんも、父さんがいたら父さんなんて殺さずに済んだはずだし。
良い、家族だった。
☆月△日
死にたい。
ああ、今日は川で魚を釣ったんだ。
私は釣れなかったが、父さんのを分けてもらって食べさせてもらえた。
美味しかった。味はしなかった。
死んだ魚が、まるで自分のように思えて嬉しかった。
☆月○日
死にたい。
生まれて初めて空を飛んだ。
父さんにおぶってもらって、地上からは見えない景色があるのだと知った。
天国から、見下ろしているみたいで楽しかった。
母さんは今どうしてるだろうか。今も姉さんと二人で生きてるだろうか。
もし死んでしまっていたのなら、天国に行っているはずだろう。
私には地獄がお似合いだけど。
☆月×日
死にたい。
父さんは、父さんは私に凄く優しい。
そうだ、姉さんも俺には優しかったな。冷たい印象のある人だけど、意外と優しい。
俺達とは大違いだ。
☆月+日
死にたい。
もう嫌だ。
呼吸することさえも億劫だ。
思い出したのだ。思い出してしまったのだ。
俺の名前は
ちっぽけな人間だった。
頭痛が酷い。
誰でもいいから、もう一度、私を殺してください。
☆月*日
死にたい。
やめて、叫ばないで。
叩かないで。
もっと、痛くして。
☆月Ω日
どうして、死なせてくれない。
≪幸セナ記憶≫
魂に存在する幸福、喜び、そのような記憶を新たなチカラに還る。残るのは、不幸な記憶のみ。
≪夢の虜≫
こうであって欲しかった、という願いを幻想させる。