高校生の良さって高校生の時に全然わから無かったんですが、今になってめっちゃ痛感してます。

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連載の話をまとめる時間が無さすぎて、衝動書きしたやつです。
連載サボってすみません。リアル本気で忙しいんです。



誤字脱字はご愛嬌!!!




高校生に戻りたい(無茶)

 

 

 

 

「ねー、月島君の事どう思うー?」

 

「えー?私ー?」

 

 

放課後、山口が忘れ物をしたからといって来た教室から数人の女子の話し声が聞こえてきた

 

 

てか、今、私ー?って言った声、山口が気になってる女子のじゃ……

 

 

あ、山口の顔が青くなってる、当たりだ、意中の女子じゃん

 

 

取り敢えず、そんな話をしてる中教室に入るわけにもいかないけど、明日提出のプリントも取らないといけないので、一時的に教室前の廊下で山口に袖をつかまれながら立ち聞きする事にする

 

 

「うーん、まぁ、普通にカッコエエんちゃう?身長高くて、進学コースだから勉強ができるし、運動部所属で適度な筋肉、ええと思う」

 

 

あーあ、山口、人の事をそんな条件だけで判断する女はやめときなって

 

中学まで大阪に住んでたらしく、関西弁で僕の事をまるで何かの商品かのようにいいところを並べるのは気分が良くない

 

 

「いや、ならその表情は何ー?明らかにちょっと不満って感じじゃん」

 

 

「んー、いや、まあ、いいとは思うんよ?だだね、その、みんなが私に聞いてる異性として惹かれるかなら全く惹かれないし正直興味すら湧かん、興味がある人っていうのなら、私断然山口君派かな」

 

 

いや、なんで!?

 

 

立ち聞きしていた2人では?と顔を見合わせる

 

 

まあ、僕に惹かれると言われても困るけど!そして山口に興味があるならとてもいいけど、でも、その文脈でなんでなのさ!!

 

 

「えー!山口ってなんかパッとしないじゃーん」

 

 

クラスの女子の1人が文句を言ってるが、なんだよそれ、パッとしないって

 

 

それに、意中の女の子は君付けなのに、あんたは呼び捨てするんだ

 

 

「んー、まあ、月島君に比べたら地味かもね」

 

 

そして、君もフォローしないのかよ!!

 

 

「でもさ、山口君見てたら面白いんよねー、初めは普通に優しいだけの月島君について回ってる人かなって思ってたんだけど、まず月島君のトゲトゲ言葉に対する許容の感じが大人」

 

 

「あー、あの嫌味に至近距離で常に晒され続けて耐えられる山口は確かに大人かも」

 

 

いや僕の事をなんだと思ってるのさ、山口にはそんなに嫌味言わないから

 

 

「で、細かい気配りがうまい、私さ、女子にしては身長高いから背伸びすれば黒板上まで消せるんだけど、大変なら頼ってね、って上を消してくれたんよ」

 

 

「うわ、それはイケメン」

 

 

やるじゃん山口

 

 

たしかにそれはカッコイイと僕も思う

 

 

「それと、生理痛でしんどい時、カーディガン貸してくれた」

 

 

いつのまにそんな事をしていたんだろ、結構しっかりアピールしてんじゃん、山口、意外と抜かりないな

 

 

「前に着てたブカブカカーディガンは山口のだったんだ、通りで大っきいと思ったよ」

 

 

「うん、山口君も月島君の隣にいるから霞んでるけど、結構身長高くて、大きいサイズやから自分のやつの上に重ね着しやすくてラッキーやなって思った」

 

 

大っきくてドキッ、とかじゃなくて、重ね着しやすくてラッキーってなんなのさ君!

 

 

「後はね、バレー部のあのちっちゃい男子と目つきの悪い男子を月島君がからかってる時に、それ見て笑ってる時は腰巾着みたいだなって思ってたんやけど、あまりに月島君の度が過ぎるとちゃんと止めてたねん、しかもそれを月島君もちゃんと聞いてたから、あ、腰巾着ちゃうやん、山口君やるやん、って思ってからは結構山口君見てまうんよねー」

 

 

条件だけで見てる女だとか思ってごめん、山口の良さわかってんじゃん

 

 

「後は最近、やけに山口君と目が合うんよね、多分私が観察し始めたのに気付いて警戒されてるんやと思う」

 

 

いや、違うでデショ、普通に君の事が好きだから目で追ってるんデショ

 

 

案の定、僕の隣で首を横に振ってるし

 

 

「え、それ山口に好意持たれてるんじゃないの?」

 

 

流石にそろそろ気付く話を聞いていた女子達

 

 

「いや、私に好意とか有り得へんやろ、あっても分厚いって書く方の厚意やって」

 

 

そして、気付かぬ当事者

 

 

いや、山口が抱いてるのはとっても好きな方の好意

 

 

山口からの好意による割と分かりやすいアピールはまだ分かってないみたいだが、迷惑そうではないからいいんじゃない?

 

 

「いやいや、もしかしたら近いうちに告白とかされるかもしれないよ?」

 

 

数人の女子が声だけでもめちゃくちゃ面白がってるのが分かる声がする

 

 

それと同時に意中の女子の反応が聞きたいけど、聞きたくないっていうものすごい葛藤をしている山口の心労がそろそろ凄いのもヒシヒシと隣から感じる

 

 

「えー、告白ー?山口君が私にー?えー、ないない」

 

 

あー、ないって言い切っちゃうか、まあ、まだ徐々に山口がアピールしていくしかないか

 

 

「いやいやいや、なくないんじゃない?ほら、そんな事言いつつ、顔ちょっとニヤけてますよ、おねーさん」

 

 

これは、かなり希望の光が見えたんじゃない?

 

 

「いやいやいやいや、そんな事ないって、でも、まあ、されたら、その、嬉しい、かな」

 

 

「はい!これはもう黒ですね!事案だ事案!」

 

 

もう、これは告白するしかないね、山口

 

 

ほら、赤くなって蹲ってる場合じゃないから

 

 

「後は、どう山口に告白をさせるかだね」

 

 

もう囃し立てている女子達の中で山口が告白をする事は確定してるみたいだ

 

 

「え、待って、山口君が私の事好きって決まった訳じゃないし」

 

 

だけど、未だに好意を疑う意中の女子、鈍いのか、周りに合わせてるだけで本当は告白が嫌なのか、真意は分からない

 

 

「好きな女以外にカーディガン貸す男は居ないって!それも生理中で血がつくかもしれない危険がある時に!」

 

 

「あー、まあ、普通の人はそうかもしれへんけど、山口君は優しいんやしさ」

 

 

「そういえば、私もしんどい時に、保健室に行くなら先生に言っておくよ、って言われたことある」

 

 

ほかの女子にも優しくしてるんだ、山口、それなら、全て分厚い方の厚意として受け取られても仕方がないのかもね

 

 

「え、大丈夫?保健室行くなら俺付き添うよって言われたねんけど」

 

 

なんだ、しっかり区別してるんだ

 

 

「はい、黒確定!山口は100%好意を持ってるよ!」

 

 

「えー、暇やっただけかもやん?」

 

 

なんで、ここまでアピールされてもなお、認めないのさ、君

 

 

「だとしてもよ、その暇を使う価値がある女子やと思ってるんでしょ?」

 

 

「暇つぶしは誰でも良くあらへん?」

 

 

「いや、良くない」

 

 

周りの女子から総ツッコミ食らってるじゃん

 

 

「んー、あっ、分かった!私身長高めやし、もし倒れたら女子なら支えきれへんと思って言ってくれたんやわ!ほら、普通の女子なら私逆に支えれるし抱えもできるから、わざわざ男子が保健室に付き添わんでええやん」

 

 

「無理に出してきた話の割にそれっぽい話ね、確かに身長160半ばあるから、私達じゃ、もし倒れたりとかした場合、一人で運べないし」

 

 

待って、どうして納得しちゃうかな

 

 

「だよねー!だから、やっぱり分厚い方の厚意って事でこの話は終わり、もうそろそろ帰ろう」

 

 

その言葉と一緒に教室の、それも僕らがすぐ隣で息を潜めていた方の扉が開いた、マズイ

 

 

そして、さらにマズイ事に、扉を開けたのは意中の女子だった上に、僕と、僕の後ろで真っ赤になってる山口の2人組を見つけた

 

 

「あー、えっとー、その、向こうの扉から出ようかな」

 

 

ぎこちない笑顔とともに教室へととんぼ返りした明らかに様子のおかしいその子を押し退け、今まで談笑してたメンツが扉から顔を出し、意中の子と同じように俺たちの事を見つけた

 

 

違うとすれば、話を盗み聞きしてたことがバレた山口の顔から血の気が引き真っ青になったくらいだろう

 

 

「おっ、これはこれは、山口君じゃありませんか」

 

 

いつもは月島君、月島君、と僕にうざったく絡んでくる彼女達も今ばかりは山口に興味が全振りされてる

 

 

「やめって、みんな、山口君に迷惑やろ、もう帰るで」

 

 

「ここで帰るってマジ?どういったご冗談?」

 

 

正直、ここまできて何も話さず帰るのは俺も流石に違うと思う

 

 

「寧ろなんで帰らんの?山口君に私らが変な期待押し付けたらあかんやろ、ほら、帰るで」

 

 

無表情で女子達の肩や背中を押し、そそくさと帰ろうとしてる姿は本当に帰りたい人みたいで、山口をどう思ってるのかわからない

 

 

「待って、せめてじゃあ、さよならの挨拶とかぐらいはしなよ」

 

 

そう言われて、完全に背を向けていた子が僕らの方を振り向いた

 

 

「……バイバイ」

 

 

「愛想がない!やり直し!」

 

 

「そんな制度は知らん!また明日!」

 

 

元気な声と共に手をビッと顔の横に立ててそそくさと帰ろうとしてる

 

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

 

「っ!?」

 

 

周りの子達の背中を押して帰るのを諦め、俺らの横を通り過ぎて帰ろうとしていた子の手を山口が掴んだ

 

 

ビクッと肩を跳ねさせて驚き、伺うように自分の腕を掴む山口の事をちょっと困った顔で見つめた

 

 

「あのっ!好きです付き合って下さい!」

 

 

え、ど直球過ぎない?

 

 

しかもどうして今言うかな、いくらなんでも急過ぎデショ

 

 

思わず、僕やドキドキと見守っていた女子全員がギョッとした

 

 

だけど、言われた本人だけは、ちょっと困った顔のまま、無言で首を横に傾けた後、口を開いた

 

 

「………あー、えっと、買い物とかに付き合うの?」

 

 

いや、ど直球に対する返球が変化球すぎる

 

 

今君好きですって言われたのに、どうしてその同伴的な付き合うの方で捉えたの!?

 

 

「い、一緒に買い物も行ったりとかもしたいけど、俺が今言った付き合うは交際して欲しいって意味です!お願いします!」

 

 

腕を掴んでいた手を離し、真っ赤になりながらももう一度告白をし、頭を下げて手を差し出した

 

 

それに対し、意中の子はその手をジッと無言で見つめてから、ゆっくりと焦れったくなる速度でそっと握った

 

 

バッと顔を上げる山口に対して、その子は照れ笑いし

 

 

「こちらこそよろしくお願いします、山口君」

 

 

山口の手を両手で握り、恥ずかしそうに笑った姿はさっきまでなんやかんや言っていた彼女にしては大分女子らしく可愛らしい感じで、成る程山口はこういうところに惚れたのか

 

 

そう納得できた

 

 



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