書いてて思うけど、コイツの精神イカれてるよ。
【フラクシナス】艦長にして、五河琴里。
普段の高圧的な姿勢とは裏腹に部下からの人望は厚く、またその仕事ぶりは非常に優秀。
中学生と言うには余りに出来すぎた少女である。
そんな彼女の心中は、荒れに荒れていた。
(あーもう!何者なのよあいつ!)
ガリッと、お馴染みのチュッパチャプスが噛み砕かれる。
原因は、1時間前に現れた1人の霊装を纏わぬ精霊。
何せ、炎の精霊である彼女の天使を携え、あまつさえ使いこなしているのだ。あの破壊衝動に呑まれていない模様だし、【
が、
何よりも理解し難いのは、
(
「あひんっ!」
神奈月の足が踏み抜かれた。ストレス発散である。
ともかく、精霊の居場所を確認しなければならないのだが、これが難航していた。
先の爆破により、モール内部に忍び込ませていたカメラドローンは破壊され、
打つ手なしのまま、爆破から30分。
「・・・霊力の波長、消失」
それ即ち、精霊の
「結局何も分からずじまいじゃないの!!」
我慢の限界だった。
琴里の怒号と神奈月の嬌声が響く。
そのなかで、彼女に残った少しばかりの冷静さが、ASTが帰還したあとの、未だ燃え続けるショッピングモールを映すスクリーンから
「
「え、あっはい!」
「一体、何のために?」
神奈月の這う這うの体での疑問に、まだ自分の目を信じきれていないまま、答える。
「回収するのよ!
五河琴里は、消えた精霊を見ていた。
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思考がクリアになったとき、痛みと熱さは既になかった。一瞬死んだかと思ったが、目を開くと機械的な知らない天井が見えたので多分違うだろう。
まさかあの世がハイテク、なんてことはないだろさすがに。
ふむ、にしてもここはどこだ?病院にしてはところどころパイプが浮き彫りになっていたり病床が少なかったりと、違和感を感じる部分が多い。
とすると〜・・・。
ここまで考えて、最悪の結論に至った。
ここ、フラクシナスじゃね?
ぶっちゃけリーチまでいってる。
「…ん、目が覚めたようだね」
白衣姿の隈の深い美女が話しかけてきました。
はい、役満。
「…気分はどうだい?」
「・・・あんまり良くない、です」
アンタのせいで、とは言えなかった。
「…意識ははっきりとしているようだし、身体のどこかを痛がる様子もない、気分は、まぁ、少しすれば良くなるだろう」
「そっすか」
努めて焦りを隠す。この人物、【村雨令音】は天才だ。正確に言えば、元となった
ともかく、相手はそんな埒外の怪物。少しでも判断材料を与えれば──さすがに転生者とは分からないだろうが──彼女の企てる計画を知り尽くしていると気が付かれるだろう。
「すんません、御手洗に行っても?」
目の前で考え事をするのも怖くなったので、トイレに逃げ込むことにした。
(さて、どうするかな)
顔を洗って、1度リセットした頭で考える。
まず、フラクシナス内部の俺に対する印象。これは、まず悪くないだろう。精霊か否かという判断は置いておいて、霊力に振り回される被害者を放ってはおけない人たちの集まりだ、そう邪険にはされまい。
次に、ASTの俺に対する印象。これは逆に良くはないだろうな。ただの精霊ではないと勘づいているだろうが、それでも俺は街の破壊者、奴らの敵に当てはまるはずだ。
最後に、村雨令音の俺に対する印象。これは、完全に未知数と言っても過言じゃない。声を掛けてきた際には、まるで医者が患者を気遣うような表情をしていた。いや無表情だけども、少なくともそう感じた。
殺すタイミングを見計らっているのか、はたまた取るに足らないと判断したのか、あるいは俺の霊力も主人公、五河士道の養分にしようと考えているのか。
取るに足らないと思ってくれれば、1番動きやすいんだけど、アレの計画性の高さは異常の域に達してるからなぁ。
「───うっし」
方針は決まった。ただし、一か八かの大賭けになる。
元々ルーレットというクソゲーから始まった不幸だ。そろそろ針が幸運に振れてもいい頃だろ。
「さぁ、俺の
なぁ、最強?
アカン、原作の設定が完成されすぎてて原作既読者でないと意味が分からんくなってるわこれ。