俺の命はルーレットに掛かってる   作:うろ底のトースター

6 / 6
デアラ読み返してました。


俺そんな危なくないって

「例の精霊の調査結果が出たわ」

 

ASTの面々に向かって、日下部燎子は口を開いた。内容は、かつて一度だけ、かつごく最近現れた天使のみを顕現させていた精霊のこと。

 

「まず結論から」

 

一つ息を吐いて、言う。

 

「彼は精霊ではない」

 

閑静な会議室が、唐突に騒がしくなる。無理もない、何せ精霊以外が天使を振るうという特大のイレギュラーが判明したのだ。

 

まぁ、一部ではあの容姿で男ということに対する驚きと落胆が混じっていたが。

「これは、霊力の観測されたポイントを極限まで詳しくしたデータよ」

 

貼り出された地図に、赤い点が示されている。

 

「そしてこっちが、同時刻にあの少年のいたポイント」

 

隣に、青い点が示された地図が貼られる。

 

見比べると、ごく僅かにズレていた。

 

「見てもらえれば分かると思うけど、霊力が観測されたのは天使だけ。使用者本人からは一切観測できなかった。これが一つ目の根拠」

 

手に持ったバインダーに挟まれている資料をめくる。

 

「もう一つは、この少年の経歴が判明したこと」

 

少し顔を歪めながら、資料を読み上げていく。

 

「柊十一、年齢は今年で16。来禅高校在学。最近高級アパートに引っ越しているわ。8歳の頃に両親を亡くしている上、同時期に姉が行方不明になっている。以降は孤児院に引き取られ、高校入学と同時に一人暮らしを始めたようね。ここまで話せば分かると思うけど、要するに彼、消失(ロスト)していないのよ」

 

消失(ロスト)、突如この世界から文字通り消失する現象。精霊なら例外なく発生しうるそれが、柊十一には存在しなかった。

 

「で、今後の方針だけど、日常生活を送っている分には手出しはしないわ。ただし、前回みたいに天使を顕現させた場合は即出動。()()するわ」

 

武力行使でやるそれが保護と言えるかは知らないけど、と苦笑いを一つ零した。

 

「異常で会議は終了よ。みんな持ち場に戻って。──ああ、そうだ、折紙」

 

一応、この問題児に燎子は釘を刺すことにした。

 

「あんた、同じ高校だからって手出しするんじゃないわよ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しない」

 

「なによ今の間は!?」

 

 


 

 

雨の日に出歩くのが怖くなりました。あの後、うさぎの雨合羽を着た女の子が道端でぶっ転ぶのを見ませんでした?ってパイセンに聞いたら

 

「ねぇよなんだその状況!」

 

とのツッコミを頂いた。

 

さて、もう一度言うが、俺は雨の日が怖い。

 

そんな日に【フラクシナス】に呼び出されたらもう最悪だ。

 

「仕事よ、頑張ってきなさい」

 

うっす。

 

 

てなわけで来ました現場。よくよく見たらこれ最初にルーレット回したときに吹っ飛ばしたとこじゃん。また壊れるのここ?可哀想に・・・。

 

どうにかこうにか逃げれたりしないかな。こう、会わないように立ち回ってロストまで耐えるとか。ダメ?ダメか・・・。

 

『君も、よしのんをいじめにきたのかなぁ・・・?』

 

あぁ、おいでなすったわ。

 

『って、んん?ぉおや?誰かと思ったら、お世辞の上手いおにーさんじゃない』

 

顔を上げると、逆さまに浮いている四糸乃と目が合った。

 

『なに、あんた会ったことあるの!?だったらそう言いなさいよ!』

 

やっべ忘れてた。

 

『はぁ、その話は後々たっぷりと聞かせてもらうわ』

 

怒気を孕んだ声が耳を突く。こりゃこってりしごかれるぞ。

 

『まずはファーストコンタクトね、総員選択!』

 

「よ、昨日ぶり」

 

『勝手に話すのやめなさいよ!』

 

うるせぇそっちの選択に任せたらろくなことにならないって俺知ってんだよ。それに四糸乃はよしのんをただのパペットとして扱わなければ不機嫌になることはまずない。要するに、会話ブロンズにも優しいというわけで。

 

『やー、珍しいところで会うねー。どーもみんな、よしのんのこと嫌いみたいでさー。おにーさんに会えて良かったよー』

 

そりゃ一般人と会うことなんて普通はないわな。珍しいのは場所じゃなくて俺の存在である。

 

「ま、なんだ。ここで会ったのもなにかの縁だ。ちょっと話さないか?」

 

『あー誘い文句まで勝手に決めてぇ!』

 

もうインカム抜いていいかな、これ。

 

「俺は柊十一、よろしくな。よしのん」

 

はぁ、俺の戦争(デート)が始まっちまった。

 

 


 

 

うん、順調。あっちの選択肢は全力で無視してるけど。なんなら途中から何も言ってこなくなったけど。

 

『誰かと話せるっていいねぇ!』

 

「そりゃ良かった」

 

何より、話し相手が笑ってくれるとこっちも会話に花を咲かせやすい。あと癒される。多分アニマルよろしくよしのんセラピーとかあるぞこれ。

 

『あ、見て見て!』

 

よしのんが見つけたのは、子供用アスレチック。あれだ、プラスチック製の組み立て式ジャングルジム。

 

『わーはは、どーよ十一くん。カッコいい?よしのんカッコいい?』

 

ジャングルジムの頂点に立ってはそう言って聞いてきた。

 

「うん可愛い」

 

『カッコいいじゃないんだ』

 

だって可愛いんだもんよ。

 

ともあれあそこは危険である。転んで落ちる、という意味もあるけど。

 

もう一つ。

 

『っと、わ、わわ・・・っ!?』

 

「よっ」

 

落ちる四糸乃を横抱きに受け止める。多少キツめな戦闘訓練のおかげで、これくらいは難なくできるようになった。

 

ちなみに、原作では助けに行った士道が落ちてきた四糸乃とキスをしてしまうトラブルがある。そんなもん俺が耐えられるわけないだろ(非リア)

 

『助かったよ、おにーさん』

 

「今度から気を付けなよ」

 

・・・本来なら、ここでキスしているシーンをシェルターから抜け出した十香が目撃、紆余曲折あって精神的に不安定な四糸乃が天使を顕現して暴れだし、ASTと交戦後に消失(ロスト)するという流れなのだが、あいにく、今回はそうならない。

 

なんせ攻略中のプレイアブルキャラクターが俺なのだから。

 

なのでま、このまま好感度を上げつつ次のデートの予約をして、って流れが理想的。

 

唯一、心配事があるとすれば、俺のルーレットの存在。これがASTにどんな扱いがされているのかがめっちゃ気になる。もし十香並に危険と判断されたら、俺の存在が露見した段階で即凸されるだろう。

 

怖いね。

 

「なぁ、もし良かったらさ」

 

次にこっちに来たとき会わないか、そう言おうとして、四糸乃を抱えて思いっきり横に飛んだ。

 

瞬間、デパートの一角が()()()()()

 

「<ハーミット>及び()()()()()を確認」

 

折紙?何しに来たんだ?まさか上が四糸乃相手に建物の破壊を許可した?

 

それとも───。

 

『逃げなさい十一!目標は<ハーミット>じゃない!』

 

「<ピエロ>の保護を開始する」

 

『あんたよ!』




実は十一の識別名に2時間くらい考えてた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。