意図せずウマ娘達から目の光を奪うお話   作:みっちぇる

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エチエチ寮長にポニーちゃんにされたいので初ウマぴょいです



第9話(サブトレ視点)

 どんな人、どんなウマ娘でも一つは誰にも打ち明けていない秘密があるだろう。家族、友人、例えどれだけ親密な関係であろうとも絶対に言えない、あるいは言いたくない自分だけの秘事が。

 

 だが自分を偽ってでも秘密を隠し通すということは、思った以上に辛いことだ。特に世間一般では非常識と思われているものならば、尚更秘密を打ち明けることなんて余計に躊躇してしまうはずだ。

 

 でも、内緒にしていたはずがいつの間にか誰かに知られていることだってある。

 

 ユタカがホームランを打てば、その日の深夜に毎回ケーキを頬張るメジロのお嬢様や、商店街の人たちが作ったキラキラな衣装を、誰もいない時にこっそり試着してエヘ顔を晒しているナイスなネーチャンなど、実はもうバレているとは夢にも思っていないだろう。

 

 かくいう俺だって、誰にも打ち明けられない秘密はある。多分誰にもバレてはいないとは思うが、俺の場合知られたらヤバイ。まずここをクビになる。いや、最悪塀の中にブチ込まれるかもしれない。

 

 だから、絶対に誰かに悟られてはいけないのだ。

 

 

 

 俺が年下の女の子にジト目で見られたら興奮するなどと。

 

 

 

 誤解がないように言っておくと、別に俺はロリコンでもドMでもない。ただ身体が無意識に反応するようになっただけだ。むしろ俺は被害者なのだ。

 

 いや、だってウマ娘たちってみんなカワイイし、俺みたいなトレーナーになれない落ちこぼれでも、ほとんど優しく接してくれる。

 

 そんな中で、少数のウマ娘が俺の事をたまにゴミのように見てきたら、男なら反応するのは当然だ!だから俺は悪くない!!(完全論破)

 

 ちなみにエアグルーヴは除外だ。あいつはたまにじゃなく常に俺のことをジト目で見てるからな。

 

 

 

 

 さて、そろそろ自分語りはやめて現実を見るとするか。

 

 目の前には俺をジト目スキーにした元凶の一人、ダイワスカーレットが怒ったような、悲しんでいるような、複雑な表情で詰め寄って来ている。

 

 これにはいつもスカーレットのジト目を楽しみにしている俺の息子も困惑気味だ。

 ほら、ちょっと掛かってるから落ち着こう?いきなり来るもんだからこっちも焦るだろ?

 

 また腹の調子が悪くなってきたので、胃薬を水と一緒に流し込もうとした瞬間、たまたまドアの方を見ると、俺に気付かれないようにそっと扉を開けてこちらを覗き込む顔にびっくりして咳き込んでしまった。

 

「ごほっ、ごほっ!!ビ、ビックリした〜!!気配消しながらこっち見るなよ!いきなり目が合って焦るわ!!」

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

 最近いきなり俺の部屋にウマ娘が多いな。嬉しいんだけど、あんまり俺を驚かそうとするのはやめようね?

 この間なんて気付いたら背後で俺の事を無表情で見下ろしているスズカを見た時は心臓が止まるかと思ったわ。

 

「いや、まぁ大丈夫だけど……それより何でそんな入り方したんだ?今まで通り普通に入ればいいだろ?」

 

「え?う、うん、そうね……」

 

 どことなく返事に歯切れが悪いスカーレットの姿に首を傾ける。いつも俺の言う事にプリプリ怒りながら反論するのに。今日の彼女は妙にしおらしい。

 

 ……あぁ、なるほどね。この前のトレーニングで俺に言った事を気にしてるのか。

 いつも強気で生意気に感じるスカーレットだが、根っこの部分は優しく仲間想いな彼女のことだ。大方少し言い過ぎたと反省しているに違いない。

 

「何か今日のスカーレット変だぞ?

……もしかしてこの間のこと気にしてるのか?

今更そんなこと気にする仲でもないし、あんまり悩み過ぎるなよ?スカーレットは笑ってる顔が一番なんだからさ!」 

 

「わ、分かってるわよ!!なに当たり前の事言ってるのよ!!」

 

「おっ!ちょっとはいつもの調子出てきたな!もうすぐ最後のレースが始まるんだしさ、俺に最高の走りを見せてくれよな!」

 

「ちょ、ちょっと!!最後ってなによ!?

まだアンタにはやる事がたくさん残ってるでしょ!!」

 

「あぁ……そうだな。ちゃんと終わらせないとなぁ……」

 

「なに弱気になってんのよ!!

アタシとの約束破ったら許さないんだからね!!一番速くて一番強い完璧なウマ娘……理想のアタシになれる様に手伝うって言ったじゃない!!」

 

 そうなんだよなぁ……もう今年最後のレースまで時間がないんだよ。

 先輩トレーナーたちはトレーニングで忙しいし、トレセン学園スタッフ総出で準備に取り掛かっているが、人手不足で予定より遅れている。

 俺も頑張ってURAファイナルズに向けてチームのサポートや、なぜかアルバム作成まで手伝っているが時間が足りない。お陰で日に日に体重が落ちる一方だ。

 

 なぜか少し涙ぐみながら部屋から出ていったスカーレットの後ろ姿を見送って、散らかっている部屋を見渡した後に深くため息を一つ付き、俺も後を追うように部屋から出る。

 とりあえず部屋の片付けは後回しにして、たづなさんからの用事を先に済ませよう。重い足取りのまま、たづなさんが待っている事務室へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「もう、サブトレーナーさん!これからはちゃんと確認してくださいね!私もビックリしたんですよ」

 

「す、すみません……」

 

 たづなさんに会うなり怒られてしまった……

 いやーまさか爺ちゃんの健康診断の結果を出してしまうとは……そりゃあビックリするよなぁ。ほとんど身体に異常しかないし。

 

 でも当の本人はよく病室を抜け出して看護師さんに怒られているらしい。前はレース場まで勝手に行って婆ちゃんと母さんにしこたま怒られていた。

 あれは後十年は生きるな……うん。

 

「明日には俺の健康診断の結果を持ってきますので。次は間違えないです!」

 

「もうパソコンにデータを移していますので、サブトレーナーさんの分を持ってきたらすぐ差し替えますね」

 

「すみません。よろしくお願いします」

 

 少し膨れっ面になって注意してくるたづなさんに、もう何度目になるか分からないプロポーズを心の中でした後、自室へと足を運ぶ。

 たづなさんに会ってやる気が上がり、体も不思議と力が湧いてきた。今ならどんなトレーニングだってケガすることなく行える気がする。体が軽い。もう何も怖くない。

 

「おい、貴様!なんだこの部屋は!?こんな状態で仕事ができると思っているのか!?」

 

「ハイ、ゴメンナサイ」

 

 ドアを開けたらラスボスが待ち構えておりました。

 なんで女帝様がここにいるんだ?タイミングが悪過ぎる!

 折角やる気が上がったのに一気に絶不調になったよ……クソっ!お前のやる気も下げてやろうか!?

 

「貴様は私が見ていないとすぐにだらけようとするな。

やはり私が徹底して指導してやらねばならんようだ」

 

「い、いえ!エアグルーヴさんもお忙しいと思いますし大丈夫です!はい!」

 

「生憎今日はオフなんでな。仕方なく貴様を手伝ってやることにした」

 

 鋭い目つきと肩まで揃えられた黒髪、抜群のプロポーション、更には頭脳明晰とまさに女帝と言うに相応しい彼女は、とてもいい笑顔で俺に言い放つ。

 すごくイキイキとしているように感じるのは俺の気の所為だと信じたい。

 

「ついでに貴様に聞きたいこともあるからな。早く作業に取り掛かるとしよう。さっさと準備しろ!!」

 

「は、はい!!了解です!!」

 

 貫禄がありすぎてどちらが年上か分からなくなる。もしエアグルーヴと付きあってもずっと尻に敷かれるだろうな。いや、意外とこういう娘はムッツリの可能性も……あ、いえ!なんでもないです!

 

 

 

 

 

 

 ストレス解消が掃除をすることなエアグルーヴは実に嬉しそうにテキパキと部屋の片付けを行っていた。気付かなかったが、シミ取りまで持って来ていたので本格的に掃除をするつもりだったのだろう。

 正直一人でやるのは辛かったので彼女が来てくれたのは助かった。

 

「あぁ、貴様に聞きたいことがあるんだった。

最近会長の様子がおかしいんだが、何か知っているか?」

 

「ルドルフが?うーん……前より俺に過保護になったような気がするだけで、特に分からんなぁ」

 

「それは貴様がだらしないだけだろう。まったく……ん?おい貴様!きちんと食事を摂っているのか?顔がやつれてるぞ」

 

「うん?あぁ、ちゃんと食べてるよ。この忙しい時期に倒れたりしたら大変だからな」

 

「……それならいいが。……休むことも仕事だ。休める時はしっかり休めよ」

 

「分かってるよ。というか言ってることが母親みたいだぞ」

 

「ハッ、貴様が私の子供なら一から厳しく躾し直してやる」

 

「うわぁ、それは勘弁……でもエアグルーヴならいい母親になりそうだな」

 

「ふんっ、……ん?少し待て、電話だ」

 

 ほんのり赤くなってる頬が照れを隠しきれていないのがよく分かる。でも指摘したら教育ママのように怒ってくるのが目に見えているので黙っておく。

 

 しばらくして電話を切り終えた後、せっかく機嫌が良かった彼女の表情が険しいものに変わっていった。

 

「ブライアンのやつが生徒会の仕事を放ったらかしてどこかに行ったようだ。悪いが貴様の手伝いはここまでだ」

 

「これだけでも充分だよ。ありがとう!」

 

「今度から定期的に掃除をしておけ。こんな状態では効率的に仕事が出来んぞ。

それと最後に一つ。スズカのことをよく見ておけ。少し前に話掛けたが、スズカのやつ気が張り過ぎていたぞ」

 

「スズカが?……わかった、沖野トレーナーにも話をしておくよ」

 

 俺の言葉に小さく頷いて部屋を出ていくエアグルーヴ。彼女のおかけでだいぶ片付けが進んだ。後は一人でも充分やれる範囲まで終わっている。

 

 ただ心配なのが、ルドルフとスズカの様子がおかしいというこだ。ただ単にレースに向けて気を張りすぎてるだけならいいんだが。俺の方からも注意しておこう。

 

 それにしても今日のエアグルーヴは優しかったな。

 やはり時代はバブみを感じる女性か?でもクリークくらいまでいき過ぎるとちょっとなぁ。

 

 結局その日はジト目かバブみか、両者一歩も譲らず結論は出ることがなく、片付けなど進むはずがなかったのであった。




投稿が遅れると新しい娘がどんどん実装されプロットを作り直して話数が増えていく

……あれ?別に話数増やさなくてもいいのでは?(おめめぐるぐる)
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