GOLD SHIP RUN   作:パイマン

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私は小説を書く時、事前にシナリオを完全には考えずに書きながら整合性を取っていくタイプなので、今回の作品ではボスキャラであるシルバーバレットのキャラの方向性を一人称アンケートで決めた時に、話の方向性も決まりました。
『一人称【私】=カリスマボスに敗北からのスポ根路線』って感じですね。
もしも他のタイプだったら、
『一人称【オレ】=汚い手も使う野心満々ライバルキャラとの喧嘩レース』
『一人称【ボク】=分からんけどなんか湿った怪文書』になってたかも。
1番最後のが採用されなくてよかったって思うワケ。


#7「ゴールド・シップ・ラン」

 ――『LESSON5』は存在しない。

 

 仮にそんなものが存在したとしても、ジョニィはそれを知らなかった。

 あるいは彼に『回転の技術』を活かす為の、何か『特別な力』があったのなら話は違っていたかもしれない。

 あるいは、その『特別な力』を更に昇華させる必要に迫られるような状況に追い込まれていたならば。

 しかし、ジョニィにとって『回転の技術』とは自分が歩けるようになる為に必要な技術であり、その為に探求する努力はしても、それ以外のことに使おうという発想はなかった。

 ジョニィ・ジョースターをそこから先に導く前に、ジャイロ・ツェペリはこの世を去った。

 だから、ジョニィの『回転の技術』は進化しなかった。

 そこまでがジョニィの限界だった。

 

 ――LESSON4から先へと導く為の言葉も、可能性も、ジョニィは知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 パドックでのお披露目を終えた後から、ゴールドシップは一言も喋らなくなった。

 レースの時間が近づいてきている。

 何をどう足掻こうが、今日で『決着』はつくのだ。

 シルバーバレットに敗北して以来、彼女を苦しめてきた『呪い』は今日晴らされる。

 勝利によって呪いに打ち勝つか、敗北によって魂が挫折するかの2つに1つだ。

 そして、今のゴールドシップには後者の未来しか見えていないことを、ジョニィは理解していた。

 レース場へと続く地下通路。

 ゴールドシップとジョニィは、ここまで一言も交わさずに進んでいた。

 結局、ゴールドシップは『黄金の回転』を習得出来なかった。

 それ自体はジョニィも薄々と予期していたことだった。

 自分がそうであったように、精神が追い込まれる極限状態にまで至らなければ『黄金長方形』の秘密に気付くことは出来ないだろう。

 しかし、弱りきった彼女をそんな状況へ放り込むことにしか勝機を見出せないのは、間違いなく自分の不甲斐なさのせいだ。

 ジャイロから学んだことをそのまま伝えることしか出来ない、自分の無能を心底呪った。

 もうこれ以上、どう導けばいいのか分からない。

 だが、このまま何も言葉を掛けずにレースへ送り出すことだけは出来なかった。

 

 ――『トレーナーが信じなければ、ウマ娘は走れない』

 

 スローダンサーは言っていた。

 トレーナーとして、ゴールドシップを『独り』で走らせるわけにはいかない。

 それだけは確かだった。

 

「……ゴールドシップ、今回のレースだけど」

 

 ジョニィは言いかけ、それ以上上手く言葉が形にならず、大きくため息を吐いた。

 

「……何だよ?」

 

 歩いている間ずっと前だけを向いていたゴールドシップは、そこで初めてジョニィと眼を合わせた。

 ジョニィは少しの間考え、そして今更考えたところで何も良い案など浮かばないのだと悟った。

 考えたって仕方がないのなら、今の内に言いたいことだけ言ってしまおう。

 ずっと、ゴールドシップに伝えたかったことを。

 

「ゴールドシップ、もしもスタートをミスったとしても気にするなよ」

「……オイ、ジョニィ。ソイツはちょいとアタシをバカにしすぎじゃねーか? ここに至ってスタートなんかで躓くと思うのかよ」

「気を楽にしろってことさ。君の得意な『追い込み』は、序盤は後方に控えるのが前提なんだ。何なら、最後尾から攻めたって勝機はある」

「アタシが本調子じゃないからって、フォローが雑過ぎるぜ。いくら作戦でも、シルバーバレットのスピードに最後尾から追いつくのは無理だってことくらい分かるだろ」

「僕が言いたいのは、一見遠回りのように見えても実はそうじゃないってことなんだ」

 

 ジョニィの脳裏に、今日この時に至るまでの記憶が過っていった。

『SBR』レースに参加し、そして敗北した日のこと。

 失意の中、偶然日本を訪れてゴールドシップと出会った日のこと。

 彼女の走りに魅せられたこと。

 彼女の敗北。

 自分の敗北。

 そして、あの日から今日という決着の時に至るまで渡り歩いてきた日々を。

 

「『LESSON5』だ……そう、確か。次は『LESSON5』だ、ゴールドシップ」

「え……何だって?」

 

 ジョニィの突然の言葉に、ゴールドシップは戸惑いながら問い返した。

 

「僕が『SBR』レースに参加したのは、自分の人生を『ゼロ』に戻す為だった。いつだって、その目的の為に最短の道を試みていた。ジャイロを追いかけたのも、彼から『回転の技術』を学ぼうとしたのも、全部最短の道だと思ったからだ。全てを投げ捨ててでも進もうと思った。そうすることが、一番早く目的に辿り着く道だと思っていた」

 

 ジョニィはゴールドシップの瞳を見つめながら続けた。

 

「だけどそうじゃなかった。『一番の近道は遠回りだった』『遠回りこそが僕の最短の道だった』――」

 

 ゴールドシップには、ジョニィの言っていることの意味が理解出来なかった。

 急に何を言っているんだ?

 彼が与えた『LESSON4』すら理解できていないのに、何故今頃『LESSON5』を?

 

「『SBR』レースで負けて、今再びこのレースの場に立ち会うまでの間ずっとそうだった。そして、君に出会えたからその道を渡って来れた」

 

 何を言っているのか分からない。

 しかし、その告白は、何故か強く胸に迫るものがあった。

 

「あのレースで敗北して、僕の歩みは止まったのだと思っていた。敗北したゴールの先に続く道はなかったのだと……」

 

 彼が自分に限りない『感謝』を伝えようとしている意思だけは、痛いほど理解することが出来た。

 

「だけど、そうじゃなかった。あのゴールは『君と出会う道』に繋がっていた。僕にとって『一番の近道』だった」

「ジョニィ……」

「いいな、ゴールドシップ。LESSON5は『遠回りこそが最短の道』だ。それだけ、忘れないでくれ」

 

 そう言って、ジョニィは右手を伸ばした。

 初めて彼女のレースを見た後、そうしたように。

 ゴールドシップはその手をしばらく見つめた後、躊躇いがちに自分の手を差し出した。

 そうして、2人はもう一度あの時のように固く互いの手を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 最初のコーナーを抜けた時点で、シンボリルドルフは3番手の位置にいた。

 これは当初の予定通りだった。

 今回のレースで1番注意すべきは、言うまでもなくシルバーバレットである。

 これまでのレースの傾向からして、彼女が『ゴール直前で差し切る』という劇的な演出を狙った作戦で来ることは予想がついていた。

 彼女自身の類を見ない強烈な末脚からも、得意とする戦法であることが分かる。

 そこに自身の勝機も踏まえての『先行』作戦を、シンボリルドルフは選んだ。

 しかし、同時にこの作戦を『選ばざるを得なかった』という、ディエゴとシルバーバレットの思惑通りだということも理解している。

 シンボリルドルフにとって、シルバーバレットとの間に最も差を感じるのはやはり『経験』である。

 こちらの『クセ』は徹底的に研究されているはずだ。

 そして、それ以上に彼女の持つ『ライン』を読み取る能力は対処のしようがない。

 この能力に関しては、恐らく自分よりも上だろう。

 シルバーバレットの選ぶ道こそが最も速く効率的に走れる『ライン』であり、一度抜かれれば、それ以上の有利な『ライン』を見つけ出さない限り追い抜くことは永遠に出来ない。

 ゆえにこその『先行』だった。

 シルバーバレットよりも前のポジションを維持しながら、ゴールまで抜かれることなく走り切るしか勝機はない。

 それは一度でも『ライン取り』をミスすれば敗北するギリギリの綱渡りの作戦だったが、シンボリルドルフに精神的な動揺はなかった。

 ただ冷静に、己の勝ち筋を見極めてそこを走り続けている。

 距離的にレースの序盤が終わろうという段階でも、シンボリルドルフは正確に周囲の状況を把握出来ていた。

 彼女より更に前を走る2人のウマ娘は、今はまだその速度と位置を維持出来ている。

 自分やシルバーバレットと地力で劣ることを理解しているのであろう彼女達が、駆け引きを避けて『逃げ』の作戦を選んだのは賢明な判断だ。

 

 ――しかし、あの2人は早ければ中盤で失速するだろう。

 

 普段はウマ娘達の幸福を想うシンボリルドルフも、レースの中では冷徹な思考を巡らせていた。

 逃げるウマ娘は、後方から追い上げるウマ娘達のプレッシャーに常に晒されることになる。

 背後に迫る気配は精神を揺さぶり、疲れが出始める後半ほど動揺は大きくなるものだ。

 積み重なる疲労が自分自身に『もうスピードは上がらない』『これからどんどん脚が遅くなる』と呪いのように囁きかけてくるのだ。

 ましてや、このレースで背後を走るのはシンボリルドルフと、何よりもシルバーバレットである。

 シルバーバレットの放つプレッシャーは、もはや殺気と表現してもいいものだ。

 追いつかれれば食い殺される。

 そんなイメージを纏わりつかせる、怪物の如き気配が後方から徐々に迫ってくるのだ。

 並のウマ娘ならば、スタミナ配分も何もかも忘れて、ただガムシャラに走ることしか出来なくなるだろう。

 レース序盤とはいえ、未だに『逃げ』という作戦を冷静に維持出来ること自体、先頭の2人がこのレースに選ばれるだけの実力者であることを証明している。

 しかし、それも恐らく終盤まではもたない。

 何故なら、シルバーバレットに加えてこの自分がいるからだ。

 この『皇帝』シンボリルドルフが走っているからだ。

 レースで走る以上、誰かに勝ちを譲る気はない。

 

 ――目の前の2人を抜き去り、シルバーバレットには自分の背中を睨ませたままゴールしてやる。

 

 シンボリルドルフは覚悟と闘志をもって、レースを走り続けていた。

 

「どうする、ゴールドシップ……?」

 

 スタートで盛大に出遅れたゴールドシップのことも、シンボリルドルフは把握していた。

 彼女が明らかに本調子ではないことも知っている。

 しかし、だからといってそれ以上の意識を割くことはなかった。

『これ』は自分の勝負で、『あれ』は彼女の勝負だ。

 彼女が自分の走る位置まで追いつかない限り、この2つが交わることはない。

 

「このまま、私達の背中を眺めたままレースを終えるか!?」

 

 生徒会長として、彼女の復活を願う自分もいる。

 1人の選手として、この場にいる全てのウマ娘から勝利を奪い取る決意を固めた自分もいる。

 2つの信念を矛盾なく1つに束ね、シンボリルドルフは勝利を目指して疾走を続けた。

 

 

 

 

 

 

 最初のコーナーを抜けた時点でも、ゴールドシップは最後尾に甘んじ続けていた。

 スタートの遅れを取り戻す為に、ペース配分も無視して全力で走ったつもりだったのに――。

 

(クソッ……!)

 

 手足が思うように動いてくれない。

 上手く息が出来ない。

 全身がまるで油を挿し忘れて壊れる寸前の歯車のようだ。

 肉体のあらゆる動きが全く噛み合っていない。

 

(クソッ! クソォォッ!)

 

 やっとの思いで縮めた距離は、誰かを追い抜くどころか最後尾からまだ4バ身近く離れていた。

 そこから一向に距離を縮めることが出来ない。

 出来ないまま、息だけが上がっていく。

 身体の何処かに穴が開いてスタミナが漏れ出ているのはないかと思う程、猛烈な勢いで力が抜けていく。

 シルバーバレットに追い縋るどころの話ではない。

 目の前にあるウマ娘の背中にすら手が届かない。

 前へ前へと急き立てる焦燥だけが肉体の内で空回りしていた。

 

 ――手足は思うように動かず。

 

 ジョニィの言った通りだった。

 

 ――疲れは普段より何倍も早く、重く感じるようになるだろう。

 

 ジョニィの言った通りだった。

 

 ――そうして何も考えられなくなった時、君は敗北する。

 

 このままでは、全てジョニィの言った通りになってしまう。

 ゴールドシップは必死で手足を動かしながら、思考も途切れさせないようにした。

 考えるのをやめれば、そこで全てが終わってしまう。

 それだけは確実だと理解している。

 しかし、何を考えればいいのか分からない。

 頭の中で、これまでの記憶が無作為に飛び交っては、断片だけを残して消えていく。

 この状況を打開するには『黄金の回転』しかない。

 ジョニィの言っていた『黄金長方形』を見つけ出さなくては――。

 

(こんな状態でどうやって見つけ出せってんだよ、ジョニィ!? 見つけたとして、それから……!?)

 

 こうして走りながらも、フォームには常に意識を向けている。

 ジョニィとのトレーニングで矯正したフォームを可能な限り再現しながら走っている。

 それでも、この状況を打開出来るパワーが宿っている実感はまるでなかった。

 

(ダメなのか……やっぱり!)

 

 噴き出す汗が鉛のように重く全身を覆っていく。

 必死で呼吸をしているのに、肺に空気が上手く取り込めない。

 諦めと絶望が両脚を絡め取ろうとしてくる。

 

(アタシは、このままシルバーバレットと勝負すら成立することなく負けるのか……ッ!)

 

 どうすることも出来ない悔しさから涙が溢れてきた。

 

(最初からこのバックルを使わせてくれれば、こんなことにはならなかったんだ!)

 

 勝負服のベルトに装着されたバックルに一瞬視線を落とす。

 しかし、レース中にそれ以上のことが出来るわけもない。

 何故、ジョニィが今更になってこのバックルを渡したのか理解出来なかった。

 せめて、もう少し早かったのなら――。

 

(例えこのバックルが『黄金長方形』のコピーだったとしても、練習しなけりゃ回転なんていきなりできるわけがねぇだろッ!)

 

 ――その時。

 

(できる……わけが?)

 

 ゴールドシップは不意に引っ掛かりを覚えた。

 今、自分が自然に考えたこと。

 無意識に巡らせた思考の中に、何か無視の出来ないキーワードがあったような気がする。

 何故、ジョニィはこのバックルをすぐに渡さなかったのか?

 

(……『できない』と4回言ったら。ジャイロ・ツェペリの一族が見出した……待てよ)

 

 ジョニィはあの時『全て説明した』と言った。

 自分が『黄金長方形』を回す為の要素を全て伝えたと判断したのだ。

 答えを導き出せるキーワードは揃っているはずなのだ。

 

(そうだ、自分で言ったじゃねぇか……『このバックルはコピー』だと。ジョニィも『黄金長方形の比率でデザインされた』物だと……)

 

 バックルについて、当たり前のように受け入れてしまっていた。

 これが『黄金長方形のコピー』だというなら、一体何を目安にして作ったコピーなのだろう。

 このコピーを作る前にあった『もの』は?

 

(待て……待て待て待て! 分かってきた! そーいやぁ、芸術家やジャイロ・ツェペリの一族が『黄金長方形』を見つけたというなら、それは何処から学んだんだ?)

 

 万人を感動させる芸術作品に秘められているという『美しさの基本』であり『黄金長方形』の比率。

 しかし、その芸術品を作った芸術家も、その芸術品から見出した者達も、最初は一体何処で、誰から、それを学んだのだろう。

 学者から聞いたり、定規で測ったわけではないはずだ。

 それは、このバックルのように『コピー』であり『本物』ではない。

 一体、最初に『誰が』『何処から』発見した……?

 

(――『本物』があるはずだ!)

 

 ゴールドシップは眼を見開いた。

 

(このバックルのような『定規で測ったコピー』ではなく、『本物の黄金長方形』でなければ『黄金の回転』は回せないんじゃ……!?)

 

 いつの間にか、息苦しさも身体の重さも忘れて思考に没頭していた。

 涙で滲み、狭くなっていた視界が一気に開ける。

 グズグズしている暇はない。

 答えが見えかけてきた。

 探すんだ。

 

 ――『本物』を探せ。

 

 自分の眼で。

 

 ――『本物』を見なければ回転しない。

 

 ジョニィが、そしてジャイロ・ツェペリの一族が伝えようとしていたことが、ようやく分かりかけてきた。

 与えられた言葉の1つ1つが意味を持ち始める。

 

(LESSON4は『敬意を払え』だ……何に対して敬意を払う? 『本物の黄金長方形』が秘められた敬意を払うべきものってのは何だ?)

 

 芸術とは人が作り出したものだ。

 その芸術の見本となるものが存在するとしたら、それは世界に最初から存在する『自然』や『生命』に他ならない。

 歴史の芸術家達が、自らの生きる世界に敬意を払った深い洞察から生まれた比率。

 彼らが学んだものと同じスケールで『黄金長方形』を見つけ出す。

 自然や生命の中に隠された黄金のように美しい比率を――。

 

「ジョニィ……アタシが今、見ているものでいいのか……?」

 

 ゴールドシップは思わず、この場にはいないジョニィに語り掛けていた。

 

「今までにも! すでに! さっきからも! 見ているもので!?」

 

 ゲートに入ってから、レースが始まった後も、まるで気付かなかった。

 あるいは、それよりずっと前から、気付くチャンスはあったのに視界にすら入れなかった。

 未来の敗北に怯える自分自身にしか意識を向けなかったからだ。

 

「『本物』の長方形はこれでいいんだなッ!」

 

 ゴールドシップの視界には、当たり前の世界が広がっていた。

 当たり前だからこそ、普段は気にも留めない風景。

 敬意を払うべき自然と生命に溢れた世界だ。

 上空は抜けるような青空。

 長大なターフ。

 周囲を囲む観客席には無数の人々。

 同じコースを走る17人のウマ娘達。

 ゴールドシップはこの時初めて、自分の走る世界を認識したような気がした。

 

「ああ、そうだ……『LESSON5』だ」

 

 その眼には、もはや完全な形の『黄金長方形』が映っていた。

 ゴールドシップは走ることが本能のウマ娘だ。

 優れた感性を持った芸術家などではない。

 しかし、ウマ娘である彼女だからこそ洞察力が最も深く発揮される対象が目の前にある。

 レースの中で、いつでも彼女の心を熱くさせるものだ。

 そこには『美しいもの』があった。

 ピカピカに光って走る、世界で『最も美しいもの』があった。

 選ばれた者だけが走れるレースの世界に身を置く為、そしてその先にある勝利と栄光を掴む為、鍛え上げたウマ娘達の肉体。

 それは万人を感動させるだけの芸術に等しいもの。

 彼女達が汗と努力の果てに得た肉体に、等しく『黄金長方形』は宿っていた。

 

 ――何故、あの時になってジョニィは『LESSON5』を口にしたのか?

 

 ジョニィは間違っていなかった。

 スタートで出遅れたからこそ。

 彼女達の後ろを走っていたからこそ。

 この事実に気付くことが出来た。

 

「ジョニィの言う通りだった。『遠回りこそ最短の道』だった……ッ!」

 

 肉体の内側で、何かが噛み合ったような気がした。

 全身でチグハグに動いていたあらゆる部分が、1つの規則性を持って高速で『回転』し始めたのを感じる。

 それは文字通り『歯車が噛み合った』ような感覚だった。

 急に呼吸が楽になった。

 手足が自由に動く。

 疲れが何処かに吹き飛んだ。

 ここに至るまでに失われた力の代わりに、四肢の描く『黄金の回転』によって生み出された『無限のパワー』が、ゴールドシップの走りに限りないエネルギーを漲らせていた。

 

「見えたぞッ! 見えてきた、ジョニィッ!」

 

 透き通るように明瞭になった思考と視野に、レースの世界が見えてきた。

 今の時点で距離的には半分を過ぎ、レースの中盤に差し掛かっている。

 長距離の場合、レースの展開はどうしても縦に長く伸びやすい。

 最後尾であるゴールドシップと先頭集団までの間には、もはや追い上げるのは絶望的とも思える距離が開いていた。

 終盤に向けて加速するシルバーバレットと、彼女が見極める理想的な『ライン』を越えてゴールに至る可能性は限りなく細く、小さい。

 

「勝利の感覚が見えてきたッ!」

 

 しかし、ゴールドシップの心と行動には、もはや一点の曇りもなかった。

 遠回りこそが最短の道だ。

 レースのこの瞬間、この場で目を覚ましたことが、シルバーバレットに迫れる唯一の勝機なのだと確信していた。

 涙の浮かんでいた瞳から、黄金の輝きが溢れ出す。

 心が叫ぶ。

 

 ――ここからだ!

 

 かつて、初めて彼に見せた時のように。

 

 ――見とけよ、ジョニィ!

 

 ゴールドシップの黄金のような走りが始まった。

 

 

 

 

 

 

 何十万もの観客の中で、そのレースの変化に気付いた者は少なかった。

 縦に長く伸びた走者の列で、人々が自然と注目するのは先頭集団のデッドヒートだ。

 シンボリルドルフとシルバーバレットの対決に誰もが意識を向けている。

 だからこそ、ほとんどの者が気付かなかった。

 ましてや、最後尾のゴールドシップに起こった変化に気付けた者はごく一部だった。

 終始ゴールドシップから眼を離さなかったジョニィが、一番に最初に気付いた。

 

「出来ている……」

 

 この場で唯一『本物の黄金長方形』を知っている彼だけが気付いて、大きく息を呑んだ。

 

「長方形の中に……。やったぞ……『形』が出来ているぞ!」

 

 ジョニィは思わず拳を振り上げて、歓喜の声を上げた。

 次に、すぐ傍にいるメジロマックイーンがゴールドシップの様子の変化に気付いた。

 

「あれは、スピードが徐々に上がって……いえ、ゴールドシップさんの身体が光って……!?」

 

 眼の錯覚かと思った。

 メジロマックイーンは『黄金長方形』や『黄金の回転』のことを知らない。

 しかし、ゴールドシップの走り方が明らかに変わったことには直感的に気付くことが出来た。

 まるで地上で溺れているかのように、喘ぎながら必死で手足を動かしていた先ほどの様子からは一変している。

 四肢には力が漲り、歪んで見えたフォームは完成された芸術品のような美しさすら感じた。

 そして何より、彼女の肉体から黄金に輝くエネルギーが迸っているのが見えた。

 我が眼を疑って一度瞬きすれば、それはやはり幻であったかのように見えなくなってしまう。

 しかし、確かに――。

 ゴールドシップの走りには、かつてない力が漲っていた。

 無限に溢れ出すかのようなパワーが。

 

「『形』が出来ているぞ、ゴールドシップ! 『黄金長方形』の形の中に、今……君がいる!」

 

 ゴールドシップの四肢が完成された回転の円を描くのをジョニィの眼は捉えていた。

 初めてのレースで魅せられたあの黄金のような走りが、長方形の中にピタリと合致している。

 

「で、でも……これは、どうなりますの!?」

 

 ジョニィの見ているものが理解出来ないメジロマックイーンにも、レースの中で計り知れない現象が起こっていることだけは感じ取れた。

 ここまでの不調が嘘のように、ゴールドシップは速度を上げて追い上げを図っている。

 しかし、それが勝利に繋がるのかどうかは判断出来なかった。

 レースはまだ中盤を過ぎた辺りだ。

 この時点で追い上げを始めるようなロングスパートで、果たしてゴールまでスタミナがもつのか?

 同時に、最後尾から先頭まで辿り着くには、これ以上遅くスパートをかけても間に合わないとも感じる。

 スタート時の出遅れが痛すぎたのだ。

 単純に距離が開きすぎている。

 しかし、やはり勝負を仕掛けるには早すぎる気がした。

 レースの終盤になれば、確実に脚を残しているだろうシルバーバレットやシンボリルドルフも加速する。

 17人もの走者を抜き去った上で、更にそれを越えるだけのスタミナとスピードを発揮出来るのか。

 そして、シルバーバレットが選んだ最適なコースを超える『ライン取り』は可能なのか――。

 

「それでいい! 君自身が『良い』と思うように走れ!」

 

 メジロマックイーンの不安を、ジョニィの力強い声援がかき消した。

 

「シルバーバレットも、シンボリルドルフも気にするな! 彼女達の選んだラインなんて見えなくていい! 君自身が、このターフの上を自然体で走って喜ぶように――」

 

 ジョニィは声の限り叫んだ。

 自分の信じるウマ娘の為に。

 ゴールドシップの走りが辿り着く勝利の為に。

 

「君の納得がいくまで『良い』と思うように走れッ! ゴールドシップ!!」

 

 

 

 

 

 

(ただ走るってだけのことが、こんなに気持ちのいいもんだったのか)

 

 ゴールドシップは思わず笑いそうになった。

 何の遠慮もなく全力で手足を動かしてターフを走るという喜びを、久しく忘れていた。

 目の前には現実だけがある。

 シルバーバレットの幻影など存在しない。

 敗北の後悔も、勝利への焦燥もない。

 ただ自由だけがあった。

 この大地と空の下を、好きに走り回っていいという自由への感謝があった。

 

(現金なもんだな。ほんのちょっと前までは、スタミナがもつのか不安でゴールまでの距離を長く感じてたんだが――)

 

 今はもう、何処までも走っていきたい。

 ようやく、かつての自分の走り方を思い出せた。

 そして同時に、このまま走り続けるだけではシルバーバレットに決して勝てないことも理解していた。

 

(『黄金の回転』……これでようやく『五分』ってところだ。あのヤロウをぶち抜く為には、これだけじゃあ足りない)

 

 シルバーバレットの『実力』に拮抗したとして、そこから更に差を詰めるには奴の『経験』を超えなければならない。

 その為の具体的な考えがあるわけではなかった。

 しかし、ゴールドシップの中に不安や諦めといった類のものは、もはや欠片も存在していない。

 シルバーバレットに対して『勝てない』などと嘆く弱気は吹き飛んでいる。

 かつて初めて対峙した時と同じ、燃え上がるような闘争心が彼女の中に蘇っていた。

 

(完膚なきまでに叩きのめしてやるぜ。『ライン取り』の『ミス待ち』で勝つなんてレベルが下だ! 向こう100年間はアタシに挑んで来たいとは思わせないような勝ち方をしてやるぜッ!)

 

 スピードを上げながら、前を走るウマ娘達を次々と抜き去っていく。

 ゴールドシップの驚異的なロングスパートを、彼女達は呆然と見送ることしか出来なかった。

 スタミナへの不安や、終盤に向けて脚を溜めようという考えもある。

 しかし、何よりもゴールドシップの加速し続ける走りに圧倒されていた。

 単なる力任せのスピードではない。

 集団の隙間を、無理なく、そして最短のルートで走り抜けていく。

 

 ――それでいい。君自身が『良い』と思うように走れ。

 

 ジョニィの声が聞こえたような気がした。

 もちろん気のせいに決まっている。

 彼が観客席の何処にいるかなんて分からないし、今は最後のコーナーに入ったばかりだ。

 何十万もの声援の最中、こんな距離まで1人の人間の声が届くわけがない。

 

 ――シルバーバレットも、シンボリルドルフも気にするな。彼女達の選んだラインなんて見えなくていい。

 

 だが、聞こえた。

 確かにジョニィの声が聞こえた。

 彼が傍にいるような気がした。

 

(そうだ……アタシはこれでいい。この『ライン』でいい)

 

 ゴールドシップは自分が走るべきラインを見ることにだけ集中した。

 内から行くか、外から行くか。

 誰と誰の間を抜けるのか。

 幾つもの可能性とルートが見える。

 その中から、最も良いと思えるものを選ぶ。

 この能力と経験において、シルバーバレットやシンボリルドルフの方がずっと優れているのだろう。

 彼女達の行く道をなぞらないということは、あえて『厳しい道』を行くということだ。

 

(厳しいな……だけど、そこは『アタシだけが行くライン』だ)

 

 その道には滞るものは何もなく、滑らかに回転するかのような自分だけが『なじむ道』だ。

 シルバーバレットのラインなんて見えなくていい。

 周囲の歓声や自分の足音も聞こえなくなっていく。

 先を行く他の選手達さえ消える。

 

(アタシだけの『気持ちのいい道』だ!)

 

 ゴールドシップは、その道を走った。

 ただ無心で走った。

 自らの研ぎ澄ました『センス』が導くまま、前へ。

 

(この道の進む先にある……)

 

 ゴールという名の。

 

(光があるはずだ……)

 

 勝利という名の。

 

(光を探せ!)

 

 ゴールドシップは『光』の中へと走っていった。

 

 

 

 ――君の納得がいくまで『良い』と思うように走れ。

 

 

 

 

 

 

 最終コーナーを抜けて最後の直線へと入る段階――この時点でレースのクライマックスの舞台は整えられたと言ってよかった。

 このコーナーに入る直前まで先頭を維持していた逃げウマ娘の2人はよく健闘したと言えるだろう。

 しかし――そして、やはり。

 観客達が思い描いていた通り、ついに逃げ脚が衰えて失速する彼女達を2人のウマ娘が追い抜いた。

 

『最終コーナーに入って、シンボリルドルフが先頭に躍り出た! そのすぐ後をシルバーバレットが続きます! やはり、この2人の一騎打ちだッ!』

 

 それがまるでこのレースの予定調和であったかのような実況が響き渡る。

 観客達のほとんどが、もはや2人の対決に釘付けだった。

 

『皇帝の力が世界を制するのか!? 世界の広さが皇帝を呑み込むのか!? 最後の直線に入りました!』

 

 コーナーの内側で脚を使い果たして失速していく逃げウマ娘の2人と、これを呑み込んでいく後方のバ群。

 レースの展開はシンボリルドルフとシルバーバレット、そしてそれ以外という形になりつつあった。

 

『シンボリルドルフが先頭、シンボリルドルフが先頭です! また差を詰めてシルバーバレット! ――あっ』

 

 その時、白熱する実況にあるまじき間の抜けた声が混じった。

 しかし、それを気にする者はいなかった。

 誰もがその姿を見た時『あっ』以外の言葉を失った。

 誰も注目していなかったのだ。

 レースの後方で集団に飲み込まれ、決戦の舞台に足さえ掛けられなかったウマ娘の存在など。

 

『そ、その内からゴールドシップが上がってきた! ゴールドシップですッ!!』

 

 自分で口にした言葉が信じられないかのように、実況は驚愕に震えながら繰り返した。

 先頭を行く2人よりも後ろでは、混沌とした集団が形成されていた。

 最後の望みを託して全力を振り絞ったウマ娘達が後方から追い上げ、前方からは失速した2人のウマ娘が合流する。

 その2つの流れがぶつかり合う混乱を裂いて、眼に映える真紅の勝負服がぬっと姿を現したのである。

 スタンドで直に見ていた観客達も、テレビで観戦していた者達も、誰もが完全に意表を突かれた登場だった。

 

『まるでワープでもしたかのように現れました! 最後尾を走っていた黄金の船が突如として浮上したッ!』

 

 予想外の展開に、驚愕とそれ以上の期待をもって熱狂する観客達。

 そんな周囲の喧騒を無視して、ゴールドシップは更に鋭く踏み込んだ。

 

『シルバーバレットがついにシンボリルドルフと並んだ! しかし、ゴールドシップが凄まじい勢いで追い上げる――!』

 

 

 

 

 

 

「……何だ?」

 

 シルバーバレットは感じた。

 

「何か……おかしい?」

 

 シンボリルドルフは思った。

 

 ――『違和感』がある。

 

 それは2人が共通して覚えた感覚だった。

 極限にまで集中していたシルバーバレットとシンボリルドルフは、レース全体の状況を把握しながら、もはや勝負は自分達2人だけの領域に達したと考えていた。

 2人の競い合う空間は周囲からは切り離されているかのように無音だ。

 聞こえるのは自分の音と、相手の音だけ。

 ゴールはもはや目の前。

 先行するシンボリルドルフと、それを差そうと迫るシルバーバレット。

 実力は伯仲している。

 決戦の最終段階で向き合うべきは、お互いに1人だけだ。

 しかし、その領域に『何か』が入り込んできた。

 お互いに、自分自身と相手の走行のリズムは完全に把握している。

 しかし、『何か』……おかしい。

 この音は何だ?

 この静かに迫りくるような気配は――?

 

「何ィ!?」

 

 それを視界に入れたシルバーバレットは驚愕の声を上げた。

 肩越しに振り返るまでもなかった。

 そのウマ娘は、もはや肩を並べる寸前にまで肉薄していた。

 

「ゴールドシップッ!? 貴様……!?」

「いつの間に!?」

 

 シルバーバレットとシンボリルドルフは、自分達だけだと思っていた領域へと侵入した存在にようやく気付いた。

 

「……あん!? なんだァ、オメーは! いつの間に、アタシの前を走ってやがる!?」

 

 そして、不思議なことにゴールドシップの方もたった今シルバーバレットが目の前にいることに気付いて、驚きの表情を浮かべていた。

 

「何で2人して『アタシの道』を走ってやがる! どけッ!!」

「な、なんだと!?」

 

 ゴールドシップは、自分が先頭に追いついたという自覚すらないようだった。

 あるいは、追い抜こうという意思さえなかったのかもしれない。

 ただ、自分の走る先にある邪魔なものに気付いたかのように睨みつけていた。

 

「アタシは1位でゴールして、テメーに勝つんだよ! テメーなんてどうでもいいんだッ!」

 

 ――何を言っているんだ、コイツは!?

 

 言葉を向けられたシルバーバレットも、それを聞いていたシンボリルドルフも戸惑った。

 シルバーバレットに勝つことを意識していながら、その当人を全く気にも留めていない。

 その瞳も、2人を見てはいない。

 2人に勝つことが『目的』なのではなく、1位でゴールして得る『結果』にしか過ぎないように。

 このレースの勝利を『通過点』としか考えていないかのように。

 レースが始まる前のゴールドシップとは何かが違う。

 その眼差しが、一体何処を見ているのか分からない。

 

 ――シンボリルドルフではない。

 ――シルバーバレットですらない。

 ――ゴールドシップは今何処を見据えている?

 

 理解は出来ない。

 しかし、理解は出来ないながらも、自分達が走るレベルの世界へと踏み込んできたのは確かだった。

 2人に対して、追い縋るどころか差し切るほどのスピードで迫る。

 今や、3人の走る『ライン』はピタリと重なっていた。

 ここに至ってようやく理解した。

 ゴールドシップはラインを読んでいるわけでも、先を行っていた2人の道筋をなぞってやって来たわけでもない。

 本能的に、偶然にもラインを選択して2人の行くラインと一致しているのだ。

 経験から選択するのではなく、ゴールドシップの見えている道が理想の道だった。

 

「凄い! 凄いぞ、ゴールドシップ!」

 

 シンボリルドルフは魅せられた。

 

「このシルバーバレットを見てもいないだと!? 舐めるなッ!」

 

 シルバーバレットは初めて抱いた屈辱と怒りを脚に込めた。

 

「これはアタシだけのラインだ。他人のケツなんて見てねぇでよォ~、更にもっともっとブッ飛ばすことにするぜェ!!」

 

 ゴールドシップはまだ走れることに歓喜しながら速度を上げた。

 3人の間には、もはや1バ身どころかハナ程度の差しかない。

 その僅かな差も、一呼吸の間に何度も入れ替わり、文字通り一進一退の激しいデッドヒートを繰り広げている。

 見えない火花を無数に散らしながら、3人は一塊となって最後の直線を駆け抜けていった。

 

『200を切ってゴールドシップが先頭に替わる! シルバーバレットが差し返した! いや、先頭は再びシンボリルドルフか!? ゴールドシップ! シルバーバレット!』

 

 ゴールは目前。

 実況は狂ったように3人の名前を連呼し続けた。

 目まぐるしく位置を入れ替える3人の競り合いに、言葉も視界も追いつかない。

 巨大な火の玉が芝に焦げ目を残しながら疾走しているかのようだった。

 観客達が歓声とも絶叫ともつかぬものを張り上げていた。

 数十万の熱狂がレース場全体を震わせる中、3人は激走する。

 ゴールへと続く最短の道を、最速で駆け抜けていく。

 

「もっとだ! もっと見せてくれッ!」

 

 黄金の輝きに眼を焼かれた皇帝。

 

「何故今更になって、貴様が……!? 貴様如きがァ!」

 

 意識外からの一刺しに絶対の土台を揺るがされる世界。

 

「どいつもこいつも見やがれってんだ! アタシが『ゴールドシップ』だァァァーーーッ!!」

 

 無限の回転を宿しながら駆け抜ける黄金船。

 三者三様の雄叫びを上げて、3人はほとんど同時にゴールへと踏み込んだ。

 ほとんど――だった。

 全く同時ではなかった。

 ゴール直前の一瞬。

 出たのは『力』か、それとも『意思』の差か。

 ゴールドシップが、シルバーバレットとシンボリルドルフよりも僅かハナ差程度先に前へ抜け出ていた。

 

『抜けたッ! 抜けたァ!! ゴールドシップ、ゴールイン!!』

 

 誰もが眼を疑う中、実況の声がハッキリとレースの結果を告げる。

 

『2着、シルバーバレット! 3着、シンボリルドルフ! まさかの大番狂わせッ! 2つの伝説を、最後方から追い上げて鮮やかなまでに抜き去ってみせましたッ! 後方集団から浮上した、黄金の不沈艦ッ! 1着はゴールドシップだァァーーッ!!』

 

 そして、観客席全てから爆音のような歓声が一斉に上がった。 

 

 

 

 

 

 

 祝福が陽光のように降り注いでいる。

 喝采が雨のように降り注いでいる。

 キラキラと光るものがゴールドシップの視界には無数に映っていた。

 肩で息をしながら、しばらくの間呆然と佇む。

 実況が何かを言っているが、凄まじい歓声にかき消されてよく聞こえない。

 自分が、ゴールを通り過ぎた場所に立っていることだけは理解出来た。

 レースは終わったのだ。

 周囲をゆっくりと見回すと、視線に気付いてこちらに少し悔し気な笑みを浮かべるシンボリルドルフが見えた。

 こちらに背を向けて、静かにターフを立ち去ろうとするシルバーバレットが見えた。

 共に走った幾人ものウマ娘達が見えた。

 そして、思い出したように着順掲示板を見上げた。

 1着の位置に自分の番号が表示されていた。

 

「……勝ったのか?」

 

 あまり実感がない。

 だが、揺るがぬ現実としてそこに結果があるのだ。

 以前のレースで見た幻など存在しない。

 レースに勝者はただ1人。

 自分以外にいないのだ。

 やがて沸々と、腹の底から歓喜が湧き上がってきた。

 全力を振り絞って走り抜いたばかりだというのに、またすぐに駆け出したい衝動に駆られる。

 それを堪えて、ゴールドシップは今度こそ明確に誰かを探す為に周囲を見渡した。

 

「ジョニィ!」

 

 ゴールドシップは、今一番顔を見たいトレーナーの名前を叫んだ。

 

「ジョニィ、何処だ!?」

 

 近くにいるはずだ。

 理由もなく確信していた。

 最前列の柵の向こう側にいる無数の人々に視線を走らせる。

 

「――ここだ! ゴールドシップ!」

 

 聞こえた声の方向を見れば、ジョニィがそこにいた。

 感動に涙ぐむメジロマックイーンに支えられて、ジョニィがこちらを見ていた。

 彼は何処か信じられないといった風に、しかし自分と同じように湧き上がる実感と喜びを噛み締め始めているようだった。

 ゴールドシップは満面の笑みを浮かべた。

 

「やったぜ、ジョニィィィーーーッ!」

 

 そのままジョニィ目掛けて走り出した。

 駆け寄って言葉を交そう、というような遠慮のある走りではない。

 レースでやるような全力疾走だった。

 

「イエーイ! ジョニィ、イエーイ!」

「お、おい……!?」

 

 目の前で止まるつもりはない。

 そのまま身体ごと飛び込むつもりくらいはあるような勢いに、ジョニィは戸惑った。

 全く彼女らしくないことではあるが、あの喜びようからしてハグでもしてきそうな様子である。

 ジョニィは反射的にそれを受け止める為、手を広げていた。

 

「ゴールドシップさん!?」

 

 ジョニィの脚が不自由なことを忘れているのではないか、とメジロマックイーンが焦る。

 止めようかとも思ったが、感極まった故の行動なのかと考えれば一瞬言葉詰まった。

 困難を乗り越えた2人の喜びに水を差すような、無粋な真似はしたくない。

 躊躇っている間に、走って勢いをつけたゴールドシップがジョニィに向かって飛び込んだ。

 

「イッエェェーイ!!」

 

 脚の方から飛び込んだ。

 

「何をやっているんですのアナタはァァァーーーッ!!?」

 

 メジロマックイーンの絶叫が、歓声を引き裂いて響き渡った。

 ゴールドシップのドロップキックを受けたジョニィは、呻き声を上げて盛大に倒れ込んだ。

 ウマ娘の脚力を考慮すれば、かなり控え目な威力だった。

 一見すると、派手なキックを叩き込んだように見えて、絶妙な手加減をしたものである。

 ジョニィは怪我はもちろん、気絶することもなかった。

 しかし、だからこそ怒り心頭にすぐさま『立ち上がって』ゴールドシップに掴みかかった。

 

「どういうつもりだ、ゴールドシップ!? 勝てたからってはしゃぎすぎだッ!」

「どーよ!?」

「どうよって……何がだよ!? オマエなぁ、一体何がしたくて――!」

 

 ニヤニヤと笑いながら意味の分からない問い掛けをするゴールドシップにジョニィは更に怒鳴ろうとして、

 

「え?」

 

 ふと気付いた。

 今、こうしてゴールドシップに掴みかかっている状態だ。

 蹴り倒されて、そこから立ち上がったのだ。

 自分の脚で立ち上がったのだ。

 

「ぼ、僕の脚が……ッ!?」

 

 動いた――!

 そう実感した瞬間、ジョニィの両脚は再び力を失った。

 崩れ落ちそうになる身体を、ゴールドシップが咄嗟に支える。

 しかし、彼の中には確かに残っていた。

 自分の脚が再び大地を踏み締めた、数年ぶりの実感があった。

 

「……なあ、ゴールドシップ。見たか? い、今……僕の脚が動いたの見たか!?」

「見た見た! オメーが自分で立ち上がったんだよ!」

「何をしたんだ!? 君、僕に何かしたんだろう!?」

「知らねーよ! パッと思いついたこと試してみただけだぜ!」

「思いついたって!? ……いや、そうか。さっき『黄金の回転』で走ってきたな? そういう……ことなのか? 『回転のエネルギー』を身体の内側に伝えるって……そういう!?」

「細けーこたぁいいんだよ!」

 

 ゴールドシップは笑いながらジョニィの身体を持ち上げて、柵の向こうから自分の傍へと引き寄せた。

 

「待ってくれ、考えを纏めたいんだ!」

「考えるなんて後でも出来るだろ! 今はとにかく、考えるな! 感じるんだよ!」

 

 騒然とする周囲を置いてけぼりにして、ゴールドシップはジョニィを担いだまま元の場所へと戻った。

 ここなら、観客席からの喝采を一身に浴びることが出来る。

 数十万の人々が、自分の――自分達2人の勝利を祝福している。

 この光景を見せたかったのだ。

 ゴールドシップの意図を察したジョニィは思わず口を噤んでいた。

 言いたいことや聞きたいことはたくさんある。

 彼女の勝利を祝福したいし、その後にやったことについては文句も言いたい。

 しかし、とりあえずは――。

 彼女の言う通り、『後で』でもいいかもしれない。

 自分の脚が治るかもしれないという期待と不安は棚に上げておこう。

 向き合う時間はこれから幾らでもある。

 レースは、もう終わったのだ。

 今日、この日まで2人で積み上げた成果と共に。

 

「……なあ、ジョニィ。アタシが勝つ瞬間をしっかり見てたか?」

 

 今はただ、この光景と歓声を記憶に焼き付けておきたい。

 あの日、敗北して以来求めることすら忘れていた『勝利の栄光』を久しぶりに味わいながら。

 

「ああ、見ていたよ」

「どうだった、アタシの走り?」

 

 その言い回しに、かつての出会いの記憶を思い返しながら、ジョニィは笑って答えた。

 

「『黄金』のようだったよ」

 

 

 

 

 

 

 降り注ぐ勝利への祝福と喝采。

 シンボリルドルフにとって、それは何度も経験したものだった。

 しかし、それが自分自身ではなく他者にもたらされる光景というのは、ほとんど見たことがない。

 勝利とは絶対のものだった。

 自信とは絶対のものだった。

 それが崩されるというのは、なんとも――。

 

「悔しいものだな」

 

 勝利の祝福を受けるゴールドシップとジョニィを遠巻きに眺めながら、シンボリルドルフは自嘲気味に呟いた。

 完敗だと思った。

 少なくとも、自分はこの結果をそう受け止めている。

 傍から見れば、最終直線での競り合いはギリギリの勝負に映ったかもしれない。

 しかし、あの時自分はレースの最中でありながら、勝利の栄光以外のものに魅せられた。

 レースの中でレースを忘れた。

 それが決定的に命運を分けたのだと考えていた。

 

 ――あの時、自分は勝つ為に走っていたのではない。

 ――ただ、ゴールドシップの走りを少しでも近くで見る為に走っていた。

 

 魅せられたのだ、彼女の走りに。

 ゴールドシップを追い抜こうとは思わずに、少しでもあの走りに近づこうと思っていた。

 その意識の違いが、最後の一瞬に出た。

 あの瞬間、自分は勝負の領域から弾き出され、ゴールドシップとシルバーバレットの対決だけが残ったのだ。

 だから、2人ともに敗北した。

 最後まで勝負に徹しきれなかった自身の未熟だ。

 

「未熟、か……」

 

 悔しくはある。

 しかし、何処か清々しい気分もあった。

 これまで国内で伝説を打ち立て、その実績を元に理想への道を確実に歩んでいる実感があった。

 だが、何ということはない。

 世界は――世の中は広かったのだ。

 皇帝などと呼ばれようとも、自分はまだまだ未熟な井の中の蛙に過ぎなかった。

 その事実が、何故か笑い出したいほど面白かった。

 レースの中には、まだまだ信じられない出来事が転がっている。

 理想も未だ道半ば。

 獲得したトロフィーを部屋に飾って眺めていられるほど、納得のいく道を歩き切ったワケでもない。

 

「『飢える必要あり』だな、私も……ゴールドシップを見習って『気高く』飢えてみるか」

 

 シンボリルドルフは、新たな未来に眼を輝かせていた。

 

 

 

 

 

 

 シルバーバレットは1人、退場用の地下通路を歩いていた。

 普段は当たり前のように自分へ与えられていた祝福と喝采に背を向けて、レース場を去っていた。

 絶対だと思っていた勝利は、他者に奪われた。

 揺るぎない自信は、歯牙にも掛けていなかった相手に砕かれた。

 シルバーバレットは得体の知れない感情に支配されていた。

 それは本来ならばほとんどのウマ娘が経験するもの――敗北感だった。

 世界を制したはずのウマ娘は、今日初めて敗北を経験したのだ。

 俯きながら無言で歩いていたシルバーバレットは、予想通り待ち受けていた姿を見て、力なく微笑んだ。

 

「……やあ、『ディエゴ』」

 

 いつものように『我がトレーナー』とは呼ばない。

 普段のように自信と傲慢に溢れた不敵さもない。

 そんなシルバーバレットの姿を見て、ディエゴは不機嫌そうに眉を顰めた。

 

「負けてしまったよ」

 

 シルバーバレットは端的に告げた。

 それは事実上の敗北宣言だった。

 接戦だったのは確かだ。

 惜敗と表現してもいいだろう。

 連戦に次ぐ連戦で調子が悪かったとか、日本というアウェーの舞台だとか、最後の競り合いはやろうと思えば進路妨害の審議にも持っていける状況だったとか――そういう『言い訳』など微塵も挟むつもりのない断言だった。

 その一言だけを口にして、シルバーバレットは黙り込んだ。

 この後訪れる、あらゆる展開を全て受け入れるつもりだった。

 自分は勝つ為に生まれたウマ娘だった。

 勝ち続けるからこそ価値のある存在だった。

 ディエゴにとっても、そうだったに違いない。

 頂点に立てないウマ娘など、彼の野望には必要ない。

 だから、きっと――。

 

「ここまで、なんだろうな……」

 

 契約は終了だ。

 彼はこれから自分よりも優れたウマ娘を探しに行くだろう。

 

「――おい、シルバーバレット」

 

 ディエゴは心底不機嫌そうに口を開いた。

 

「何を諦めたような顔をしているんだ? オマエ、まさか本気で敗北宣言なんてしているんじゃあないだろうな? あのゴールドシップとかいうワケの分からんウマ娘に本気で白旗を上げるって!?」

「……え?」

 

 シルバーバレットは呆けた顔を上げた。

 

「ふざけたことを考えてるんじゃあないぞ! あんな奴らに負けてたまるかッ! 頂点は『オレ達』だッ!」

 

 煮えくり返った腸から直接吐き出すかのように、ディエゴは怒鳴った。

 敗北したシルバーバレットを責めるようなものではない。

 彼の敵意は、自分達の栄光に泥を掛けたジョニィとゴールドシップのコンビにだけ向けられていた。

 

「クソッ! 忌々しい奴だ、ジョニィ・ジョースター! 『SBR』の時もそうだった! いつまでも、このオレの邪魔をしやがるッ!」

「……君は、私を責めないのか?」

「責める? ああ、そうだな。オマエにも言っておきたいことがある――何負けてるんだよッ!」

「す、すまない」

「謝るくらいなら勝て! 何で、オレがオマエの負ける姿を見なくちゃいけないんだ? しかも、よりによってあのジョニィ・ジョースターとそのウマ娘にだッ!」

 

 ディエゴは拳を握り締めて、歯を食いしばっていた。

 シルバーバレットは、悔しさに身を捩るトレーナーの姿を呆然と見つめていた。

 こんな彼の姿は初めて見た。

 

「いいか、オマエは世界で最も優れたウマ娘だ! あのジョニィのウマ娘なんかに劣るハズがない! 今回のレースで世間がくだらん誤解を深めるかもしれんが、すぐに取り消させてやるッ! 『URAファイナルズ』で奴らを叩き潰してなッ!!」

 

 誰に向けてのものかも分からない鬱憤を吐き出すと、ディエゴは大きく一息吐いた。

 

「……まあいい。とにかく、今回のレースはオレ達の負けだ。それは認めよう」

 

 まだ何処か苛立ちの残った声色で、自分を納得させるように呟く。

 

「世間からすれば、これでオレとジョニィは一勝一敗の互角だと考えるだろう。次の決着をつけるレースが、より盛り上がる話題になったと考えれば得したものだぜ。ムカつくけどな」

「『次の』……か?」

「ああ、そうだ。何だ? まだ腑抜けたことを言うつもりなんじゃないだろうな?」

「いや……ただ」

 

 シルバーバレットは、おずおずと訊ねた。

 

「君は、まだ私のトレーナーか……?」

「当然だ」

 

 ディエゴはくだらないことを聞くなとばかりに断言した。

 

「今回の敗北はオレの責任でもある。油断するのはバカのやることだと言ったが、どうやらオレはバカだったらしい。そこん所はちょっぴり反省するぜ。これまでオマエの能力に頼り過ぎた」

「いや、いいんだ。私も期待に応えられず、情けないよ」

「弱気になるんじゃない、そんなのは弱者のすることだぜ。オマエは間違いなく強者だ。これからは、オレがトレーナーとしてその力を更に磨き上げてやる。そうすれば、オレ達にもう敵はいない」

「……ああ」

 

 シルバーバレットは小さく笑みを浮かべた。

 それは最初に見せた弱気なものではない。

 かといって、これまでの自信に満ち溢れたそれではない。

 何処か清々しい笑みだった。

 

「私も、もう二度と負けないさ」

 

 シルバーバレットは揺るぎない決意を込めて呟いた。

 当然だ、とばかりに頷いてディエゴは歩き出した。

 そのすぐ傍にシルバーバレットが付き添う。

 

「……『気高さ』か」

「どうした?」

 

 ディエゴが不意に洩らした小さな呟きを、シルバーバレットは聞き取った。

 

「死んだオレの母親が言っていたのを思い出した。『どんなに貧しくても気高さだけは忘れてはいけない』――と。オレ達が負けた理由はそこにあるのかもしれない」

「気高さを忘れない……『気高く飢えろ』ということか?」

「そうかもな。これまでのやり方で勝てなかったんだ、別のやり方を試すしかないだろう」

 

 ディエゴは、すぐ傍を歩く自分のパートナーを一瞥した。

 貧しさと周囲の人間の排斥によって死んだ母親のことを思い出すと、当時抱いた激しい憎悪が蘇る。

 富める者は更に富み、貧しい者は更に貧する。

 このクソのような社会に生きる者全てが、どいつもこいつも有罪に思えた。

 しかし、傍らに立つ彼女はどうなのだろう?

 彼女も有罪か?

 殺してやりたいほど憎い相手か?

 分からなかった。

 ただ、これまで忘れていた『気高さ』という腹の足しにもならない言葉を見直す切っ掛けを作ったのは、この共に歩んできたパートナーの存在だった。

 

「……今度、時間のある時にでも話してやるよ。オレの母親のことを」

 

 ディエゴがそう言うと、シルバーバレットは少し驚いた後、嬉しそうに笑った。

 

「是非、聞かせてくれ。君のことをもっと知りたい――『我がトレーナー』」

 

 

 

 

 

 

 ――これは『再生の物語』

 

 文字通り、僕が再び歩き始めるようになったいきさつ。

 僕にとって、全ての始まりであり終わりになるだろうと思っていた『SBR』レースから、更に続いていた長い長い旅路の本当の終着点(ゴール)

 あのレースで、僕はジャイロ達と幾つもの『河』を渡ってきた。

 大きさや小ささに関係なく、渡る河の数はその旅路の長さを物語っていた。

 僕は一際大きな河を越えて、日本へとやって来た。

 そこでゴールドシップに出会った。

 彼女と出会い、半年という短くもあり長くもある日々を過ごし、この時に至る。

 今――僕は最後の河を渡り終わった。

 

「……ゴールドシップ」

 

 祝福と喝采はいつまでも続いていた。

 僕は彼女に支えられ、それを受けていた。

 あるいは『SBR』のゴールの先にもあったのかもしれない光景を、改めて眺めている。

 あの時見失っていたものを、見つけたような気がする。

 

「本当に廻り道だった」

 

 彼女が僕を見て、優しく微笑んだ。

 

「本当に本当に……なんて遠い廻り道……」

 

 視界が滲む。

 僕は今、泣いている。

 あのレースでの敗北以来、ずっと流れることのなかった熱いものが頬を伝っている。

 

「ありがとう、ゴールドシップ。本当に……」

 

 これは僕が彼女と出会う物語。

 

「本当に……『ありがとう』……それしか言う言葉が見つからない」

 

 これは僕達が共に歩き出す物語だ――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To be continued……

 

 




まだ終わりじゃないぞい。もうちっとだけ続くんじゃ!(あと1話で完結です)
ジョニィの脚が動いた理由ですが、原作では『聖なる遺体』のパワーによって麻痺した脚が動きました。
ただ、治ったのは『最終決戦で完全な黄金回転のエネルギーを得たから』という説も存在します。
今回は、その説を採用しました。
治るというよりは、治療の可能性が見えたって感じです。
あとは現代の医療技術とジョジョの治療補正が何とかしてくれるよ!



・おまけ

SBR版ウマ娘のヒミツ

ヘイ・ヤーのヒミツ
①実は、結構落ち込みやすい性格をしている。
②実は、開運アイテムとしてキャラクターグッズが世界的に売れている。

スローダンサーのヒミツ
①実は、ヴァルキリーに『オバハン』と言われて以来『誰が年増だ!』が持ちネタになっている。
②実は、音楽やファッションの感性が相当古い。

サンドマンのヒミツ
①実は、義姉にだけは全く頭が上がらない。
②実は、長老達がウマ娘を大地の精霊と同一視して扱うので義姉以外の部族の仲間からちょっと距離を感じている。

ヴァルキリーのヒミツ
①実は、こっそり歯にジャイロと同じ彫り物をして当人とその父親に死ぬほど怒られたことがある。
②実は、ツェペリ家以外の人間の女がスゴク嫌い。

シルバーバレットのヒミツ
①実は、ディエゴに話しかける時は異常なほど顔を近づける。
②実は、抜群のプロポーションと独特のポージングでモデル界でもかなり有名なカリスマ。
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