咲方Projet‐Sakihou Project‐ ~幻想郷が咲の世界入り~   作:みんせい

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いよいよ県大会です。
といってもこの話はその戦う直前までの話です。

早苗の視点からなので他の視点はないので気を付けてください。


3年生 夏 大会直前(東風谷早苗)

 いよいよ今日から県大会です。精神を整えようと私は大会の日は早起きして景内の掃き掃除をするのが習慣です。これだけ大きい神社なので行うのも一苦労ですが守谷神社の時とは違って1人で全部じゃないんで、私はいいんですけどね。

 

「あー、もう!この神社大きすぎなのよ!」

「博麗神社や守谷神社と比べれば確かに大きいですけど、これでも全国に名を馳せている中ではお手頃な大きさですよ。下社と上社に分かれているのもミソですね。それにあっちだと掃くのはお互い1人だったじゃないですか。でも今は霊夢さんもいるし、他の巫女さんや宮司さんもいます。これだけ恵まれているのですから文句言ったらバチ、当たりますよ」

「早苗の言いたいことはわかるわよ。けどね、大会の日にやるもんなの?」

「これは私の験担ぎです。ほら、今日一番で神様にお参りできますし」

「・・・諏訪の神様は私達にご利益くれるのかしら」

「くれますよ。よければ折角ですから霊夢さんもお願いしましょう」

 

 あんまり乗り気じゃない霊夢さんのてをひっぱって、一緒にお参りです。こちらもあちらも変わらない二礼二拍手一礼の参拝手順に従って、本殿に向かって深々と。願うのは決まってます。

 

『皆さんと全国へ、最後までやり通したいです。お守りください』

 

 うん、これだけやっておけば十分です。霊夢さん、こちらを凝視しないでもらいたいです。

 

「早苗ってやっぱ、巫女of巫女ね」

「どういうことですか」

「そのまんまよ。さて、準備しないと集合時間に遅れるわ。急ぎましょ」

 

 霊夢さんの言葉はたまに私の理解を遥かに超えるようなこと、言うんですよね。それでも幻想郷の時はもっとわけがわかりませんでしたから、今は関係性もあって理解できてる方なのかもしれませんね。

 

 

 

 高校生ならではと思いますが、まさか会場の目の前が集合場所になるとは。私達は近いからいいんですけど他の皆さんは若干不便のような。そもそも私が幻想郷に行く前の時はどうでしたっけ。というか私、その時は部活に入っていなかったんでした。通りでそんな経験を思い当たることがなかったわけです。これは今でも不思議な違和感なんですよね。その点、霊夢さんは本当に適応能力が高いです。なんかもう欠伸してるし。

 

「霊夢さん、大丈夫ですか。これから本番ですよ」

「だいじょうぶよ〜。その時にやればいいんでしょ〜」

 

 はぁ、ほんとにその度胸は見習うとかじゃなくて尊敬ものです。わたしにはとうてい真似もできないし、しようとも思えません。ともあれ霊夢さんを心配する必要は無くなりましたかね。そうすると次の心配事は照さんと咲さんですね。あの2人がここまでたどり着いて欲しいんですが。

 

「ねぇ早苗。あれって咲達よね」

「え、本当ですか?ついに自分達で駅とかじゃなくて目的地までやってこれるようになったんですね!」

「いーや、引率者がいるわよ」

 

 霊夢さんの言葉に何かと思い見てみると、確かに駒ヶ根さんともう一方、背が大きい金髪の男性と一緒ですね。なんだ、駒ヶ根さんがついているなら安心です。心配して少し損しました。その2人と早々に分かれてこっちにきますね。

 

「おはよー、遅れなくてよかったよ」

「早苗、おはよう。時間前につけてよかった。久達はまだ?」

「久さんと悠さんはまだかと。集合時間までにはまだ余裕ありますし。というより駒ヶ根さんに連れてきてもらうは流石に読めませんでした。愛されてますね」

「違う!哲ときょうたろーが今日は役員手伝いで駆り出されていて、早めに行くからって便乗しただけ。そういうもんじゃないから」

「ふーん、へぇー。そういうことにしておきますね」

「早苗・・・」

 

 そんなにギロッとした目で睨まないでくださいよ。いいじゃないですか、恋バナにしたって。

 

「そういや咲、もう1人の金髪さんは誰よ。合宿にいた覚えはあるような気がするけど」

「京ちゃんでしょ?哲也さんと同じように私達の幼馴染なの。一緒にいた理由は哲也さんと同じだよ」

「ふーん、咲もなんだかんだでちゃっかりしてんのね」

「そう見てくれたら嬉しいんだけどねー」

 

 おやおや、素直じゃない照さんと違って咲さんはこのあたり結構自覚してる感じしますね。うーん、いいじゃないですか。幼馴染で恋愛パターンって。私はアリ!なので俄然応援しますけどね。なんてことを含めてあれこれ話していたら久さん達もやってきましたね。

 

「あら、私たちが最後なの?ごめんなさいね、遅れちゃったかしら」

「いえ、こっちが早く集まっただけです。問題ありませんよ」

「咲と霊夢が先にいるなんて珍しいです」

「私もやる時はやる女なのよ」

「ちゃんとこういった日はしっかりします!悠ちゃんもなかなか言うよね」

「普段の行いかと思いますよ」

「はいはい、それじゃ会場入りするわよ。中にはそれなりの人いるから逸れないようね」

 

 久さんを先頭に入場口から入るとそこはもう人が多くいます。というか私達は行ってき瞬間に皆さんが一斉にこちらを見てますね。やっぱり注目されますよね。

 

「あれが清澄だよね」

「だって個人優勝の宮永と入賞した竹井と東風谷いるもん。絶対そうだよ」

「やっぱり人数揃って団体出てるって噂マジじゃん」

 

 うーん、やっぱり照さんと久さんの注目度は半端ないですね。なんか私の名前も言われていますけどそんなに注目しなくても大丈夫ですよー。私はお二人のフォローがメインですからねー。そういや霊夢さん達は大丈夫ですかね。

 

「注目されるわねー」

「お姉ちゃん達見にきてるみたい。当たり前かぁ」

「これぐらいは覚悟してました。仕方ないですよ」

 

 わぁーお、何の心配いらないぐらい堂々してますね。ほんとこの3人は本当に大会初参加の1年生ですかね。そしてもちろん久さんも照さんも気にすることなんてなくて、さっさとロビーを通り過ぎて大日向先生が待っている休憩スペースへ。そこで先生に合流しました。

 

「あらぁ、意外と早くきましたねぇ」

「はい、思ったより全員気持ちが昂ったみたいです」

「そう。それでは早速今日のメンバー発表しますねぇ。先鋒は霊夢さん。次鋒は悠さん。中堅は早苗さん。副将は咲さん。大将は久さんです。皆さん、頑張ってくださいねぇ」

「わかりました。それじゃ、出番はまだだからここで待機してますね」

 

 伝えることを伝えたら大日向先生はおそらく先生達の待合室に向かって行ってしまいました。というか私は中堅ですか。てっきり別のところかと思いましたが。

 

「うーん、この配置に意味があるよね」

「そうねー、大日向先生はそういったところ考えてるし。私はおそらく早苗になにかしてもらいたくてこの並びにしたんじゃないかしら」

「私ですか?特に何ができるわけじゃありませんけど」

「早苗は1年に挟まれてるし、何かあるのかも」

「大丈夫よ、そうであったとしても私と悠で楽な状態でバトン渡してあげるわよ」

「東風谷先輩に苦労はさせません。どーんと座って待っててください」

「あはは、そしたら気持ち楽にして待つことにします」

 

 うーん、何かしら意図があるんですよね。と言われても私に出来ることは限られていますし、ここは自然体にやることが1番でしょうか。とりあえず霊夢さんと悠さんの結果に沿って対応できるようにしておきましょう。と考えたら急に光がパッと入って思わず目をつぶってしまった。何が起きたんでしょうか。

 

「お話中失礼します、麻雀weeklyの西田です!清澄高校の皆さん、取材させてもらってもいいですか?」

「あー・・・そんな大したことなければ」

「それでは!今回はルールの変更もありましたが団体戦に無事に参加できたようで」

「そうですね。おかげさまでここまでやってくることができました」

「特に長野県個人チャンピオンの宮永選手はチーム戦になっても変わりはありませんか?」

「はい!私個人の活躍がチームの勝利に繋がるので、精一杯打つことには変わりません!」

 

 あー、出ましたよー。取材における宮永スマイル。これがほんと慣れないんですよね。というかほんとよくそこまで人変えるなって思います。ほら、1年の皆さんなんて鳩が豆鉄砲喰らったような表情してますよ。

 

「竹井選手も東風谷選手も順調そうですね。団体戦は万全ですか?もしかしたら龍門渕を倒すのは清澄だと下馬評も高いようですが」

「そうなんですか?確かに私達も全国を目標にしてますので龍門渕高校にも挑むことになると思います。といっても団体は初参加です。他校に胸を借りるつもりで挑みます」

「宮永さんと竹井さんをフォローできるように私なりに頑張るつもりです」

 

 大体こんな感じで受け答えできてればいいですよね。前も3人でインタビュー受けましたけど、慣れないですよねー。おや、記者さんが私達の奥を見ているような素振りが・・・やっぱり気になっちゃいますよね。

 

「失礼ですが、後ろにいる生徒さんが新しい部員さんですよね。おや、あなたは去年中学長野選抜に選ばれている上埜さんですよね?」

「あ、はい・・・今は竹井になってますので」

「おっと、もしかして竹井選手の妹さんですか?」

「そうです。我ながら自慢の妹です」

「そうでしたか!それはまた力強い味方がいますね!それにしても名字がねぇ・・・」

 

 むぅ、流石にここまで聞かれるのもあれですね。悠さんもあんまりいい表情してませんし。そろそろきらないと・・・

 

『間もなく一回戦が開始の時間です。選手は所定の位置におつきください』

 

「おっと、長居しすぎましたね。ではまた取材させてくださいね」

「お仕事、頑張ってください」

 

 アナウンス、ナイスタイミングです。試合前から余計な疲労を溜めなくてよかったです。しかし咲さんと霊夢さんにはバレてしまいましたね。

 

「ねぇ、上埜って名字」

「あぁ、2人には説明してなかったのね。私と悠は高校に入る時に名字変えてるのよ。だから記者さんには多少の誤解を招いてしまったのかもね」

「すみません、隠すつもりはなかったんですが」

「ううん、大丈夫だよ。悠ちゃんは悠ちゃんだもん。変わりないよ」

「そうよ、そんなんで見方変えるほど阿呆じゃないわ。むしろそんなのでイチャモンつけてきたやつがいたら私らがぶっ飛ばしてやるわよ」

「・・・ありがとうございます」

 

 うん、良き仲です。私達の時もそうでしたが心配いりませんよ。久さんも悠さんも表情が柔らかくなってよかったです。

 

 

 

 あれからしばらく待ちまして、ようやく私達の対戦が始まろうとしています。対戦相手校はあんまり聞いたことないところですけど、千曲東さんは確か1人いい人がいたんですよね。

 

「さ、いよいよ私達の出番よ。これを勝てば決勝に行けるわ。相手は千曲東、東福寺、今宮女子の3つ。私達と違って一回対局してるから場慣れと勢いがあるかもしれないわ。一人一人が役目をしっかり全う出来るようにしましょ。1年の3人は最悪こけても私と早苗で巻き返すから気軽にね」

 

 久さんの言葉に皆さんの表情が真剣味を帯びます。私もフォローできるようにしておかねば。

 

『これより2回戦を開始します。先鋒の選手は所定の位置に移動してください』

「よし、霊夢!バシッとやってきなさい!」

「私なりに打たせてもらうわ。ま、気軽に待ってなさい」

「霊夢さん、ファイトですよ」

 

 私の声かけに手のひらをひらひらさせて返してくれました。あんなに軽いノリしてるなら大丈夫でしょう。霊夢さんに託すのみです。

 

「さ、私達はホールで対局を見守りましょう」

 

 久さんの言葉に様子が映される小ホールに入ると人がいっぱいです。こんなに対戦見に来るんですか。なんか男性や女性関係なくいっぱいいます。幻想郷でこんなに人集まることないですから、びっくりです。

 

「清澄のオーダー見たか?」

「あぁ、一年3人もいれてるぜ」

「しかも個人1位の宮永、外れたんだとよ」

「マジかよ!いくらなんでも舐めプしてるんじゃないか?」

「1位、3位、7位がいるから一人ぐらいいなくても余裕なんでしょ」

 

 あーぁ、やっぱり人が多くいるだけこういったやっかみは増えますね。あんまり他の方には触れさせたくないんですよ。特に一年の皆さんには。ほら、もう咲さんが気にし始めちゃってるじゃないですか。

 

「あ、お姉ちゃん・・、」

「ん、大丈夫だよ。わかってない人達のことは気にしない。自分の事、集中だからね」

「うん」

「悠、あなたらしく打つようにするのよ。あまり気負いすぎなくていいからね」

「大丈夫ですよ。私はそこまでプレッシャー背負ってませんし」

 

 どうやら大丈夫そうですね。こう言うのを見たり聞いたりすると姉妹の仲の良さがいかにいいことかわかります。さっきので霊夢さんが楽になってもらえるといいんですが。

 

「あ、そうだ。飲み物が欲しい。早苗、一緒についてきてよ」

「席座ってからその発言しますか?」

 

 照さん、せっかくいい話に締めようと思ったのにその流れは読めません。ほら、他の3人がクスクス笑ってるじゃないですか!

 

 それから有無言わさず自販機までついていくことになり、同じ飲み物を一緒に購入することに。まぁ、いいんですけど。

 

「ねぇ、咲と博麗には2人のこと、ちゃんとしゃべったほうがいいかな?」

 

 あぁ、なるほど。そういうことでしたか。

 

「私は喋らなくていいと思います。私達の時も久さんから話してきたことで知ったことじゃないですか。それを次は私達が・・・というのはお門違いかと。同じ韻を踏むじゃありませんが、話す時は悠さんが2人に喋ることでしょう。きっと私達3人がそうであるように、あの3人も素敵な仲になってくれるって感じてます」

「そっか・・・そうだよね。ごめん、こんな話」

「いえ、照さんが振ってくれたからこそです。ただ、もう少しマシな誘い方を期待したいですね」

「それは・・・善処する」

 

 照さんも気にしてくれていたんですね。よかったです、私だけではない。それじゃあ戻りましょうか、と声をかけようとしたら急に背筋がゾッとする感覚を覚えました。こんな感覚を味わうのは久々で。何事かと振り向くと照さんも味わったのか険しい表情をしてます。

 

「早苗、何か感じとった・・・?」

「というと照さんもですね。よかったです、私の勘違いかと思いました」

「こんなことやる、というより感じ出すのは一人しかいない」

 

 通常の人には見えないオーラを出しながらやってきましたね、全国に名を馳せた彼女が。

 

「へぇ、この圧に耐えられるとは。さすが長野の魑魅魍魎共の首魁なだけある。今回の宴は楽しめそうだ」

「初めましてかな、天江衣」

「ようやく私達はあなたの姿を間近で見ることができました」

「私は1人の戦いなんかに興味がないからな。そちらがこっちの土俵に上がることを一日千秋の想いで待っていたのだよ」

「そっか、待たせたみたいだね。でも今回は楽に勝てるとは思わない方がいいよ」

「衣もそう願ってやまないよ。楽しみにしてるんだ、目の前の2人それぞれが背負う業と力に」

 

 この小さい体にどれだけのものを溜め込んでいるんですかね。これだけのものをだせるのは幻想郷でも限られてきますよ。

 

「では失礼するよ。とーかが「どうしてもいてくれないと困りますわ!」とか言わなければここになんて来ないのに」

「ふーん・・・どちらにしても、お互い決勝で会おう」

「そこでどのような形であれ、雌雄を決しましょう」

「うん、衣は楽しみにしてるからね」

 

 そう言ってとぼとぼ歩いて行きました。いやー、あれが全国区のトップ層の人物ですか

。見た目は可愛らしいのにあのオーラはやばいです。あの牌譜も奇妙な打ち方もなんかこう、納得してしまうところが出てしまいますね。

 

「ふぅ、疲れる。あれと誰が対戦するんだろうね」

「照さんじゃないですか?一番理にかなった展開だと思いますけど」

「うーん、私でもいいけどさ。なんか他の人と戦ってもらっていろんなことを学んでもらう方がいい気がするんだ」

「そういうもんですかね。私にはついていけなさそうなんでそうならないことを願います」

「ある意味早苗が適役だと思うけど」

 

 いやいや、照さん勘弁してください。奇跡を起こせればまだやりようはありますが、今のままではその前に吹き飛ばされてしまいます。

 

「それは次にしておくことにして、戻りましょうか。霊夢さんの展開も気になりますから」

「そうだね、戻ろう」

 

 衣さんもそうですし、照さんや久さんのような感じもある意味異変ですけど今はそれはそれです。考えるのはまた後ででいいんです。まずは目の前から。霊夢さん、大丈夫かな。




★対戦相手について
対戦相手は原作と同じようにしています。次の話で戦うので、それまでお待ちください。

★オーダーについて
この話では決勝は6名による戦いに変わるため、ここでは別個として考えています。

★天江衣について
彼女の言葉ってなかなか難しいんですよね。こどもっぽいのとカリスマを持たせた状態とではどっちがいいのか悩みます・・・
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