咲方Projet‐Sakihou Project‐ ~幻想郷が咲の世界入り~   作:みんせい

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今回の話は合宿後の話です。原作の夏の県大会前に行った各校のご紹介のところです。

今回の話は第三者目線での進行になりますので、特に主だったキャラ目線ではありません。あと他校に関しては幕間で補足しようかなと思っています。




3年生 1年生 初夏 ミーティング

 合宿も終わり、いよいよ夏のインターハイに向けた大会が間もなく。長野県ではまず東信、北信、中信、南信の各地区で予選会を行い、そこの結果を基に県大会に繋げるという方式をとっている。人口、もとい学校数が多い地域ではいきなり県大会のトーナメントもありえるがこればっかりはそれぞれの都道府県の人口数・学校数が関わるので各都道府県に委ねられている。

 ということを説明するために本日は部室に集まり、ミーティングとなった。部長の久が皆に話をどんどん進める形となっている。

 

「さて、それじゃあ・・・全国に向けた長野突破へ!清澄サクセスストーリー、始めるわよ~」

「題名からして碌でもなさそうな雰囲気が漂ってますね」

「早苗が感じ取ってるあたり、もう期待できない。私、帰りたいんだけど」

「おっと、3年の2人が何言ってんのよ!安心しなさい、今年はかなり真面目に作ったわよ。私だけじゃなくて悠も関わって作ったから信用度はどんと2倍以上よ」

「それだったら信用できる」

「悠さんも一緒なら問題ないですね」

「どんだけ手のひら返しなのよ。悠も大変ね」

「姉さんの無茶振りには慣れてますから。ただ、今回はめんどくさかったです」

「それでなにをやるのかな?」

「咲ちゃん、いいとこところついたわ。悠、皆に資料配ってちょうだい」

 

 悠が持ってきたエコバックから何枚かで束になった紙を渡していく。それぞれが中身を見ていくとそこには長野県の主たる学校や選手のデータが載っている。これを見て一堂、思わず感嘆の声が漏れた。

 

「すっご。久、やるじゃん」

「これ、よくまとめましたね。確か高雀連のホームページに対戦結果とか載っているけど、ここまでまとめてあるのは初めて見ました」

「わぁ・・・あ、ここ。風越の人達のやつだね」

「あら、アリスも載ってるじゃない。これ、かなり最新版じゃないの?」

「あー、風越はこの前の練習試合も含まれているからちょっと最新版ね。でもどこも遜色ないぐらいのデータ集になっているわ」

「それじゃあ姉さん、やりましょう」

「そうね。それじゃあ皆、これに沿って各学校、各選手の簡単な確認と打ち合わせをやるわよ。ところどころ映像も用いるから」

 

 久がそばにあったプロジェクターのスイッチを入れ、元々あったスクリーンにそこから投影される映像が浮かび上がったことを確認してから、説明に入る。

 

「そしたらまず全体確認よ。私達、清澄高校は団体で全国を目指し、その頂に到達する。これは全員共通の考えで問題ないわね?」

「もちろん。そうじゃなかったら私が長野で1番になった意味がなくなる」

「私も問題ありません。全国に諏訪のご利益、見せつけてやります」

「私も同意よ。やるからには1番じゃなきゃ気が済まないわよ」

「もちろんです。姉さん達と一緒に・・・そのために清澄に来たんです」

「うん、私も。お姉ちゃんと、そして皆と。全国の強い人達と麻雀がやりたい」

 

 久の問いかけにそれぞれが答える。その答えはどれも心強いセリフで、そしてその表情は誰もが迷いない、強いものだった。

 

「OK、それじゃあそのストーリーを描くためにまずは南信地区予選からよ。長野県の団体戦はそれぞれの地区予選の結果で県大会のシードが決まるわ。だからここで最低でも準優勝しないと県大会の最初から他の地区の1位と戦うことになるわ」

「ということは最初の難敵は風越女子ですね」

「早苗の言う通り。早速新人戦団体、県2位との対戦よ。ここで勝っても負けてもって言いたいけど、やっぱり勝ちにいけるのであれば勝ちに行くわ」

「えっと・・・それ以外の学校は」

「はっきり言っちゃうとそれ以外はさして問題ない。だから風越に全力って感じ」

「もちろん油断は良くないですが、このメンバーならもっと先を見ていいと思うってわけですね」

「なるほどね。私はそれで納得したわ。じゃ、当面の敵。風越から見ましょ」

「さて、風腰女子はもう大エースの小和田さんはいなくなった。けどあの人以外の団体メンバーは残っていて、あの人が残していったメンバーが今、花開こうとしている」

「その筆頭が福路さんですね。この人はなかなか手強いです。私は対応できずに押しきられてしまいました」

「そうね、彼女は間違いなく今の風越のエースよ。これは揺るがないわ。まぁ、それにあの小和田さんが自信たっぷりに言うんだから間違い無いでしょ」

「でも久はそれを抑えて勝ってるからとんとん。それに早苗は準エースの池田に勝ってるから実質うちが上」

「それもそうね。それに照がいるから純粋にうちが格上になるわ」

「へー、やっぱり私達強いじゃない。そしたらあとは私達3人と残りメンバー次第ってところかしら」

「そうですね。福路さん、池田さん以外の主力メンバーですと・・・同じ2年の吉住さんと花田さんでしょうか?」

「それで問題ないと思うわ。実際に去年のインハイ予選から団体戦メンバーに今の4人はずっと登録されてるし。ずっと研鑽を積んでいる分、脅威ね」

「でもやっぱり小和田さんの穴は大きい。そこはどう埋めてくるのかな」

「そうねー、それは今年の新入生で埋めるんじゃない?それこそ悠や咲ちゃん、霊夢の方がわかってるじゃない」

「あ、もしかしなくても優希ですか?」

「あとはアリスしかいないわよね」

「私は練習試合でいっぱい戦ったけど同じ学年の人ならその2人しか印象なかったかな」

「ということでさっきの2年4名、今の1年2名。これが新生風越ってこと。どう、皆。勝てるイメージわいたかしら?」

「問題ないよ。私は勝てるイメージしかない」

「誰だろうとぶっ潰すだけよ」

「あらあら。これは頼もしいわね」

 

 照と霊夢の言葉に久が微笑む。といってもそれは魔女が放つ不気味で美しい笑みに違いないが。これをしたところでここにいる面子がそれでぶれる要素はない。久が次にいきましょう。と声をかけてページを捲る。

 

「さ、次は中信地区1位、そして昨年度長野県代表の龍門渕よ」

「昨年、文字通り台風の如く荒らしていき長年の女王風越を吹っ飛ばした学校ですね」

「当時私は中学生でしたけど、試合を見て印象が強く残っていますね」

「えっと、さっきの風越の人達全員やられたのかな?」

「咲さん、それは違います。当時の先鋒だった小和田さんをはじめ、副将までは風越リードの状態だったんです。ですが大将戦が大荒れだったんです」

「その荒らした張本人が天江衣。風越の池田は彼女に3度にわたる大きい直撃をうけてノックアウトしたんだ」

「あれはもはや一端の雀士じゃ理解できないものだったわ。その時の配布が確か~・・・悠、何ページだった?」

「個人の14ページです。姉さんが自分で楽しいってまとめたページですよ」

「そうだったわ。皆、そこをひらいてちょーだい」

 

 久の促しで各人、そのページを開く。それぞれがページ内容を理解するに十分な時間が経った頃には大体の人が眉を顰めていた。

 

「何回見ても奇怪な打ち方ですね」

「早苗だってときよりそうじゃない。家で打つときに理解できないことするし」

「いやいや、あれが私の中で常識なんです!いいじゃないですか、多少変わっていても」

「それのようなもんでしょ。このあまえさんだっけ?この人はそういう雀士ってことじゃない」

「霊夢、それだけじゃ理解し難いものですよ。こんな打ち方、戦い方。過去に例がありません」

「過去なんて今までの積み重ねよ。それを凌駕するのが今の人達じゃない。でも、この人は毛色が違うわね」

「霊夢さん、なにか掴んだんですか!?」

「勘よ、勘」

「ま、なんにしても恐れてないだけいいわ。彼女に誰が当たるか・・・覚悟はしておいてね」

「天江さん、一緒に麻雀したら楽しめるかな?」

「咲はこれを見てどこで楽しめる云々に繋がるんですかね」

「だってこれだけ強い人とやれること、ないよ!?」

「あー、そうですね。咲はそういう人でした」

「咲さんらしいですね。さて、次は龍門渕透華さんですか?」

「そうね、彼女が来るわね。天江衣は個人戦に出ないから彼女が順位的には1番上だし」

「昨年度新人戦で6位。これだけでも十分立派にですよね。ですが、なんでしょう。あまり気にならないような」

「そりゃそうよ。このチームに1位、3位、7位がいるのよ?感覚も麻痺るってもんよ」

「それに龍門渕の人はひっかかるところあるけどそこまでじゃなかった」

「お姉ちゃんがそんな表現するの久々だね」

「ほんの少しだけどね。なんだろ、言い表しづらいものだけど」

「うーん、気になりましますが現状でいいのでは?霊夢さんは何か感じますか?」

「いーや、全く」

「うーん、確証の持てないことに費やしても無駄ね。これは置いておきましょう」

「他のメンバーは天江と龍門渕の人と同じ学年の井上、沢村、国広だけど、それぞれ特徴のある打ち手だから対策すれば問題ない。あと1人は・・・久、誰?」

「そこが不明なのよね。そもそも龍門渕って公式戦以外出てこないのよ」

「でもこれだけ強そうな人がいる学校とできるなんて楽しそうだよ?」

 

 一堂が悩みそうな時、咲が龍門渕の各メンバーの牌譜を見て楽しそうに語っている。その様子はもう早く打ちたくてたまらないという姿が1番ふさわしいだろう。その様子を見た清澄の面々は苦笑するか呆れまではしないけどなんと表現していいかわからないという感じだろうか。それでも咲の明るい思考はメンバーを上向きにしたことは間違い無いだろう。

 

「ま、咲ちゃんぐらいの考えがいいのかもね。じゃあ最後の学校に行くわね。最後が北信地区の鶴賀学園よ」

「んー、ねえ久先輩。その学校、前回のトーナメント表にはどっこにも載ってないけど」

「鶴賀学園は私たちと同じように団体戦に出れる人数がいなかった学校なんです。だから載ってないんです」

「それでも姉さん達がマークするということは個人戦で活躍した人がいるってことですか?」

「悠の言う通り。ここに2人、強力な選手がいるから」

「そこを中心に話するわね。まず新人戦個人2位、加治木ゆみ。彼女はまさしく王道派の実力者ね」

「うん、理論派や王道の麻雀スタイルで言うなら長野県で1番だね。対戦経歴はないけど小和田さんと勝負したらどっちが勝つんだろうぐらいに」

「へー、2人がそこまで褒めるなんてそうそうないじゃない。それだけ強者ってことね」

「去年の個人戦ファイナル、実質宮永先輩と加治木さんの一騎打ちになりましたよね」

「あれはゆみにはめられたのよ。あいつ、私に福路さんの対応押しつけた結果よ」

「ゆみはちょっと油断するだけでその隙をついてくるし、対応策も攻める策もたくさん持っているから気が抜けなかった。はっきり言ってやってると疲れる選手」

「うわー、お姉ちゃんの連荘をこんなやり方で止めるなんて。ちょっとえげつないね」

「ほんと疲れた。本人は敵わないとか言ってたけど、絶対まだ余力あった」

「ゆみは本当に強いわ。彼女は私か照が当たるようにするしかないわね。正直1年の3人に任せるには荷が重いわ」

 

 久の言い方には強い含みを持った言葉だった。それに照も何も言わないがその雰囲気に追従するようなものがある。それを読み取るぐらいには1年の3人も鍛えられている。だから何も言わずにそれ以上は何も言わない。

 

「今回はどうやって戦おうかしら。照は何か考えてる?」

「正直一対一なら勝てる。けど他の対戦相手次第でめんどくさいことは確実」

「そうよねー・・・天江衣がいたらアウトだし、福路さんが絡むならまた別で大変だし。どうしようかしらねー・・・」

 

 2人が長考し始めた。この雰囲気はおいそれと言葉をかけるわけにもいかない。

 

「霊夢ちゃん、ここで行くのは霊夢ちゃんだよ」

「なんでよ、私じゃなくて姉妹のあんたらでしょうが」

「姉妹だからここで声かけると怒られるってわかるんです、今はダメです」

「いやいや、あんた達わかってておしつけないでよ」

 

  一年トリオがヒソヒソ話す。だがこの状況を打開できるはずもない。

 

「ちょっと空気重くなっちゃいますね。久さん、照さん。その対応は後日にして、次の人に移りましょう」

「そうね、ありがと早苗」

 

 早苗の言葉に久と照の雰囲気が元に戻る。1年からするとこの状況にブッ込めると言うのがすごいと思う反面、こんな時に間髪入れず発言できる早苗の安心感とそれを止めるのが早苗の役割だと言うことも理解した。

 

「それじゃ次に行くわね。次は個人戦5位、蒲原智美よ。彼女は癖ありの打ち手って感じかしら」

「うん、智美はおそらく空気や匂いを感じとって戦うタイプだと思う」

「空気や匂いって・・・何よ。戦いになんか匂い嗅ぐって嫌なんだけど」

「博麗、そういうことじゃない。戦いの時に感覚における部分のことを比喩表現しただけ。そういった感じのことをするって思って」

「私も順位決定戦で戦いましたが、そんな感じだと思います。危険牌やこっちの特徴を抑えるのにそう言った表現が正しいと思います」

「言ってしまえばトリッキーなタイプね。感覚がすごく研ぎ澄まされて、それで勝負するタイプってことよ。うちだと霊夢なんかと似たタイプじゃないかしら?」

「なるほど、それならわかりやすいです」

「あんたね、人のことをどー思っているのよ」

「え、そのまんまですが?」

「悠、やっぱあんた〆るわ」

「やれるもんならやってみろ、です」

 

 霊夢と悠がまたもや一発触発になりそうな雰囲気を醸し出す。それに咲が「だめだよ~」と声をかけて制しようとする。これも今の清澄名物の1つとなりかけているので先輩方は特に気にするそぶりはない。

 

「ほらほら、お互いに歪み合わないの」

「霊夢さんも簡単に喧嘩売らないでくださいね」

 

 久と早苗、それぞれに嗜めされて空気がようやく落ち着く。

 

「で、久。鶴賀はこれでおしまい?新入部員とかは特にノーマーク?」

「というより情報がないわ。こればっかりはあっちの地区大会が終わってから要チェックね。おそらくいるはずよ、あの2人だけで勝ち抜くってのは骨折れるし。それにゆみがそんな苦労をとるほど単純じゃないわ」

「それもそうですね。ゆみさんも智美さんも冬の合同練習の時にあてがあるとかなんとかいってましたし」

「ま、お互い県大会の抽選で会うからそこで探り入れましょ」

「智美ならベラベラ喋ってくれそうだし」

「簡単に注目すべきはこの辺ね。東信地区は上田と佐久あたりが主流だけど、そこまでの学校はないわ。ということで私の見立てはうちを入れてこの4校!今日の残りは各学校で気になるところ、選手の研究だったり特徴を頭に叩き込むこと。それじゃ、各自よろしくね」

 

 久がそう促すと早苗と照はさっさと卓について、どこぞの対局を再現し始めた。久は部室に備わっているパソコンを起動し始めた。一方で1年トリオは固まっているが特に行動に起こすわけではない。というか何をしようかわからないというのが本音だ。

 

「えっと、どうしよう。なにやろうか」

「んー、そうね。私、研究するのとか好きじゃないのよね」

「霊夢はそうでしょうね。けど『彼を知り己を知れば百戦危うからず』という諺があります。こういった地道な努力が繋がることもよくあることです」

「言いたいことはわかるんだけどねー・・・。そうよ、2人が調べているのを見てるだけでいいわ。私、それで覚えるから」

「うーん、反対したいけど霊夢ちゃんならできそうだから困るなぁ」

「いいじゃないですか。めんどいから寝るよりよっぽどいいです」

「じゃ、決まりね。2人の調べたいところ、調べてちょーだい」

 

 3人はテーブルを囲うように座り、咲と悠で持ってきている牌譜やスマホを弄りながらそれぞれが調べ始める。そんなこんなはじまると早いもので、かれこれ30分が経った。この辺りになると咲が首を捻り始める。

 

「どうかしたの?あんたの百面相見てるのは面白いからいいけど」

「人の顔で楽しまないでよ。えっとね、ここにある情報って基本2年か3年だから。私たちと同学年はあんまりいないのかなーって」

「さっき言ったじゃない。去年の参考にしてるんだから。そこに今の1年がいたらおかしいじゃない」

「そうなんだけど、風越に行った時は相手の人達が悠ちゃんのこと、結構知ってたから」

「それは優希がいたからですよ。それに優希も私も長野県選抜でしたから、ある程度有名だったのかも知れません」

「それよ、それ。私や咲は偶然だけど、あんた達以外のその選抜ってやつに選ばれている人、他にもいるんでしょ?そいつらはどこに行ったのよ」

「ほとんどは県外に行きました。推薦って形で」

「そうなんだ。そしたら長野県には悠ちゃんや優希ちゃんのような選抜に選ばれた人がもういないってこと?」

「いえ、1人。いるはずなんです、私や優希がトータル戦績で勝てなかった人が」

「へぇ、あんたが勝てない相手がいるときたもんか。気になるじゃない、ねぇ咲」

「うん、悠ちゃんが強いって言うんだから気になるに決まってるよ」

「「ということで、そいつ(その人)の事、教えなさい(おしえて)」

 

 2人にせがまれる形で悠はたじたじになり、ため息吐いて答える。

 

「南浦さんって人です。確かご家族にプロ雀士がいるって言ってました」

「へぇ、身内にプロがいるならしれは強いわね」

「ふーん、対戦してみたいなぁ・・・その人はどこへ行ったの?」

「それがわからないんです。私達、交流がそこだけだったし、連絡先とかも交換しなかったので。ただ、長野からできる気はないって言ってましたから、どこかにいるはずなんですが」

「そう、そしたらどこかで出会えることを願うばかりね」

「そうだね。ちょっと残念」

「2人はそういったこと、本当に遠慮なしですよね」

 

 目を輝かせている咲と不敵に笑う霊夢に悠はまた、ため息を吐いた。

 

 

 

 時間が経ち、もう日が暮れようとしている頃。ベランダに設置されているサイドチェアにもたれている久を照と早苗が見つける。その姿を見ると、久はずっと奥にある山をひたすら眺めているようだ。

 

「どうしたの?もう部室、閉めるよ」

「こんな黄昏れがたするなんて久さんらしくないですよ」

「ちょっとこれからのこと、考えていたのよ」

 

 久の言葉はどこか影がありそうで、それを察したのか2人とも何も言わずに久の隣に座る。

 

「こらこら、制服が汚れるわ」

「別にそれはいいよ。久がそんな状態になってることの方が問題」

「私たちに言えないようなことですか?」

「違うわ。今の状況が幸せすぎてふわふわしてるのよ。照がいて、早苗もいて。3人で実績残せて、そして今年はそれぞれの妹がきて、団体で全国を目指そうとしている。こんな漫画みたいな展開が許されるのかなって」

「許されるよ。久はここに来るまでにいっぱい努力した。だから許される」

「そうです。努力は人を裏切りません。十分に勤めたからこそ、今があるんですよ?」

「・・・私には過ぎたる親友達だわ。ありがと、改めてみんなで全国に行きたいって思えた」

「そうです!まだ始まったばかりですから!」

「まずは南信地区予選からだね」

「そうね、最初から1位で突破していきましょ!」

 

 久は立ち上がり、同時に山に向かって「待ってろ〜、全国〜!」と叫ぶ。やまびことなって言葉が返ってくる。続くように照と早苗も同じように叫ぶ。最後はお互い見合って笑いあう。これもまた、部活でのかけがえのない時間なのかも知れない。




★大会の形式について
 原作と違い、こちらでは各地区ごとから始まるようになっています。今の構想では地区大会→県大会→中部大会→全国大会 のような順番でどうかなと思っています。

ただ、大会をすべて記載するどうかはまだ考えていません。

★個人戦の順位について
 これも原作とは違い、こちらの話のストーリー上で作っています。キャラによっては強さが異なっていますが、ご了承ください。
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