宇髄天元の弟になったのでどこぞの愉悦神父並みに強くなろうと思います 作:アルトリア・ブラック(Main)
今回は童磨戦ですね、カナエを助けてしまったが故に起こったタイムパラドックスが発生しています。
ー胡蝶カナエー
あの日、あのとき、胡蝶カナエは上弦の弐によって殺されるはずだった。
しかし、あの時に、カナエは宇髄天冠によって命を救われた
(…天冠くんの治療についてしのぶといろいろ話したけど…やっぱり長期休養して薬物治療しかないのかしら…)
カナエはカルテを見ながら悩んでいた。
天冠の痛覚・味覚についての機能回復について他の医師達と話しながら考えていた。
自分を助けてくれた恩人が、ボロボロで味覚も感じない状況を見てカナエは少しでも、彼に恩返しをしたくていろいろ調べていた
縁側を歩きながら悩んでいると…
『カァァアア!!上弦ノ陸撃破ァ!!宇髄天冠!上弦ノ弐と戦闘中!!!至急応援頼ムゥゥウウ!!』
「え…?」
天冠の鎹鴉が叫びながら飛んでいた
上弦の弐
あの時、己が対峙した鬼
氷を使う鬼
カナエは書類を落として玄関に向かう
「カナエ様!?」
「姉さん!」
カナエは必死に、痛む肺を行使しないように走る
ー竈門炭治郎ー
煉獄さんを助けられるくらい強くなれたとしても、それは奇跡でしかない。
天冠さんに出会わなかったら弱いままだった。
天冠さんがいたから強くなろうと思えた
「天冠さん!」
上弦の陸との戦いで負傷してしまった己は役に立たない。
(立て!!立って動け!!天冠さんのために!)
「!息を吸うな!!」
天冠の怒鳴り声にハッとなる。
(氷…!息を吸ったら肺が壊死する…!)
「うーん、やっぱり初見じゃないから対策してくるよねぇ〜」
上弦の弐は笑いながら天冠に攻撃する
血鬼術・粉凍り
「!!」
風の呼吸 参ノ型・
足を踏みしめ、上から下へ切り下げる攻撃をいくつも出す
「うわぁ〜痛い!本当に俺のこと嫌いなんだねぇ」
上弦の弐は斬られた腕を痛がるフリをしながら後退する。
「もうすぐ朝になるし、もうそろそろ退散しようとは思うけど、君くらいは殺して帰りたいなぁ」
「!!」
炭治郎はその言葉に怒り立ち上がる
「天冠様ぁ!」
「!」
須磨がクナイを上弦の弐に投げる
(…水の呼吸!壱ノ…)
技を決める前に上弦の弐が動いていた。
目にも留まらぬ速さで炭治郎と須磨を見据えていた。
「邪魔だよ」
そう冷ややかな声で言う上弦の弐
(態勢を…!)
低くしてかわそうとした次の瞬間…
ザンッ!!という肉を割く嫌な音と目の前から血飛沫が上がった。
「!!」
「天冠様ぁあ!!!」
目の前に、天冠がいた。
上弦の弐の扇子を手で止めていた。
代わりに右肩から肺にかけてバッサリと斬られていた。
「ぐっ…」
「仲間を庇ったのかー!さすが速い身のこなし!手で止められたのは初めてだよ」
そう言って上弦の弐は笑いながら扇子を振るう
ブシュという嫌な音が響き渡る
「いやぁああ!!」
須磨さんが泣き叫ぶ
「!!天冠さん!!」
天冠の左腕が無くなっていた。
上弦の弐がそれを掴み眺めながら
「うーん、女の子の肉じゃないから美味しくはなさそうだけど、可哀想だから食べておいてあげる」
よく分からない言葉と同時に上弦の弐はその場で食べる
天冠は血を吐きながらその場に崩れ落ちる
「もう夜明けだ、君はそのまま出血多量で死ぬだろうねぇ〜助けてあげたかったけど、残念」
ー宇髄天冠ー
死ぬ間際に思い出すのは姉の声、姉の優しい声
兄と姉が一緒にいて笑いあってる幸せな光景。
毎日当たり前に続くと思っていた。
でも結果的にそれが叶わなかった。
クソみたいな父親の所為で
「天冠さん!!天冠さん!!!」
「天冠様ぁあ!!!」
(童磨には勝てねぇよなぁ…普通)
上弦の参との戦いですら、煉獄さんは大怪我を負った。
そんな奴より強い奴に柱でもない俺が勝てるはずがない。
炭治郎が叫びながら隠に何か言っている
隠の人は俺を見て首を振る。
「無理だよ…もう、出血多量だし…毒も喰らってる…手の施しようが…」
次の瞬間、目の前が明るくなる
(…あ)
明るくなった正体ー宇髄天元ーが俺を抱えてくれていた。
「天冠!!!」
兄の声だけは凄く良く聞こえた。
「天冠っ!!死ぬんじゃねぇ!!なんで突っ込んだんだ!なんで逃げなかったんだ?!」
兄の怒鳴り声に天冠は笑う
「…須磨さんを、死なせたら兄さんは悲しむだろうし…炭治郎は後輩…だから死なせたくなかった…」
「っ…!」
「お前がいないなら意味がねぇんだよ……なぁ、天冠…逝かないでくれよ…」
涙が溢れて止まらない兄の顔
(この人は泣いても綺麗なんだな…)
「天冠…」
「…里を壊滅させる少し前…姉さんから言われたんだ…兄さんと俺は生きていてほしいって…何があっても、どれだけ打ちのめされても…前を向いてって…」
「………」
「…だから、俺は…兄さんに会いに来た…んだ。でも、いつも通りの日々で少しだけ安心してた…」
「……天冠…」
兄の泣き顔を見て微笑む
「兄さん…の泣き顔…初めて見た…思いの外静かに…泣くんだね」
「…うるせぇ…派手じゃなくて悪かったな…!」
口から血が止まらない。
肺からの血が止まらない。
目が霞んで見えなくてなっていく
「天冠…!天冠っ…!」
兄の声が遠ざかっていく
目を閉じると、俺の体を強く抱きしめてくれる
『天冠、頑張ったね』
その声に目を開けると、そこは一面真っ暗な世界だった。
身体が小さくなっていた。
それでも、目の前に姉がいるということに安心する。
「姉さん」
走って姉に抱きつく
【天冠の姉】
天冠の最期、迎えに来た
子供の姿になった天冠をめいっぱい抱きしめた。
母親じゃなくて彼女が迎えに来たのは、天冠にとって親しみがあったのは姉だったから。
天冠の姉は人を殺してないけど、天冠は沢山人を殺してしまったから地獄に行くことになってる。でも、刑期は鬼よりもずっと短い、生きてる人達の祈りで刑期がうんと短くなってる。それでも生まれ変わるのは鬼殺隊のメンツよりも遅い
【須磨さんについて】
雛鶴さんやまきをさんとは違い、天冠の近くにいました。
童磨戦でも割と近くにいたけど、近寄ることが出来ませんでした。天冠の腕が斬られて食われた時、泣き叫びながら天冠を止めようとしてましたが、天冠の命懸けの選択にどうしたら良いのか分からない状態でひたすらに泣いてました。
多分、天冠の死を一生背負って生きていくことになります。でも、宇髄天元さんと雛鶴さん達は彼女を責めません。だって上弦の弐だったし、天冠が命に代えても須磨さんと炭治郎を守ろうとしたのを天元は知ってたから
【宇髄天元について】
本編(Pixiv)とは違い一切救いがありませんでした。弟と仲良くなる前に弟を失ったので自暴自棄です。
弟の心の内を遺書で知って、人目もはばからず泣きました。
本編(Pixiv)と違い鬼への憎悪が増幅してしまって、姉を失ったしのぶの状況になります。毒を喰らったくらいで目や腕は無事です。
弟への罪滅ぼしをしたかった。置いていってしまった事を謝りたかった。でも、天冠にはきちんと伝わってた。それを生きてる時に会話出来てたらもっと仲良くなれてた。
【不死川実弥について】
師範として共に過ごした日々はそんなに長くはなかったけど、良い関係を築けていたと思っている。精神的にまだ未熟だった天冠の事を兄のように見ていた。
天冠からの手紙に弟・玄弥との関係を見直すように徹底的に(かなりきつい言葉で)書かれていた。柱稽古まで仲直りは出来なかったけど『俺に出来の悪い弟なんざいねぇ』と言って宇髄にぶん殴られた挙句に怒られた事を境に玄弥との関係を少しずつ修復して行った。この中で唯一天冠によって救われた存在