宇髄天元の弟になったのでどこぞの愉悦神父並みに強くなろうと思います 作:アルトリア・ブラック(Main)
宇髄さんが立ち直るまでの話です。
胡蝶カナエが死ななかったことによるパラドックスが発生しています。姉を失ったしのぶ状態の宇髄さんがいます。
ー宇髄天元ー
目の前で弟が死んだ
目の前でまた兄弟が死んだ。
目の前で大切だった存在が居なくなった。
宇髄は隠達がマントを持って来て天冠にかけて運んでいた。
放心状態だった。
何も考えられないくらい空虚な気持ちだった。
「……」
蝶屋敷に搬送された後、三人の嫁が入れ替わり立ち代り来て見舞いをしてくれる。
サァアアと風が室内に入ってくる
ベットから立ち上がり、縁側を歩く
ガラリと天冠の亡骸がある部屋に入るとそこに座る
「……いろいろ、大事なこと教えんの忘れてたな…、当たり前のことすぎて忘れてたな…」
天冠の頭を撫でる
「自分の命に代えはねぇから、だから自分の命を優先しろって…」
天冠は何も言わない。
もう、何も話してくれない。
「…なぁ、天冠、俺もそっちに行ったらダメか…?嫁達も置いていきたくねぇけど…お前が居なくなるとこんなにつらいんなら…」
最後まで言い終わることができなかった。
『天元様ぁ!』
三人の嫁達の泣き顔が脳裏に浮かぶ
宇髄は鎹鴉から渡された遺書を見る
「……」
いつまでも後ろを向いてはいられない。
手紙を読み始める
「…バカだろ、コイツ…なんで文章だとこんなに達筆なんだよ、すげぇ話すじゃん」
ボロボロと涙が溢れる
「…お前が死んで、胡蝶姉は泣きまくってたし、竈門も号泣してたぜ、なんで、俺なんて庇ったんだよ、なんで、恨んでたくせに庇ったんだよ、馬鹿だなぁお前、我慢なんてしねぇで殺しにくりゃよかったのに…」
「お前に会いてぇ…」
脳裏に浮かぶのは天冠を殺した鬼の特徴
「…あの野郎を絶対に殺してやる…」
殺さないと、殺すという思いで歩まなければ、一歩も前に進めない
ー天冠の鎹鴉ー
天冠の鎹鴉は『佐助』と付けられた。
由来は?と聞いたら『それしか思いつかなかった』と言われた。
「貴方が大きくて良かったわ、小さいけれど箱を背負って飛べるんだもの」
自分が着くことになった宇髄天冠は無痛症で、痛みを感じないから怪我をしても分からないから戦い続ける
『天冠!!手当テシロ!手当ェェエエ!!!』
「うるさ」
天冠と一緒に任務を遂行していた村田が言う
無表情で無機質なそんな男だった。
でも
兄と再会してから雰囲気が変わり
胡蝶カナエを救い、彼女と関わる内に笑顔が増え
炭治郎と稽古や話をする内に自分から人を笑顔にさせることが出来ていた。
「天冠!」
眠るようにして死んだ天冠のそばに近寄り泣く
上弦の陸との戦いで柱でも追いつかない攻撃を、死ぬ気で兄に行かないように庇い傷だらけになった。
兄の腕の中で穏やかな笑顔で死ぬ天冠
あんなに無表情だったのに、幸せそうに眠っていた。
『佐助』は空を飛び、まっすぐ天冠の部屋に行き、引き出しにしまっていた遺書を抜き取り空を飛ぶ
天冠の師範・不死川実弥と天冠が助けた胡蝶カナエの元に
上弦の陸との戦いで討ち死にしたのは宇髄天元の弟だけと知らされていたのか、不死川実弥はそれを黙って受け取り、頭を撫でてくれた。
「…最後の最後で自分らしく逝けたのかァ、アイツは」
『兄ニ看取ラレテ眠ルヨウニ死ンダ』
「…そうか、まだ届けるモンがあるんだろぉ、頑張れ」
胡蝶カナエは宇髄天冠の死を聞き、その場に崩れ落ちて泣く
助けられたのに助けてあげられなかったと悔やみ泣き、遺書を抱きしめる
「ありがとう、佐助くん」
泣きながら頭を撫でて来る
全部文字にしようと思ったけど疲れました。
気が向けば後日談として書くかもしれませんが…
次は鬼化ifルートです