共和国銀河兵站部門   作:おおきなかぎは すぐわかりそう

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平和への恐怖-4

 

 

 

 モニターが壁面を埋め、画面に向き合うのは二体のB1バトル・ドロイド。

 

 黄白色の胴体に、スラリと伸びる四肢と首。首の頂点には、大量生産するべくダウングレードされた人工知能が搭載されている。

 

 補給の細いこの施設では、専門性の高いドロイドを配備し酷使するだけの余力もなく、巡回する一般ドロイドから引く抜いて施設の警備につかせているのだった。

 

 うんざりするほど代わり映えしない情報を、決まりだからとチェックし続け、いくら疲れを知らないドロイドでも気が滅入っているようで? 

 

 

 

「プラットホーム」

 

 

「イジョウナシ」

 

 

「ハンガー」

 

 

「イジョウナシ」

 

 

「キョジュウク」

 

 

「イジョウナシ」

 

 

「コントロールルーム」

 

 

「……イジョウナイダロ」

 

 

「ショウカイチュウノドロイドカラハ?」

 

 

「ダカラ、イジョウナシダッテ! ナンカイオナジコトイワセンダ!!」

 

 

「アー、デモケイカイヲオコタラナイヨウニトグリーヴァスショウグンガ……」

 

 

「バカカオマエ。コンナヘンピナワクセイナンテ、ダレモクルハズナイダロ」

 

 

「アー、ソレデモグリーヴァスショウグンノイイツケヲマモラナイノハマズイッテ」

 

 

「シンパイスンナッテ、ホントウニテキガクレバケイホウガシラセテクレルカラナ」

 

 

 

 piー!! piー!! piー!! piー!! piー!! 

 

 

 

「ホラナァ? アァア!?」

 

 

「プラットホーム4バンカッソウロデイジョウハッセイ。ショウカイチュウノドロイドワシキュウ……イヤ、マテ。ハンガーC2-1クイキデモイジョウハッセイ。キョジュウクAブロックデモイジョウヲケンチ」

 

 

「ダメダコリャ、シッケトネツデケイホウガオカシクナッチマッタミタイダ。オイ! ハヤクソノウルサイケイホウヲキレ! サビデガタツクアタマガオカシクナッチマウ!」

 

 

「アー、デモー……」

 

 

「イイカラキレッテ!!」

 

 

「ラジャラジャ」

 

 

 

 一斉に鳴り始めた警報を切り、ひと段落ついたのも束の間。片方のドロイドがある疑問を口にする。

 

 

 

「……アレ? イッセイニケイホウガコワレルナンテ、ナンカオカシクネ?」

 

 

 

 #####BAN!! #####

 

 

 

「いけいけいけ!!」

 

 

「ゴーゴーゴー!!」

 

 

 

 吹き飛ばされる扉。吹き上がる煙。僅かなブラスター音の後、その中から抜けてきたのはコマンダーコーディー率いる第二班。

 

 彼らはこの施設の中でもっとも安全な場所に当たりをつけ、最寄りの突入地点から脇目も振らずにコントロールルームまでかけてきたのだ。

 

 爆弾で強引に扉をこじ開けたのも、敵が混乱の内に素早く重要区画を確保しようとした表れであった。

 

 オールクリアの掛け声で、完全制圧を確信したコーディーは連絡をすべくインカムを起動する。

 

 

 

「……将軍、こちら第二班、コントロールルームを確保しました。すぐそちらに合流しますか?」

 

 

『あぁその必要はない、作戦通り隔壁を下ろしてコントロールルームに防衛線を張ってくれ。爆弾を設置できたら連絡する。プラットホームで落ち合おう』

 

 

「了解、アウト」

 

 

 持ち込んだ爆弾の設置を指示し、配置に着くように命令する彼は、この作戦の立案者であるレース軍曹の身を案じるのであった。

 

 

 

 

 

「このポンコツドロイド共が!!」

 

 

 ここは警報がいち早く異常を報告したプラットホーム。再編成された第三班は、陽動のため大量のB1バトル・ドロイドと対峙していた。

 

 

 

「グア──────!!」

 

 

「また一人やられた!」

 

 

「軍曹! このままでは食い破られます!!」

 

 

「これだけ引きつけたのならケノービ将軍もコマンダーもスムーズに作戦を遂行できるはずだ! 後少し、後少しだけ、今はただ耐えるんだ!!」

 

 

 隊列を組みながら、まるで押しつぶすように前進するドロイドを片端から処理していき、仲間達が無事にことをなせるようにと信じる。

 

 すると、大量のドロイドたちが一斉に撃つのをやめ、機能を停止したようにその場に立ち尽くし始めた。何事だと訝しんだのもしばしの間だけ、再び動き出したドロイドは乱れることなく回れ右を果たし、もと来た道を引き返し始めた。

 

 

 

「奴ら、引いていきます」

 

 

「……いや、俺たちの目的が囮だとバレたんだ。ケノービ将軍、こちら第三班、プラットホームの制圧に成功しました」

 

 

『よくやったレース、コマンダーも無事コントロールルームの制圧に成功している。君たちのおかげだ』

 

 

「ただ、引き込んでいたドロイドが後退しそちらに向かっています」

 

 

『あぁ、丁度グリーヴァスに気付かれたところだ。悪いが時間があまりない、プラットホームに少数だけ残して背後から攻撃を加えてくれないか?』

 

 

「了解しました将軍。クオレンは確保されたのですか?」

 

 

『いいや、報告はまだ上がってきていない。だが脱出するにはプラットホームを使うほかないだろうから、警戒は怠らないよう頼んだぞ』

 

 

「了解」

 

 

 

 

 

「ヌォ──────!!」

 

 

 ドロイド軍の総司令官であるグリーヴァス将軍は、ジェダイに居場所を突き止められないよう艦隊を率い銀河をさまよっていたが、すぐに切れた警報を不思議に思い秘密造船所に連絡を入れていた。

 

 しかし、しばらく連絡を入れても応答ないことにイライラし、簡単な報告を伝えに来たドロイドを計4体殴り壊してなんとか正気を保つ。

 

 あらゆる連絡手段を試したグリーヴァス将軍であったが、ついには共和国に気づかれてしまうのでやめろとドゥークー伯爵に念押しされていた、完成もまじかのクルーザーへの直接通信に手を伸ばす。

 

 ホログラムがゆらめき、通りかかった何者かを激しく怒鳴りつけてやろうと身構えていると、何度も殺し損ねた因縁のジェダイが浮かび上がるのだった。

 

 

 

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