ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第11話、拳聖

兼一達が日帰りの林間学校で向かった雪山を半分借り切っているYOMIのナガラジャことラデン・ティタード・ジェイハン。ティタード王国の皇太子でもあるジェイハンが学んでいる武術は、プンチャック・シラットというインドネシアに千年以上伝わる武術である。

 

ヨーロッパの侵略に対抗すべくジャングルファイトとして発展したため、文字通り必殺の技が多く、占領下では舞踏の中に密かに隠して伝承したという、未だ外部の者には秘密主義の武術だそうだ。プンチャック・シラットの達人であり、超人級の拳魔邪神シルクァッド・ジュナザードがジェイハンの師匠である。

 

ジュナザードはかつて無敵超人と戦ったこともあるようだが、決着は着かなかったらしい。しかし無敵超人を苦戦させたことから、ジュナザードは超人級の腕前を持つプンチャック・シラットの達人であることは明白だ。兼一を誘導して借り切っているホテルにまで向かわせたジェイハン。

 

雪山の吹雪で体調不良な美羽を庇いながら戦いを続けていく兼一。逃げた先でロープウェイの駅に到着した兼一と美羽。ロープウェイの中に美羽を隠して一人で戦いを始めた兼一。武器を持ったジェイハンの部下達を倒しながら兼一はジェイハンに夫婦手で攻撃を喰らわせていく。

 

追い込まれたジェイハンが部下に合図をして兼一の左肩に刀剣を投げつけさせた。突き刺さった刀剣を引き抜いた兼一はジェイハンに最強コンボ2号を叩き込む。最強コンボ2号の最後の背負い投げで投げられたジェイハンは兼一よりも下の位置に自分がいることが王として許せなかったらしい。

 

新島とハーミットが到着したロープウェイの駅。ジェイハンの部下達を倒していくハーミット。兼一の左肩にある刀傷を狙って攻撃を繰り出していくジェイハンの頭部に新島から石入りの雪玉が投げつけられた。戦いは進み、ジェイハンの顔面に兼一の拳が打ち込まれて倒れ込んだジェイハン。

 

貴方の負けだと近付いた兼一を掴んだジェイハンはロープウェイの駅から共に落ちていく。落ちた先で気を失った兼一を始末しようとするジェイハンを見限ったジュナザードが雄叫びで雪崩を引き起こす。起きた兼一が雪崩に驚いているところにハーミットがスノーモービルで助けにきた。

 

君も来いとジェイハンの腕を掴んだ兼一の首を掴み上げてハーミットに向かって放り投げたジェイハン。手を伸ばす兼一の遥か後方で、敵に情けを受けることだけは許されぬ、なぜなら余は王だからのうと言ってジェイハンは雪崩に呑まれた。何とか生還して梁山泊に帰ってこれた兼一。

 

美羽が兼一にしがみついて無事で良かったと言っていたが、美羽が掴んだ場所がちょうど左肩にある刀傷がある場所だった。傷口をしっかりと掴まれた激痛で気絶した兼一はそれでも幸せそうだ。その後兼一は秋雨に傷口を見てもらうことになり、怪我が完全に治るまでは修行は禁止となる。

 

特A級の達人となった古賀だが、特A級の中でもまだまだ下位であり、上位の特A級である梁山泊の師匠達とは差がある。その差を埋めて更に先へと向かうために今日も古賀は鍛練を続けていく。基礎を疎かにすることなく毎日基礎鍛練を行う古賀。鍛え上げられた古賀の足腰の強靭さは、特A級の達人の中でも突出していた。

 

今の古賀より上位の特A級の達人であろうと、古賀の本気の蹴りを喰らえばただでは済まない。それだけの脚力を持っている古賀は、まさしく蹴りの古賀と言えるだろう。35体の地蔵を背負った状態で古賀が基礎鍛練をしている場所から少し離れたところで怪我が治った兼一も満杯に砂鉄が詰められた大きな壺を両手に一つずつ持ちながら馬歩をしていく。

 

内弟子達の基礎鍛練を見ていた梁山泊の師匠達は、基礎を鍛えている弟子達にもう少しで別の鍛練の時間だと言っていた。時間が経過して基礎鍛練が終わりとなり、次は秋雨が作り上げた鍛練器具を使った鍛練が始まる兼一。四肢に重りをくくりつけた状態で制空圏の修行を行うための鍛練器具を使っていく兼一を秋雨が見ていた。

 

おぶり仁王という名の鉄製の仁王を背中と両腕と両足に取り付けたまま、無敵超人から繰り出される全方位攻撃を制空圏で受け流していく古賀。特A級すら超える超人級の攻撃を不利な状態で捌く古賀は度々被弾するが挫けることなく最後までやり遂げる。特A級の達人になってもまだまだ格上の超人級を相手に行う鍛練は確かに古賀を更なる領域へと高めていく。

 

走り込みの時間になり重りを背負った秋雨をタイヤで引きながら走っていく古賀。走っている途中でジェームズ志場を背負った武田と出会った古賀は武田先輩も走り込みの最中みたいですねと話しかける。そうなんだけど余裕そうだね古賀くんと言った武田にジェームズ志場が秋雨っちの弟子とくっちゃべってる暇があるならぶっちぎってやるのである!と言い出した。

 

速度を増した武田に秋雨が行くんだ太一くん志場っちの弟子などぶっちぎってやりたまえ!と言ったので速度を上げて軽々と武田を追い越した古賀。そんな古賀にジェームズ志場がパチンコ玉を指で弾いて撃ち出してきたのでそれもあっさりと避ける古賀におのれ秋雨っちとその弟子!と言うジェームズ志場。武田を遥か彼方に置き去って走り抜けた古賀。

 

よくやったぞ太一くんと嬉しそうな秋雨はジェームズ志場と因縁があるらしい。過去に何があったんだろうなと思いながらも走り込みを続けていく古賀は県外まで達人の脚力であっという間に飛び出した。それから走って梁山泊まで帰ってきた古賀は技の鍛練を始めていく。

 

学んだ技を一通り繰り出していった古賀は最後に数え抜き手の鍛練を開始する。鉄骨を相手に数え抜き手を放つ古賀。四から一つずつ指の本数を減らしていき、最後の一で鉄骨を容易く貫く古賀の腕。それを繰り返して満足のいく技が出せたなら、古賀流の数え抜き手の鍛練は終わりとなる。

 

今度は梁山泊の師匠達との組手を始めた古賀。逆鬼から始まり、秋雨、馬剣星、アパチャイと休まず順番に繰り返し相手をしていく。特A級に到達した古賀との組手は梁山泊の師匠達を更に進歩させていっている。古賀を相手に存分に実力を発揮する梁山泊の師匠達は、とても生き生きとしていた。

 

繰り広げられる激しい組手はしばらく続き、逆鬼の空手、秋雨の柔術、馬剣星の中国拳法、アパチャイのムエタイと連続で戦い続けた古賀は特A級の下位から中位にまで腕を上げたようだ。その後にしぐれとも対武器の鍛練を行った古賀は、5人の特A級上位の達人と戦ったことになる。

 

下位から特A級中位となり実力を上げた古賀は今日も朝から鍛練をする。大量の汗をかくほどの鍛練を行った古賀は、梁山泊の温泉で汗を流してから高校へ行く。授業を真面目に受けている古賀。教師からこの問題を解いてみろと言われて前に出た古賀は黒板に途中の式も合わせて正しい答えをチョークで書いていく。

 

正解だ、流石だな古賀と言われてちゃんと勉強してますからねと言った古賀は席に戻る。全ての授業を終えて梁山泊に帰宅しようとした古賀だったが、人通りの少ない場所を歩いていた途中に目の前に現れた一人の男。一影九拳の一人である拳聖の姿がそこにはあった。やあ、きみが古賀太一くんだねと和やかに話しかけてきた拳聖。

 

一影九拳が何の用ですかねと言った古賀に、いや10代後半にして特A級に到達したきみを一目見てみたかったんだが、それだけじゃ我慢できなくてつい話しかけてしまったよと笑う拳聖に邪気はない。ああ、そういえばきみに負けたA級の闇の達人が言っていたが、数え抜き手をきみも使うそうだね、一つそれを私にも見せてくれないだろうかと言ってきた拳聖。

 

まずは私が見せるのが礼儀かなと言いながら数え抜き手を古賀に向かって繰り出そうとする拳聖に対抗して古賀も数え抜き手を放っていく。四、三、二、一と指の本数を減らしながら数え抜き手を披露していく両者が繰り出す最後の一本抜き手がぶつかりあって互いに弾かれた。

 

もはや緒方流と言える私の数え抜き手と互角だが、私とはまた違う数え抜き手だ、古賀流と言えるものに仕上がっているね、実に素晴らしい!と非常に楽しそうな拳聖。武が更に発展したということになるなと頷く拳聖に、まさかいきなり数え抜き手を放ってくるとは思いませんでしたよと言ってじと目で拳聖を見る古賀。

 

なに軽い挨拶みたいなものだよ、しかしきみはまだまだ強くなれる余地があるようだ、惜しいな古賀太一くん、私の弟子にならないかねと勧誘をしてくる拳聖。殺人拳の流派には弟子入りしませんよと断言した古賀。そうか、少し残念だ、活人拳を掲げる限り闇はきみを狙い続けるが、それでもきみは活人拳として生きていくようだねと笑った拳聖。

 

次に出会った時は手合わせをしよう、更に強くなったきみと戦ってみたいと私は思うと言って拳聖は去っていく。一影九拳の中でもフットワークが軽い拳聖が現れたことは古賀にとっても驚きではあったが、一影九拳といずれは出会うことになると覚悟をしていたので慌てるようなことはなかった古賀。

 

梁山泊に帰宅して拳聖と遭遇したことを梁山泊の師匠達に話した古賀は、とても心配をされたが無傷で帰ってきてますから大丈夫ですと言って安心させた。拳聖は10代後半で特A級に到達した自分が気になって出向いてきたらしいですが、闇では情報が流れるのが速いみたいですねと言った古賀。

 

更に腕を上げる必要があるのでこれまで以上の修行をお願いしますと頭を下げた古賀に秋雨が任せておきたまえ太一くんと言っていた。そうして始まった修行は更に過酷なものとなったが古賀は望むところだ!と気合い充分で修行に励んでいく。そんな古賀を見た兼一も三倍の修行に逃げずに取り組んでいった。

 

40体の地蔵を背負ったまま筋力鍛練を行っていた古賀の筋肉が更に発達していく。こうして全身の筋肉が瞬発力と持久力を兼ね備えたピンク色になっている古賀の筋力が上がっていった。質と量が揃っている古賀の筋肉は一目見ればわかる程に逞しく隆起している。

 

鍛練を終えて内弟子達の組手が始まり、特A級と弟子クラスの戦いとなる。特A級の気当たりでも怯まない度胸を手に入れた兼一が繰り出す拳を捌いていく古賀。兼一が放つ無拍子を右手の人差し指一本で受け止めて弾き返し、その指を使って兼一を打ち倒した古賀。気を失った兼一を起こした古賀は、兼一を鍛練に送り出した。

 

梁山泊が再び財政難に陥っていたので逆鬼と共に地下格闘場へ行った古賀。大人数の武器を持った相手に素手で戦う古賀は負けることなく何試合も続けていく。古賀に賭けて荒稼ぎしていく逆鬼はビールを飲みながら戦いを眺めていた。とても不利な条件をつけて試合を行うが、その全てを勝利する古賀。

 

観戦している客達に見えるように手加減して動く古賀は鮮やかに対戦相手を倒していった。惹き付けられる戦いに盛り上がる地下格闘場で、そんな古賀を恨めしそうに見ていたカストル。非常に目立っている古賀に対して嫉妬していたカストルは、古賀が以前よりも更に腕を上げていることを闇の情報で知っていた。

 

特A級の達人という実力に差があり過ぎる相手と戦っても今の自分では華麗にルチャを見せることはできないと考えたカストルは、古賀との戦いを避けて試合を続けていく。連戦連勝を重ねていった古賀とカストル。組まれた試合を全て終えてカストル以外を全員倒した古賀がそろそろ帰ろうかと考えていると地下格闘場のオーナーから最後に残った者同士で戦ってみないかと提案をされる。

 

観客もそれが見たかったようで大盛り上がりを見せる地下格闘場。複雑な今の状況で一影九拳の弟子を相手にするのは非常に乗り気じゃない古賀は、気当たりで大勢の観客達を気絶させて黙らせる。また観客に乗せられるところだったカストルは特A級の気当たりを浴びても笑っていられる余裕があった。古賀をいずれ華麗に倒してみせると心に決めているカストル。

 

カストルにとって目立つことも大事だが、心に決めた目標を実現する為に日々努力もしている。笑う鋼拳の元でルチャの技術を学んでいくカストルは、いずれ特A級の達人に到達する才能を持っていた。だとしてもそれは遥か未来の話であり、今のところは弟子クラスの妙手寄りといったところのカストル。

 

去っていく古賀の背をじっと見ていたカストルは、鮮やかに輝きを放っていた古賀の戦いの数々を思い出していき特A級の気当たりで高揚した気持ちを静めていく。惹き付けられる戦いを見せてくれた古賀に勉強になったと感謝の気持ちと嫉妬を抱いていたカストルだった。

 

梁山泊に帰ってきた古賀と逆鬼。地下格闘場で荒稼ぎしてきて万札がみっちり詰まった封筒を何本も持った逆鬼が美羽に封筒を渡していく。梁山泊の財政難はこれでしばらくは大丈夫のようだ。夕食の時に逆鬼にはビールがおまけされていて古賀のオカズが大盛りになっていた。

 

翌日、豪勢なツマミを抱えた逆鬼が機嫌良く酒を飲んでいると珍しくツマミを横から取っていく秋雨。せっかくのゴージャスツマミをと言った逆鬼だったが秋雨を止めることはない。アパチャイによくツマミを取られるので慣れてしまったようだ。逆鬼から取ったツマミを食べながら梁山泊の財政難は太一くんのおかげでしばらくは大丈夫そうだねと言った秋雨。

 

太一は手加減して上手くやったがその内地下格闘場に出場できなくなるかもしれねえぜ、武術界では蹴りの古賀で有名になってきているしなと言って酒を飲む逆鬼。有名になったのはタイちゃんが名のある達人を倒したことが原因ねと言う馬剣星。全ては闇が原因かと言った秋雨。

 

梁山泊の面々の会話が終わり、高校から梁山泊に帰ってきた古賀と兼一に秋雨が新作の鍛練器具を稼働させた。お馴染みとなった兼一の悲鳴を聞きながら鍛練を続けていく古賀。特A級の達人となった古賀の鍛練になる鍛練器具を作り上げるのは、秋雨にとっても難しいものだったようだがそれでも作り上げたらしい。

 

兼一の物とは明らかに作りが違う古賀用の鍛練器具。全力で稼働するそれを使って鍛練を行う古賀。正確に10万発の打撃を打ち込まなければいけない鍛練器具に古賀は打撃を叩き込んでいく。稼働が終了した鍛練器具から解放された古賀と兼一。倒れた兼一に馬剣星が死人も起き上がるという高価な漢方薬を飲ませて叩き起こす。

 

梁山泊の師匠達との組手を行う兼一と走り込みに行く古賀。県外から更に先まで走った古賀が梁山泊に帰ってきた頃、兼一はアパチャイと組手をして殴り飛ばされているところだった。アパチャイの手加減が上手くなったことと兼一が丈夫になったことでアパチャイと組手をしても死ぬことはない兼一。

 

高校からの帰り道で拳聖と遭遇してから古賀は常に警戒しながら帰宅している。一影九拳で均衡を崩すようなことを簡単に仕出かすのは拳聖と拳魔邪神ぐらいだが、どちらもヤバい奴であることは間違いないなと考える古賀。特A級になったとしても今の実力で拳魔邪神とは遭遇したくはないと思った古賀は、来るなよ拳魔邪神と祈っておいた。

 

祈りは通じたのか拳魔邪神が古賀の前に現れることはない。代わりに現れた闇の武器組の達人達を倒していく古賀。振るわれた刀剣の刃を逆鬼から教わった刃金斬りで切断した古賀は闇の武器組達を必要以上に傷つけることなく気絶させていった。梁山泊に帰ってきた古賀は逆鬼に逆鬼師匠から教わった技を今日使いましたよと言って感謝の言葉を伝えておく。

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