ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった 作:色々残念
ティーラウィット・コーキンから殺意が込められた一撃を喰らって秋雨に蘇生された兼一。心に恐怖の種を植え付けられてしまった兼一の心の傷をどうにかする為に、しぐれの刀狩りに兼一もついていくことになる。梁山泊の面々は兼一が心配であまり寝られていなかった。
しぐれの父親の刀を譲るという約束の場にて、無敵超人の息子が若い頃に使っていたという業物の手甲を渡されて装着した兼一は、鎧を着込んで槍を持った武者を相手に拳を振るった。槍を手放した武者から至近距離で放たれる刀を使った攻撃を恐怖を飼い慣らして目を閉じることなく手甲で受けて距離を詰め、全力の無拍子を叩き込んだ兼一。
それでもまだ立ち上がってくる武者をしぐれが刀で峰打ちする。兼一の心の傷は、己の死の恐怖だけではなく、根底には人を死なせてしまうのではという互いの死への恐怖が隠れていたことをしぐれは見抜いていた。相手が鎧の人斬りなら本気出せた、ろ?と言ったしぐれ。
最後に残った闇の武器組である鍔鳴りの紀伊陽炎を相手に、激しい戦いを始めたしぐれは移動しながら戦いを続けていく。鍔が鳴った時には人が斬られているという音超えの居合いの達人であり、しぐれと同格の特A級の達人級である紀伊陽炎。互角の戦いを続けていく紀伊陽炎としぐれ。
奥義である秘剣、薄刃陽炎を繰り出した紀伊陽炎。揺らめく刀身がしぐれの服を切り刻んでいく。躱せていないしぐれの腕も浅くではあるが斬られてしまう。戦いに割り込んだ闘忠丸が投げた小さなヌンチャクが紀伊陽炎の指で弾かれて跳ね返されて闘忠丸の首に叩きつけられる。
兼一の手の中に落ちた闘忠丸は、無事かと聞かれて親指を立ててから気を失った。闘忠丸を傷つけられて怒ったしぐれの今までにない鋭い一撃が、紀伊陽炎の背負う鞘のベルトを切り裂く。心刃合錬斬を繰り出したしぐれに浅く斬られ続けた紀伊陽炎。しぐれに髪を斬られても痛くもかゆくもないと言って紀伊陽炎は気にしていない。
剣の1つの究極は刀を己の体の一部にすること、そして、さらなる至高は己と刀が1つとなる境地としぐれの師匠である香坂八郎兵衛の言葉を言った紀伊陽炎。さっきの技は、まさにそれ、刀と1つになりましたねおじょうさんと言う紀伊陽炎は、だあが、それができるのはあなた1人だと思うなよぉ!と言い出した
私とこの刹那丸は相思相愛、1つになるなど容易いこと、と言いながら刀身に頬擦りした紀伊陽炎にゾッとした兼一。決着をつけましょう!より刀と1つになれた方が勝つ!と言って刀を構えた紀伊陽炎。互いに構えた状態で駆け出した2人。心刃合錬斬を繰り出した両者。
しぐれのかたびらが斬られて紀伊陽炎の脳天から額にまで血が流れる。バカな、私より刀と1つになれる者がいるなんてと言う紀伊陽炎に、父の作った、刀だ、ボクが1番でとうぜ、んと言ったしぐれ。しぐれが刀匠の子供だと思い出した紀伊陽炎は、どうりで、私の刹那丸が、あなたを斬りたがらないわけ、だと言うと気絶した。
紀伊陽炎の手から刹那丸を奪い取ったしぐれは刀を鞘に納めて持ち帰る。梁山泊に帰ってきた兼一としぐれを出迎えた梁山泊の面々。生きて戻るか心配で徹夜で待っていて寝不足の逆鬼と秋雨。手も足もついてるよ、ラッキーよと喜んだアパチャイ。心の傷の具合はどうかな?と言った秋雨。
逆鬼と秋雨にアパチャイと馬剣星の強烈な気合いを受けてなんの!と見事に耐えた兼一にアパチャイだけが、脅かすだけのはずなのについクセで強めのパンチを放ってしまったが、間一髪で割り込んだ古賀がパンチを受け止めていたので兼一は無傷のままで済んだようだ。
かなり顔の近くまできていたアパチャイの拳に、梁山泊の方が危険ってどういうことなんだろうと兼一は思ったらしい。まあ、なにはともあれ無事に帰ってきて何よりだよ兼一と言って笑った古賀に、いや本当に助かりました、ありがとうございます古賀先輩と言って頭を下げた兼一。
で、どうじゃったかね兼ちゃん、しぐれとの裏社会科見学は?と言った無敵超人に、手甲をどうもありがとうございました!おかげでまた1つ、乗り越えられたような気がしますと言って兼一は笑顔を見せる。よい顔になって帰ってきおったのう、と思った無敵超人は、手甲に手をそえてそれはもうお主のものじゃ、ちゃんと手入れをするのじゃぞと言った。
こうしてしぐれの刀狩りについていった兼一は心の傷を克服し、武術家としても一皮むけたようだ。この日は日曜日で特別に修行が休みになった兼一は、しぐれに感謝の言葉を伝えてから朝ごはんを食べにいく。今日の朝ごはんはアジの開きだった。朝からおかわりを何杯もするアパチャイと宇喜田。良く食べる2人にご飯をよそっていく美羽は、良く食べますわねと微笑んだ。
日曜日なので朝から梁山泊で鍛練をしていた宇喜田はとても腹が減っていたらしい。朝食を食べ終わった兼一が部屋に戻ってゆっくりと身体を休めているとしばらくして宇喜田の悲痛な悲鳴がどこからか聞こえてくる。秋雨が作成した鍛練器具を使った過酷な鍛練を宇喜田はしているようだった。
秋雨作の鍛練器具による鍛練が終わった宇喜田は走り込みになり、古賀をタイヤに乗せて引きながら駅8つよりも遠くの場所まで走っていく。走り込みの最中に武田とジェームズ志場に遭遇した宇喜田と古賀。また会ったな秋雨っちの弟子とその弟子と言ってきたジェームズ志場。
今日も前みたいにぶっちぎってやるのであると言いながら笑ったジェームズ志場に、そうはいきませんよジェームズ志場さんと言った古賀。加速した武田に容易く追いついて追い越した宇喜田は、そのまま駆け抜けていく。くわえていたタバコを落としたジェームズ志場は、この短期間で我が弟子以上の脚力にまで鍛え上げているだと!と驚愕していた。
俺が足の速さで武田に勝ったぜ、信じらんねえ!と言う宇喜田は走りながら喜んでいる。日頃の鍛練の成果ですよと言った古賀も弟子の進歩に笑顔で喜んだ。走り込みをそのまま続けていった宇喜田は以前とは比べ物にならないほどの驚異的な速度で梁山泊にまで走って帰ってきた。
梁山泊の道場で組手を行う古賀と宇喜田。今の宇喜田よりも少し強い程度にまで実力を抑え、とてつもなく手加減した古賀が放つ当て身を回避した宇喜田は実力が近い相手の動きを感じ取ることができるようになっていた。動のタイプの武術家として更に先に進んでいた宇喜田。
組手を続けていく内に徐々に強くなっていく宇喜田に合わせて古賀も少しずつ実力を上げていっていた。激しさを増していった組手で古賀に投げられながら身を捻り畳に着地した宇喜田は、そのまま胴着を掴む古賀の手を掴もうと手を伸ばす。素早く胴着から手を放し、伸ばされた宇喜田の手を当て身で弾いた古賀が、今度は宇喜田の腕を掴むと手早く投げる。
すかさず受け身をとって立ち上がった宇喜田が入り身で距離を詰めて当て身を放つ。古賀に避けられた宇喜田の当て身は空を切るが、手を引かずに肘を曲げて古賀を掴んだ宇喜田。渾身の投げを繰り出そうとする宇喜田だったが、するりと掴んだ手から抜け出した古賀は入り身で宇喜田の死角に入り込む。
繰り出された古賀の鋭い当て身を躱す宇喜田は、何か知らねえが勘が鋭くなってねえか俺と考えながら動いていく。休む暇もなく動き続けた宇喜田。古賀の弟子になってから体力が凄まじいものになってきている宇喜田は、長時間の激しい組手にも耐えられるような身体になっていた。
古賀と宇喜田の組手が終わりとなり、ちょうど昼食の時間になる。今日の昼ごはんは焼きそばのようだ。大盛りの焼きそばを食べていくアパチャイと宇喜田。焼きそばに入っていたピーマンだけをアパチャイの皿に素早く入れていく秋雨。ピーマンだけが食べられない秋雨を見ながら、それが唯一の岬越寺師匠の弱点かなと思った古賀。
昼ごはんを食べ終わった全員におやつのたい焼きが配られる。あんこがぎっしり詰まっているたい焼きを口いっぱいにほうばりながら笑顔になったアパチャイは、だいたい何でも美味しそうに食べる。宇喜田もたい焼きを食べていき、あっという間に食べ終わってしまう。
おやつの時間も終わり、再び鍛練を始めた宇喜田。地蔵を1体背負ったまま筋力鍛練を行っていく宇喜田の全身の筋肉が、徐々にピンク色の筋肉に置き換わっていっており、今では普通の筋肉よりもピンク色の筋肉のほうが多くなってきている。宇喜田の全身の筋肉が完全にピンク色の筋肉になるまで時間がもう少しかかるだろう。
筋力鍛練を行っている宇喜田の近くで古賀も筋力鍛練を始めていた。65体の地蔵を背負った状態で筋力を鍛えていく古賀。全身がピンク色の筋肉になっている古賀の筋肉は、発達が尋常ではなかった。質も量も凄まじいものになっている筋肉を持つ古賀の筋力は準超人級の中でも並外れており、古賀より優れた筋力を持つ準超人級はいないようだ。
筋力鍛練を終えた古賀と宇喜田は続いて技の鍛練を開始する。胴着を着用した投げられ地蔵を相手に今まで学んだ技の鍛練をしていく宇喜田の近くで、古賀も技の鍛練をしていった。古賀に教えられた柔術の技を繰り出す宇喜田に、梁山泊の師匠達から叩き込まれた4つの武術の技を放つ古賀。
技の鍛練の最後に数え抜き手を古賀は鉄骨に使う。四本抜き手、三本抜き手、二本抜き手、一本抜き手と指の本数を一本ずつ減らして繰り出していった古賀の一本抜き手を放った腕が鉄骨を貫通したところを見て、おっかねえ技だなと言った宇喜田。使う相手は選ぶようにしてますから大丈夫ですよと言う古賀。
2人の技の鍛練が終了し、夕食の時間になったところで食べに向かう古賀と宇喜田。今日の夕ごはんは餃子だったようだ。ご飯をおかわりする宇喜田とアパチャイ。積み重ねた2つの鍛練でよほど腹が空いていた宇喜田は沢山ご飯を食べていく。腹いっぱいになるまで食べた宇喜田は満腹になった腹を擦る。
朝昼夕の3食全部美味かったなと思いながら梁山泊の門を開けて自宅に帰っていく宇喜田は、梁山泊の重い門も簡単に開けられるようになっていた。外に出た宇喜田は、古賀が俺を連れていこうとしてる地下格闘場ってどんな場所なんだろうなと考えていく。想像してみると凄まじい場所のような気がするけど、今の俺なら戦えると古賀が判断したんだよな、ならいけるのかと思った宇喜田。
武田も地下格闘場に行って試合してるんだよなと考えた宇喜田は、俺も行ったほうが良いのかと頭を悩ませる。地下格闘場に行くか行かないかは俺に任せるって古賀は言ってたよなと呟いた宇喜田は、腕を組んで1人考えていった。とりあえず一度だけ地下格闘場に行ってみるかと思った宇喜田は、次に古賀の元へ行った時にそれを言うとしようと考える。
宇喜田が帰った後に無敵超人との組手を開始した古賀。かなり超人級寄りの準超人級と超人級の戦いは苛烈なものになり、互いがぶつかり合う度に荒れ狂う風が巻き起こる。流水制空圏を用いて戦いを続けていく古賀に無敵超人の攻撃が繰り出されていった。それらを全て流麗な動きで受け流していく古賀は、完全に極めた流水制空圏で流れに乗せた無敵超人を投げ飛ばす。
投げられながら空中で素早く体勢を立て直した無敵超人は着地すると腕を更に上げおったなと笑うと拳を振るう。振るわれた超人級の拳を反らした古賀に続けて放たれる蹴り。蹴りの軌道を変えた古賀は直撃を避けて距離を詰めると無敵超人に無拍子を繰り出した。無敵超人の手に受け止められてしまった無拍子は掴ませる為のおとりで本命は岬越寺無限生成回帰だった古賀。
脳から手に手を離せと指令が伝わる前に相手を投げ続ける技であるが、1回古賀が無敵超人を投げただけでとてつもない反応速度で手を離した無敵超人。だとしても格上の相手である無敵超人を古賀が投げたことに変わりはなく。戦いの最中にも進歩しておるなと頷く無敵超人。準超人級と超人級を隔てる壁を抜けかけている古賀は、超人級に限りなく近付いている。
凄まじい組手を続けていく古賀と無敵超人。準超人級から超人級の領域に足を踏み入れかけている古賀の相手は無敵超人にも容易いものではなくなっていた。流水制空圏を使っている古賀が放つ上段廻し蹴りを受け止めた無敵超人は、蹴りだけなら既に超人級並みの威力じゃなと判断する。
自分の全力を受け止めてくれる無敵超人に感謝した古賀は、今まで梁山泊で学んできた蹴り技の数々を繰り出していく。それら全てを捌いていった無敵超人は、繰り出された古賀の蹴りの鋭さと完璧と言える完成度に、蹴りの古賀と呼ばれるだけのことはあるのうと思ったらしい。
無敵超人との組手を終えた古賀は1人で地下格闘場にまで走って向かっていた。到着した地下格闘場は大盛況で問題なく試合が行われているようだ。古賀の姿に気付いた地下格闘場のオーナーが、マスター古賀、来てくれたんですねと笑顔で話しかけてくる。元気そうだねオーナー、怪我も治ったみたいで良かったよと古賀は言う。
ええ、怪我はもう大丈夫です、今日は試合をしていかれるんですかマスター古賀と言ってきた地下格闘場のオーナーに、一応そのつもりだけどと言った古賀。マスター古賀の試合は人気がありますからね、地下格闘場も盛り上がることでしょうと言う地下格闘場のオーナーは嬉しそうだった。
始まった古賀の試合を見ていたカストルとボルックス。古賀の試合は勉強になるけど、私よりも多くの声援を浴びるのは妬ましいわねと言いながら古賀を見ていくカストル。ボルックスはカストルの隣に無言で佇んでいた。相手に応じて手加減して華麗な試合を見せていく古賀が、とても輝いて見えると思ったカストルは視線を古賀から外さない。
歓声が止むことがない試合が続いていき対戦相手がいなくなった古賀は、今日はこんなもんかなと考えてリングを降りる。とても良い試合でしたよマスター古賀と言ってきた地下格闘場のオーナーに、良い試合だったなら良かったよと言った古賀。これが今日の賭け金ですと地下格闘場のオーナーが、万札の詰まった分厚い封筒を数本手渡してきた。
それを感謝して受け取った古賀に話しかけてきたカストル。今日も歓声が絶えない素晴らしい試合だったわねと言って笑いかけてきたカストルに、きみは珍しく試合をしてなかったようだけど、どうしたのかな?と聞いた古賀。貴方が来る前に試合を終わらせてたのよと答えたカストル。
そうだったのかと納得した古賀はカストルに背を向けて地下格闘場から立ち去ろうとする。そんな古賀の背中に、また会いましょうねと声をかけたカストルは微笑んでいた。地下格闘場から梁山泊に帰ってきた古賀は、明日美羽ちゃんにこの封筒を渡そうと考えながら部屋に戻っていく。