ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった 作:色々残念
新入生の櫛灘千影がYOMIであることに気付いていた兼一は、武術を用いない兼一流の戦いとして千影と交流することを決めていた。千影がまだ子供であることにかけてみたいと思った兼一は、もし千影と友達になることができたらと考えている。日々交流していく千影と兼一。
兼一達の様子を見に来た古賀が手作りのクッキーを差し入れると千影の顔が少し輝いていた。クッキーを一口かじると顔が少し綻ぶ千影。また何か持ってくるよと言って去っていく古賀に感謝をした兼一。どうやら千影は甘いものが好きらしいと気付いた兼一は、今度ケーキの美味しい喫茶店に千影を誘ってみようと考える。
梁山泊にて組手を始めた宇喜田と兼一。前に組手をした時よりも更に強くなっている宇喜田を相手に兼一は苦戦する。兼一と筋力が拮抗するようになるまで鍛え上げられた宇喜田が放つ鋭い当て身を制空圏で反らしていく兼一。宇喜田がこの前とは比べ物にならない程強くなっていることに驚く兼一は、古賀先輩は宇喜田さんにどんな修行をさせたんだろうと思いながら戦っていく。
兼一からの攻撃を全て回避して接近した宇喜田は、兼一の胴着を掴むと素早く投げを放つ。見事な受け身をとった兼一は立ち上がり、宇喜田に向かっていった。相手の力に呼応して実力が引き上げられていく動のタイプである宇喜田は、兼一を相手に更に強くなっていく。
逆鬼から教わった夫婦手を繰り出した兼一の攻撃を宇喜田は古賀に教え込まれた入り身で避けて死角に入り込み、瞬時に兼一の腕を掴むと背負って勢い良く投げる。畳に叩きつけられながらも受け身をとる兼一に、柔術の関節技を使う宇喜田。学んだ全てを駆使して持てる力を振り絞り、何とか巧みな関節技から逃れた兼一は、柔術だけなら宇喜田に完全に追い越されていると判断した。
兼一が放ってきた最強コンボ1号を躱していく宇喜田。最後の朽木倒しで掴みかかろうとする兼一を当て身で撃墜した宇喜田は、距離を詰めて胴着を掴むと古賀に叩き込まれた柔術の投げを繰り出す。投げられた兼一は受け身をとるが、宇喜田に関節を極められそうになって急いで距離をとった。
戦いの中で実力が兼一にほんの少し劣る程度の僅差にまで近付いている宇喜田は、自分の進歩を実感して師匠である古賀に感謝しながら戦っていく。前は避けられなかった兼一の攻撃を避けることができるようになっているのは古賀に鍛えられたおかげだと理解している宇喜田。
今までの過酷な鍛練は1つも無駄になっていないことが良くわかった宇喜田は、これで先に進んでいる新白連合の皆に置いていかれないで済みそうだぜと考える。一進一退の攻防が続いた兼一と宇喜田の組手が終わり、鍛練の時間となった2人は今日も過酷な鍛練を始めていった。
宇喜田と兼一の悲鳴が聞こえる梁山泊。共に秋雨作の鍛練器具を用いて鍛練を行っている2人。回転するハムスターの玩具のような鍛練器具の中でひたすら走ることになった兼一と、当て身を木人の急所である頭部の的に正確に連続で当てなければ近付いてきた木人の電撃を喰らう鍛練器具を使っていく宇喜田。
鍛練器具による鍛練を終えた兼一と宇喜田は倒れ込んでいたが、馬剣星の漢方で強制的に叩き起こされる。技の鍛練を始めた2人は、それぞれの師匠の前で技を繰り出していった。悪いところを指摘されて技の見本を見せられた後に良いところを褒められた兼一と宇喜田は、技の鍛練を続けていく。
今日はここまでとそれぞれの師匠に言われて技の鍛練が終わりとなった兼一と宇喜田。次は走り込みの時間となってかなりの重量の重りを抱えた秋雨をタイヤに乗せて引いて走る兼一と、重りを背負った古賀を身体に結んだロープに繋いだタイヤに乗せて引きながら宇喜田も走り出す。
速度が同じくらいで並走した2人。秋雨が兼一くん、同じくらいでは困るよスピードアップしたまえと言い出して鞭を打つ。速度を増した兼一に置いていかれそうになった宇喜田に、兼一に負けないで下さい宇喜田先輩、此方も速度を上げましょうと言うと鞭を振るう古賀。最高速の兼一に全速力で追いついた宇喜田は、そのまま並んで走っていく。
今の兼一くんが振り切れないとは、随分と彼を鍛え上げているようだね太一くんと言った秋雨に、密度の濃い鍛練を宇喜田先輩には行わせていますからね、その成果が出てきたところですよと言って古賀は笑った。和やかに会話する師匠達をタイヤに乗せて引きながら弟子達は弟子達で会話をする。
いつまで経っても慣れないぜこれはと言う宇喜田に、そうですね、走り込みはいつもキツいですと言った兼一。走りながら会話ができる余裕がある弟子2人に師匠達は、話せる余裕があるならもう少し速度を上げても問題ないかなと思ったようだ。走っている弟子達に師匠2人の鞭が振るわれて、加速させられた兼一と宇喜田。
驚異的な速度で走り込みを終えて梁山泊に帰ってきた兼一と宇喜田は再び鍛練を始めていく。地蔵を1体背負った状態のまま、秋雨考案で古賀に受け継がれた筋力鍛練をしていった宇喜田。持久力と瞬発力を兼ね備えている良質なピンク色の筋肉に置き換わっていく宇喜田の全身の筋肉。
無駄なく絞り込まれた宇喜田の身体は少し細くなったようだが、これまで以上の筋力を発揮する宇喜田の筋肉は性能が段違いになっていた。今は兼一と同程度の筋力だが、完全に全身がピンク色の筋肉に変われば兼一以上の筋力を宇喜田は持つことになる。日々の特殊な筋力鍛練で鍛え上げられた宇喜田の身体は徐々に特別製になっていく。
全ての鍛練を終えて帰っていった宇喜田を見送った古賀と兼一は、梁山泊の内弟子として鍛練を続けていくことになった。梁山泊の師匠達と組手を開始した兼一は、果敢に挑んでいくが圧倒されて吹き飛んで壁や天井に穴を開けることになる。無敵超人と組手を始めた古賀は、苛烈な無敵超人の攻撃を全て流水制空圏で受け流していく。
かなり超人級寄りの準超人級である古賀は、超人級の無敵超人を相手に過酷な鍛練で鍛え上げた技をいくつも繰り出していった。古賀が放った技を同様に使ってくる無敵超人に、流水制空圏で技を捌いていきながら流れに乗せた無敵超人の脇腹へと右三日月蹴りを繰り出す古賀。
脇腹へ直撃する寸前に無敵超人に掴まれた蹴り足をそのまま掴ませた状態で片方の足を使って古賀は、無敵超人の顔面を狙った左膝蹴りを放つ。瞬時に古賀の右足を手離した無敵超人の重ねた掌に受け止められた古賀の左膝蹴り。無敵超人に手離された右足を使って無敵超人の側頭部を狙った廻し右膝蹴りを放った古賀。
瞬く間に重ねた掌を押して受け止めていた古賀の左膝を突き飛ばし、距離をとった無敵超人の眼前を古賀が繰り出した廻し右膝蹴りが通過する。かなり超人級寄りの準超人級と超人級の2人の攻防が続く度に吹き荒れる暴風が、行われている戦いの凄まじさを現していた。
無敵超人と組手を行っている最中に超人級まで後もう少しというところまで来ている準超人級の古賀。日々の鍛練と無敵超人との組手で、準超人級と超人級の間にある壁を破りかけている古賀は、後少しで何かが変わりそうだと考えていた。組手を終えた無敵超人と古賀は汗を流しに温泉へと2人で向かっていく。
到着した温泉に浸かりながら疲れをとっていった古賀と無敵超人。タイちゃんも随分とやるようになったのと笑いながら言ってきた無敵超人に、まあ鍛練は日々欠かしていませんからねと言った古賀。そういえばタイちゃんの弟子の彼はどんな感じかのうと聞いてきた無敵超人。
今の兼一に少し劣る程度にまでは鍛え上げておきましたよと古賀は答える。師匠としても上手くやってるようじゃなタイちゃんと言う無敵超人は嬉しそうに顔を綻ばせた。師は弟子を育て、弟子は師を育てるってことがようやくわかってきたところですと笑顔で言った古賀。
うむ、弟子をとったことはタイちゃんにとって良い影響を与えたようじゃの、良い顔をしておると頷く無敵超人。そうですか、長老がそう言うならそうなんでしょうねと古賀は言って湯を両手で掬い上げると顔にかけて汗を洗い流す。YOMIのカストルとはどうなっとるのかのうと無敵超人が聞いてくる。
高校に行っている時はいつも昼食を一緒に食べてますねと答えた古賀。そうして一緒にいることをタイちゃんはどう思っとるんじゃと言ってくる無敵超人に、昼休みに屋上で技の鍛練ができないのは残念だなという気持ちはありますが、カストルと過ごす時間はとても穏やかですね、嫌ではないですよと古賀は言う。
タイちゃんも青春しとるのうと思いながら頷く無敵超人に、何で頷いてるんですかと不思議そうに聞く古賀。会話を終えて温泉を上がった2人はそれぞれの部屋に向かっていく。辿り着いた部屋に入り、たたんでいた布団をしいて横になった古賀は、直ぐに寝入った。一度眠りに入ると何かしらの異変を感じなければ早朝まで起きることはない古賀。
特に何事もなく朝を迎えた古賀は早朝から基礎の鍛練を疎かにすることなく行っていく。70体の地蔵を背負った状態で基礎鍛練を開始した古賀は、梁山泊の内弟子となる前から毎日基礎の鍛練を欠かしておらず、日々の鍛練で積み重ねられた基礎は膨大なものになる。
基礎鍛練を終了した古賀は良い汗をかいていた。朝から温泉に入って大量の汗を古賀は流す。温泉を上がったところで、ちょうど朝食の時間になり朝ごはんを食べにいく古賀。今日の朝はなんだろうと思いながら食卓に向かう古賀と出会ったアパチャイがにこやかに、おはようよ太一と言ってきたので、おはようございますアパチャイさんと古賀も笑顔で言った。
食卓に到着した古賀とアパチャイは席に座って朝ごはんを待つ。美羽が持ってきた今日の朝ごはんは鱈のバター焼きだった。朝から何回もおかわりをする元気なアパチャイの隣で朝ごはんを食べていく古賀。稼いできたのでアパチャイさんの食欲が凄くても梁山泊の財政はしばらく大丈夫だろうと考えた古賀は、余計な出費がなければ問題はないなと判断する。
朝食を食べ終えた古賀は今日も手早く弁当とお菓子を作っていく。完成したものを丁寧に彩り良く弁当箱に詰めてお菓子は袋に入れた古賀。弁当箱と袋を鞄に入れて高校に向かう古賀にいってらっしゃいよと手を振るアパチャイに、いってきますと振り返って言ってから駆け出した古賀は、あっという間に高校に辿り着いた。
教室に入って席に座った古賀の元に宇喜田と武田にヴァルキリーが近付いてくる。朝の挨拶をした古賀に挨拶を返した3人。宇喜田が兼一くんを苦戦させたって聞いたけど、そこまで宇喜田を鍛え上げたのかい古賀くんと言ってきた武田に、ええ、今の宇喜田先輩は兼一に少し劣る程度にまで実力を上げていますよと古賀は言う。
やるじゃないか宇喜田と言いながら笑うヴァルキリーに、これも全部古賀が師匠になってくれたおかげだぜと言った宇喜田。宇喜田の進歩を聞いてから加減とか知らないジェームズ志場先生が更に張り切ってるのが怖いじゃなーいと頭を抱えた武田。師匠を選んだのは自分でしょう、だったら耐えるしかありませんよ武田先輩と言う古賀。
授業が始まり真面目に授業を受けていった古賀は、配られたテストの問題を全て解いていく。テストが終わりとなり、自己採点でも満点だった古賀は成績優秀な生徒であった。古賀に勉強を教えてもらっている宇喜田と武田も成績が上がっているらしい。ちなみにヴァルキリーがそれに少し危機感を抱いているようだ。
宇喜田と武田にまで成績で負けたくないと思ったヴァルキリーは密かに猛勉強していた。それでヴァルキリーの成績も上がっているそうだ。とりあえず出席日数も充分で成績も問題ない宇喜田と武田の2回目の留年は、これで避けられることは間違いない。来年は全員揃って卒業ができそうだった。
昼休みになり弁当箱片手に屋上へ行った古賀は、屋上で座って弁当箱を開く。屋上の扉を開いて現れたレイチェルが古賀の隣に座った。今日は何かしらと言いながら古賀の弁当箱を覗くレイチェルに、今日のメインのおかずは豚肉のしょうが焼きだよと言った古賀。それは美味しそうねと言うレイチェル。一口食べるかい?と聞く古賀にもちろんいただくわと言ったレイチェルは微笑む。
弁当箱から豚肉のしょうが焼きを箸でつまんだ古賀が差し出すとレイチェルがそれをほうばった。食べ終えて美味しかったわと笑顔で言ったレイチェルに、それは良かったと言って古賀も笑う。今日の私の昼食はサンドイッチだけど一口食べるかしら?と聞いてきたレイチェル。
いやいいよと言う古賀に遠慮しなくてもいいのよと言ってサンドイッチを差し出してくるレイチェル。顔の近くにきたサンドイッチを普通に避ける古賀。せっかく私が作ったのにと残念そうなレイチェルに、きみが作ったんなら食べるよと言った古賀へレイチェルはサンドイッチを差し出した。
サンドイッチを一口かじって、うん、美味しいよ、このサンドイッチと正直に感想を言う古賀に、良かったと言って笑ったレイチェルはとても嬉しそうだ。レイチェルが自分で作ったサンドイッチを古賀に食べてもらって美味しいよと言われたことが物凄く嬉しかったらしい。
互いに弁当を一口ずつ食べさせ合っていた古賀とレイチェルは、だいぶ仲良くなっていた。殺人拳と活人拳で互いの立場に違いがあるが、そんなものは関係ないと距離を詰めてきたレイチェル。警戒していた古賀もYOMIのカストルは、高校ではレイチェルとして普通に日常を過ごしているだけだと判断して普通に接していく。
古賀と一緒にいる時はいつも楽しそうに笑っているレイチェルに古賀も笑顔をよく見せるようになった。2人で屋上で過ごす時間をとても大事にしているレイチェルは、高校に登校してきた時は必ず昼休みは屋上に向かっている。クラスメイトの女子に一緒にお昼を食べようと誘われても断って屋上に行くレイチェルは、古賀の隣が定位置になっていた。
昼休みの終わりの時間が迫ってきたところで屋上から教室に戻ろうとする古賀に、レイチェル分身と技を使いながら全力で抱きつこうとしてきたレイチェル。あっさりとそれを避けた古賀は、じゃあまた明日と言って手を振って去っていく。古賀の背中にいずれ貴方を抱きしめてみせるからねと言ってきたレイチェルに、諦めてくれないかなと古賀は思ったようだ。
放課後になり兼一と千影の元に向かった古賀は、今度は手作りのドーナツを持ってきていた。渡されたドーナツを一口食べて頬を緩ませた千影に、気に入ってもらえて良かったよと言った古賀は、じゃあまたねと言って去っていく。兼一にも渡されたドーナツを食べた兼一は、クッキーを食べた時も思ったけど古賀先輩はお菓子作りも凄く上手なんだよなと考える。
少しずつ交流を深めていく兼一と千影。兼一と会話をしていく千影は、色々と始めての経験をしていった。兼一との交流は千影に少しずつ影響を与えていっているようだ。戦いの火に心を喰われた目をしていた千影が、本当に子供のような目をする時があることに気付いていた兼一は、お菓子を食べている時は本当に年相応の顔をしているなと思っていた。