ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第22話、超人

色々とあって馬剣星の娘である馬連華が兼一の通う高校にやってくる。YOMIに狙われている兼一を守るためと言うが、連華を狙う刺客まで高校に来るようになって余計に危険になったんじゃないかと兼一は思ったようだ。高校へ通う途中で刺客に襲われていた連華達。

 

相手は三節棍を用いる準達人級で繰り出された三節棍による鋭い攻撃を武田と宇喜田が割り込んで止めた瞬間、連華達3人による連携攻撃が準達人級に叩き込まれて準達人級を倒した連華達。助けられたことに感謝をした連華は、これほどの使い手が兼一の友人にいるなんてと驚いていた。

 

武田先輩、宇喜田先輩、兼一との勝率は?と聞いてきた連華に、1回目のケンカは俺が負けてるし2回目の組手も負けみたいなもんだったしな、3回目の組手で勝負になるようになって引き分けになったから今のところ俺の負け越しだなと言った宇喜田は、武田は兼一と1回だけマジで喧嘩したくらいで後は戦ってないはずだぜと言って腕を組む。

 

宇喜田先輩はともかく、武田先輩はもったいないわね、近くにこんな好敵手がいながら普段から組手をしていないなんて、と言う連華。ぜひ武田先輩ともっと戦うべきよと言った連華に乗り気ではない兼一だったが、武田が彼女の言う通りだと言い出す。YOMIに対抗しうる力を手に入れるには、互いが全力でぶつかり合う実戦的な組手は最高かもしれない!と言う武田。

 

なにより兼一くん、ボクはもう一度キミと戦いたいと言った武田に兼一も覚悟を決めたようだった。組手の許可を梁山泊の師匠にとってみた兼一。梁山泊にて睨み合うジェームズ志場と秋雨。ヒゲの悪口を言い出したジェームズ志場に怒った秋雨が、いっそ、負けた方はヒゲを剃るというのはどうかね!?と言う。

 

ヒゲ剃りマッチとなった戦いに大ごとになってしまったと震える兼一と武田。こうして梁山泊の誇りとヒゲをかけた武田と兼一の組手が梁山泊から場所を移してジェームズ志場の住居で開始される。兼一が放ったムエタイの膝蹴りをナックルパートを用いて左腕一本でバウンドした武田。制空圏を発動しようとした兼一に、無拍子を元に開発した技であるオートゥリズムを武田が繰り出す。

 

ノーモーションからの最大パワーパンチであるが、主に上半身の特に背筋を上手く使った技で兼一くんの無拍子とは少々質が違うと断言した秋雨。だが見事だ、武田くん、よくぞ突きをここまで研究した、その技はさらなる進化を遂げていくだろうと武田を褒める秋雨に、あーもう、相手褒めないで!と言った兼一。

 

ジェームズ志場から裏ボクシングを学んだ武田は以前よりも遥かに腕を上げており、兼一の放つ攻撃を全てナックルパートで打ち返していく。真正面から打たず、力を逸らす絶妙の角度で攻撃にナックルパートを打ち込む武田。戦いが続きオールレンジパンチを打ち込んだ武田は、兼一の身体はまるで鋼鉄のように頑丈だと感じていた。

 

武田の腕を掴み取って一本背負いを繰り出した兼一に投げられながら、兼一の後頭部にメテオストレートという全体重が乗ったラビットパンチを叩き込んだ武田。あまりの威力にダウンした兼一に攻撃することなく武田は待つ。倒れている者への攻撃だけはしない、なぜならボクシングは裏も表も紳士の格闘技だからであーると言い出すジェームズ志場。

 

普通に立ち上がった兼一に、あれを喰らってまだ立つのかーいと驚いていた武田が振るう拳を流水制空圏で躱した兼一。武田を叩きのめした兼一に新島が試合で仲間相手にここまでできるとは、いっが~い!と驚きながら引いていた。武田が倒れそうになったところでゴングが鳴り響き第1ラウンドが終了となる。

 

次のラウンドが始まり武田までもが浅いが流水制空圏を発動していた。うおお!やるじゃん武田の奴!評価を書きかえなきゃ!と手持ちの小型コンピューターにデータを入力していく新島。無敵超人の秘技である流水制空圏を自力で探り出して弟子に習得させたジェームズ志場は並みの達人ではない。流石は特A級と言えるジェームズ志場は弟子の育成能力も優れていたようだ。

 

互いに互いの流れを読む兼一と武田は、まだまだ読みが粗いと梁山泊の師匠達に言われていた。オートゥリズムを繰り出した武田に流れを読めていても避けられない攻撃を喰らってしまう兼一。連射が可能であるオートゥリズムを再び喰らった兼一は、あと一撃で確実に沈むとジェームズ志場に判断されていた。

 

流水制空圏第二段階にまで到達している兼一に懐に入り込まれた武田は、逆方向に発勁する兼一の無拍子を喰らって吹き飛んだ。かなり強烈な肘を喰らった武田はマウスピースを吹き出してしまうほどのダメージを受けていた。それでも立つ武田から感じ取った異様な威圧感に、やらなければやられると判断した兼一は蹴りを叩き込もうとする。

 

弟子の為に迷わずタオルを投げたジェームズ志場に、兼一の蹴りを止めた秋雨。TKOである!貴殿らの勝ちだ、負けを認めよう!と言ったジェームズ志場。バケツで水を被せて武田を起こしたジェームズ志場は一基よ、負けてしまうとは何事か!?と言っていた。謝る武田に折れ曲がったタバコをくわえたジェームズ志場が、はん!ごめんで済んだら警察は不要であーる!と言い出す。

 

いや、短期間にこの上達、いささか驚いているよ、うちのとはえらい性能の違いだ!と言う秋雨。もし、もっと素早い勝負に持ち込めていたらキミが勝っていたかもしれない、とにかく素晴らしい試合だったよ!と秋雨は武田に言った。その後、ヒゲを剃ることになったジェームズ志場はしぐれから渡された短刀でヒゲをほんの僅かな少しだけ剃ってはい、剃ったと言って逃げ出す。

 

そんな志場に怒った秋雨がしぐれをけしかけて丸ボウズにしてしまうんだ!と言い出した。屋根の上で特急が通る時間を待っていたジェームズ志場は、通り過ぎる特急電車の上に飛び乗って逃げていく。そんな出来事がありながらも武田と握手した兼一は、また、試合しましょう!お互い強くなる為に!と言った。ああ!と力強く了承した武田。こうして武田と兼一の組手は終わりとなる。

 

2人の組手を見ていた宇喜田は、俺も負けてらんねえなと奮起して梁山泊で鍛練に励む。師匠である古賀との組手を積極的に行う宇喜田。動のタイプの武術家として進歩している宇喜田は、今の宇喜田よりも少し上程度の実力になるまで力を抑えて、とてつもなく手加減した古賀の攻撃を全て回避していく。

 

今までは柔術を身体で教える為に柔術の技だけを宇喜田に使ってきた古賀だったが、一通りの技は教え込んだと判断した為に4つの武術の技を使い始めた古賀。空手、ムエタイ、中国拳法、柔術という種類の違う武術を瞬時に切り替えて使い出す古賀に最初は困惑していた宇喜田だったが、何とか喰らいついていった。

 

相手が想定外の技を出してきた時に宇喜田が対応できるかどうかを確かめる為に、今日見ただけで覚えたオートゥリズムを繰り出した古賀。これは武田の技じゃねえかと思った宇喜田。あまりの速度に避けきれず宇喜田の腹部に叩き込まれた拳。ぐふうっ!と息を吐きながらオートゥリズムを放った後の古賀の腕を掴んだ宇喜田は投げを放とうとする。

 

宇喜田の手を外した古賀は再びオートゥリズムを打ち込む。頑丈になった宇喜田でも意識が飛びそうになるほどの技を連続で喰らって、多少ふらついたがまだ立っている宇喜田。3度目のオートゥリズムを打ち込まれる瞬間に捨て身で当て身を放った宇喜田は良い根性をしている。

 

宇喜田の当て身が古賀に当たることはなく紙一重で躱していた古賀は、当たりはしなかったとしてもオートゥリズムを打ち込まれながら当て身を放ったのは良い根性ですよと宇喜田を褒める。続けて3発ものオートゥリズムを喰らって流石に気を失った宇喜田に活を入れて起こした古賀。

 

気を失ったのは久しぶりだぜと言って倒れていた畳から起き上がった宇喜田は、身体は痛むが充分動けるなと判断する。ここで鍛えられて随分と俺も頑丈になったなと思った宇喜田。それで、武田の技を使ったのは、相手が想定外の技を使ってきた時に俺がどう対応するかを確認する為か?と聞いてきた宇喜田に、その通りですよと答えた古賀。

 

確かに驚いて反応が少し遅れちまったぜ、修行が足りねえな俺はと言いながら肩を落とした宇喜田は少し落ち込んでいる。そんな宇喜田の肩に手を置き、最後の捨て身は悪くなかったですよと言って古賀は宇喜田を励ます。本当かと言った宇喜田に嘘は言いませんよと言う古賀。

 

師匠である古賀を相手にした組手を終えて筋力鍛練を始めた宇喜田。地蔵を遂に2体背負った状態で宇喜田は筋力を鍛練していく。持久力と瞬発力を兼ね備えたピンク色の筋肉に全身の筋肉が置き換わった宇喜田の筋力は並みではなく、弟子クラスの中でも宇喜田はかなりの筋力を持っている。

 

過酷な筋力鍛練を終えて梁山泊から自宅に帰っていく宇喜田を見送り古賀も自分の鍛練を始めていった。宇喜田や兼一の日々の鍛練が天国に思えるほど凄まじく過酷な鍛練を行っていく古賀。かなり超人級寄りの準超人級である古賀でも汗を大量に流すほどの鍛練をしていると近付いてきた無敵超人がそろそろ壁を超える頃じゃなと言ってくる。

 

準超人級と超人級の間を隔てる壁ですかと言った古賀は息を整えると、それじゃあ組手をやりましょうかと無敵超人に言う。うむ、今日はワシも気合いを入れようと言ってきた無敵超人。始まった組手は、特A級の達人級でも割り込めない戦いとなる。古賀は流水制空圏を用いて無敵超人の拳打を捌いていった。

 

無敵超人から放たれる豪快な蹴りを受け流して距離を詰めてオートゥリズムを繰り出す古賀。ほう、無拍子とはまた違うのうと言いながら古賀の拳を避ける無敵超人。連射が可能なオートゥリズムを連続して打つ古賀の攻めを無敵超人は回避していく。初見の技でも無敵超人には当たらないかと判断した古賀は、オートゥリズムから蹴りに切り替える。

 

武術界では蹴りの古賀と言う異名で呼ばれるほどに凄まじい威力の蹴りを巧みに繰り出す古賀は、アパチャイから教わったチャイキックを無敵超人に放つ。あまりの速度に避けきれず受け止めた無敵超人が吹き飛ぶ威力の蹴りを披露した古賀に、やりおるわ!と笑った無敵超人。

 

とても楽しそうな無敵超人に真剣な顔をした古賀が、蹴りを連続で繰り出していく。古賀の尋常ではない威力の蹴りを捌いていった無敵超人。タイちゃんが壁を超えるまで後もう少しじゃなと言った無敵超人が古賀の蹴りを受け流して距離を詰めると数え抜き手を使ってきた。

 

無敵超人と同様に数え抜き手を披露した古賀。放った四本抜き手から指の本数を一本ずつ減らしていき、最後の一本抜き手がぶつかり合って互いに弾かれる。超人級の無敵超人と互角の威力の数え抜き手を繰り出した古賀。日々の鍛練で練り上げられた古賀流の数え抜き手は、本来の使い手である無敵超人に匹敵する代物に仕上がっていた。

 

無敵超人との組手で実力が引き上げられた古賀は、超人級へと近付いていく。準超人級と超人級の間にある分厚く高い壁を超えかけている古賀に、無敵超人が行くぞタイちゃん!と言って拳を本気で振るう。無敵超人の本気の拳を完全に極めた流水制空圏を使いながら流麗な動きで受け流す古賀。

 

本気で動く無敵超人の動きに全力で着いていく古賀は、準超人級を超えた更なる領域へと歩みを進めていた。無敵超人との戦いの中で超人級にまで足を踏み入れた古賀は、一歩一歩進んでいく。そして完全に超人級に到達した古賀は、本気の無敵超人を相手に互角の戦いを続けていった。

 

遂に壁を超えおったのうと言って頷く無敵超人。俺が超人級に辿り着けたのは長老のおかげですよと言った古賀は晴れやかな顔をしていた。無敵超人との組手を終えた古賀は、無敵超人と一緒に梁山泊の温泉に向かっていく。温泉に浸かりながら疲れをとっていった古賀と無敵超人。

 

本気で動いたのは久しぶりじゃよと言いながら肩を回す無敵超人に、此方は毎回全力で動いてましたけどねと言う古賀。それで、壁を超えて超人級に到達したタイちゃんはこれからどうするのかのうと聞いてきた無敵超人。これからどうするのかですか、そうですねと考えた古賀。

 

この世界で生き残る為に強くなろうと考えていましたが、何度も限界を超えて強くなって超人級にまで到達できたので、生き残る為の強さは充分になったのかもしれませんね、とりあえず武術漬けの日々だったので他にやりたいことを探してみるのも悪くないような気がしますと考えたことを古賀は言った。

 

タイちゃんのやりたいことが見つかるといいのうと言って笑った無敵超人は、超人級になったとしても古賀ならば闇に落ちることはなく問題はないと判断したようだ。温泉から上がった2人は、夕食を食べにいく。今日の夕ごはんは天ぷらだった。さつまいもの天ぷらを食べていく古賀の隣でおかわりをするアパチャイがエビの天ぷらを美味しそうに食べた。

 

賑やかな夕食の時間も過ぎて、内弟子達は鍛練の時間となる。古賀と組手をすることになった兼一は、古賀からの気当たりを喰らっても耐えたが、更に凄まじくなっていると古賀の進歩を敏感に感じ取った。実力は兼一の少し上にまで抑えた古賀と行う組手は兼一の実力を引き上げていく。

 

組手を終わらせた内弟子達は、続けて鍛練を行っていった。秋雨作の鍛練器具を用いて鍛練をしていく兼一。しぐれにトンファーの扱いを教わっていく古賀。超人級に到達してから自身の身体をこれまで以上に自由自在に動かせるようになっていた古賀は、しぐれに教わったトンファーを直ぐ様使いこなしていた。

 

互いにトンファーを持って打ち合いをした古賀としぐれは白熱した勝負を見せつける。身体能力では古賀が遥かに勝っており、技量ではしぐれが優れているという状態で拮抗していたトンファーの打ち合い。トンファーを打ち合う度に徐々に技量が増していく古賀が少しずつ押していく打ち合いはしばらく続いていった。

 

これでトンファーの扱いは覚えた、なと言ったしぐれに、ええ、しぐれさんのおかげで覚えられましたよと言う古賀。太一は覚えの早い弟子だ、なと言って笑ったしぐれ。そんなしぐれに手裏剣術もついでに見てもらうことにした古賀。空中で軌道を変えて的をめがけて飛んでいく手裏剣が六つ。

 

六つの手裏剣の軌道を自在に操れるようになった古賀に、う、ん、香坂流五月雨手裏剣がしっかりできてる、よと言いながら頷くしぐれは嬉しそうだった。他にも色々教えよう、か?と聞いてきたしぐれにお願いしますと頭を下げた古賀。武器の扱いを学んでいく古賀に教えていくしぐれは楽しそうな顔をしていた。

 

武器の扱いを一通り教わった古賀は、何本かあるからとしぐれに渡された武器を素振りしていく。超人級に辿り着いてからも日々鍛練を続けていく古賀は、一生武術を続けることになるんだろうなと考えていた。武器を振るう古賀を見た兼一が、どうしたんですかそれはと聞いてきたので、しぐれさんにもらったよと答えた古賀。

 

武器の鍛練まで始めてるんですかと驚いている兼一に、まあねと言いながら古賀は武器を振るう。凄く扱いに慣れているように見えますけど、本当に始めたばかりなんですかと言ってきた兼一。超人級に到達してから身体の扱い方が更に理解できて、思った通りの動きができるようになったから、しぐれさんに教わった動きを簡単に真似できたんだよねと言う古賀。

 

遂に超人級になったんですね古賀先輩と言った兼一に、つい最近なったばかりだけどねと言いながら古賀は武器を振るっていく。そろそろ兼一も次の修行があるんじゃないかな、このまま話していていいのかいと言って笑った古賀に、あっ、そうだ、次の修行があったんだった、遅れたら5倍だよとも言われてたよそういえば、急がないと駄目だと言いながら駆け出していく兼一。

 

駆けていく兼一の背中に兼一も頑張ってねと声をかけた古賀は武器を持って自分の部屋に向かっていく。部屋に武器を置いて出ていった古賀は、今日も基礎の鍛練を始めていった。兼一は間に合ったのかなと考えながらも古賀は基礎の鍛練を疎かにすることはない。ちなみに兼一は結局間に合わず修行が5倍になり今日も悲痛な悲鳴を上げていたようだった。

 


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