ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第25話、孤塁抜き

カラリパヤットの使い手であるイーサンことボルックスと戦うことになった兼一は無敵超人の修行を受けていく。無敵超人との修行によって急激に重心が安定してきている兼一。修行を続けて孤塁を見抜く力を身につけた兼一は、新たな技を修得することになる。それは白浜兼一がこれまで築き上げてきた強大な基礎が身を結ぶ技であった。

 

ボルックスと戦う前に無敵超人と零点零零零一%組手をすることになった兼一。スロースターターな兼一の身体を暖める為の策であり、徹夜で無敵超人との命懸けの組手をさせられた梁山泊二番弟子。勝負が始まると炎のように燃えさかっている兼一にボルックスが遅れをとるぐらいであり、先の先をとっていた兼一。

 

左腕の経穴を突かれる前に避けた兼一はボルックスと戦いを続けていき、制空圏を築き上げて流水制空圏を繰り出そうとした兼一はボルックスの恐怖を感じ取る。お姉さんは、カストルはどうしている?と聞いた兼一に答えないボルックスに代わって立会い人の千影が拳魔邪神が引き取りの意思を示しているようだと答えた。

 

己の弟子でも気に入らなければ始末する、そんな男の元に姉を向かわせない為にボルックスは戦っている。兼一を倒すことができればカラリパヤットは闇の中で弟子育成能力の高さを示すことになり、カストルはボルックスの師の保護下に入る手筈だと言った千影に、ボルックスの入り交じった感情の原因を知ることになった兼一。

 

全体から呼吸を読み取っているという流水制空圏に対してヨガの呼吸で呼吸を乱して読み取れないようにしたボルックス。突きを絡め取った兼一を投げ飛ばしたボルックスが放つマハーシヴァキックを何とか回避した兼一。カラリパヤットの蹴りには要注意だと無敵超人に言われていた兼一は直撃を避けることはできたがダメージは受けてしまう。

 

捨て身で攻撃に出た兼一は近付くことで蹴りの打点を殺して受けた。相手にどんな事情があろうと死んであげるわけにはいかない兼一はボルックスと戦っていく。とりあえずブッ倒してから考えろと言うであろう師匠のことを思い出してボルックスに肘を叩き込んだ兼一。

 

連綿と続く攻防の中、防御こそしているが意識下より外れ孤立している所、それを孤塁と呼ぶ。白浜兼一という武術家の基礎は下半身、足と腰である。足と腰の力をダイレクトに使う技、それすなわち蹴り技。ボルックスのガードの上から強引にぶち抜いて蹴り抜いた兼一の孤塁抜き。

 

強烈な兼一の脚力。ビルからビルに跳び移る脚力を、着地の重心のコントロールを使って真っ直ぐ打点につぎ込んだ兼一の重心が、まるで大木が地に根をはっているようなものだと気付いた千影。ガードをしているからこそ意識が薄い場所がある、そこに持てる全ての力を注ぎ込む修行をしたと言った兼一。

 

姉さん、ごめんと内心で思いながら倒れかけたボルックスを掴んで、今から彼の姉を救出に行くと兼一は言う。闇の拠点に戦を仕掛けるつもりの兼一に、見かけによらずムチャクチャだなと言った千影。ボルックスは姉の居場所を吐かんだろうが私は喋るかもなと言い出した千影に感謝した兼一。

 

兼一が梁山泊の師匠達に電話をした頃、古賀は梁山泊の師匠達と闇の拠点に攻め込みに行っていた。日本警察が捕らえると言った警察の人間だったが、特A級の達人には無力だろうなと思った古賀。突入する部隊の人々は梁山泊に好意的だったが上官が無能だと可哀想だなと古賀は考える。

 

この人達は死なせないようにしようと決意した古賀は、いつでも出られるようにしていた。セロ・ラフマンが繰り出した恐怖を司る真言によって突入した部隊が錯乱状態に陥った瞬間に、超人級の古賀が飛び出していく。とてつもない速さで到着した古賀が経穴を突かれて心臓を止められた部隊の人々を急いで解穴していった。

 

秋雨と馬剣星に逆鬼が到着した頃には全員の解穴を終えていた古賀は、岬越寺師匠、馬師父、後はお願いしますと言ってセロ・ラフマンを追っていく。ヘリに乗り込んだ古賀の後に着いていった逆鬼は、セロ・ラフマンに対して怒っていた。ヘリの中には一影九拳が2人も居て、拳魔邪神と拳を秘めたブラフマンことセロ・ラフマンの姿がある。

 

拳魔邪神は任せて下さい逆鬼師匠と言った古賀と背中合わせでセロ・ラフマンと対峙する逆鬼は、任せたぜ太一と言って構えをとった。カカッ!梁山泊の一番弟子を見てみたかったところじゃわいのう!と言いながら猛獣跳撃を繰り出した拳魔邪神を空手の廻し受けで捌いた古賀。

 

クカカカッ!やりおるな小僧!と楽しそうな拳魔邪神は、第一のジュルスを放ってきたが夫婦手で受け止めた古賀は、上段廻し蹴りを披露する。拳魔邪神は蹴りを避けるが、蹴りの余波を完全には避けきれずに面が割れて実年齢よりも若々しい素顔があらわとなった。余波でわしの面を割りおったか、どうやらその若さで超人級に到達しておるようじゃのうと言って獰猛な笑みを浮かべる拳魔邪神。

 

第二のジュルスを放つ拳魔邪神を制空圏で受け流した古賀は距離を詰めて鋭い中段前蹴りを繰り出す。古賀の蹴りの威力を警戒しているのか、ヘリの機内の端まで跳んだ拳魔邪神。互いに強烈な気当たりを放った拳魔邪神と古賀に機内が震え始めて機内の人間が怯えて逃げ惑う。

 

カラリパヤットの使い手であるセロ・ラフマンを相手に戦いを続けていた逆鬼。恐怖の真言を使ってきたセロ・ラフマンに対して恐怖の真言が効いていなかった逆鬼が放つ蹴りが直撃する。ヘリのパイロットまで錯乱していて大きく揺れた機内で隙をついてカストルを抱えてヘリから飛び出した古賀と一緒に飛び降りた逆鬼。

 

楽しくなってきたところで、どこへ行くのかいのう!?と言った拳魔邪神に、早くヘリ立て直さないと落っこちますよと言って笑った古賀。木の枝に掴まって落下の衝撃をやわらげた古賀は、腕の中のカストルを見て一安心した。戻ってきた古賀が抱えるカストルにボルックスが安堵する。

 

拳魔邪神の意識がカストルから逸れて古賀との戦いに興味が湧いたようで、カストルはボルックスの師であるセロ・ラフマンが身柄を預かることで落ち着いたらしい。ボルックスはインドでYOMIとして鍛え直されることになる。古賀に渡してくれと言って手紙を差し出したボルックスから受け取った兼一。

 

梁山泊で手紙を渡された古賀は、あねをたのみまそうろう、とひらがなで書いてあった手紙に兼一じゃなくて俺に渡されるのかと驚いていた。日本の拠点を離れることのないカストルは、今日もレイチェルとして高校に通っていく。昼休みに屋上へ行ったレイチェルは久しぶりね古賀と言って笑顔になる。

 

まあ、屋上で会うのは久しぶりだねと言った古賀に、弟が言っていたけど拳魔邪神の元から貴方が助けてくれたらしいわねと言うレイチェル。師匠も一緒だったから1人じゃなかったけどねと言って弁当箱を開く古賀。それでも助けにきてくれたんでしょうと言ったレイチェルに、気にしなくていいよと言いながら古賀は笑顔を見せる。

 

今日は鶏の唐揚げだけど一口食べるかいと言ってきた古賀に、ええ、いただくわと言ったレイチェルは、また貴方に助けられちゃったわねと内心で思いながら唐揚げを食べていく。美味しかったらしい唐揚げにもう1つもらえないかしらと言うレイチェルに、多目に作ってあるからいいよと言って古賀は唐揚げを差し出した。

 

穏やかな屋上での日常が戻ってきたことに古賀は、技の鍛練ができなくなるのは残念だけど、こうしてレイチェルが無事に戻ってきて良かったって気持ちも確かにあるなと思ったようだ。まあ、レイチェルが隣にいるのは別に嫌じゃないなと考えた古賀は、鶏の唐揚げを更にレイチェルに食べさせていく。

 

雛鳥のように口を開けているレイチェルに唐揚げを食べさせていった古賀。自分の食べる分は確保していたので、それ以外を全部食べさせた古賀はレイチェルに、はい、それで終わりと言って5個目の唐揚げを食べさせる。たくさんもらっちゃったわねと言ったレイチェルはステーキを挟んだサンドイッチを古賀に差し出す。

 

これもきみが作ってきたのかいと聞いた古賀に、ええ、そうよと微笑んだレイチェル。たくさんあるから1つどうぞと手渡してきたレイチェルに、ありがとう、いただくよと言ってステーキサンドにかじりついた古賀。うん、美味しいよと言った古賀に、嬉しそうな顔で笑ったレイチェルは、それは良かったわと言うとステーキサンドを食べ始める。

 

弁当を食べ終わった2人が、ごちそうさまでしたと手を合わせて言った後に、屋上で会話を始める。そういえば櫛灘千影に手作りのお菓子をあげてるみたいねと言ってきたレイチェル。そうだけど、それがどうかしたのかなと言った古賀に、私は貴方の手作りのお菓子を食べたことないんだけどとレイチェルは言う。

 

食べたいのかい?と聞いた古賀に、もちろん食べたいわ!と食い気味に答えるレイチェル。今日は兼一と千影ちゃんの分しかないから諦めてほしいと言った古賀に、千影ちゃんって名前にちゃん付けで呼んでるのねとレイチェルは面白くなさそうな顔をする。完全に拗ねてるレイチェルに困惑した古賀。

 

私は名前で呼ばれたことないのにと言ってきたレイチェルに、それを気にしてたのかと言う古賀は、まあ、そんなに気にしなくていいと思うよレイチェルと言った。もう1回と言うレイチェルに、そんなに名前で呼ばれたかったのかレイチェルと言って苦笑した古賀。

 

もっと呼んでと言い出したレイチェルに、何回言えばいいんだレイチェルと言った古賀は少し困っている。名前を呼ばれて機嫌が回復したのかとても嬉しそうな顔になったレイチェルは、満面の笑みを浮かべながら、ありがと太一と古賀の名前も呼んだ。

 

それから両腕を広げてカモン!と言い出したレイチェルに、いやハグはしないよと言った古賀。ジリジリと距離を詰めてきたレイチェルに弁当箱片手に後退る古賀。全力で間合いを詰めて古賀を抱きしめようとしたレイチェルだったが残像を残して消えた古賀に、流石にやるわね太一と言って頷く。

 

でも私は諦めないからね、待ってなさい太一と言ったレイチェル。屋上から移動しながらレイチェルの声を聞いていた古賀は、どうやらレイチェルは諦めてくれそうにはないなとため息をはいた。放課後になったところで兼一と千影の元に向かった古賀は、今日は大福だよと言いながら2人に渡していく。

 

とても美味しかったようであっという間に食べ終わった千影の顔が輝いていて、目が星屑のように煌めいていた。そんな千影を見て最初に会った頃の鉄面皮とは凄い違いだなと考えていた兼一。今日も美味しかったです、ありがとうございましたと言った兼一に笑顔を見せた古賀は、今日も美味しかったみたいで良かったよと言うと、じゃあまた明日も何か持ってくるねと言って去っていく。

 

今日も美味しかった、ありがとうお菓子の人と言って手を振る千影に手を振り返して去っていった古賀。花壇で花を育てていく千影は楽しそうだった。色々な顔を見せる千影を見て、この子はまだ完全に闇に染まりきってはいないと思った兼一。この交流が千影ちゃんを闇の思想から変えていけるなら意味はきっとあると考えた兼一。

 

武術を用いない兼一流の戦いは今日も続いていく。梁山泊で宇喜田と組手をする兼一は、進歩している互いに刺激を受けながら組手を行っていった。静と動でまったくタイプの違う武術家である兼一と宇喜田は、正反対でありながらも見事に噛み合った戦いを続けている。

 

4つの武術を使う兼一に対して柔術のみで互角に戦う宇喜田。遂に実力が兼一に追いついた宇喜田は、流れるような淀みない動きで兼一を連続で投げていく。相手の力に呼応して実力が引き上げられていった宇喜田に対して、手加減できる相手じゃないと判断した兼一。無拍子を繰り出した兼一に、流石に避けきれず直撃した宇喜田はそれでも倒れない。

 

兼一の無拍子を喰らってもまだ普通に動ける宇喜田は、耐久力が凄まじく向上していた。タフさだけなら達人級に限りなく近付いている宇喜田を倒すには孤塁抜きしかないと判断した兼一は、宇喜田の孤塁を探り出して今の兼一が放てる最大威力の蹴りである孤塁抜きを放つ。

 

持てる力の全てを出しきる蹴り技を使った兼一に流石の宇喜田も倒れたが、いつの間にか本気の戦いになっていた兼一と宇喜田の組手。宇喜田さんは大丈夫かと心配になった兼一だったが意識を失っていただけで目を覚ました宇喜田は手当ての必要もなく普通に動けていたので、達人級に限りなく近い耐久力は並みではなかったようだ。

 

YOMIのボルックスよりも打たれ強いよこの人と驚いた兼一。日々の過酷な鍛練は宇喜田をとてつもなく鍛え上げていたらしい。打たれ強さだけなら兼一以上の宇喜田は、弟子クラスでもかなりの頑丈さを持っている。古賀が宇喜田に施した身体を頑強にする方法は無駄にはなっていない。

 

まさしく古賀式の改造人間となった宇喜田は、古賀の弟子になる前とは比べ物にならない肉体を手に入れていた。孤塁抜きを喰らって痛む身体を動かしながら、凄い蹴りだったぜ兼一と言った宇喜田は、今日は俺の負けだなと言って蹴られた箇所を擦る。痛いは痛いが骨は折れてねえな、古賀に鍛えられたおかげかと言うと頷いた宇喜田。

 

兼一と全力で組手をしたら帰っていいって言われてたんで俺は帰るぜと言った宇喜田に、また戦いましょう宇喜田さんと言って手を差し出した兼一。ああ、今度は負けないぜと言いながら兼一の手を握った宇喜田は笑う。宇喜田を見送った兼一は、宇喜田さんも凄く強くなっていた、これも古賀先輩による鍛練の成果だろうなと考えた。

 

武器の鍛練を行っている古賀を見ていたしぐれは、う、ん、良い動きができてると言って頷く。しぐれから渡された武器の扱いに既に慣れている古賀は、武器を使った技も繰り出していった。しぐれに教わった香坂流の技を放つ古賀。弟子が教えた技を完璧に覚えていることが嬉しかったのかしぐれは笑顔で古賀を見ていた。

 

しぐれさんもよく笑うようになったなと思いながら古賀は武器の鍛練を続けていく。超人級に到達してから技量が段違いになった古賀が巧みに武器を操って振るっているとしぐれが話しかけてくる。その武器でボクとちょっと戦ってみない、かと聞いてきたしぐれに、いいですよと答えた古賀は武器を構えた。

 

互いに同じ武器を持ったしぐれと古賀は武器を打ち合わせていく。武器の扱いに関しては完全に古賀を上回っているしぐれの動きを間近で学んでいった古賀。急激に武器の扱いが上達していく古賀に、しぐれが太一は覚えるのが早い、なと言いながら武器を振るう。しぐれからの攻撃に瞬時に反応していく古賀は、しぐれの猛攻を涼しい顔で受け流していった。

 

戦いを続けていく内に古賀は武器を身体の一部にすることに成功し、武器使いとしてもかなり成長しているようだ。武器と1つになれたら真の武器使いになれる、よと言ってきたしぐれに、流石にまだそこまではいけませんよと言う古賀。武器を使った戦いは終わりとなり、武器の手入れをしぐれに教わりながら行った古賀は、手入れを終えると部屋に武器を持っていく。

 

部屋に武器を置いてから戻ってきた古賀に、夕ごはん食べにいこ、うと言ったしぐれ。2人で並んで歩きながら食卓に向かっていったしぐれと古賀。古賀の隣に座ったしぐれが一緒に食卓で夕ごはんを食べていく姿を見て、今日は天井裏では食べないんですわねと言う美羽。

 

う、ん今日は太一の隣で皆と一緒に食べる、よと言ってから味噌汁を飲むしぐれ。古賀を挟んだ隣に座っているアパチャイが笑顔で、皆一緒なのはいいことよと言った。夕ごはんを食べ終えた梁山泊の全員。内弟子達は鍛練を再び開始する。古賀の鍛練を近くで見ていくしぐれに、今日はしぐれさんが何か距離が近いなと思いながら鍛練を行っていった古賀。

 

80体の地蔵を背負った状態で鍛練を続けていく古賀に、たくさん背負ってる、なと話しかけてきたしぐれ。まあ、これぐらい背負わないと鍛練になりませんからねと言う古賀に、超人級になってからも太一は鍛練を怠らない、なとしぐれが言ってきた。鍛練は日々の習慣になってますからねと言った古賀は、地蔵を背負った状態で逆立ちをして右手の小指一本だけで体重と地蔵の重量を支えて腕立て伏せをしていく。

 

梁山泊に来たばかりの頃と比べたらだいぶ太一は成長した、な、立派になっ、たと言いながら頷くしぐれに、そうですか、立派になりましたかと言って嬉しそうな顔をした古賀。今度は左手の小指に切り替えて腕立て伏せを続けていく古賀の姿をじっと見ていくしぐれ。本当に強くなった、な、太一と言ったしぐれは弟子の成長を喜ぶ師匠の顔をしていた。

 

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