ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第27話、赤羽刀

使えなくなった蛍光灯を大量にもらってきて兼一の対刃物戦の修行に使う梁山泊。手で捌ききれず蛍光灯が割れた時は真剣だったら斬られていたということになる。兼一の脳天に蛍光灯が叩き込まれて、いきなりどたま割られてるぜと言った逆鬼。真剣での修行は止めておいてよかったと言う秋雨。

 

修行中の梁山泊に警察から来客がある。本巻警部が話し始めた内容は、赤羽刀が各地で盗難にあっているというものであった。赤羽刀を警備していた者2名が一刀の元に斬り捨てられていて、そのあまりに鮮やかな太刀筋から犯行グループは闇の者かと推測されているらしい。

 

生き延びた目撃者の証言によると数名の武器を持った犯行グループの中にただ1人、素手で戦う者がいたそうだ。闇の武器組と無手組は古より反目していたはずだが、闇にも変化が起こっているようだった。裏社会科見学に自ら志願した兼一を連れていった逆鬼としぐれ。

 

国の赤羽刀のデータベースに全て目を通した秋雨が、実戦用に鍛えられた人斬り包丁を収蔵している場所をリストアップして、襲撃の確率が高い順を計算して梁山泊の面々を配置した。古賀も1人で配置された場所で襲撃を待っていたが、現れた槍使いと鎖鎌を持った男を瞬く間に倒して四肢の関節を外しておく古賀には余裕がある。

 

逆鬼としぐれの元に闇の武器組が現れて兼一の前を一影九拳である櫛灘美雲と弟子の千影が通り過ぎた。鍔鳴りの紀伊陽炎までが現れると兼一の顔を覚えていたようで、あの女に刹那丸を返すようにキミからも取り次いでくれよぉぉう!と言いながら兼一の足にすがりつく紀伊陽炎。

 

城の中で戦うしぐれの姿を発見した紀伊陽炎は、しぐれに刹那丸を返してもらう為に直接会いに行こうとするが兼一の足を掴んだままで、一緒に連れていかれる兼一。天守閣に着いたら、キミが取り次いでくれよう!と言う紀伊陽炎に、なぜ!?と兼一は聞いた。一度は敗れた相手に、自分から刀を返してなんて恥ずかしいにょん!と答える紀伊陽炎。

 

は、話の基準が全くわかりません!と言った兼一。紀伊陽炎に鎧を着込んだ闇の武器組が赤羽刀を差し出したが逆鬼が蹴りを入れて赤羽刀を弾く。兼一と紀伊陽炎の近くに突き刺さる赤羽刀。兼一!その刀を奪わせるな!と言って闇の武器組に蹴りを入れる逆鬼。動いた兼一よりも先に刀を引き抜いた紀伊陽炎。

 

赤羽刀を振るった紀伊陽炎は見事な腕前を見せつけたが、フィーリングが合わなかったらしい。闇の武器組に赤羽刀を渡そうとした紀伊陽炎だったが、しぐれを発見して赤羽刀を持ったまま近付いていく。こんなものポイだにょ!と言いながら赤羽刀を放り投げた紀伊陽炎。兼一の近くに突き刺さる赤羽刀。持って逃げろ兼一!と逆鬼に言われて赤羽刀を引き抜いて走り出した兼一。

 

もう人を斬らぬと誓うかと紀伊陽炎に聞いたしぐれに、あ、うん、誓う!誓うよ!だから愛刀刹那丸をと言う紀伊陽炎。兼一を守れば父の作った業物を一つやろうと紀伊陽炎に言ったしぐれ。立ち上がった紀伊陽炎は素早く動き、兼一に振り下ろされた斧を止めていた。背負っている木刀で戦い始めた紀伊陽炎。

 

斧で木刀が削られていくが、削られて尖った木刀で鎧の隙間に紀伊陽炎が突きを放つ。しかし闇の武器組が鎧の下に着込んでいた特殊防刃素材には通用せず木刀が粉々に砕け散る。武器がないと自信がないと紀伊陽炎が慌てている姿を見て、手に持った赤羽刀を見る兼一。

 

赤羽刀を渡そうと考えている兼一を見て千影が内心で兼一を心配していた。赤羽刀を紀伊陽炎に投げた兼一を闇の武器組の斧が直撃して、思わず声を漏らしてしまった千影。手甲を懐に入れていたことと紀伊陽炎が赤羽刀を受け取って斧の勢いを止めていたことから助かった兼一。

 

心刃合錬斬を放ったしぐれと紀伊陽炎は闇の武器組の武器を切り刻んでいた。刀を相手に両手で刀身を挟んで受け止めた逆鬼は白刃折り三日月蹴りを繰り出して闇の武器組を倒す。櫛灘美雲が気当たりによる残像を見せつけながら倒された闇の武器組2人をまだ意識がある斧使いに投げ渡し、梁山泊の2人を同時に相手する。

 

千影が兼一に話しかけてきて、この世界に深入りするな!いずれわかるが、こんなものではない、もっと恐ろしいところだ、なんかお前は染まってはいけない、そんな気がするからと言ってくる。ありがとう、でも、ボクのいる所はキミのと少し違うよ、だからこっちへ来てほしいんだ、キミもと笑顔で手を差し出した兼一。

 

戦いは終わりとなって去っていった櫛灘美雲と千影。武器組の庵に行って紀伊陽炎に約束通り業物を渡しにいったしぐれと兼一。業物の鍬を掴んだ紀伊陽炎は地面に鍬を突き刺して、新たな出会いの予感!と言って嬉しそうな顔をしていた。どうやらフィーリングが合っていたらしい。

 

後日、高校へ登校中に連華を襲う刺客を相手に戦いを挑んだ兼一は、振り下ろされる刀剣に対して内側に捻りきった拳を刃の側面に入れて一気に捻り上げ、筋肉のパンプと螺旋の力で最小にして最速の払いを瞬時に行い突きを入れる白刃流しを繰り出す。逆鬼が刀を相手に披露した白刃流しを目に焼きつけていた兼一は実戦で初めて成功させる。

 

放課後になって兼一と千影の元に向かった古賀は、取り出したガトーショコラを2人に手渡す。受け取ったガトーショコラを食べると瞬く間に、幸せそうな笑顔になった兼一と千影。今日はガトーショコラにしてみたけど美味しくできてるかな?と聞いた古賀に、凄まじい速さで何回も頷く千影と物凄く美味しいですよ、このガトーショコラと答えた兼一。

 

美味しくできてたなら良かったよ、2人とも気に入ってくれたみたいだね、良い反応してくれるから作った此方も嬉しく思うよ、また明日何か作って持ってくるねと言うと去っていく古賀。今日もありがとうお菓子の人と言って手を振る千影に手を振り返しながら歩いていく古賀に、ありがとうございます古賀先輩と兼一もお礼を言う。

 

普通の子供の顔をした千影と会話をしていく兼一。古賀先輩のおかげで、また千影ちゃんと仲良くなれたと思った兼一は、梁山泊に行ったらもう一度古賀先輩にお礼を言おうと考える。自分の花壇の世話を放課後こまめにやっている千影は、とても楽しそうに世話をしていた。

 

色々と花について千影が知らないことを教えていく兼一。放課後のこの一時が一番心が休まる時かもしれないなと思った兼一は、千影との交流を楽しんでいるようだ。雑草を抜いていく千影を手伝う兼一は手慣れている。花への水やりも欠かしていない千影に適切な水の量を教えていく兼一だった。

 

古賀との組手の最中に古賀が放ってきた拳を白刃流しで受け流して突きを繰り出した兼一。突きは古賀に受け止められてしまったが、今の動きは良かったよ兼一と褒める古賀。兼一も遂に妙手に到達しているようだ。とはいえ兼一は妙手に辿り着いたばかりであり、上等な弟子になったと言える程度ではある。

 

組手を続けていく梁山泊の内弟子達。制空圏を築き上げた兼一は距離を詰めていく。古賀が放つ全ての攻撃を迎撃した兼一は、古賀の懐に入り込んで無拍子を繰り出したが、古賀に白刃流しで受け流されてしまう。腕一本で防御と攻撃を一度に行う古式空手の神髄の技の一つである白刃流し。

 

無拍子を白刃流しで受け流すなんてと驚愕しながらも動きは止めない兼一。顔面と鳩尾をめがけて放たれた空手の山突きを受け止めた兼一は、続けて繰り出されるムエタイの飛び膝蹴りであるカウ・ロイを避ける。この技の流れは最強コンボ1号かと思った兼一だったが、途中から古賀が放つ技が変わっていく。

 

古賀の得意技であるブラジリアンキックが披露され、軌道が変わる蹴りに翻弄された兼一。続けて胴廻し回転蹴りを繰り出した古賀に制空圏をブチ破られた兼一は、直撃で蹴りを喰らって吹き飛ぶ。畳を転がって立ち上がった兼一に素早く近付いて胴着を掴んだ古賀が投げを放つ。

 

受け身をとって再び立ち上がった兼一に双纒手を叩き込んだ古賀。中国拳法の双掌打を腹部に打ち込んできた古賀に、兼一は強制的に息を吐かされながら吹き飛び、梁山泊の壁に叩きつけられる。強烈な攻撃を喰らっても痛いだけで済む頑丈な兼一が、日夜積み重ねてきた梁山泊での鍛練は無駄ではない。

 

古賀と兼一の組手は終わりとなって、激しい組手を終えた内弟子達。今日は何かいつもより激しかったような気がしますと言った兼一に、まあ、それだけ兼一が進歩してるんで、こっちも手加減を少しずつ減らしていってるからねと言って頷く古賀。長老と同格になった古賀先輩が物凄く手加減してくれてるのはわかりますが、実際実力はどのくらい出してるんですかと兼一が聞いてきた。

 

そうだね、とりあえず零点零零零一%よりも下ぐらいかなと古賀は答える。やっぱりそれぐらいになるんですか、超人級と今のボクだと実力差があり過ぎますねと遠い目をした兼一。そろそろ次の修行の時間じゃないかなと兼一に言った古賀に、あっ、そうでした、遅れたらまた5倍に増やされそうなんで行ってきますね古賀先輩と言って兼一は去っていく。

 

武器の鍛練を始めた古賀が武器を自由自在に操って振るっていると、近付いてきたしぐれが、やってる、な太一と話しかけてくる。真剣な顔で武器を振るう古賀に、う、ん、だいぶ武器の扱いが上達して、ると頷いたしぐれ。太一も武器使いと呼べるようになった、なと言ってきたしぐれに、そうですかと言った古賀は嬉しそうな顔をしていた。

 

しぐれに武器使いとして認められた古賀は、しぐれから渡された武器の扱いに完全に慣れていて、並みの達人よりも武器を使いこなしているようだ。もしも古賀が武器と1つになる境地にまで辿り着けたなら真の武器使いと呼べるだろうが、今の古賀では武器を身体の一部や手の延長ぐらいにすることしかできていない。

 

それでも古賀がこの短期間でそこまで武器を扱えるようになったのは、超人級の並外れた感覚と技量によるものだった。思い通りに身体を動かせる超人級の肉体でしぐれの動きを見本として学んでいき、完璧に真似をしていった古賀は香坂流の動きを身につけている。そんな古賀を見て、香坂流の後継者ができた、なと喜ぶしぐれ。

 

香坂流を積極的に教えていくしぐれに対して真面目に教わっていく古賀は、香坂流について理解を深めたらしい。武器と兵器の申し子であるしぐれに、ありとあらゆる武器の扱いを叩き込まれた古賀。全ての武器をそれなりの技量で扱えるようになった古賀は、武器使いとして更に進歩していた。

 

武器の鍛練を終えた古賀が部屋に武器を持って戻っていく。自分の部屋に武器を置いてから戻ってきた古賀は、今日はヴァルキリーをデートに誘うから休みをくれと言ってきた宇喜田先輩に休みをあげたけどうまくいってるかなと考える。明日どうだったか聞いてみようと思った古賀は鍛練を続けていった。

 

超人級でも過酷な鍛練を行っていく古賀は大量の汗をかいていく。特A級すらも超えた超人級という頂きに辿り着いてからも日々の鍛練を止めない古賀。夕食前に温泉に入ってかいた汗を流しておこうと考えた古賀が、しぐれの監視を梁山泊の師匠達に任せて温泉に向かう。

 

落ち着いて温泉に浸かれた古賀は汗を洗い流して温泉から上がる。しぐれと梁山泊の師匠達の間でやはり攻防があったようだった。しぐれは古賀との混浴を諦めてはいなかったらしい。梁山泊の師匠達にしぐれさんの監視を任せて良かったと考えた古賀。止めに入る人がいなかったらしぐれさんは普通に温泉に入ってきていただろうなと思った古賀は、梁山泊の師匠達に感謝する。

 

夕食の時間になって食事をしていく梁山泊の全員。今日もおかわりをたくさんするアパチャイの食欲は凄まじかった。祭りの屋台で逆鬼以外は稼いだようで梁山泊の財政には余裕があるが、出費があっても収入がないので、いつまでも金が残るわけではない。そろそろ地下格闘場に稼ぎに行かないと駄目かもしれないなと判断する古賀。

 

夕食を食べ終えた梁山泊の全員が食卓から移動する。夕食後も再び鍛練を続けていく兼一は、秋雨が作成した鍛練器具を使いながら悲鳴を上げた。超人級の脚力で走って地下格闘場に向かった古賀は、現れた地下格闘場のオーナーに久しぶりですねマスター古賀と話しかけられて、久しぶりだねオーナーと言う。

 

今日はマスター古賀の試合が見られるんですかねと聞いてきたオーナーに、そのつもりだけどと答えた古賀。マスター古賀は地下格闘場では大人気のようでして、地下格闘場に来たら直ぐにマスター古賀の試合がないのか聞いてくるお客さんも多かったんですよと言ってオーナーは笑った。

 

じゃあそろそろ試合をしようかなと言い出した古賀に、楽しみにしていますよマスター古賀と言ってオーナーが観戦席に移動する。地下格闘場で始まった古賀の試合。華麗な戦いを繰り広げる古賀に観客が魅了されていた。歓声が絶えない観客席でオーナーが古賀の試合を素晴らしい試合だと思いながら見ていく。

 

この地下格闘場で超人級の古賀に敵う相手はおらず、観客に見えるように動きをかなり手加減した古賀は連続で試合を続けていった。武器を持った相手との試合で振るわれる武器を完全に見切り寸分で躱した古賀は、相手の武器をへし折ってから豪快な投げ技で勝負を決める。

 

全ての地下格闘場の闘士と戦いを終わらせた古賀が、今日はこれで帰ろうかと考えていたところでリングに飛び込んできた闇の達人。無手の闇の達人を相手に戦い始めた古賀に熱い歓声を送る観客達。本気で動く闇の達人に対して観客に見える程度に動きを抑えた古賀が圧倒する。

 

観客に見せつけるように闇の達人を流麗な動きで倒した古賀。気絶させた闇の達人を担いでリングから出た古賀に近付いてきたオーナーが、最後は予定にない試合でしたが素晴らしい試合でしたよ、これが今日の賭け金ですと万札がみっちりと詰まった分厚い封筒を何本か差し出す。

 

担いでいた闇の達人をその場に降ろして何本もある封筒を受け取った古賀は、オーナーに感謝して地下格闘場を去っていく。地下格闘場で古賀に倒された闇の達人は、その後闇の回収部隊に回収されたようだ。超人級の中でも凄まじい脚力を持っている古賀が、とてつもない速度で梁山泊に走って帰ってきた。

 

封筒の半分は逆鬼に渡して逆鬼が急に入った仕事で稼いだということにして美羽に渡してもらおうと決めた古賀。もう半分の封筒のお金を使ってお菓子の屋台を始めてみようと考えている古賀は、何を作ろうかと頭を悩ませる。とりあえず色々と作ってみるとしようかと古賀は思ったらしい。

 

翌日高校で宇喜田にデートはうまくいきましたかと聞いた古賀に、まあ、自然に手は繋げたぜと言った宇喜田。そうですか、良かったですねと言って笑った古賀に、古賀の方こそカストルとどうなんだと聞いてきた宇喜田は興味津々の様子。距離は近くなりましたがいつも通りですねと言った古賀。

 

そんな古賀と宇喜田の2人を見て武田が、2人とも羨ましいじゃなーいと言ってきた。ボクだけ1人な気がするよと言う武田は肩を落として落ち込んでいる。いずれ武田先輩にも良い出会いがあると思いますよと言った古賀に、本当かい古賀くんと言って顔を上げた武田。

 

それはだいぶ先になるとは思いますけどねと一言付け足した古賀。それまで独り身ってことかーい!と頭を抱えて叫ぶ武田を、頑張れよ武田と宇喜田が応援していた。賑やかな3人に近付いてきて、朝から何やってんだいあんたらと呆れた顔でヴァルキリーが言ってくる。今日も荒涼高校は平和だった。

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