ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第28話、田中勤

買い物帰りに銀行に寄った美羽と兼一は銀行強盗に遭遇する。ちょうど田中勤も銀行に来ていて、妙手の殻を破り達人級に到達していた田中勤1人に銀行強盗は全員倒されていく。その後梁山泊を訪れた田中勤は古賀と組手をすることになり、達人級にまでなった実力を見せつけたが超人級の古賀には敵わない。

 

拳聖にはまだまだ届きそうにはないですねと言った古賀に、やはりそうなるかと言う田中勤。挑むにしても実力をもう少し上げてからにしなければいけませんよと言って構えた古賀。まだ組手をやりますよねと聞いた古賀に、ああ、頼むよ古賀太一くんと頷いた田中勤も構えをとる。

 

天地無真流の技を繰り出していく田中勤の攻撃を捌いていった古賀。超人級である古賀との組手は田中勤にとって得難い経験となっているようだ。古賀が連続で放つ攻撃を全力で避けていく田中勤に追撃の拳が繰り出され、何とか拳を受けた田中勤が踏ん張りきれずに吹き飛ぶ。

 

壁に叩きつけられる前に体勢を立て直して壁に着地した田中勤は、壁を蹴って距離を詰める。至近距離で数え抜き手を放つ田中勤に、緒方流の数え抜き手を披露した古賀。互いに繰り出した最後の一本抜き手。緒方流が天地無真流の数え抜き手を巻き込んでいき、弾かれる天地無真流。

 

緒方流の数え抜き手の直撃は避けた田中勤だったが、技が全く通用しないことに自分の未熟を恥じ入る田中勤。達人級に到達していても自分は、まだまだだと田中勤は考える。唯一残された天地無真流の後継者として技を極めなければと思った田中勤。古賀を相手に田中勤は組手を続けて技の練磨を続けていく。

 

天地無真流の十字頸木を放った田中勤の両手を弾き上げた古賀が繰り出す中段廻し蹴りを避けきれずに受けた田中勤は吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。あまりの蹴りの威力に手加減されているとしてもこの威力かと戦慄する田中勤。流石は蹴りの古賀として武術界で有名なだけはあると考えた田中勤は、蹴りは受けてはいけないなと判断する。

 

むしるとも引き裂くともつかない天地無真流の技を披露した田中勤に、制空圏で技を受け流していく古賀。一瞬で距離を詰めてムエタイの飛び膝蹴りであるカウ・ロイを放ってきた古賀に、全力でそれを回避する田中勤。頬をかすっていった古賀の膝に、何とかギリギリで避けられたかと田中勤は考えながら動いていく。

 

幾度も古賀と激しい組手を行った田中勤は達人として更に腕を上げることができたようだ。古賀に深く感謝をして立ち去ろうとした田中勤と連絡先を交換した古賀は、組手がしたくなったらいつでも連絡して下さいね田中さんと笑顔で言う。ありがとう古賀太一くん、また今度連絡させてもらうよと言って笑った田中勤は、梁山泊から立ち去っていった。

 

田中勤くんは帰ったようじゃのうと言ってきた無敵超人に、ええ、今帰ったところですよと言う古賀。田中勤くんは腕を上げておったようじゃが、タイちゃんの目から見て彼はどうかのと聞いてきた無敵超人。田中さんは今のところはA級の達人といったところですね、拳聖にはまだ敵わないでしょう、今の田中さんが挑めば間違いなく死にますと答えた古賀は真剣な顔をしていた。

 

うむ、そうなるじゃろうなと頷いた無敵超人に、田中さんとの組手はこれからも続けていきますが、長老から田中さんに言うことはありませんかと聞いた古賀。田中勤くんには、殺すな、殺されるなとだけ伝えておこうかのうと無敵超人は答える。仇討ちを考えている田中さんは、まだ迷っているようでしたが、その言葉が伝わればいいですねと古賀は言った。

 

久遠の落日が迫る日が近付いており、活発に動く闇に備えて梁山泊の修行も更に苛烈なものになっていく。闇の無手組と武器組が手を組み、強大な勢力となっていることを悟っている無敵超人。妙手に到達した兼一を集中して鍛え上げていく梁山泊。古賀も弟子である宇喜田を過酷な鍛練で鍛えていった。

 

宇喜田もまた弟子クラスの殻を破って妙手に辿り着いており、不安定でとても危険な状態と言われる妙手を宇喜田なりに実感しているようだ。弟子以上、達人未満である妙手の宇喜田は、古賀の弟子になる前と比べれば随分と腕を上げている。兼一と同じく妙手に至ったばかりの宇喜田を慎重に鍛えていく古賀。

 

初めての弟子である宇喜田を古賀は大事に思っているらしい。宇喜田に対武器の鍛練を積ませていく古賀は、今後のことを考えて武器を相手にする戦いを経験させていた。闇の武器組とも戦うことになるであろう宇喜田の将来の為に、武器を持った相手に慣れさせていく古賀。

 

しぐれに教わりながら古賀も武器の腕を上げていき、宇喜田の鍛練に活用していく。対武器の経験を積ませる為に梁山泊の師匠達から兼一の相手を頼まれるほどになる程度には、武器が扱えるようになっている古賀は兼一の相手もしていった。手甲を装着した兼一を相手に武器を振るう古賀。

 

身につけた手甲で古賀が振るってくる武器を受けていく兼一は、しぐれとの裏社会科見学で恐怖を飼い慣らすことに成功しており、恐れていても動きを止めることはない。刃物怖い刃物怖いと言いながらも身体はしっかり動く兼一。梁山泊の修行に対武器の鍛練が組み込まれて日々鍛練を行うことになる。

 

武器を持った古賀を相手に組手を行っていく宇喜田。振るわれる武器を掻い潜って接近した宇喜田に古賀の膝蹴りが叩き込まれる。武器を持っているとしても蹴りぐらいは放てるので注意しましょうね、近付いたからといってもこういう攻撃手段もありますから気をつけて下さい宇喜田先輩と言った古賀。

 

組手を続けていく宇喜田と古賀は、激しい組手を行っていく。武器の間合いに踏み込んだ宇喜田が振るわれた武器を両手で挟んで受け止めて投げを放つ。投げられながら体勢を立て直した古賀が着地した地面。素早く距離を詰めた宇喜田が繰り出した当て身を武器で受けた古賀。

 

宇喜田と古賀の組手が終わりとなって疲れきった宇喜田に、今日はこれで帰っていいですよと古賀は言った。助かるぜと言って梁山泊から去っていく宇喜田は自宅に向かって歩いていく。帰宅途中の宇喜田の前に闇の武器組が現れる。弟子を連れた闇の武器組の達人が、弟子に蹴りの古賀の弟子を殺せと指示を出す。

 

槍を扱う闇の武器組に対して素手で立ち向かう宇喜田は、放たれた突きを捌いて距離を詰めると投げを繰り出して倒れた相手に関節技を使って腕の関節を外し、武器を持てないようにしてから絞め技で気絶させる。無傷で闇の武器組の弟子を倒した宇喜田に、逆上した闇の武器組の達人が槍を振るおうとした時、間に割って入った古賀が槍をへし折っていた。

 

弟子が倒されたからといって相手の弟子に手を出すような達人は恥を知れと言っておきましょうかと言った古賀が、闇の武器組の達人を手加減した一撃で倒す。宇喜田に向き直り、いい戦いでしたよ宇喜田先輩と言う古賀に、見てたのかよと言った宇喜田。今日は宇喜田先輩が危ないような気がしたんで見守ってたんですよと言いながら闇の武器組の達人と弟子を道端に動かす古賀。

 

とりあえず今日はもう闇は来ないでしょうけど、一応家まで送りますよ宇喜田先輩と言う古賀に、頼むぜ古賀と言って疲れた顔をした宇喜田。会話をしながら帰っていく宇喜田と古賀は、最近の出来事を話していく。しばらく会話を続けていると宇喜田の自宅に辿り着いていた。去っていく古賀に手を振る宇喜田は、遂に俺も闇に襲われるようになっちまったなと考える。

 

翌日の高校で宇喜田が、闇に襲われたが何とか弟子を倒したこととその後に弟子の師匠である達人が襲いかかってこようとしたことを武田に語っていると、弟子を倒されたからといって師匠が出てくるなんて非常識じゃなーいと憤る武田。やっぱり普通は師匠が手を出さないものなんだよなと思った宇喜田。

 

古賀が見守ってくれてなければ闇の達人に殺されてたんだろうな俺はと考える宇喜田は、古賀に感謝しておこうと思ったようだ。命を狙われるヤバい世界に足を踏み入れちまった気がするが、自分で選んだ道だから悔やんでる暇はねえと考えた宇喜田は、今よりもっと強くならねえとなと決意する。

 

古賀が高校に登校してきたところで近付いた宇喜田は、昨日は助けてくれてありがとなと言ってから、今日も対武器の鍛練を頼んでもいいかと言う。師匠として弟子を助けるのは当然ですよと言った古賀は、対武器の鍛練は嫌でもやってもらいますんで頼まなくても大丈夫ですよと言いながら机に教科書を入れていく。

 

2人の会話を聞いていた武田が、ボクもまた対武器の鍛練をやらせてもらってもいいかな古賀くんと聞いてくる。別に此方は構いませんが、何度も言いますけどジェームズ志場さんの許可はもらって下さいねと答えた古賀。前に対武器の鍛練をやった後に帰ってから古賀くんの指導を褒めてたし、ジェームズ志場超先生の許可はもらえると思うよと言って笑った武田。

 

そんな武田と古賀の会話を聞いていたヴァルキリーが、あたしも参加したいんだけど、いいかい古賀と聞いてきた。別に構わないけど珍しいねと言った古賀。伸び悩んでてね、新しい環境で鍛練すれば何か掴めるんじゃないかと思ってさと言うヴァルキリーに、それで対武器の鍛練に参加したいと言ってきたわけかと古賀は頷いた。

 

高校の授業が全て終わって、いつもの放課後の用事も済ませた古賀は、梁山泊にて3人と対峙する。今日も弟子が古賀と行う対武器の鍛練を見ていくジェームズ志場。何か1人増えているようであるが、古賀に問題はないようであるなと思ったジェームズ志場は、冷静に古賀の動きを観察していく。

 

以前よりも更に武器の扱いが上達している姿を見て、古賀は武器の扱いも並みの達人以上であると判断したジェームズ志場は、3人を的確に指導していく古賀の育成能力に問題はないようであるなと考えた。我が弟子の鍛練にはなっているようだから、今は任せておいてやるのであーると内心で思いながら鍛練を見ていくジェームズ志場。

 

テコンドー使いの娘も動きは悪くないであるが、典型的な動のタイプで鍛練中に相手の力に呼応して実力が上がっていくのがよくわかるのであると観察を続けているジェームズ志場は、古賀の弟子も動のタイプなのであるなと頷いた。我が弟子は静のタイプであるが、タイプの違う者達を纏めて指導していく手腕は見事であるなと内心で褒めるジェームズ志場は、古賀を高く評価している。

 

対武器の鍛練を終えた3人は疲れきっていたが、確かに武器に対して前よりも対応できるようになったと実感していた。鍛練を行う前と比べて確実に実力が向上している自分達に、古賀の指導が的確だったことを思い出している3人。対武器の鍛練をしてくれた古賀に感謝をした3人は、梁山泊から立ち去っていく。

 

武田はジェームズ志場を背負って走りながらで宇喜田とヴァルキリーは並んで歩いていった。梁山泊に残った古賀は、今度は兼一の対武器の鍛練を行うことになる。最近はよく武器を振るっているなと思いながら手を動かす古賀。兼一に対して武器を振るっていく古賀は、巧みに武器を操るとフェイントを入れて真正面から振り下ろす。

 

脳天めがけて振り下ろされた武器を白刃流しで受け流して鋭い突きを放った兼一。放たれた突きを片手で受け止めた古賀は、武器の相手も慣れてきたかな兼一と聞いてみる。いや普通に怖いですよと答えた兼一に、それでも今は充分動けるようになったから良かったよと古賀は言う。

 

それからも対武器の鍛練を続けていく兼一は、恐れていても身体は的確に動かして古賀が振るう武器を受け流していった。横合いから叩きつけるように振るわれた武器を手甲を盾に受け止めた兼一。攻撃を受けるだけではなく反撃を繰り出していく兼一は、確実に進歩している。

 

こうして兼一は日夜対武器の鍛練を積み重ねていく。日々の鍛練の中に組み込まれた対武器の鍛練は、兼一にとって新しい刺激となっており、兼一の実力を向上させていた。対武器の鍛練が終わりとなったところで、また別の鍛練を始める兼一。梁山泊の内弟子達の鍛練に終わりはない。

 

秋雨が作り上げた鍛練器具を使った鍛練をしていく兼一を横目で見ながら武器の鍛練を行っていく古賀。毎度お馴染みの兼一の悲鳴が上がると今日も兼一は頑張ってるなと思いながら古賀は武器を振るっていく。自在に武器を操って振るっていく古賀の腕前は、初めて武器を持った時に比べればかなりのものになっていた。

 

鍛練を行っていく梁山泊の内弟子達は日々進歩をして前進する。夕食の時間になり鍛練を中止した内弟子達は、しっかりと食事をして消費したエネルギーを補給していく。内弟子達よりも食べる量が多いアパチャイが何杯もおかわりしていった。食事を終わらせた内弟子達は、再び鍛練を始めるようだ。

 

就寝時間ギリギリまで鍛練を続けていた内弟子達。部屋に戻った古賀が屋台に関して考えていると、古賀の部屋にやってきた兼一。どうしたのかなと聞く古賀に、前に梁山泊にやってきた田中勤さんについて少し話がありましてと兼一が言ってきた。

 

田中さんがどうかしたのかなと言った古賀に、以前助けてもらったことがあるんですけど、その時に闇の殺人拳のような目をしていたんで気になりまして、田中勤さんと交流があって知っていそうな古賀先輩に聞きにきましたと兼一は言う。田中さんは師匠を拳聖に殺されているんだよ、間違いなく仇討ちを考えているから闇の殺人拳に似たような目をしていたんだろうねと言った古賀。

 

そうなんですか、田中さんは師匠を失っているんですねと悲しそうな顔をした兼一に、まだ田中さんは迷っているようだから、きっと田中さんの師匠は仇討ちを望むような人ではなかったんだろうねと古賀は言う。それと事情を聞いたからといって兼一は田中さんに強引に踏み込まないようにねと古賀は忠告する。

 

俺が話さなかったら本人に直接事情を聞きに行きそうだったから兼一には話したけどデリケートな内容だから、気をつけないといけないからねと言った古賀に、確かに古賀先輩が話してくれなかったら直接田中さん本人に事情を聞きに行っていたかもしれませんと言う兼一。

 

普通は相手に聞きにくいこととか相手が気にしているようなことを気になったら聞いてしまうところは兼一の悪いところかもしれないねと言ってきた古賀に、相手の逆鱗に触れる天才なんじゃないかと自分でも思いますけど、どうしても聞いてしまうんですと兼一は言った。

 

挑発しているつもりはなくても相手を怒らせることもよくあるんじゃないかなと聞いてきた古賀に、胸を貫く鋭い指摘を受けたかのように胸を押さえながら、た、確かによくありますねと声を震わせながら答える兼一は過去の色々な出来事を思い出して少し落ち込んだ。ああ、やっぱりそうなんだねと頷いた古賀。

 

本当に気をつけた方がいいよ兼一と言った古賀に、気をつけたいんですけど思わず聞いてしまうんですと言う兼一。じゃあもうどうしようもないんじゃないかなと言って哀れなものを見るような顔を古賀はしていた。ああっ、そんな顔で見ないで下さい古賀先輩と頭を抱えて縮こまる兼一は苦悩している。千影ちゃんとの交流でしくじらないように気をつけるんだよと言った古賀に、本当に気をつけますと兼一は言う。

 

じゃあそろそろ寝る時間だから部屋に戻ったほうがいいよ兼一、明日も朝から修行だからねと言った古賀に、そうですね、寝る時間は確保しておかないと困ります、田中さんについて教えてくれてありがとうございました古賀先輩と言ってから去っていく兼一。布団に横になった古賀は、悪い人じゃない田中さんには生きていてもらいたいなと考えて、その為には拳聖は俺が倒さないといけないなと決意した。

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