ラグナレク技の三人衆一番の小物に転生してしまった   作:色々残念

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第34話、防具

これより先は武器組との戦いが頻繁に起きることになる。そうなれば兼一の友人である新白連合にも死者が出かねない。この危機的状況を緩和するべく画期的な作戦を考え出したしぐれ。名付けてしぐれちゃんすぺしゃる!という作戦名を言ったしぐれに、いったいどんな作戦なんですか?と聞く兼一。

 

ひみ、つとしぐれは答える。どうやらしぐれは驚かせたくて兼一達には作戦の内容を言っていないようだった。大荷物を持って出かけるしぐれと空のバッグを背負ったアパチャイに着いていく兼一と美羽。海に来て砂を集めたしぐれはアパチャイと兼一に美羽へバッグに満杯に詰めた砂を背負わせて移動していく。

 

すっかり畑が出来上がっていた闇の武器組の庵に到着したしぐれ達の前に、鍬と野菜を持った鍔鳴りの紀伊陽炎が現れる。紀伊陽炎が用意した今年穫れた芋で作ったようかんに自慢の野菜でつけた香の物をお茶請けにお茶をするしぐれは、例のものは集めてくれた、か?と紀伊陽炎に聞いた。

 

なるべく質のいいのを集めといたよ、どうぞと言いながら用意していた土を見せる紀伊陽炎。ほら、これが頼まれてた装置ですと作っておいた鉄穴流しの装置まで案内して言った紀伊陽炎に、うん、かんぺきと言うしぐれ。何をやっているのかわかっていない兼一におそらくこれは鉄穴流しですわと言った美羽。

 

日本ではこの方法で古来より採取されてきたのですよ、砂鉄がねと紀伊陽炎が言ってきた。軽い土は早く下へ流され、比重の重い鉄を含んだものが上流のほうに残る、これを何度か繰り返して、土の中の砂鉄と、砂の中の砂鉄を取り出し、彼女独自の眼力で、今ミックスしているところだよと砂鉄を混ぜるしぐれを指差して言う紀伊陽炎は鉄のいいかほりと笑っている。

 

砂鉄を使って何をするか聞かれたしぐれは、たたら製鉄すると答えたようだ。土で作った炉を壊し炭によって還元された鉄の塊であるケラから最も良い部分が選別され、そのわずかな最高に純粋な鉄こそが玉鋼と呼ばれるらしい。防具を作り出し始めたしぐれは、お前たちもう帰、れと言い出したので何故ですか?と聞く兼一。

 

ボクは防具を日本刀と同じ工法で作るから、ここからけっこう手間がかかると答えたしぐれ。どのくらい手間がかかるんですか?と聞いた兼一に長い工程を説明していくしぐれに、お疲れ様っしたーっですわと頭を下げて立ち去ろうとする美羽。残ろうとする兼一に梁山泊で一日でも多く修行しろと言ったしぐれは弟子を心配していた。

 

梁山泊にて秋雨が作成した極限トレーニングまっし~ん108号で鍛練をする兼一が悲鳴を上げる。瞬時に力の加わる方向が変わるスプリングを、一定の範囲内に筋力でキープしておかなければ電気が流れる仕掛けとなっている鍛練器具。筋肉反射を利用した鍛練器具によって鍛練をしていく兼一。

 

才能がないものに限界を越えさせる為にはあらゆる摂理を利用しなければねと言う秋雨。そんな梁山泊に足に手紙を巻いた鷹がやってきて無敵超人が世直しの依頼を受け取った。世直しの旅に出る無敵超人がすぐに戻ると言って素早く走り出す。無敵超人を見送った兼一は、そっと美羽の肩を後ろから抱こうとしたが美羽に投げ飛ばされる。

 

新白連合に来ていたしぐれとアパチャイ。完成した防具を新白連合の隊長全員に渡していく。手甲を装着した全員を刀で斬りつけたしぐれ。刀を弾いた手甲が布ではなく絹糸のように細い鎖で編み込まれていることに気付いた新白連合の面々は業物である手甲を作ってくれたしぐれに感謝する。

 

その頃の無敵超人は、八煌断罪刃の小太刀使いによって島に誘き寄せられていたようだ。島には無敵超人と同格である八煌断罪刃頭領、二天閻羅王が無敵超人を待っていた。王をもって王手とすると言った小太刀使い。八煌断罪刃流の戦の檻に閉じ込められることになった無敵超人。殺すことよりも無敵超人の動きを封じることを目的として刀を振るう二天閻羅王。

 

日々鍛練を積み重ねていく梁山泊の内弟子達と古賀の弟子。超人級の梁山泊一番弟子と妙手の梁山泊二番弟子に妙手である古賀の弟子は、地蔵を使って鍛練をしていく。遂に100体の地蔵を背負って鍛練していった梁山泊一番弟子の古賀。3体の地蔵を背負いながら、すり足で素早く動いていく梁山泊二番弟子の兼一。

 

4体の地蔵を背負った状態で両手に一つずつ地蔵を持って筋力鍛練をしている古賀の弟子である宇喜田。それぞれがそれぞれ別の鍛練をしていたが、過酷な鍛練をしていることは間違いない。地蔵を使った鍛練を終えた3人は、組手の時間となる。超人級の古賀が妙手である兼一と宇喜田を相手に零点零零零四%組手を始めた。

 

命懸けの組手であったそれは兼一と宇喜田をギリギリまで追い込んでいき、古賀は2人に限界を越えさせていく。合格と言われるまで零点零零零四%組手を続けて更に実力を上げた兼一と宇喜田は、完全に体力の限界がきていて倒れ込んでいたが馬剣星の漢方によって強引に起こされる兼一。

 

兼一には鍛練が残っているが宇喜田は今日は、これまでとして古賀が背負って家まで送っていくようだ。家まで宇喜田を送り届けた古賀は、梁山泊に戻ると夕食を食べに食卓へと向かう。手羽元の煮込みだった夕ごはんを食べていく古賀の右隣で、ごはんが進むよ!と言いながらおかわりをしていったアパチャイ。

 

古賀の左隣で美羽は料理の腕も上げた、なと頷くしぐれ。そうですね、美羽ちゃんは武術の腕も上がっていますが、料理の腕前も上がってます、美味しいですよ、この手羽元と言った古賀。夕ごはんを食べ終えた古賀は、しぐれから渡された業物の武器を自由自在に振るっていく。

 

武器の鍛練をしている古賀に近寄ってきたしぐれが、今日もやってる、なと言ってくる。日々の鍛練は欠かさないようにしていますからね、もちろん武器の鍛練もやってますよと古賀は言う。いい心がけだ、な、と笑ったしぐれに、何か用ですかしぐれさんと聞いた古賀。

 

太一の武器の鍛練を手伝いにきた、よと言いながら武器を構えたしぐれ。しぐれさん、ありがとうございます、今日もよろしくお願いしますねと言って古賀も武器を構える。熟練した香坂流の技で振るわれていった互いの武器が触れ合うと激しい火花が周囲に飛び散っていく。

 

太一は随分と武器の腕を上げた、なと嬉しそうな顔で言ったしぐれが振り下ろした武器を弾き上げる古賀は、そうですか、しぐれさんが言うならそうなんでしょうねと言って間合いを詰めた。至近距離で武器を打ち合わせたしぐれと古賀の次の動きは全く同じで、まるで鏡写しのようである。

 

数多の武器を振るう両者は武器使いの達人と呼べるものだが、武器の扱いはしぐれが上だ。同じ香坂流の武器使いとして古賀の先にいる師匠のしぐれに、技量が徐々に近付いている古賀は、超人級の実力を発揮していく。武器を己の身体の一部にすることはできていた古賀に、武器と一つになる境地を見せつけたしぐれ。

 

一瞬だけだが武器と一つになることができた古賀に、短期間でここまでこれたなら上出来だ、な、いずれは香坂流の最終奥義も太一には教える、よとしぐれは言うと武器を納める。手入れした武器達を自分の部屋に持っていく古賀は、数種類の武器を置くと再び鍛練に戻っていく。

 

鍛練を始めた古賀を見ていた梁山泊の師匠達は、拳魔邪神と戦った古賀が更に強くなっていることに気付いていた。師匠である自分達を超えてからも進歩を続ける梁山泊一番弟子に負けてられないと思ったのか、暇さえあれば鍛練に励む梁山泊の師匠達。超人級である古賀との組手も積極的に行う梁山泊の師匠達は、更に腕を上げていたようだ。

 

寝る前に組手しようぜと言ってきた逆鬼を相手に組手をする古賀。空手の技を繰り出してくる逆鬼を相手に4つの武術を使いながら戦っていく古賀に、やるじゃねえか太一と笑う逆鬼。組手をしながら逆鬼に空手の勝負を邪魔した拳魔邪神との戦いでは逆鬼師匠に教わった空手しか使いませんでしたが、いい勝負ができたんで空手を教えてくれた逆鬼師匠に感謝しておきますと古賀は言った。

 

じじいが苦戦した相手に随分と無茶をした弟子は叱らなきゃいけねえんだろうが、俺と本郷の勝負を拳魔邪神が邪魔したから空手だけを使って戦ったんだと聞かされると褒めたくなっちまったじゃねえかと言って拳を放つ逆鬼に、空手家として戦ったことは後悔してはいませんと古賀は言い切る。

 

太一に覚悟が決まってたんなら俺から言うことはねえよ、生きて帰ってきてるしなと言った逆鬼。拳魔邪神に助けられた形にはなりますけどねと古賀は言う。先に庇ったのは太一の方だったじゃねえか、拳魔邪神は借りを返しただけって感じに見えたぜと逆鬼は言って胴廻し十字蹴りを繰り出す。

 

借りは返してもらいましたが、此方には返せない大きな借りができてしまいましたけどねと言いながら逆鬼の蹴りを捌いた古賀は間合いを詰めると拳を押し当てた状態から寸勁を放って逆鬼を吹き飛ばした。大きく吹き飛ばされて体勢を立て直し、着地してから本当にやるようになったぜ太一は、と言った逆鬼は嬉しそうな顔で笑う。

 

古賀との組手で更なる領域へと辿り着いていた逆鬼は特A級の達人としての実力を上げていく。戦いの最中に進歩するのは弟子達だけではないようだ。そろそろ寝る時間になるぜと言って組手を止めた逆鬼は、しっかり寝ろよ太一と言いながら去っていった。自分の部屋に戻った古賀は、たたんでいた布団をしいて横になると直ぐに寝てしまう。

 

早朝に起きて走り込みに行った古賀は鍛え上げられた脚力で県外にまで飛び出すとこれまで以上の距離を走って梁山泊に帰ってくる。走り込みを終わらせてから鍛練を始めた古賀の背負う100体の地蔵。石で作られた地蔵は合計で、とてつもない重量であり数がある為に幅もとるので外で鍛練を行う古賀。

 

超人級でも大量の汗をかくほどに過酷な鍛練を行った古賀は、梁山泊にある温泉に直行する。温泉でさっぱりと汗を洗い流して戻ってきた古賀へ、しぐれが、もう温泉入っちゃった、かと残念そうな顔で言っていた。どうやらしぐれは古賀と一緒に温泉に入りたかったようだが馬剣星と朝から攻防を繰り広げていて出遅れたらしい。

 

朝ごはんは一緒に食べましょうよと言った古賀に、う、ん、そうす、ると頷いたしぐれ。一緒に食卓に向かった2人は、並んで座って朝ごはんを食べていく。今日も美羽のごはんは美味しい、なと言って味噌汁を啜るしぐれに、そうですね、今日の朝ごはんも美味しいですと言いながら笑う古賀。

 

朝ごはんを食べ終えた古賀は弁当とお菓子を作っていくと、完成したものを弁当箱と袋に詰めて鞄にしまって梁山泊から高校へと駆け出していった。到着した高校で自分の席に座って教科書とノートを机にしまっている古賀へ話しかけてきた3人。宇喜田とヴァルキリーに武田。

 

しぐれに業物である手甲をもらったことでやる気が刺激されたのか対武器の鍛練をまたやりたいと3人が言ってきたので、古賀は引き受けることにする。今度は新白連合の皆もやりたいみたいなんだけどいいかな古賀くんと言ってきた武田に、構いませんよ、せっかく手甲をもらったんですから使わないのはもったいないですしねと了承する古賀。

 

昼休みとなって屋上に行った古賀が弁当箱を開いていると屋上の扉を開いてやってきたレイチェル。太一のおかずは何かしらと弁当箱を覗き込むレイチェルは楽しそうだ。今日の古賀のおかずは手作りのシュウマイだったらしい。古賀から箸でつまんで差し出されたシュウマイを1個食べて美味しいと言ったレイチェルは笑顔になる。

 

私が作ったのよと言いながらフライドチキンを差し出してきたレイチェルに、フライドチキンを一口かじった古賀は、うん、凄く美味しいねと頷く。互いの弁当を食べさせあった古賀とレイチェルは仲が良かった。そういえば櫛灘千影は、しばらく高校もYOMIの集まりも休みみたいねと言うレイチェルに、その情報は言っても構わないものなのかなとレイチェルを心配する古賀。

 

まあ、問題はないと思うわよ、次に会った時のあの子がどうなってるかは知らないけれどと言ったレイチェルは、古賀の隣に座り込む。太一は拳魔邪神と引き分けて更に拳聖を倒したらしいわね、また強くなったみたいじゃないと言ってきたレイチェル。拳魔邪神を生かすことができなかったから此方としては敗北な気がするけどねと古賀は言う。

 

太一と拳魔邪神の戦いに割り込んだ櫛灘美雲は一影九拳でも立場が悪くなってるみたいよ、拳魔邪神が人越拳神の戦いに横やりを入れたことも問題のようだけど死人に言っても仕方ないと不問にされたから、櫛灘美雲だけに批判が集中して武人とは言えないんじゃないかという意見まで出たようねとレイチェルは言った。

 

何はともあれ太一が生きていてくれて私は嬉しいわと言って笑顔を見せたレイチェルに、生きていられて良かったとは思うよ、こうしてレイチェルにまた会えたからねと言う古賀。笑顔のまま寄りかかってきたレイチェルを支えながら袋からチョコチップクッキーを取り出した古賀は、レイチェルにチョコチップクッキーを差し出す。

 

今日のお菓子は、これなのねと言ってチョコチップクッキーをほうばったレイチェル。とっても美味しいわねと言ったレイチェルに、もう少し食べるかいと古賀は聞く。ええ、いただくわと答えたレイチェルの口に放り込まれていくチョコチップクッキーの数々。兼一の分だけを残して後は全部レイチェルが食べてしまったようだ。

 

美味しかったわ、ありがとね太一と言いながら笑ったレイチェルに、美味しかったなら良かったよと言う古賀も笑う。距離が近い2人は、間近で顔を見合わせて互いに笑みを浮かべていた。古賀が近くにいるといつも笑っているレイチェルに釣られるのか古賀もよく笑っている。

 

これから梁山泊と闇は、ぶつかり合うとは思うけど今日のこの日を忘れないでほしいと言った古賀に、もちろん忘れないわ、太一のことはずっと忘れないから心配しないでいいわよと言ってきたレイチェル。昼休みの終わりが近付いてきたところで、もっと一緒にいたいけど今日はここまでねと言うと立ち上がったレイチェルは古賀に抱きつこうとして避けられる。

 

やっぱり避けるのね太一と言ったレイチェルに、まあ、普通に避けるねと言って再び抱きつこうとしてきたレイチェルを古賀は回避していく。複数の残像を残して去っていった古賀へ、いずれ抱きしめてあげるから待ってなさい太一と1人屋上に残されたレイチェルは言い出す。

 

放課後になって兼一の元に来た古賀が渡したチョコチップクッキーを兼一は1人で食べていく。とっても美味しかったです古賀先輩と言ってきた兼一に、それは良かったと笑った古賀。千影ちゃんは高校にも来ていないみたいですけど、何があったんでしょうかと言った兼一。

 

千影ちゃんは遊園地で宇喜田先輩を殺そうとしたけど殺せなかったみたいだね、泣き出した千影ちゃんを師匠である櫛灘美雲が連れていったらしいよと古賀は言う。あの師匠のせいで千影ちゃんは苦しんでいるような気がしますと言った兼一に、そうだね、あの櫛灘美雲のせいで千影ちゃんは闇に落とされているから、櫛灘美雲さえいなければ千影ちゃんは、ただの子供に戻れると思うよと言って古賀は頷く。

 

新白連合の本部で新白連合の隊長達を相手に、対武器の鍛練をしていく古賀。実力も戦闘スタイルも異なる全員を満遍なく鍛え上げて実力を上昇させていく古賀に、見るからに隊長達全員の動きが良くなっていやがる、超人級の古賀は育成能力も半端じゃねえと驚く新島。

 

俺様の手駒超充実と喜んでいる新島は、だがしかし闇に対抗するには今の新白連合だけでは実力不足なのは間違いねえなと冷静に判断する。いずれは隊長達も達人になるだろうが、今の新白連合の隊長達で戦いになるのはYOMIぐらいだなと新島は考えた。その考えは間違ってはいない。

 

しぐれから渡された業物の手甲を用いて古賀が振るう数々の武器を弾いていく新白連合の隊長達。対武器の鍛練をしていく新白連合は、得難い経験を積み重ねていく。自分達の実力を引き上げている古賀に対して、ここまで人は強くなれるのかと考える新白連合の面々。

 

対武器の鍛練が終わりとなって疲れきった新白連合の隊長達は座り込んでしまう。今日鍛練をやってみて次もやりたいって人はいますかね、いたら手を上げて下さいと聞いた古賀に、新白連合の隊長達は全員手を上げて当然またやると答える。やる気のある面々に気をよくした古賀は、今回は初めての人もいたので軽めでしたが次からはもう少しキツくなりますけどそれでもいいですねと言う。それを聞いた新白連合の隊長達は全員覚悟を決めて頷いた。

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