初めて生まれた可愛い我が子が転生者だった父親の、
簡単に割り切れるものでも、理解できるものでもない。
複雑な気持ちの話。


ラノベでよく見る展開って実際ないよなーと思って走り書きしただけの小説です。


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筆が乗って書き切れました。

特に登場人物の設定も何も考えていないので内容としてはペラッペラかとは思いますが、生ぬるい目で許してくださいお願いしますなんでもry

ちなみに処女作です。

感想ください!!


とある一般転生者父

俺は佐藤三成(さとうみつなり)

年齢35歳

銀行員だ

5年前に出会った妻と一昨年結婚して、息子が一人出来た。

そんな1歳と半年になる息子から衝撃の告白があった。

 

「実は俺には前世の記憶があります。」

 

神妙な面持ちで告白する息子。

 

何を言っているのか分からなかった。

初めは息子のイタズラかとも思ったが、どうやらそうでは無いらしい。

息子が未だ知るはずもない敬語を使い初め、

知るはずもない知識を披露したところでどうやらこれがただの子供のイタズラではないと判断し、本腰を入れて話を聞くこととなった。

 

享年は37歳、

彼は日本に産まれた普通の日本人だったらしい。

職はなく、ある日女子高生を庇ってトラックに轢かれ、気づいたら赤ん坊になっていたらしい。

 

そんな衝撃的な告白であった。

 

私はどうしたものかと悩んだ。

聞くところによるとこの子は生まれた時から記憶があったようで、つまり今まで愛情を持って育てていた我が子は紛うことなき前世を持ったこの子であるらしい。

横で聞いていた妻は混乱したいるようで未だ何も口を開かない。

今日はクリスマスで妻が用意した料理にもまだ手をつけていない。

 

「少し、時間をくれないか」

 

考える時間が必要と判断し、

私は息子を部屋に連れていき、妻と2人になった。

呆然とする妻になんと声をかければいいか分からない。

確かにあの子はそこまで泣くことも無く、大人しい子供であった。

が、さすがに前世というものは想像もしていなかった。

 

「どういうこと…?」

 

妻がやっと口を開いた。だがその顔は青白く。とてもではないが正常な状態ではなさそうだ。

当たり前だろう。私も同じようなものだ。

ただ私はまだ現実を受け止められていないだけなのだろう。

 

「つまり私が育てていたのは私より年上の誰とも分からないオッサンだったの…?」

 

佐藤モモ

年齢32歳

専業主婦

 

私の妻だ。

誰よりも愛おしい

私の妻だ。

 

「誰とも知らない人に私のおっパイは吸われていたの?」

 

「下の掃除をしていたの?」

 

「愛情を注いでいたの?」

 

「じゃあ私の本当の息子はどこ…?」

 

彼女の瞳に狂気が見えた。

 

咄嗟に私は彼女を抱きしめた。

優しく、何とも分からぬものから守るように。

私の愛した妻がどこにもいかないように力強く。

 

 

彼女にかける言葉が見つからない。見つかったとしても、言ってどうにかなるのかも分からない。

しかし、このままでは取り返しのつかないことになると思った。

 

どうすればいいのか私にも判断がつかない。

頭の中には彼を擁護する言葉と批判する言葉がとめどなく溢れてくる。

 

ーーーあの子の前世がなんであろうとあの子はあの子だ。

 

ーーーだが彼は体が子供なだけで精神は他人だぞ。

 

ーーーあの子は打ち明けてくれた、それには途方もない覚悟が必要だっただろう。

 

ーーー言う必要があったのか?それは俺たち夫婦の幸せを壊す以外のなにかがあったのか?

 

ーーーあの子に何も罪はない。

 

「どうすればいいの……」

 

胸の中で妻が涙を流す。

そうだ。辛いのは彼女の方だ。ここで俺が弱音を吐く訳にはいかない。

 

「大丈夫。大丈夫。落ち着いて」

 

「俺が何とかする。」

 

本当はなんのプランもない。

だからこれはただの嘘だ。

 

「今日はもうゆっくり休もう。俺も明日は会社を休むから」

 

こんなことがあったのだ。妻も疲れただろう。明日は一緒にいよう。

 

「俺が話してくるからここで待っていてくれ。」

 

妻をあやし、俺はあの子がいる部屋に行く。

 

俺が扉を開けるとあの子は何をするでもなく床に座っていた。

俺たちの会話も聞こえていたのだろう。

その顔は不安で溢れていた。

 

「父さん…」

 

彼は俺にそう言ってきた。

そういばあまり気にしていなかったが「父さん」なんて言葉教えていなかったな。他にも教えてない言葉をよく話していた。

今考えてみると前世があることを隠す気があったのかすら怪しい。

 

今まではテレビドラマ等で覚えたのかと思っていたが。

 

そうか。

 

前世で知っていたのか。

 

その事に俺は気づいてしまった。

 

その瞬間、俺に例えようもない気持ちが湧いてくる。

そして、脳内にこの子との思い出がまるで走馬灯のように蘇ってくる。

 

 

初めて言葉を発した日。あれは俺が仕事から帰って疲れていた日だったな。

妻が嬉しそうにお前を連れてきて

 

「ほら!もう1回言って!まーま!まーま!

 

「ま…ま…」

 

「キャー!可愛いー!」

 

仕事の疲れなんて吹っ飛んだよな。

 

 

初めてハイハイ出来た日。

休日にハイハイができるまでずっと妻と練習してる所を見てたよな。

上手くできないお前を見て、俺も妻も笑ってたのをよく覚えてるよ。

 

「できるかな〜、できるかな〜」

 

「そんな簡単にはできるようにならんだろう」

 

「出来たわ!家の子は天才よ!」

 

「なに!?」

 

初めて立った日。

朝起きたらいつの間にかつかまり立ちを覚えてて俺も妻もびっくりしたよ。

あれは一体どこに行こうとしてたんだ?

 

「教えてもないのに出来るなんて、うちの子は一を聞いて十を知る子ね!」

 

「親バカになりすぎるなよ」

 

 

初めて…パパと呼んでくれた日。

なかなか呼んでくれないから俺もムキになって言わせようとしてたよな。

けど一緒にお風呂に入ってる時にやっと呼んでくれて。

 

「パーパ、パーパ、パーパ、パーパ」

 

「パパ」

 

「おーい!!!ついに呼んでくれたぞー!!」

 

「あなたはしゃぎすぎよー!!」

 

 

感情が溢れてくる。

この子の成長が嬉しかった。ただただ嬉しかった。

一生に一度の「初めて」を見れて。

……本当に嬉しかったんだ。

 

けれど。

 

この子にとっては「初めて」でも何でもなかった。

初めから出来ることで、知っていることで。

 

それを時期を見て披露しているだけで。

当たり前にできることを、当たり前に披露していただけで…。

 

ハハッ…

……それじゃあ、喜んでた俺たちが。

 

 

まるでバカみたいじゃないか。

 

 

それがたまらなく悲しかった。

悲しくて哀しくて。

 

スっと。

今日初めて涙が出てきた。

 

「君は」

 

妊娠が分かった時、本当に嬉しかった。

日々膨らむ妻のお腹がたまらなく愛おしくて。

生まれてきた時、こんなに小さくて生きていけるのかと心配になって。

君を守ってやらないとと思った。

何も知らない君をこの世の全てから守ってやらないといけないと思って。

父親としての覚悟を決めて。

 

少しづつ大きくなる君が、日々成長してくれる君が。

俺にとっては、何よりも大切で。

 

「俺の息子なのか…?」

 

今はもう分からない。

分からない。

何が正しいのか

 

俺にはもう、分からない。

 

 

 

 

 


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