【ポケモン異聞帯】ポケモンがソシャゲ化したとは聞いたが、型月なんて聞いてないんだが()   作:村ショウ

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シンオウ神話を引用していますが一部、改変されてたりします。
続きをどうぞ。


02.異聞帯の始まり

それは混沌のうねりしかない空間にひとつの卵として生まれた。

 それは最初のものであり、三つの自身の分身を作り出した。

 

 そして、時間が回り出した。空間が広がりだした。ひとつは世界の裏側へと追放した。

さらに、自分の体から三つの命を生み出した。

二つの分身が祈ると、もの というものが生まれた。

三つの命が祈ると、こころ というものが生まれた。

世界が作り出されたのでそのポケモンは眠りにつこうとした。

 

その時、そのポケモンの心の中には何か足りないような違和感があった。されども、世界を見守り眠り続けることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 俺は目の前が真っ暗になっている間に夢の様なものを見ていたらしい。サーヴァントの記憶を見るというあの現象に近いものだろうか。

 

 目を開けるとそこは山の上で、雪景色広がる絶景があった。

 

 しかし、厳密に言うと山の頂上ではない。下にガラスの様に透明な床があり、下には光の階段と神殿のようなものが見える。

 この場所はどこかで見覚えがあった。そう、テンガン山の頂上にある『やりのはしら』である。『やりのはしら』とは、ゲームにてそのパッケージの伝説のポケモンとの戦闘イベントが発生する場所だ。

 そうなると、今いる透明な床はアルセウスが捕獲可能な通常プレイでは行けない場所だった『はじまりのま』ではないだろうか。

 つまり、言うまでもなくここはシンオウ地方であり、ついに念願のポケモンの世界に行けたといことであろう。

 

 なんか、あまりの事に一周回って冷静になってしまったが、ヤバいもうまじもう無理。(限界オタク)

 何故、こんな事になっているか考えるより二次創作的な感じで好きだったサーナイトやエーフィ、ゲームの時に相棒のトゲキッスなどを実際に見てみたいという思いが沸き立ってしまう。好きなポケモンと実際に触れ合う事が出来るとか、誰でも興奮してしまうやろ……。(決して、エロい意味じゃなく)

 

 いかんいかん、現実逃避をしている場合ではない。ヒロイン風アルセウスがいるのだ。下手をしたらどうなるか分かったものでは無い。劇場版でも人間に騙されて大暴れするくらいには人間味がある。

 ポケモンなのに人間味とは一体……? 

 そういう訳で、普通に地雷を踏んだら死ねる。ポケモンでラスボス系ヒロインとか世界観間違えてません……? 

 あ、ここ型月世界だったわ……。

 

 それにしても、そのラスボス系ヒロインが見当たらないのだが、どういう事だろうか。

 と言うよりも、そもそも何故、この世界にアルセウスがいたのか(・・ ・・・・・・・・・・・・・・)? 

 

 まず、情報を整理しよう。正しいかどうかは抜きして、転生で得た魔術知識を含めて、真面目な考察になるかも知れないが今の自分なりに解釈するならば……。

 

 まず、アルセウスの名前の由来だ。

 アルセウスの名前は『アルティメット(究極)+「始まり」を意味するα(アルファ) または アルケー + ギリシャ神話の最高神であるゼウス』が由来であると言う説があった筈だ。そして、後者のアルケーという言葉は、XYの劇場版でアルセウスと関係のある一族が住むアルケーの谷として登場している。アルケーの谷がアルセウスの谷という意味なら、この説はあながち間違っていないのかもしれない。

 

 そして、アルケーの意味には『万物』、『原初』、『根源』という意味もある。型月だとどれも聞き慣れた言葉ばかりであるし、どれも大体ヤバい物やその説明につけられている言葉だ。後、こちらは本来のアルセウスの意味に近いが『宇宙の根源的原理』といった意味合いもある。

 自分が型月世界を知っているが為にアルケーの意味に対してそれらの言葉が浮かんだが、もしかしたら別の意味で使われているのかもしれない。

 

 

 そもそも、これだけではただ訳したに過ぎない。

 であれば、何か関連性のあるものを知識を振り絞って考える。

 元を辿れば、アルケーは古代ギリシャに関連する言葉だが、キリスト教関連も含めることで『ロゴス』という単語と深く関連づくことがある。

 

 例えば、こんな話もある。

 

「アルケーとしてロゴスがいた。ロゴスは神とともにおり、ロゴスは神であった。このお方(=ロゴス)は神とともにいた。すべてのものは彼(=ロゴス)を通して存在するようになり、彼(=ロゴス)なしで存在するようになったものは無い」

 

 アルケー=神、ロゴス=イエス·キリストとすることもあるが、ロゴスは神の言であるとされたりする。それは、神の言葉を伝えるのがキリストだからという話でもあるが……。

 

 何故キリスト教を持ち出したのかと言うと、少し弱いながらこのアルケーとロゴスの関係が、ポケモンに関係を持たせるひとつの欠片になるからだ。

 

 ギリシャでのアルケーの対義語はテロス(意:終わり、完成、目標)であるが、『黙示(録)』や『啓示(の書)』などと訳されている書で、イエスは「わたしはアルパであり、オメガである」と述べたと記されており、このアルパ(Α)とオメガ(Ω)はギリシア語アルファベットでの最初と最後の字母である。加えて、アルセウスを正面から見るとこのΑ(アルパ)に見えるという話もあった。

 そして、ルビサファのリメイク版であるアルファサファイア・オメガルビーの頭につく言葉だ。ポケモン世界においてもこの概念があると言えなくもない。

 

 そもそも、ギリシャ的にはロゴスは世界を構成する論理であるので、それを神と同一視するのは間違いではない。

 

 ヨハネの福音書冒頭では『はじめに言(ロゴス)があった。言は神とともにあり、言は神であった』といった事も書かれている。

 

 アルセウスがアルケーであり、ロゴスでもあるのなら、ロゴスの対比として用いられる『ミュトス』という言葉をご存知だろうか。

 

 ミュトスは神話と訳されることも多いが、悲劇や喜劇、童話など人が語る物語やお話を指す。

 これがこの世界のアルセウスとどう関係するのかと言うと、このミュトスに対してロゴスはあるとされていて、このふたつはそれぞれ対比的にミュトスは『空想』、ロゴスは『理性』の意味を待つ。

 

 即ち、『空想』に対して『理性』があり、『物語る言葉』に対して『論証する言葉』があるのである。

 

 そういう風に捉えれば、ロゴスたるアルセウスと名前からしてミュトスであろう空想樹や実態が存在しない異星の神は、対する言葉になる。

 この世界でも映画版アルセウスのように隕石で瀕死に陥っていたことがあるならば、それは何故かという疑問にも答えが出る。

 

 それはこの世界においてアルセウスが隕石を撃退したが、その隕石の威力が瀕死クラスの強さなら、FGOの第二章の様な形での異星の神の様な存在からの(そら)……、外宇宙(そら)からの侵攻ではないだろうか。

 

 そうなれば、既にアルセウスは異星の神と類するものと戦っていた可能性が出てくる。

 

 同じくU(ウルトラ)を持つU・オルガマリーを考えるにこの世界のUB(ウルトラビースト)も似たような扱いになるのかもしれない。ビースト自体は人類愛が必要なはずではあるが……。

 UB≒ビーストと仮定した場合、アルセウスをモチーフにしているであろうタイプ:ヌルがUB対策だったりするのを考えれば、ロゴスとミュトス説的にもアルセウスがビースト特攻の可能性はある。

 後、剣盾のコズモッグが現れると他のUB(ウルトラビースト)が出現しているのも、ビーストⅠが現れると次々に現れる性質に酷似していると言えなくもない。

 

 だが、これはまだあくまで妄想の域を出ない。

 しかし、隕石による攻撃がこの世界での異星の神によるものかどうかは置いておくとしても、神話的に考えるてもアルセウスは同じように強大な存在だったあるポケモンと既に戦っている筈だ。

 

 そう、ギリシャ神話の巨人が元ネタだと考えられるポケモン……。

 特性:スロースタートではないプレートの力を持ったフルスペックのレジギガスだ。

 レジギガスをこの型月世界で考えれば、元ネタ的に『セファールの白き巨人』、つまりセファールやアルテラに該当する扱いになるだろう。汎人類史ではセファールにゼウスは負けているが。

 

 そうなれば、アルセウスも大西洋異聞帯が成立した理由である神々がセファールに勝つというのを果たしたことになる。

 

 何がどうなれば、こんな異聞帯が生まれるのかは分からないが、大西洋異聞帯クラスの改変を余裕で超えている。

 

 違う点としたら、ゼウスは人を完全支配したが、アルセウスはポケモンを含めた共生を選んだというところか……。

 

 

「目覚めたようだな……。我が主よ」

 

 アルセウスの声に思考が遮られる。

 

 そろそろ、状況を教えて欲しいものではあるが……。

 

「我が主がそういうのも分からなくはないが、目覚めたなら元の場所、カルデアだったかに戻らなくてはあやつらに気づかれてしまうだろう。主が異星の神と呼んでいるやつらに……。我としてはいて欲しいが」

 

 なるほど。確かにいくら量子化されるようなコフィンの中でも死体もないのでは不味い。異星の神からしたら取るに足らない存在とはいえ、それでも1人消えていたら不審に思うかもしれない。

 

 

 すると、あの世界に戻るためか説明もなしに、ウルトラホールの中のような幾何学的でいてカラフルな光と車酔いの様な感覚に包まれた。

 

 それが終わると、今度は別の光の塊が見えた。

 

『 蘇生おめでとう。

 キミであれば、世界を救えると信じていたよ。

 こんにちは。キリシュタリア・ヴォーダイムと予定外に生き残ったもう1人のキミ。

 キミたちの情報伝達はコレでいいのかな。

 言葉とはまた、煩雑な手段を選んだものだ』

 

 まるで、生まれたての子供の様に疲弊しているとオフェリアに評されていたキリシュタリアが、俺というもう1人の生存者がいることを聞いて僅かながらに驚いた表情を見せた。流石に、この状況では誰かまでは分からないだろうが……。

 

『いま我々は状況を共有した。

 人理とやらは焼却し、過去は消え去るだろう。

 だが、それは我々に関係のない話だ。

 そこのキミの生存の様に、予想外であっても予定を変える程でもない』

 

 どうやら、俺という存在は人理焼却同様、見逃されたようだ。よくよく考えれば、ただの人間の生存より獣による人理焼却の方が影響は大きい。それが見逃されるならこっちも変わらないだろう。

 

『侵略によって虚空(ソラ)は閉じ、

 キミたち人類も、ようやく終了を迎える。

 だがこの喜ぶべき偉業において、

 神にはまだ肉体がないんだ。

 協力してくれるね、

 キリシュタリア・ヴォーダイム』

 

 予定調和の様に、生存している俺を無視してキリ様だけが伝道師として相応しいと選ばれる。いや、生き残ったくらいではそう選ばれることはあり得ないが。

 

 

「 いや、私だけでは不十分だ。協力者として他の7人も推薦する」

 

 ストーリー通り、いや俺が1人加えられた形でキリシュタリアは宣言する。

 

『不可解だ。

 白紙化地球においてキミは無敵となる。

 単体で成立するというのに、

 なぜ他の競合を求めるかね? 』

 

「それは理解している。しかし、無敵と万能は違うものだ。他の7名が私に勝る可能性はゼロではない。

 僅かな可能性があるなら、私はこれを切り捨てない。

 特にあの爆発を生き残ったものがいるなら、その彼、彼女こそ相応しい。

 彼らにも選択の機会を。

 人類史を再編するというのなら、私ひとりでは意味が無い」

 

 生き残った俺に対して、そういった期待をキリ様から持たれると困るが、無敵と万能に関してはアルセウスも同様だ。劇場版では万能に近い存在でありながら、人間に騙されている。

 奇しくもアゾられたキリ様と重なる。

 出来れば、救いたい……。

 

『──状況の変化を確認した。

 対価は、いま支払われた』

 

 その後はキリ様が原作通りに辛い道を選び、クリプター全員を蘇生させた。

 

『選ばれし君たちに提案し、

 捨てられた君たちに提示する。

 栄光を望むなら、蘇生を選べ。

 怠惰を望むならば、永遠の眠りを選べ。

 神は、どちらでもいい(・・ ・・・・・・・)

 

 どうやら断ったら、俺も殺されそうだ……。

 

「しっかり全員そろったようだね。

 分かっていたが、みな負けん気が強い」

 

 キリ様が復活したクリプター達を見て、そう告げる。

 

「おうとも。あんな話をされて乗らないヤツはいないだろう? 

 デカすぎる話は手に余るんだがね、断れば死ぬってんだから、ノーは言えないよなぁ? 」

 

 ベリルはお調子者の様に軽口で話すが、原作通りなら警戒しないと不味いだろう。

 

「……私は死んでも良かったけど。

 異聞帯(ロストベルト)、というものは無視できないわ。

 人類史は脆弱なものだけど、だからこそ、そんな揺らぎを許容していたのね」

 

「……なんでもいいさ。

 面倒な話だが、チャンスは全員にある。

 いいさ、やってやるとも。

 とにかく世界を救えばいいんだろう? 」

 

 茶ヒナコとカドックは原作通りの内容を話す。

 

「そうだな。せっかく貰ったチャンスだ。何とかものにしなきゃならないな。キリシュタリア様(・・・・・・・・)

 

 ついで、俺も便乗しておく。

 

 会議の終わり、あのあとキリ様に話さなかったことを詰め寄ったオフェリアも解散した後、俺はキリ様から呼び出しを受けた。

 

「どうやって、君は生き残った? いや、この質問はよそう。君にも何か秘密があるのだろう……。先程の物言い、普段の君とは違うように感じる」

 

「いやぁ、Aチームの為にアレを成して、なおかつ、それとはまた別の姿を見せなければならないキリシュタリア様にせめてもの感謝を伝えたいものでね?」

 

 理想像を演じ続ければならないキリシュタリアを自分は知っているとすることで、多少はあの天然的な本性を出してもらったり、本音をいえば信頼を勝ち取りたい。

 

 

「なるほど。君はそこまで知っているのか。私もアレを生存した君に感謝、いや敬意を評そう」

 

 驚いた顔を見せるキリ様。そういった形で人理焼却後、初のコミュニケーションは幕を閉じた。

 




色々と型月世界とポケモンをこじつけてるけど、空想樹の時にキリ様が空想の根は落ちた、創造の樹は地に落ちたとか言ってるのでその辺でも関連付けられるかもしれない。

後、HGSSのシント遺跡のシンオウ伝説をレベル1(演出ではタマゴ)で入手できるイベントでシロナさんが
『タマゴはあらゆる命を その中で 育むもの
あたし達の住むこの星もタマゴの様なもなの………
タマゴから生まれた命はやがて、燃え尽きて
そして
新たな命に再生する……
アルセウスがあたし達に見せようとしたのはそういうことかもしれないわね』
と発言してるが、ポケモン世界でもなんだかゲーティアの逆行運河/創世光年みたいな事が出来そう。
この話はポケモンの中では珍しく実写描写だったり、BGMも壮大なのでyoutubeなんかに上がってるプレイ動画何かを見るとより楽しめるかも。
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