ヴィーナスクラシック -GBNがサ終になった世界-   作:星龜

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プロローグ


 

3年前の年末…

 

ガールズGPDフォース【ヴィーナスアーク】のメンバーだった

天野(あまの) 翔子(しょうこ)

 

【挿絵表示】

 

は、【ヴィーナスアーク】のリーダーに選ばれた…。

 

 

それは、あまりにも、突然の話だった。

 

リーダーから

大事な話があるから、GPDアリーナ【ヴァンキッド】に来てほしい…

と言われたので、行ってみると…

 

話というのは

翔子(ショウ)にリーダーの座を譲渡する《b》…

とのこと…。

 

「そんな…!?

私はまだ、中3ですよ!?

受験控えている身ですよ!?

私にはムリです…!!」

と、翔子(ショウ)は断ったのだが、しかし、リーダーは

 

「大丈夫。

翔子(あなた)にならできるわ…。」

と言って、半ば強引に、翔子(ショウ)にリーダーの座を譲った…。

 

なぜ、彼女が、まだ中学生であった翔子(ショウ)に、リーダーの座を譲ったのか…?

 

その真意は不明だった…。

 

しかし、これは

《b》重大なミス

だった…。

 

 

ガールズGPDフォース【ヴィーナスアーク】は

ヴィーナスクラシック

の常連GPDフォースだった。

 

ヴィーナスクラシック

とは、日本某県にある、ここ、女神市で毎年行われる

女性GPDフォースのみで行われるGPDの大会

のことだ。

 

元はGBN時代に、とあるフォースが主催していたミッションだったらしく、GBNのサービス終了後に、そのフォースのリーダーだった人物が、GPDに持ち込んだのが始まりとされている。

 

ヴィーナスクラシックは、日本全国ではなく、ここ女神市限定のイベントであること…

そして、そのヴィーナス クラシックの情報を発信しているSNSのサイト【ヴィーナスクラシックマニアックス】も女神市のみで配信されていることから、当サイトの管理人が、ヴィーナスクラシックの主催者だと言われている―。

 

 

【ヴィーナスアーク】のリーダーとなった翔子(ショウ)だったが…

 

翔子(ショウ)がリーダーになってからは連敗を重ね、ついにフォース結成以来、初めてヴィーナスクラシック出場を逃してしまい…

 

翔子(ショウ)は【ヴィーナスアーク】から追放された…。

 

 

女神市立叙星(じょせい)高校に入学した翔子(ショウ)は、新たに

シャイニングデイズ

というガールズGPDフォースを起ち上げ、ヴィーナスクラシック出場を目指した…。

 

しかし…

 

またしても、予選で敗退し…

 

メンバー達からも見放された…。

 

 

翔子(ショウ)はまた、1人になってしまった…。

 

 



 

フォースメンバー募集中!!

 

ただいま、GPDフォース【シャイニングデイズ】は、フォースメンバーを募集しています!!

 

加入したい方は、こちらまで!!

 

[連絡先のURL]

 



 

叙星(じょせい)高校2年2組の教室―。

 

 

昼休み―。

 

「はぁ…。」

と、スマートフォンの画面を見て、ため息をつく翔子(ショウ)…。

 

(なんとか、ヴィーナスクラシックの予選が始まるまでに、最低でも3人そろえないと…。)

と思って、【ヴィーナスクラシックマニアックス】のフォースメンバー募集欄に広告を出したが、いまだに加入希望者が来ない…。

 

 

翔子(ショウ)は、11歳の頃からGPDを始め、13歳で【ヴィーナスアーク】に加入し、15歳の時に【ヴィーナスアーク】のリーダーとなったのだが…

 

翔子(ショウ)がリーダーになってからは、【ヴィーナスアーク】は連敗を重ね、ついに、フォース結成以来、初めてヴィーナスクラシック本戦出場を逃したことで、翔子(ショウ)は【ヴィーナスアーク】から追放された…。

 

この一件は【ヴィーナスクラシックマニアックス】でも紹介されてしまったため

GPDの界隈では、翔子(ショウ)は悪い意味で有名人

だった…。

 

そんな人物が結成したGPDフォースに入りたいと思う人など、いるはずもなく…

 

ついには、フォースメンバーに見放されてから、1年が経っていた…。

 

 

(ようするに、私にはリーダーの資質は無いのね…。)

と思う翔子(ショウ)…。

 

たしかに、翔子(ショウ)はデュエリストとしては優秀だが

リーダーに不可欠な人心掌握術は持ち合わせていない…。

 

これでは、フォースリーダーがつとまるはずがない。

 

だから、翔子(ショウ)も腹を括った。

 

これで終わりにしよう―。

 

 

放課後―。

 

翔子(ショウ)はGPDアリーナ【ヴァンキッド】に来た。

 

店名の由来は

はるか昔に放送されていた、特撮番組のタイトル

だと、翔子(ショウ)は聞いている。

 

店内には、フリーデュエル用のデュエルステージが4基据えられている、女神市内でも中規模なGPDアリーナだ。

 

平日の夕方だというのに、4基のデュエルステージのまわりは、見物客でいっぱいだった。

 

そんな、見物客達の間を縫うようにすり抜け、翔子(ショウ)は受付へと向かう。

 

「いらっしゃい…

…って、なんだ、天野か…★」

と、受付カウンターにいる、身長190はあろう長身で髭面の中年男性が言う。

 

「客に向かって、なんだはないでしょ、オーナー★」

と言う、翔子(ショウ)

 

そう…

 

この、受付にいる、長身で髭面の中年男性が、【ヴァンキッド】の店長(オーナー)・天馬 ノボルだ。

 

「どうだ?

あれから、誰か来たか?」

と、フォースメンバー募集の結果を翔子(ショウ)に訊くノボル。

 

「誰も来ないわ…。

ヴィーナスクラシックの予選までに誰も来なかったら…

GPDを引退

しようと思ってる…。」

と言う翔子(ショウ)

 

「そいつはよくないな★」

と言ったあと

「あいよ☆

4番ステージ、夜7時から☆」

と、チケットを翔子(ショウ)に渡すノボル―。

 

 

チケットを受け取った翔子(ショウ)は、イートインコーナーに行き、空いている席に座る。

 

その際

左手首に黄色のリストバンドを付ける

 

これは

対戦相手募集

を意味する。

 

まもなく

 

「あの…」

と、翔子(ショウ)と同じ、叙星高校の制服を着ているが、1年生の学年証を付けた、ショートヘアーの少女に声をかけられた。

 

「4番ステージで、夜7時から。」

と言う翔子(ショウ)

 

「ありがとうございます☆」

と、頭を下げる、対戦相手の少女。

 

そして

「あの…

【シャイニングデイズ】の、天野 翔子…先輩ですよね…?」

と訊く、対戦相手の少女。

 

「そうよ。」

翔子(ショウ)が答えると

 

「私、1年3組の

森永 奈緒美

っていいます☆

よろしくおねがいします☆」

と、元気よく自己紹介してくる奈緒美。

 

【挿絵表示】

 

と、そこに

「お〜、天野じゃないか。」

と、背の高い、メガネをかけた女性が、翔子(ショウ)に声をかけた。

 

彼女の名は、先山(さきやま) 愛姫(あき)

 

【挿絵表示】

 

愛姫は、ここで

初心者狩り

をしている

29歳 独身

のデュエリストだ。

 

初心者狩りといっても、初心者を潰すのではなく、あくまで

鍛える

ために行っている。

 

対戦相手も、その事について理解しているため

初心者が乗り越えるべき壁

として、愛姫は多くのデュエリスト達から慕われている。

 

なお、愛姫いわく

アラサーと20代後半は意味が違う

とのことで、ついうっかり、愛姫にむかって

アラサー

と言ってしまったら…。

 

 

「奈緒美とヤるのか?」

と訊いてくる愛姫。

 

「はい。」

翔子(ショウ)が答えると

 

気合入れていけ

よ…。

奈緒美…

強いぞ…!!

と言う愛姫。

 

「どれくらい強いんですか?」

と訊く翔子(ショウ)

 

私に勝っている。」

と答える愛姫。

 

愛姫の表情が、冗談や脅しで言っているのではないと語っている…。

 

「えへへ☆」

と、奈緒美は照れ笑いしている…。

 

(愛姫さんに勝っているのか…★

相手にとって、不足無いわね…☆)

と、翔子(ショウ)は奈緒美を見据えた―。

 

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